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【やらない夫は約束を守るようです】 Episode.二人の騎士 第九章 英雄と言う名の猛毒 2018年11月07日 【やらない夫は約束を守るようです】 トラックバック:0コメント:0




437 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:30:13 ID:VkRf532r
九1.
今日は不死鳥の月、十四日。

あの戦いからもう八日が経過しようとしている中、
冬の冷たい大気に負けないよう、威勢の良いのかけ声が中庭に響いていた。





\よーし、引っ張れぇぇぇ!/

                      \せーの!/

                          。
                     。  。     |     。  。
                      |.  |     |:|    |.  |
                   ||  ||    |.:.|    ||  ||
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              。     |.:.|. |.:.|   ,.傘.,   |.:.|. |.:.|      。
               |       .|∧||∧| ,傘傘傘, |∧||∧|       |
     。  。       ||.     (VVVV).傘傘傘.(VVVV)       ||      。  。
     |.  |      |:|      {∽}{∽}}}傘傘傘{{{∽}{∽}      |:|      |.  |
    . ||  ||     |:.:|    ,傘|l~~|l~~|}}个个个{{|l~~|l~~|傘,    |:.:|     ||  ||
    |:|. |:|    lvvl .,.,傘傘|∩||∩|}::::/⌒ヽ :{|∩||∩|傘傘,.,. lvvl    |:|. |:|
    .|.:.|. |.:.|.     |∩|傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘|∩|     .|.:.|. |.:.|
   |∧||∧| ,.,.,傘||"||傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘||"||傘,.,., |∧||∧|
   (vVVVV)傘傘{∽}个个个{∽}{∽}}:|三ニ三|:{{∽}{∽}个个个{∽}傘傘 (VVVVv)        |
   山i!山i山傘傘|三|!|/⌒ヽ!|l~~|l~~|}:/个\ {|l~~|l~~|!/⌒ヽ|!|三|傘傘山i!山i山          ∧
   ||^^||^^|个l个{∽}!||:.  ||{∽}{∽}}:{ニi二iニ}:{{∽}{∽}||:.  ||!{∽}个l个||^^||^^|       /;;;;;ヽ
   || l|| l|::::::::::::|三|!|iニニニi||l~~|l~~|}::::/\::::{|l~~|l~~||iニニニi|!|三|::::::::::::|| l|| l|        | ∩ |
   || l|| l|/l\||: ||!|/l\||| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l||/l\|!||: ||/l\|| l|| l|  /\  |ニニ|
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   |∬||∬|::|___l: |§|!|:|l  l|:||∬||∬|}:::, '三`、::{|∬||∬||:|l  l|:|!|§|::|___l: |∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   {})({i})({}iニニニi{({})}!!.!|,,, l|:!{})({|})({}}::|皿l皿|::{{})({|})({}!:!|,,, l|:!!{({})}iニニニi{})({i})({}:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
   || l|| l|鬥l鬥||: ||!|鬥l鬥||| l|| l|}|鬥轟鬥|{|| l|| l||鬥l鬥|!||: ||鬥l鬥|| l|| l|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   || l|| l|/⌒ヽ||: ||!|/⌒ヽ||| l|| l|}|iiiiiiiiiiiiiiii|{|| l|| l||/⌒ヽ|!||: ||/⌒ヽ|| l|| l|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
   |∬||∬||:.  ||§|!||:.  |||∬|∬||}|iiiiiiiiiiiiiiii|{||∬|∬|||:.  ||!|§||:.  ||∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   |凶||凶|iニニニi|凶|!|iニニニi||凶||凶|}|二二二|{|凶||凶||iニニニi|!|凶|iニニニi|凶||凶|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄











439 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:31:13 ID:VkRf532r
九2.
すでに十七時を回っており、
夕闇が差し迫ったあちこちには篝火が焚かれ、魔法の明かりも数個浮いている。

そんな中、汗だくの大工や職人達は石切場から引かれてきた石を切ったり加工したりしており、
騎士達は主に輸送の手伝いをしているのだ。



    /\        /\
    /:::::::ヽ____/::::::::ヽ、
   丿 ::.__  .:::::::::::::  __  ::::ヽ_       ,. 、       /   /
  / /。 ヽ_ヽv /: /。ヽ  ::::::ヽ    ,.〃´ヾ.、  /  /
 / / ̄ ̄√___丶  ̄ ̄\  ::::| / |l     ',  / /
 | .:::::::::: / / tーーー|ヽ     ..::::: ::|r'´  ||--‐r、 ',    野郎共!
 | .:::::.  ..: |    |ヽ   .,..ィ'´     l',  '.j '.    騎士の皆様に負けないように引っ張らんかぁ!!
 | :::    | |⊂ニヽ| |  'r '´         ',.r '´ !|  \
 | :    | |  |:::T::::| !  l!     ....:.:.:.:.:.:ヽ、   ,l    \
 \:    ト--^^^^^┤   ゝ、.,_ ---‐‐‐----ゝ、ノ



    l\          /|
    |  \       /  |
    |u J \    / u u|
    | u    \──  J |
    |    u     し  |
    | し     J      |
    |    J ハ    ハ u|    「そうは言っても親方ァ!
    |  u   J         |     あの人達、半端じゃないですよーーー!」
    \ u      q   J /
      >     u  <
     |  し     J |
     |    u  u   |


440 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:32:12 ID:VkRf532r
九3.
国王の執務室まで届いてくる騒がしいやり取り。

その中に混じるように扉がノックされたので、
顔を上げた真紅は山積みの書類を少しどけてから入室の許可を出した。



<うるっせぇ!口答えする暇があったら次の石を引いてこい!

<コンコン



  |                                         |
  |  <`==================">   ┌──────    ____|
  |  |i|     _,,..         |i|   │入って良いわ。    |\    \
  |  |i|   /,' 3~~\ ⊂.⊃.|i|   └─v────     |三:\    \
  |  |i|.,,,,傘傘傘::::::::傘傘傘|i|.            llヽ.      |\[_] \    \
  |  <_,=================、_>   ,ィ~ir、   llヾi      |//|\[iiii|| ̄ ̄ ̄|
  |                   ん-─-ヽ  l| ∫       |\|iii. \||      |
  |                  .__ ,@i((ノ)))))  || (        |,ヘ \llllll||      |   |\
  |            /_ / | lj リ.゚ -゚ノiリ  || ,i.      |\|iii|l\||      |   |三|
  |________.|≡≡|  .|,/ノζ介 〉l)  l|| ,' _____||l|l.\l凸||      |   |三|
/              |≡≡|  .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\      \l三\.||      |     \|
             / |≡≡|./     冂三i   ヽ三ヽ\     \iロ: ||      |
                [二二二二二二二二二二二二二二]        \||___|
             |           |||||||||||||           |               \
             |           |||||||||||||           |               \
             |______|||||||||||||______| 

441 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:33:12 ID:VkRf532r
九4.
入ってきたのは、自分達の仕事が一段落したロイ、言葉、マコト、ジュンの四人だ。
確か、午前八時にここで今日の予定を確認しあってから別れたっきりだったろうか。



    , -‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;``'' ‐、_
,、‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
 ̄/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;‐、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
‐'/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/イ;イ;;;;;l
./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;メ/ // l;;;;ト;|
イィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;///;;;;イ/ ト/、X, l:イ l
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l '´///'´   ┘ !リ      「王女様。
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト,. Y         '、       さすがにそろそろ休まれた方が良いかと」
 rイ;;;;;;;;;;;/  'ー'           ン
ノ ヽ='´'             /
く   ``ヽ、_   、    -‐‐r<
;;;ヽ、  ,、 ,、 `ヽ、_ヽ.,_   ,イ´  L..
;;;;;;;;;\ヽ ソ `〉 /小ー、` 〉ノにソ `ヽ_
;;;;;;;;;;;;;;`ヽ`ー' / ハ | /、'"   / 、ノ



その間、休憩らしい休憩を取っていない様子の真紅が
疲れ目をしょぼしょぼとさせているので、心配になったロイが休むよう勧めたが
眼の端をぐりぐりと押した彼女はもう少しね、と一段落するまで続けるつもりのようだ。



                         シ:::、' ./   /        、  、    /:、:_:1::ト  \
                         /:/ソ /  ′ ,'     i    l |  l,   /:/  .|:::| \.  ゙ ,
                    .    /:// /, ,'  ,'/      j ,イ  〃 ! | !i  ':::'   |:::|   !  /
    「あ、うん。             /://ィl /l ! ' i l !   //,j /,_ノナj,' l 、!:::|   ,!::;!  ′ ′
     試算書と修正予算案       ゙リ/ ! ,、rヘl l i l ! /レ i/_. 'rヘ l〉::!/   !:::i /  /
     を確認したらね」              V、 lメ / ∧ィ _ , '  '"   ̄´ ヽ、ヽ、 ,' ヾ:::ソ  /
                         / /∠ ^i ´ ̄          // >  `ヽ 7  /
                    .    / /  ― Yヘ u   ′ _ // ,.ハ/ /  \ ./
                       / ,′ ー‐ ハ  \  ~'´  / / / レ` く__rく  !「ノ グリグリ
                    .  /  !   々/ー:、_,.‐ァ` 、   / /,/__,/ ̄  ̄∧   ヽ、
                      \ヘl  ├′:::::::::::ン'::::/:,:::: ーl/フ :::::::/ /::::::\/ ヽ   \_
                        ヾ!  ノイ::!l:::::/:::/:::::′:::::":::::::::::/ /::::::::::::/  /\  /ヽ


442 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:34:12 ID:VkRf532r
九5.
戦いの後。

内乱の終結と復権を宣言した真紅は早速城に戻り、
状況の確認と復興についての計画を立て始めたのだが―――



          /    /  ,、 |、|"゙`、    `、
         l    /  / | .|.l|   l  .::::::::::l
          | |   l  /_,. | .| |ト、  | ,  .:::::::::|
         | |   l/l/'´ // /  `メノl /l .:::::::|
         、ヽ   ,ィチ斤、′   ミュ' !.:::l:::|     「犠牲者への補償、
          | \ {b::::::リ    P::::::リ / .:::|:::ト、     城や町の補修、
          ト、  `ド-‐'   ,  `‐-'/l.::  |:::| ヽ    そして騎士達への報償………
          |::|   ヘ         /:::|.::. |::::| `、   その他雑費を加えると全然足りませんね」
           |:::|  ::::「` 、   ´`  イ `|.:::. |:::::|  \
            |;:イ  ::::|  l ` ー ' ´  !  |.::  ト、:::|
         /';:::|   :::|.  |‐- 、 , -‐/   !.::. |:::ヽ、
        /::::::::';::|  :::|   ヽ   /   |.::  |:::::;'::::::ヽ
          l::::::::::::';:|  :::|  __\/__  |.:::. |::::;'::::::::::::l



                                 f⌒Y :. :. :. >个ダヮ.:. :. :. :. :.\::::::::::∨  )\\\
                                 :. :. :. :. : : /:. :. :. :. :. `ーx_:. :. :. \::::::::∨:.:`ヾ;:Vヽ::〉
                                 :. :. :. :. :. ,'     |i   |i |iT≦_\::::::∨:.:〈:∧イ `l
                                 : : : : :. :. ;       |l   |ト、|lノ |i |i\ヽイ-、ノ:{<|..|  |
                                 : : : : :. :. |    i |ト、.丶.|ト、|lレイ !!  ヾ:. :. :)}:ト、\ `ヽ
                                 : : : : :. :. |    ト、|l ヽ ,X千んf‐ミ、li ゞ- 什ト、ト、\ }
   「こちらも好き勝手されちゃったわね。       : : : : :. :八 |i  l |l_,  \ 丶代,ゞイ}! }ト、 ∨.:ハ::| ヽ::) \
                                 : : : :. :. :. ∧|l 小.イ \      `'ー'゙  |! '. |「(_}:| /人   \
    遺族や被害者の補償は最優先、          : :. :. :. :. : : 从 iト、'f升ヽ       u |i  f´  `ヽ/  }
    戴冠式でお客様を呼ぶのに               ̄`'ー一´丶 |  ゞx.ノ '、   __   |  |ー‐ 、  ヽ
    ボロボロのままって訳にもいかないし―――」           `ト、\)ヽ    `ー′  イ i|r┴‐'゙   ∨
                                            /  )>- ──イ´ヽ! イ /       }
                                             /  / /::::::::::::::::人/'  Y      |
                                                /  / 〈 :::::::::::::::::/  /个x_,__ム
                                               /  /    ̄}:::::::::///::::::〉-、_ノ\/\{
                                        /   厶イ¨ ̄イ:::::::::)./ ̄ ̄`ヽ:. :. :. :. :. :.



外部からは把握できなかったのだが、麻呂達はかなり好き放題やってくれたようだ。

大穴の開いた城の補修の他、大がかりな清掃、傷つけられたり盗まれた調度品の修理や手配など
金の出て行く理由はいくらでもあったのに、国庫の貯金がだいぶ目減りしていたのである。

443 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:35:12 ID:VkRf532r
九6.
正規の商人が相手では取り戻す事もできないし、
残念ながら非正規の金の流れを追っている時間的余裕は無い。

最優先である犠牲になった遺族や被害者への補償金と、何かあった時の為の分を考えると、
現時点の残高からは城の補修か騎士達への論功報償のどちらかしか出せそうになかったのだ。



                /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
                 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
              /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
              /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
              |: : |: : : : : |: /  \: : /|: : r 、 : : :.|.: : : ト、:|
              |: : |: : : : /!/    | :/ |:.:(ヽ、`\:|.: : : | V
             < : 」_: : /  _   _|/   レ. \ \ \ : |          「騎士団が全員、報償は後回しで良いって
             <:: |. 小{  `゙''''''        ‐-\ \ \_          言ってくれたおかげで、何とか回りそうですが。
              厶ヘ ハ U      、 r--‐-、 >、    `ヽ
                \_!          ' ` ‐-、 ``      `、       今年の秋が豊作であった事、
            _, r´:/ : :| ヽ    r‐--っ   /\         `、      マスタング殿のセッケン技術を
        _, r ´:.:.:.:./:.:.:.:.::| | \    ̄   /ヽ :`ヽ         ヽ      他国へ売り込んだ事による収入が無ければ
     _, r'´:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:|  \ ヽ _ , ィ ´ |::.:.:ヽ: : `、        `、     補修すらも危ないところでした」
  _, r ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|    >-、ー_'/   !::.:.:.:.:ヽ: : ` 、 __ ___i__
 /゙: : : : : : : : : : : : ヽ:.:.:.:.:.:./i!  /ヘ i. / 入  |\.:.:.:.:.ヽ;,r'`‐´_,,..---┴‐,
l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\/:.:.:.:!'! /ヽ、ヽrk'´:_,r、 イ:.:.:\/ _>-‐'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l



事情を察してくれた騎士達に感謝しましょう、とため息を吐いたマコトを見て、
ジュンはつい、とんでもない案を言いそうになったのだが。



                                        /l
                                     Λ/ 〈 へ、
                                   ヘ|        ,>
                                 ∠  /   〉ヽ   ̄\
                                 / ノ〈 |^^| /\ト、  ト、l
    (やらない夫の財布から借りたらどうでしょう、  |/| .ハ|__ |/___ ヽ  ヽ
     とはさすがに言えないよなぁ………)         l/  |‐|   |―ヽ_|
                                    |  ̄ c  ̄   6 l
                                .   ヽ (____  ,-′
                                     ヽ ___ /ヽ
                                     / \∨/ l ^ヽ
                                     | |      |  |



もともと最低限だった税率も上げないまま、国債発行などで借金を背負わずに
何とかやりくりしようとしている王女にそれを言えるわけがない。

444 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:36:12 ID:VkRf532r
九7.



.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._:..-‐- ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'ヘミx':〉
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ´   、 丶  `ヾ:.:.:.:.:.:.くミュ_ヾヽ 、   ____
.:.:.:.:.:.:.:.:.:./   丶  \ ヾ:、  丶、.:.:.)厂`ヾ≠=彡’ ̄ ̄ `ヾ:、
.:.:.:.:.:.:./   !  `ヽ.\  \ \ヽ  ゞノ`ヾ:、  \㍉、 `ー- .. _
.:.:.:.:.:/  丶 |   ヽ ヾ:、、 ヽ \:.、ヾ:.、 ヾ:、\ \ `ー― -==._
.:.:.:.:.′     i! ト、 ハ   ヾ:、   X ミヾ ヘ   辷x 丶ヾー=ミ
.:.:.:.:i 丶   | ヾ、ミxヾ:、\/ ヾ八㍉、{   ヾ:、 \ \\
.:.:.:.:| i  \ i!\  \ヾ、xく.\.ィく`liト:.ヾヽ.   `ー=ミx `ー=ミ、     「書類を読みながらでごめんなさい。
.:.:.:ハ{:    1  \  ヾ ヾ`ぐツ リ }ハ ハ       `ー=.. __    各自、報告をお願いします」
x:.:.:.:.i|ゞ \ ! 丶  ゙x ハ ト!     ,ィ:::}i } L..'´し,..∧_
 > l|.:\  ゞハ、 /X j, <  、    〈::::::|l レ"  /:::/ }.: ̄三ニ=ミ
  `ゞじ.:.:.ヾ、\Xヾハxぐツ   ‘′ )::ノ"イ/:::/ ,:ィ|.:.;ィ.:.:.:.:.:.:.:.
   ヽ> ヾ ヽハミ㍉ャ‐ ._   _ r彡r7 / /:::/ / /:iリイ./.:.:.:.:.:.:.:ィ
   `:くヾメヽ `ーx. ハ     ̄ /:::::Y_/ // ,.イ /// イ.:;ヘ:_,.イ7.:
     i Y}iハ    } ix ヽ  rfチ::::::::::::::)〃/.:/ 〃7 /〃7ノ::::::〈
     | iX  ‘,  | !、  \ レ`ーァ:::/〉:=彡::::://:::::/ ム才:':;:ィx::/
     | |ハ  入 八ヾ:ヽ、 У /:::::/イ::::::::::::::::"ヽ、/..彡:::::{  `
     | | ‘. ハ  ヽ \:/ /::::/ .ノ::::::::::::::::::::::ハ::::::::::::::::::::>



お金の事は一応の算段が付いたので他の事を教えてくださいと真紅が先を促し、
頷いたマコトが手に持っている書類を見ながら自分担当の業務について報告を始めた。



                                       /::::::::::::/::::::::::::/:::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::',:::',
                                      /:::::::::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::!::::i
   「じゃあ俺から。                            ,'::::::::::::/::::::::::::: /::::::::::/::::::::::::|:::::::::::::i:::::::::i::::l
                                     l:::::::::::/:::i::::::::: /_::/|::::::::|::::::::|:::::::::::::l:::::::::l::::l
    非正規兵の解雇及び、                     i:::::::::/:::/::::::丁:::/ ̄i::::::::l:::ー∧一:::::::|!:::::::|'リ
    公共土木事業への強制労役の件は           _ノ::::┌i:::/::::::/斤心ヘ i:::::::::i::::メ≧i::::::::::::i:!::::::!
    全て手続きが済みました。                 >:::::{ レ' |:::::7レ升::} /:::/|:/辻:}l::::::::::ハ:::::!
                                  _,>::::::::i ヘ|:::/ ゞ‐" //  ′ゞ‐' l:::l:::/  ∨
   ………良いんですか、王女様。               ̄` ̄`\:|:/       ′   、   ∧!/
   奴らが王都で好き放題していた事、                     \|\       _    /  ′
   住民は忘れていませんよ?」                        _{i       ´   /
                                        // `\  > _ イ
                                     _,、-;'´;;;i     `ー 、, _ノ iヽ、
                                 _,、-;;"´;;;;;;;;/;;;;;l      /ヘ l;;;;;ヘー,,、
                            _,、-;ー'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;ヽ    /::::::::∨;;;;;;;;ヘ;;;;;`';;;;;;;、_



446 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:37:12 ID:VkRf532r
九8.
甘過ぎやしませんかねと言う彼に、思うところがあった真紅は
ちょっと眉間にしわを寄せながら首を横に振った。



       r'´      ,イ´f´    /          `ヽ          ノ
  ,rー--{       / / |     /            |    ヽ        ノ
  / / ̄!      / 〈  ノ/  /            ∥   ヽ      (_!
  | レ´ ̄_>   / ! 'Y /    !  /           ∥  |  ' ,      `!
  ,ヘ`二彳´    | |  f/ / | | /     |     ∥   |  ',      `!
/     |     | .ノ-イ ! !  |  ノ' | j   |     /}   |   |         |
       |     !f   }| { | |,イ|,f/| .∥  .j   / } |  |   |        |
      レ‐イ  | ) .{| ,ヘバ十-|-‐'ム .イ/ , / /, ,イ  /! | /      ノ
     /   |  rュ,⌒)ル'ムィテ'i'テ〒ミ`ノノ/ /レ'`ナメイァ // / /    <(´
   /     `ー<@〉},'  ハ辷'_..八` " ノ.r' ,rテ!ムz'//イ /レ      ノ     「スラムの事は、
  /         `マ  ,' ´"'''"゛      {、_.'ノ 'zィ'   レ'_  _,...-‐´      雇用問題を解決出来なかった国の責任もあるし、
/            ,' | |',         j,  `'''''゛//     ) `´           その分補償を高くする事で丸めましょう。
            ,'  !! ヽ、      "      /├‐-‐ '´
                ,' ∥`ヽゝ^ヽ    ~'   _.. イ |                   余程酷いした者はともかく。
    , ‐ ´ ̄`ー、._  |   |>´   ヽ.._.. -≦  /  {                    ………検査官の数は足りてる?」
  /          `┤ ∥       ヽ r-―-、_!  |


                                              /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
                                               /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
                                            /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
 「ええ、何とか。                                  /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
                                            |: : |: : : : : |: /  \: : /|: : r 、 : : :.|.: : : ト、:|
  ………牢屋に入れておくにも                         |: : |: : : : /!/    | :/ |:.:(ヽ、`\:|.: : : | V
  金がかかりますからねぇ。                          < : 」_: : /  _   _|/   レ. \ \ \ : |
                                           <:: |. 小{  `゙''''''        ‐-\ \ \_
  であれば、テレジア河氾濫に備えた土手作りと               厶ヘ ハ U      、 r--‐-、 >、    `ヽ
  開墾に従事させた方が建設的、って事ですか」                 \_!          ' ` ‐-、 ``      `、
                                          _, r´:/ : :| ヽ    r‐--っ   /\         `、
                                      _, r ´:.:.:.:./:.:.:.:.::| | \    ̄   /ヽ :`ヽ         ヽ
                                   _, r'´:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:|  \ ヽ _ , ィ ´ |::.:.:ヽ: : `、        `、
                                _, r ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|    >-、ー_'/   !::.:.:.:.:ヽ: : ` 、 __ ___i__
                               /゙: : : : : : : : : : : : ヽ:.:.:.:.:.:./i!  /ヘ i. / 入  |\.:.:.:.:.ヽ;,r'`‐´_,,..---┴‐,
                              l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\/:.:.:.:!'! /ヽ、ヽrk'´:_,r、 イ:.:.:\/ _>-‐'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l


もちろん略奪や暴力行為を働いた者は、全て聖騎士に調べさせてきちんと刑罰を与えている。

今回温情の対象となったのは主に、その場に何となく居ただけの者、
イチジョウへの協力的な態度を明確に示さなかった者だ。

448 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:38:12 ID:VkRf532r
九9.
それは貴族や官僚達も同様なのだが―――



                 __,,.、 -- 、、_
              _,.ィ'"´        `'ト、
.            /              \
.           /     ..:    ..::  ..i   ..:.\
          /    ..:.:.:   ..:.:.:  .:.|   .::.:.:∧
.          j    ..:.:  .: ../::  .:.::ト、  .:.:.:.:.:.:ヘ
..         |    / .:.:.:.:/ .:,イ.:./!:..| i  :.:.:.:.:.:.: i,
          |  .:.:./.:.:. // .://.:./ |:./ } :.:.:.:.:.:.:.:.::|
          | .:.:.:/.: /--─‐‐ ''/" l/\ | :.:.:.:.|.:.:.:.:: |
           | :.:./:.:/ ,ィ==rァ / /_,_ `ト、:.:.|::.:.::.|::|
.         | :.:.:j:.:.:.:.l'"トz::゚リ      ィテラト| .:.:. |:.:.:.:.|.:|      「次は私から。
.          | ..:.:|:.:.:.:.{ `-‐'     ヒ::,゚ソ /}:.:.: l\:.//       文官、武官共に生存者の確認を終えました。
         | :.:.:| :.:.:.ヘ、          ~ /,ノ:.:.::.∧ \
           | :.:.:| :.:.:.::}へ、    __ '  _ イ : /二二^  \     武官は王女様も把握しているとおりですが、
.         | :.:.:| .:.:.:.:.lト、 >、_  _,. <:.:..:..〈 ー‐-、    ヘ     各官庁における保守派のの主たる者は
        / :.:.:.| :.:.:.:..|  \ 了\__:.:.:.:.:.:.:`l斤\     |     殆ど麻呂により粛清されていました。
.       / :.:/|:.:.:.:.:.:|ヘ  rー--ヘ、 \:.:.:.::.:..|  ト---‐┴、
       /../::::::|:.:.:.:.:.:| \{ ー-<⌒)'二\::.| {::::::::::::::::::::::}   急ぎ補佐を昇格させるか、
.      /../:::::::::: |:.:.:.:.:.:|\ \ __,, ィ`-K-- .__).! |::::::::::::::::::::::|   新たに登用する必要がありそうです」
     /..:{::::::::::::::|.:.:.:.:.:.|:.:.:\/___ノ ノ \-- >.|:::::::::::::::::::: |
.    /..:.:.:|::::::::::::::\:.:.::.i,:.::.::.ヽ ::`ー''´:::ヘ  Y´:::::::\:::::::::::::::::j
.     /..:.:.:.:ヘ.::::::::::::::::.\:.:\:.:.::.):::::::::::::::::::ヘ  }::::::::::::::::\ :::::::: |



                                    r=くヽ..-――- 、/>=、
                                  《_rォ/        ヾ‐ュ》
                                     〈/i./     `,      :、ミ〉
                                  /¨{          }、キ
                                 ノ:.:rj              lx:i.、
                                  /:.:.:.Y          ./  lリ:.ヾ、
   「金銭被害は良いとしても、               }:.:.:.:.:! i i 、     / / j:.:.:.:.:.
    人的被害が大きすぎるわ………」         ./:.:.:.:.:.レ1r从、    ムオ /:.:.:.:.∧
                              .r<ヽ:.:.:.:.:.:.| !:.:.:.:ゝ イ:.:.: ノノ:.:.:.:.:'  、
                               _\ ≧-x:.ノ |:.:.:.:.:.:.j|:.:.:.:.:.:|И:_:_/У 〉
                             〈 ヾ.ソ:.:.:.:.:.:}ミイ、_:.イ:.!:_:_:_:_レム/:.\_イ― 、
                             `ニ「:.:.:.:.:.:.:.:|∨:.:.:.:.:l:.:.:.|:.:.:.:.:.j/:.!:.:.:.:.:.:匕_ノ
                              ヒ|:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽュ
                              `ー一…‐゙ヘ/⌒ヾ¨¨<⌒ヾヌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._У
                                     ` ー ′  ゙ー´ `  ̄ ̄ ̄



逆に、白から灰色にかけての各文官長は殆ど生き残っていない。

449 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:39:12 ID:VkRf532r
九10.
すでに麻呂に協力した真っ黒な連中はその度合いによって処分されており、
おかげで基本的な判断や調整、運営についての事をこの人数で行う羽目になっているのである。

言葉やマコト、ジュンの親衛騎士はもちろん、魔導師であるロイも政治については専門外だ。

衣食住など、国民の生活や経済に直結する部分のみを素人判断に近い状態で回しているため、
早いところ専門家を見つけて連れてくる必要があったが―――

その伝手も無い事から、もうしばらくはこの体制で行かざるを得なかった。



            /    /  ,、 |、|"゙`、    `、
           l    /  / | .|.l|   l  .::::::::::l
            | |   l  /_,. | .| |ト、  | ,  .:::::::::|
           | |   l/l/'´ // /  `メノl /l .:::::::|
           、ヽ   ,ィチ斤、′   ミュ' !.:::l:::|      「この際、いくつかの機関は閉塞か
            | \ {b::::::リ    P::::::リ / .:::|:::ト、      無期限停止にするのも手かもしれませんね………」
            ト、  `ド-‐'   ,  `‐-'/l.::  |:::| ヽ
            |::|   ヘ         /:::|.::. |::::| `、
             |:::|  ::::「` 、   ´`  イ `|.:::. |:::::|  \
              |;:イ  ::::|  l ` ー ' ´  !  |.::  ト、:::|
           /';:::|   :::|.  |‐- 、 , -‐/   !.::. |:::ヽ、
          /::::::::';::|  :::|   ヽ   /   |.::  |:::::;'::::::ヽ
            l::::::::::::';:|  :::|  __\/__  |.:::. |::::;'::::::::::::l



                                    ) . .:./.:.::::/              \ \.:.::| |::::::人
                                 .  ( . . .:.:.:::::::/       /        ヽ 入| |/ヽ `ヽ
                                    \.:.:.:.::::/    / ′  l      |  l 「:::| |:::::::ノ   !
                                       Y.:.:.′   ,′! l   |       |  }ノ..:.| |:::::ノ    |
   「その案で行きましょう。                .     ゝ┤   |  || l |    l   (. .:://.::∧    |
                                         l !|  _|_Lj、 l | _/|_/ l | )//.::/ l   |
    衣食住に直結しない官庁については                |八 l l l{\|`ヾト、l、/ ̄l/`刈Y北L.,′ |   |
    活動を停止、他の機関への異動を命じましょう。        | ヽヽl ´==''     ==''^ } | ヒシ''′ |   |
                                 .      '  l / ∧    '       イ|Y´    |   |
    誰かその差配が出来る人、残ってる?」            | j l ||丶   ‐    イ`ヽl l      |   |
                                 .     /|  {| ! | ヽ ` rz=.、´ ノ  / lト、   |   |
                                      //j/. :| ! |\ l、{{r勿}}〃  //| jj:::::\  |   |
                                 .     /./. .:.::::|   {     `゙T゙´   // l|从::::::::::ヽ.!    |
                                  r‐=ニ´.:::ヽー=≧ト:.r‐⊂ニニニ⊃x/ /j/:::}::::::::::::::ヽ.  |
                                   \::::::::::::::ゝ---/´ ミ}厂厂厂厂jr―‐ヘ/.:::j:::\::::::\_j
                                    \::::::::::::::::::/  ア{ i/ i/ i/ i/jゞ、ヽ`ヽ\{:::::::::\::::::::`ヽ



ただ、彼女らにとって幸運だったのは―――

450 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:40:13 ID:VkRf532r
九11.
貴族、騎士団、地方領主、地方騎士とカーディナルの民衆は状況を把握しており、
麻呂の後始末が如何に大変かを理解して、温かい眼で見守ってくれているのだ。



   ,'.:.:.:.:./.:.:.:.:/.:/.:.:.:/./; ,/:.:.:/ /i.i,vy',.:.:,.:.:.:.::ヽ:.ヽ
  ,'.:.:.:.:/,.:´/.:.:.::/.:.:/ /./.:.:.:.:.:.: /:.:/ i i   i.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト,:ヽ
  .i.:.:.:.:/.:.:./..:.:.:/.:.://.:.:/.:.:.:..::.://./ //   ',.:.:.:.:.:.:.:..:i.ヽ.',
  ,'.:.:.:/.:.:/.:.:.:.:/.:.:/.:.:.:/.:.:.:.:/ /./ //    i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i i.:i
 .i.:.:.:,'.:.:,'.:.:.:.:,´.: ,'.:.:.:/:.:.:/  /./ //     |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| i.:i
 ,'.:.: i:.:.:i.:.:.:.:i.:.:.:.:|.:.://ァィ--=イ'  // 丶、,__, |.:.:.:.:.:..:.:.: |.| i.i
 i.:.:.:|..:.:|.:.:.:.:|.:.:.:f..:|´/ _,/  //   ___ |/|.:.:.:..:.:./|.i |.i
 |.:.:.:|:.:.:|.:.:.:.:|.:.:.:| i.ナァ==,=,` //   ィ==ャェ,, |.:.:..:.:.:| i:i |i
 |.:.:.:ヽ.: |.: :.:ヽ.:.:rケ:::::::`::i  /     i::::`.:i '|.:.:.:.:.:.:レ'    「ちょっと、私には判断しかねます。
.λ.:.:.::ヽ.|.:.:.:.:.ヽ..ト .5:::::::::i       .5:::::| /.:.:.:.:.:.:|     旧保守派だけでは固められそうにないですし………」
/ |.:.:.:i:.:.:ト.:、:.:.:.ト.:i '--''         '^-'' /|:.:.:.:.:.:.:|
 i.:.:.:.i.:..:|.:|.::.:.:’ト.:,_ヽ         j.    ' ,'::.:.:.:.:.:.::|
 i.:.:.::i..:.:|.:|..:.:.:.:.:.:|、~'       ,, _     /.:.:.:.:.:.:.:.:|
.,'.:.:.::i.:..:.:|.:|:.:.:.:.:.:.:|丶、           /.:.i:.:.:.:.:.:.:.:|
i.:.:.:.:i.:.:.:.|.:.:|.:.:.:.:.::.:|. | ` 、        r.:´|.:i.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.|
i:.:.:.:i.:.:.:.:|.:.:.:|.:.:.:.:.:.:| |    `  -ィ.:´.:.:.:.:.:|.:i.:.:i.:.:.:.:.:.::.:|
i:.:.:.:i.:.:.:.::|.:.:..:|:.::.:.:.:.:||       ト、.:.:.:.:.:|.:i.:.:i.:.:.:.:.:.:.:|



                               「`ー'′/    /   ヽ、 \ \  ヽl}::.:)、 \
                               l_,ィ  / /   l      l 、  l `、 {:|}く\ヽ/
                               ノ  ,′ !    {      | l|   |   l ):|} ノ|:「´
   「今回、明確に麻呂よりの態度を      .  ヽ∧| , |   | l      | l|  |  l| {:|!::)|:|
    見せていないなら良いわ。             |::l| | |  l  、    | l | _,厶| j| {::|}::} |」
                                   l:::| `、!|   \ ヽ、 |,.イ,斗予 | |{K!j |
    落ち着くまでの一時的な事だし、           〈:;小、ヽヽ、T,Zニミヽj  ^ヾrシ | |ァ1 |
    もう少し上意下達のはっきりした体制に      |  \ヽN {ヾtク         | ト |_|  |
    する必要もありそうだから」         .   |  |   l \    `-   /!| |::..::.`:┴-、
                             .     |  |  |  | > 、 __ /::..::|| |::..::..::..::..::..:ト、
                                 |  j  /|  l/::..::..::..::..rクニミ::../| |::..::..::..::..::./::..`ヽ、
                             .   l   ! //l  l::..::..::..::/;ハミZシ//| |::..::..::..::..:/::..::.`ー┴―-ォ
                                j   レ'∧! ,'::..::..::.〃::..::..::.レ'/::| |::..::..::..::r'::..::..::..::..::..::..::/::|
                                /  / / /| ハ::..::..::..::..::..::. /l ト、| |::..::..::..::{ー-::.ハ::..::..:: /::..|
                             .  /  / |{::.| ||::.\::..::..::..::../::.| l::.| |::..::..::./::..::..::/::..\::./:ヽ:j


452 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:41:12 ID:VkRf532r
九12.
結局、動くに動けず、様子見を決め込んだ地方の手を借りずに混乱を収めた事で
王女の権威は確固たるものとなった。

また頭の固い老人達が揃って退場してしまった為に、
真紅のやりたいように出来るのも今のところ良い方向に傾いており―――
独立して百六十余年のローゼン王国はここに来て急に風通しが良くなり、
貴族も騎士も、若い世代へと主力が移り変わっていく事になる。



                   _ ,, ........ ,, _
               ,r ':::´::::::::::::::::::::::::` ヽ
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             /:::::::::::::::::::::::/:::::::::i::l∨v}::::::::::\
             /::::::::::::::::::::::/:::::/|::::|::l`゙ i::::::i:::::::ヽ
              !:::::::::::::::/:::/:::::/ l:::/l::l   !::::::l:::::::::}
            i:::i:::::::::i/:::/l::::/_,.l:/ l::lヽ.,__l:::::::l::::::::l
             l:::l:::i:::::l:::/ l|/´ l/ !/   从::::l:::::i::l
             |:::l::::l::::l/|,xz=ミ /  / ,x=ミ、}::::l::::::l:l
           i|::::l:/l:::::',:flc;;;ri      fc;ri ゛!::/|::::/i!
           /|:::::i::::ヽ::ヽ弋シ     弋シ //:::|:/ l     「分かりました」
           / |:::::::::::i:::\:\    i)    /::::::::|!
            / !:::::::::::l:::::::::>゛~   ‐   /:::i:::::::|i       (じゃあ、余り気が進まないけど………
         /  l::::::::::::l::::::i:::::i > 、. _, ィ'´:::l:::/::i::::|.i       お父さんに相談してみようかな)
          /  !::::::::::::l:/:::lr'´i       iハヽl/::::l:::::| i
       /   l:::::::::,rl/::::::l    / /   /::::::l::::::| .i
        /   !:::/:::/::::::::l `ヽ. , -‐/ /:::::::/ヽ、:! i
      /    l::/::::://::::/l     / /::::::::::/ /:::::`ヽ !
     /      !::l::::/::::::/ l  /  /::::::::::/ /:::::::::::::ハ i
    /      l:::l:/:/l:r--、 l/,. --、{:::::::::/ /:::::::::::::::::::} i
   /      l:::::}从:::l}    「」     {从:::/ /::::::::::::::::::::::l i
  /      l::::/:::::/ ヽ '´/ |`ヽ,./ヽ ル‐'::::::::::::::::::::::::::l  i



それは怪我の功名、と言うにはあまりにも出来すぎた結果ではあるが
国が大きな分岐点や危機を乗り越えた後に、
大幅に発展するのは歴史上でもいくつか例はあった。

その全てに、『英雄』と呼ばれた者がかかわっていた事を彼らはもちろん知らないのだが。

453 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:42:12 ID:VkRf532r
九13.
ただ、『英雄』は時代にとって劇薬だ。
難病には特効薬となり得るが、健常体には猛毒となる可能性も秘めており―――



             >'´ /   ∧    |    i| ヽ.      \
           /   /     /::::ヽ _,斗:.:.:.: :   |   !  :...   \
            〉       ::ー‐^´¨ |:.: : !:.:.. ト、  |   :.:.:... : :..`ー-、
              |   |  il  ::|       ! ::∧:. :.  ,=‐i   :.:.:.:.:...:.:.:..:.:./
             / .:.:.:.:|  i|   ::|       | / ,ィ|,.イ´__ ∧  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
         / :::/イl|  l|  ::|=、>ー=、 i′|:rレ弍¨ヽ ト :.:.:.:.:.:.:.:.:./
        ./::/  /   |  |´戈¨T |ト==、|| 弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
        レ'゜   / /  iヾヽ! 辷_ソ」|   ヽ=====' マヽ.:.:r-‐'´      「次に僕から。
 rr‐、           レ' レ'〉 ! ヾニ=== ′〈           'ノ::;;;>        第一騎士団、第二騎士団の再編及び、
 ト' |                  ̄ヾヌ、      `       ,/‐'´          王城、王都警護の件ですが―――」
 |  |                 ̄ヽ       ー‐      /
..ノ  l'⌒!                \           _, ィ´
´ ノ^ヽ '、                  `¨ニt-  -‐' ト-┐
  /`ヽ.ヽ、          _   /´iイ      |/ ヽ―-- 、__
   ‐'´`ヽ. i、          /i  ゞ7″ | ′    /    |     `ヽ、
\   イ-'  ヽ       /  i  / ,ヘ |____,_/ |―、  |    /  ヽ.
  ヽ.  ″    l     /-‐'´ | ./// ヽト-―/ニ,ノ  \|     /   \'、
   \      l. ,.-‐'     : レ' ′  く !  //          /       ヾ、
      |    .ト''      ! .| r―┐  | ,//      :. l  /       `ヽ、
     l      l、__       レ'  |  |  i/o’        :.:. ! |           ヽ、
      |     |/\     |    ̄´  / /         :.:.:.ヽ⊥_        ,.-<}
     ノ    |   ヽ.   l      {i∧         :.:.:.:.:.:.:.|\      /    \



その事を証明するかの様に、ローゼンはあの少年抜きでも回り始めていたのだ。

454 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:43:12 ID:VkRf532r
九14.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   あの後、王都に登ってきた地方騎士団の団長達が、
   それぞれ選りすぐりの騎士を大勢残していってくれたので人数あわせは大丈夫です。

   第一騎士団長にはキバヤシさんが、第二騎士団長にはナワヤさんが着任したので、
   きっと上手く取りまとめてくれるでしょう。

┗──────────────────────────────────────────────┛



      ,.ィ , - 、._     、
.      ,イ/ l/       ̄ ̄`ヽ!__
     ト/ |' {              `ヽ               ,ヘ
    N│ ヽ. `                 ヽ        /ヽ /  ∨
   N.ヽ.ヽ、           ,         }.    l\/  `′
.  ヽヽ.\         ,.ィイハ        |   _|
   ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、   |.  \
.      ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ   >    だ、第一騎士団長に
.       l    ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__     任命されてしまったんだよ!
       ゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ   トr‐'    /
       l   `___,.、     u ./│    /_
.        ヽ.  }z‐r--|     /  ト,        |  ,、
           >、`ー-- '  ./  / |ヽ     l/ ヽ   ,ヘ
      _,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´   ./  \、       \/ ヽ/
-‐ '''"  ̄ /  :|   ,ゝ=<      /    | `'''‐- 、.._
     /   !./l;';';';';';';\    ./    │   _
      _,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\  ./|._ , --、 | i´!⌒!l  r:,=i
.     |     |:.l. /';';';';';|=  ヽ/:.| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」 ))
      l.    |:.:.l./';';';';';';'!    /:.:.| i´|.ー‐' | / |    |. !   l
.     l.   |:.:.:.!';';';';';';';'|  /:.:.:.:!.|"'|.   l'  │-==:|. ! ==l   ,. -‐;
     l   |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| i=!ー=;: l   |    l. |   | /   //
       l  |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l    l、 :|    | } _|,.{::  7 ))
        l  |:.:.:.:.:.:l;';';';';'/:.:.:.:.:.:.:.:| |__,.ヽ、__,. ヽ._」 ー=:::レ'  ::::::|;   7
.      l |:.:.:.:.:.:.l;';';'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. \:::::\::::: ヽ  ::::::!′ :::|   .:/
.       l |:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!   /ヽ::: `:::    ::::  ....::..../



              ,. -─- 、._
           ,. ‐'´      `‐、
         /           ヽ、_/)ノ
        /     / ̄~`'''‐- 、.._   ノ
        i.    /          ̄l 7
        ,!ヘ. / ‐- 、._   u    |/
  .      |〃、!ミ:   -─ゝ、    __ .l
        !_ヒ;    L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /     「お、俺は第二騎士団長なんだが………」
         `゙i u         ヽ  !
.       ┌────────────‐┐
       .|                      |
   ,. -‐ '| 辞令                  |
  / :::::::::::|  第一騎士団第二小隊長 ......|__
  / :::::::::::::|  サブ=ナワヤ        rニ-─`、
. / : :::::::::::::|.  上記の者を本日付で     `┬─‐ .j
〈:::::::::,-─┴-、 第二騎士団長を任ずる  ..|二ニ イ
. | ::/ .-─┬⊃    真紅=L=ローゼン  |`iー"|
.レ ヘ.  .ニニ|_____________.|rー''"|
〈 :::::\_ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::: /::::::::::::|


455 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:44:12 ID:VkRf532r
九15.
国は身体のある生き物のようなものだ。
時には病気になったり怪我をしたりする事もあるが、



                  ,. '   ヽ
                ,.イ     /
            ,. - ' /三三_   /
   _     ,_,.. /  / ̄ ̄ ̄ `ヽ r-ァ― 、
  / ヽ  /..f|    -|         ヽ〔 三  ヽ.
 |   ヽ/....三l    v'           ヽ./   |!
 f   l! .|三三l   f             \  j
 __ゝ,. l. l.三三|   ,'./ /              V,.,__
.7 ゝォ ゝ!三三|  ラ/ /|   l | l   l `!    ヾ三. /
  攸.  |三,r ! Lイ、 j. l ィ l |.il:l  l l ,l    i 〕三 /
   ケヽ  ヽ:::::::ヽ ノ 刈l lメ lv'l |il|l|  / / |l  l !/|\ L
  / 〉'´ヽ 〉rt:ヾ| レ!ヾvrl'ルヽji リ / / !|: ! レ' |ニトv'
 'Y |i ヽヽ√ミfr@jY/, f´Yミ-ァ`lヾ'レ' //__/ノ// rイ`!i     「意外に、騎士団の再編が
 \ヾ,/¨ヽ ヽヘ`´〃l ヘ ゝ-'     'r'::メ j// /:::L_l!     一番手が掛からなかったわね」
   ヾ!l! |-l\'ヘ::ソ  ハ!       t_ク/ |/,_∧::|
  .__ ||、 |:! 'rゞ:|! | ヾ      ,  /if |  f ルヘ
  \`|| ヽ|:! ,f三::|! ト___i|  -、  /ヘ`ヽ | /∧ \
    | レ  ´`!、三.|! '\.|!   , r ´=ー、j-,. ヽ// f'|`ー,i
    ヽ  l  Vゝミ\  \-r ',== / ヾ'∧  |  l |
    l  l   |八,j- .\ _ヽ\く三= (  v'/ ヽ_ノ  l j
    l    l <´_    ̄ \三  \ レヽ\ \ `
  /⌒l    |` 三三⌒'ー - 、 \   へl |,r--ォ



                               ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
                             /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
                            ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
                               /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
                             ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧
                             |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧
    「それだけ素晴らしい騎士達だと     イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
     言う事ですよ、王女様」          /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
                             !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
                            .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
                            .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
                             レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
                                   i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
                                    、             r彡;〃´
                                    ヽ   ヾニフ       ノレ'´
                                     \          ´ ,L. -‐ 、_
                                       ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
                                        ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
                                      _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \



自浄作用や治癒能力を備えているのである。

456 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:45:12 ID:VkRf532r
九16.
その、新しい抗体となる神竜騎士団のこれからについてジュンが触れると、



  / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
    l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄
  ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l
  /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\|
  l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV      「それから、戴冠式と同時に行われる
   l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l       神竜騎士団のお披露目の準備、
   l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.       新しい記章も発注済みです」
       l/ 、__',               / .:.:.
           ヽ     r‐‐ッ   /.
             入        ,..イ.:.
         . '´ i.:.\> -- </
       /     |.:./\    ノ.:



.    /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
   /: : /: : : : |: : : : :|: : : : :|: : | ,: : : ',: : :ヽ : :!
   |: : |: : : : : |: /  \: : /|:.: :: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|
   |: : |: : : : /!jニニコ| :/ |:./iニニV: :|.: : : | V
  < : _: : : / 〈fエ:エi |/  レ fエエ) |./ヽ: : |      「今度も水晶製だって?
  <:: |. 小{              レ{:.| ヽ:|       水晶の竜なんて格好良いじゃないか、おいっ!」
   厶ヘ ハ       >     {ハ/ .V
      \_!              !
        ヽ     !ー―‐r   /
      ___,r| \  `ー―'  /
    /:/::::| \  ヽ _ ̄ ィ ´             (⌒)
  /::::::/::::::|  \   ´ ∧>、       ノ ~.レ-r┐、
/:::::::::::/::::::::|    \  /  !\::`ー- 、  ノ__  | .| | |



少年のように眼を輝かせたマコトが興奮した様子で言った。
彼は、副団長への内定が出ているのだ。

457 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:46:12 ID:VkRf532r
九17.
そこへ遅れてやってきたアリアも報告があります、と一通の書簡を王女に差し出した。

彼女は、この大陸の神殿を統括している聖地に―――魔法学院の転移の協力の下―――手紙を送り、
リフに代わる神殿の代表者を派遣してくれるよう手配していたのである。



        ,.-ー''''__二二二二二ヽ
.        | r'´ ̄         | |ー-.、
        | |     @      | |   `i
      r'´ | |   ┌┐    .| |     |
       !   | |. ┌┘└ー┐  .| |     j
.      ',.  | | └┐┌ー┘  | |    /     「私からもご報告があります。
        '、 | |   | |     | |.   /      聖地への代表者派遣願いは受理されました、
         `、 | |.  └┘__|_|__  /      しばらくすれば高司祭位の者が
.          `、,ゝィ7_ ̄\ ゝ弋、\ ̄`、      ローゼンに来ると思います」
          / / /__`   ヽ ≫f气 `、 ヽ、
.        / / /.圷心   "∨J.}’! -ゝ「``
.          | /l |∧弋リ     ゞ-' .! .ハ .!
       /V. ',! |.}、'''  __ ,. "",ィ .,' .', ',
      /  /| .| | >. 、 _,. イ|/ ∧ `、`、
     /\__/ |,.-'´ 7/` r-j  / /、_ヽ ヽ \
.    /   /´    //  ゞ`ー'/ / /∧ \ \
    /   / ,. -'''//   __  ̄// //. ',  .ヽ  \
    |__,.-'´// .//   / / // //l  l   `、  `、
.       // .{ { .rー' '--|/ //. |  |.     ',   ',



                                    )::::::::::::::::::::,  ´    )::::::::::::::===彡::::::テ
                                     (::::::::::::::::://    ヽ:::_:::::::::::::::::i  l::::l:::::ハ二))
                                    >:::::::,.'  ′    |   ):::::::::::::::l  i:::i:::::(、二))
                                      て::::/   ll  l |  !|   {::::::::::::::::|  l::i:::::::::ハ〈
                                       しl |  l |  | | _!H‐'フ|/て::::::::::彡ミ::::::::(  !l
   「私は別にアリアでも良いのだけど………」          l l  l _L | |ノ  rT´㍉ | (::::::::ミ彡::::::ィ  l|l
                                          ll ヽ ´ rr、    ヽ__ソ | l! {::l l::::;:::) |  リ
                                          ハ v)       l l | リ /:://   |  |
                                          ,' ハ 丶      リ ,| |//´  | |
                                          |  〉 、 `    lレ' | h、     |  |
                                          l / ||  > - ィ 〃 | | l7      |  |
                                          ノ'  |r j / rr、 〃  | | 〈 \    |  |
                                          /'   ノl j/ ㍉ト(  ノ l (   \  |  |
                                         ヽヽ/ヽ j!    > ´ / /     ハ |  |



最初は信頼の出来る彼女に神殿の代表者と、
宮廷司祭長を兼務して欲しかった王女は残念そうに言うが、

458 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:47:12 ID:VkRf532r
九18.
手と顔をぶんぶんと振ったアリアは勘弁してください、と本当に困った様子で汗を浮かべている。



         r'ニニニ二二二ニニニ、ヽ
         | |     .@     | |
      rー┤|           |├、
      |   | |       Π    | | |
      l    l l     lニ  コ  .| | |        「大変光栄だとは思うのですが、
     |    l l      |_|    | | |         さすがに司祭位の者が
       l__l_l______|_|__|   っ     代表者と言うわけには………」
       | /  ,イ,へ 丶、       ヘ
       | ,' / //  \| \ ト、 ヽ ',   つ
      !j./l /        ` ヽト、ヽ }
.     | | .!/.!  ○    ○ l l |ヽ,'    ⊃
       l | | .l/////////////! | !.|
       .| ! | ト、  ,-ー¬   .ィ| .| l
        | l ! l l` r --.' <j ,' | |
        | .l ', l |ャ-ミ≡彳ァトイ ,'! !
      .| | ヽ| | l r´ )/ハy / | ',



┌────────────────────────────────────┐
│【司祭職派生】                                          ......│
│神官 ┬ 司祭   ┬   高司祭     ┬  最高司祭  ┐             ..│
│    │         ├   司教       ┴  高司教    ┼  聖者(遺失)    .│
│    │         └   見習い巫女  .―  巫女       ┘             ..│
│    └ 神官戦士 ─   .聖騎士                              ....│
└────────────────────────────────────┘



彼女の言い分ももっともだ。
四段階―――遺失を含めると五段階―――に分類される司祭職は上下関係が厳しく、
それぞれの格も非常に重要視される。

どこかの村の教会や小さな町の神殿ならともかく、
まだ二十三歳の司祭位が王都神殿の代表などと言ったらあちこちから笑われる事になるだろう。

460 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:48:12 ID:VkRf532r
九19.



                            {:::.:::.:::>.::´ ̄ヽ、 ,. -一 ヽ_
                        ,. -┘.:::.:/:.:::.:::.:::.:::ノ::.Y:;___.:.:./.:.:.:.:.ヽ
                       (.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:;:、;:;∠二:.ヽ`ヽ.:.:.:.:.:.:.:∟、
                        ):.:::.:::.:::.:::.:::.; '´ //〈.:.:.:.:\ \.:.:.:.:.:.:.::ヽ-へ
                      r''".:::.:::.:::.:::.:::/ / / / ハ `ー‐┐\ ヽ:.:.:.:.:.:.:ノ=ニ):\
                      { ::.:::.:::.:::.:::.; ′  /      |   {_:.:.:.ヽ ヽ:.:.:.(二`V/^):、
                        ̄つ.:::.::/   / ,′    |    |  ̄ヽハ. i.:.:.:.:.`i!ヽ.!_/:./
                       (:.:::.:::.::!l!  l  i      |l!   |  ノ:.:.| |:.:.:.:.:.:||:.ト、;:ノ
  「色々あるのねぇ………        `7:.::|l|  | ハ      ;'|     し-、| |:.:..:_ノ.|.:| |
   でも、宮廷司祭長の話は         ヽ|H  | | l__,    / |  /  / ノ|/:.:ん. l |:.| |
   受けてくれるのでしょう?」         |l!ヽ. 代「 ヽ.  , / `ト、/! ,イ. く:.:/:.; -┘| L」 !
                            |  l N. r=-、.ヽ/ソ .r==_レ'´// |/  | |   |
                            |  ! |l |弋::リ   弋::.リ .1  |    | |   |
                    .      | ! |lハ   '_   """ ノ!|   .|    | |   |
                    .      !.| | l/:ヽ// )、_ ,.< _|!  .|ヽ   | |   |
                            !/ | 〈.:.::{   '´ /〉;:;:;:;:;:;:;//|  .|:.:.::', l l   |
                           | /.:.:./ |    /ニ、;:;://;:;! 、|:.:.:.:.:L_! .!  .|
                        _,.∠=ニ〈::.ハ .ト、   ノ:;:;:;:;:;:;:〈〈_;/|  ヽ:.:.:.:.:.:.Ll!  .|
                        `ーニ二_‐|.:.:<.:.:.:.:.:.Y.:.Y.:.:.:.:.:.:ヘ V:.\ \:.:.:.:.:.{!  .!



       //  ィうヾ        \ヽ
       | j     >=彳       ::::l |
       | l  ___|   |__     ::::l|
        /l | |        |   .::::l l::\
      | .| | └─┐ ┌─┘  .:::::l l:::::::.\
       l ! |    :::|  |     .::::::j ,'::::::::::. l
      | l|  ::└ー┘    .::::::::j ,'::::::::::: ,'    「はい。
        ', ', l _,;:ァ-rーヾー 、_.:::::::://::::::::::: ,'     未熟な私めに何処まで務まるかは分かりませんが、
       vイ´:/   !: : :!: : : :ヽ、`:x'/::::::::::: /     精一杯王女様を補佐して頑張ります!」
       | l,'/> 、ヽ,: '、:ト、\:丶、:`l: 、: /
       | ! i彳tぅミ ヽ!斗≦毛zミl: ! : ヾ
        l: ;イ}ゝ辷;j.    ´ トィ':::j"|: l: : : !      (そうだ。
.       j : 八 ,,,,  ,   ┴ー"'ォ ,': : : l       これこそが、愚かだった私が償う機会。
.       ,'/ィ : : `..、  -   """ィ|:!/l : : :l       オロナイン高司教の代わりに尽くさなければ)
      //j : : : : : _´>┬_,≦ノ|㍉_: : :!
      ノ /: : : ァ´ {{:::{{ヾ-  〃:::〃ヾ,l
.       /: : :/  〃;;::::ゞ=三 彡':::〃  .}
.    , ': : : :イ  /'  ::/  /  ''〃/   j
    /イ: : : {  {  .::/ ./  .:!l/   ./l
.     l,': : : :i   l、;;;;;/  /;;;;;;;;;;;j'   ./: :!
     {,ヘ: : : ',   l ̄    ̄ ̄/   /: : :l



ちなみに世界の司祭職全員を千とするならば、高位司祭職―――
つまり最高司祭、高司教、巫女の数は合わせても、一程度しか居ない。

それだけに、リフが堕ちた事については聖地側でもかなり驚いた様子だったと
アリアは後に語った。


461 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:49:12 ID:VkRf532r
九20.
すでに時刻は十九時を回っている。

皆からの報告を聞き終わり、今日の分の書類を片付けた真紅は疲れた様子で息を吐くと
ここには居ないもう一人の事を自然に思い、



                           _〕       //    〔      \ー‐rイ  く ―┐
                           {      / /     l \_     l:::::::l    |二二1
                            つ   /  ,    l  |   ]     l:::::::l   イ〔V  | |
                           └‐t  /   l    | l  |  l {      l:::::::|     | ∨/
   「ありがとう。                   L. l !  |    l| N  l_廴 ィ   ,ィヱヘ   匸. | l
   ………じゃあ、これで一通りの事は       | l  l l | N ナマ彡ャ‥Y|_ 〈ヘ{そリ   | l |
   片付いたのかしら?」                 !l  トl,イ、.| jノ  ハrい 八 L. ト-r'  r イ !| ヽ
                                l|ヽ ヽiYf:ハ     ゞ‐'  | イ |/::::/ _ノ | l !ヽ|
                                    liヘり    .:::::::::::. .l |l  !:::/ //   | ! |
                                    l l.::::.ヽ _ 、     l l |  !//     ! l |
                                    | ヽ、 ′    _//イ  |´       | l l
                                   / /| ` 、  r'´ // ̄| lフ       l l  !
                                   //| l / ̄, ィ、 //:::::::l |ーt.     l| !
                                    //r'´ ̄:::::::::::{rケソ//::::::::/ /}  \   l | |
                                 /´ l:::::::::::::/:トこソ{ {:::::::/ }::|    ヽ. l/   !
                                 ヽ| /\:::::::::::::/:::::::>'´ ̄/::j |    l |   |



    , -‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;``'' ‐、_
,、‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
 ̄/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;‐、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
‐'/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/イ;イ;;;;;l
./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;メ/ // l;;;;ト;|
イィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;///;;;;イ/ ト/、X, l:イ l
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l '´///'´   ┘ !リ      「はい。
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト,. Y         '、       あとはフーリン夫妻の事と―――」
 rイ;;;;;;;;;;;/  'ー'           ン
ノ ヽ='´'             /
く   ``ヽ、_   、    -‐‐r<
;;;ヽ、  ,、 ,、 `ヽ、_ヽ.,_   ,イ´  L..
;;;;;;;;;\ヽ ソ `〉 /小ー、` 〉ノにソ `ヽ_
;;;;;;;;;;;;;;`ヽ`ー' / ハ | /、'"   / 、ノ



同感だったロイも、そうですねと眼を伏せる。


463 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:50:12 ID:VkRf532r
九21.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   ビップ殿の復帰、だけですな―――

┗──────────────────────────────────────────────┛



       ______________
     | | ̄ ̄ ̄||  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄|_|
     | |      ||           |l    | :|
     | |      ||           |l    |_,|
     | |      ||           ||    | |
     | |      ||           ||    | |
     | |      ||┌────┐|    | |
     | |      ||│面会謝絶│|    | |
     | |      ||└────┘|    | |
     | |      ||           ||    | |
     | |      ||           ||    |_|
     | | l| ̄l ||           |l    | :|
     | | l|: ; l ||           |l    |_,|
     | | l|(,0 ||           ||    | |
     | |   ̄  ||           |l    | :|
     | |      ||           |l    | :|
     | |      ||           |l    | :|
     | |      ||           |l    | :|
     | |      ||           |l    |_,| _,.. -‐''"
     | |      ||           ||_,.. -‐''"
     | |      ||     _,.. -‐''"
     | |     _||,.. -‐''"
     |_|,. -‐



466 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:51:12 ID:VkRf532r
九22.



              /    \
         /         \.
         |     : :::::::::::|
         |     :::::::::::::::|..           ┏┓                                ┏┓
         |    ::::::::::::::::::|.            ┗╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋┛
         |   ::::::::::::::::::::::|ヽ..          ┏╋──────────────────────╋┓
            ヽ       /_./|\.            ┃|  ~ やらない夫は                     |┃
              \__,-‐´~/:::::::\.          ┃|      約束を守るようです ~               |┃
          ∠___ ,-‐'~.::::::::::::::)        ┃|           Episode.二人の騎士          .|┃
            /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/         ┗╋──────────────────────╋┛
          /::::__::::::::::::::::.::::::::::::::/.          ┏╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋┓
       //:::::::::::::\::::::::::::::::::::::/          ┗┛                                ┗┛
       |:::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::|
       ヽ:::::::::::::::::::::::::::\::::::::::|
        |\::::::::::::::::.:::::::::\:::::|._
         |::::\_::::::::::::::::::::\|:\           >:.-:.-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´:.:./
        〈:::::::::::\:::::::::::::::::::::::|::::::::|        r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:./::|:.:.:.:.:.:.:/
           /:::::::::::::::::::/:::::::::::::::::|::::::::\      /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| ̄`''- 、;i:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ヽ
           /:::::::::.::::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::`|     /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.|      |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
          |:::::::::::::::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::::/、  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_     //:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|
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           /__| ̄____/::::::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´\-;/ ̄ V ̄ | |イ≧ミ=、/   |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
             ヽ::::::: ̄|   |::/\_:::::::` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}
.________ヽ/|/   \___\::::::::::::::: /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|
             | | | ̄〉 〉 〉〉〉_|  \::::::::::::フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ| ̄::´::´´´ヽ    \:::::::´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|
         .       ヽ:::::::::::::::::::ヽ      ヽ::::::::::: ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /
                 ヽ::::::::::::::::::::ヽ     ヽ:::::::: /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./
                             /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
                            /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´
                          ノ |      }ヽ::::    /_
                        ̄ ̄  .|       \   { ヽ


  ─────━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
        第九章  英雄と言う名の猛毒
    ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────



469 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:52:12 ID:VkRf532r
九23.
同日の午後十時少し前。

未だ眠ったままのやらない夫を見つめるアリアは
特に魔法を唱えたり脈を取ることもなく、ただ側に立っているだけだった。



                                               //  ィうヾ        \ヽ
                                               | j     >=彳       ::::l |
                                               | l  ___|   |__     ::::l|
                                               /l | |        |   .::::l l::\
                                              | .| | └─┐ ┌─┘  .:::::l l:::::::.\
                                              l ! |    :::|  |     .::::::j ,'::::::::::. l
                                              | l|  ::└ー┘    .::::::::j ,'::::::::::: ,'
                                               ', ', l _,;:ァ-rーヾー 、_.:::::::://::::::::::: ,'
                                               vイ´:/   !: : :!: : : :ヽ、`:x'/::::::::::: /
                                               | l,'/> 、ヽ,: '、:ト、\:丶、:`l: 、: /
                             「……………」         | ! i彳tぅミ ヽ!斗≦毛zミl: ! : ヾ
       / ̄ ̄\                                  l: ;イ}ゝ辷;j.    ´ トィ':::j"|: l: : : !
._     /   _ノ  \   __                          .       j : 八 ,,,,  ,   ┴ー"'ォ ,': : : l
| |======|    ( ー)(ー)===| |                      .       ,'/ィ : : `..、  -   """ィ|:!/l : : :l
| |     |     (__人__)   .| |                           //j : : : : : _´>┬_,≦ノ|㍉_: : :!
| |     |     ` ⌒´ノ   | |                          ノ /: : : ァ´ {{:::{{ヾ-  〃:::〃ヾ,l
| |____|        }__| |                     .       /: : :/  〃;;::::ゞ=三 彡':::〃  .}
| |\ ( . ヽ       } ヽ  \                     .    , ': : : :イ  /'  ::/  /  ''〃/   j
| |  \ヽ   ヽ     ノ  )   \                        /イ: : : {  {  .::/ ./  .:!l/   ./l
| |\  \( ̄ ⌒⌒⌒⌒ ̄⌒ ⌒ ⌒ヽ                    .     l,': : : :i   l、;;;;;/  /;;;;;;;;;;;j'   ./: :!
|_|  \  ヽ               \                     {,ヘ: : : ',   l ̄    ̄ ̄/   /: : :l
    \  \               \                   i| ', : : |  'r┐ ┌--/   /: :l: :j
      \  \               \              .       ヽ ヾ\!.  'v  |:::::/   /ノ丿ソ
                                                 l  |  !:::/   / \



あちこちの火傷や、内蔵へのダメージは神聖魔法で全て癒した。
睡眠不足としても八日間も眠りっぱなしなのは明らかにおかしいのだが―――

470 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:53:12 ID:VkRf532r
九24.
特にやる事はありません、と視線を外した彼女は終始不機嫌そうなまま部屋を出て行き、



.            |  |:::::::.:.:.:.:.:.!、;;,丿..........|.  |
.            !  |:::::.:.:.:.:.:.:ڪ.............|  |
.           ,,:┤  l::::::.:┌ー┘ └┐......l  |
.         ィ'.:.:.:.:!   |:::::::.└ー┐ ┌┘.....|  !
          !::::::::::!   !::::::::.:.:.:.:.:.:|  l............l  !
.         |:::::::::::l  .|::::::::.:.:.:.:.:.:|.__」............! l
          !:::::::::::l  |::::::_;;;;;;;;;;;;;;;_::::::|.:.:|
        !;::::;;;;;;> ※アメ、_  .//ノ/,ク7ァ┤
          Y´| ; |. |〃、_,,ニ''〃//、/ハ: !'
.           l:.l .::'λ !"`=''"    ゞ='',{:.l
          l:.| ,:〃.!:.゙、"""     ,"" ,!;.|     「また明日の朝、様子を見に来ます」
         !:.l; /'ゝ!、:ヽ    ,..  .ノ!l:.l
.         l:.:|〃!|:.lゞヾ>=┬-;<´|:. !|:.l
.           |:.:!/l{ {::.:..`ヾ;、.__゙ーπi、:.!;'|:.!.|
         !;:!l::!::l!ハ;::::. ヾ、 ̄´_ヾl |,'ノlリ|
        リィ'l|:::|l:!::{゙、:::. ヽ!::.ヽ ヽ\'.:,|: !
        ハ! lハi|:l::ヽヽ::.:. ゙、::.┘└ノ:ノ:丿



頭を深々と下げた翡翠がそれを見送る。



                             ,. --- 、
                            ,...:'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
                       r'~`i⌒r‐-、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
                      ヾ、,⊥.,___;;__ ヽ;.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.',
                        i.:.:.:.:.:、.:.:.:.:`i.:.:.:.:l_.:.:.:.:.:.:.',
                    .   liいヽ:ヽ_;;;,:.:l.:.:.:;.lヽ.:;;::::;:.ヽ、
                    .   l!'い';ヽ、;_;こ!::::,;,;iノ,;,;;;,;;;;;、rォ、
                         ヽ-'l`く 、ノ!:::,;,;,l |,;,;;,;,;;/  ヽ.
     「はい。                   .i:.:.;|. l:,;,;,;,;l |;,ル/.  /ー\
      ありがとうございました」        .!i.:;;个!i,;i,;,;レレ';V.  /    ヽ、
                           lハi´ リiルi`ヘ人 /  __   ヾ、
                                 _,く‐' :ヽ,i/    ̄ "')\
                                   ヽ:i:.:..:.:|ヽ;,,,,      /  ヽ_
                                    }:!― ! ヽ;;;;;;;;;;;;,,,,. i    `ir‐_''ユ =-、
                                 /.:!:::::.;,i  ヽ;;;;;;;;''  !;;,,,,,;,;;;;;人ー‐一 '" ヽ
                                  └ノ.:,. -ゝ、  i    l //  ,>、二 ___l
                                  `    i, `l ,.   |- ''  /  ! ヾ、、
                                      ! i i ,'    l  ,/   ',  ヾ.、
                                          i l リ    「 ̄      ',.  ヽ丶
                                       'i ,'    リ           ',.   丶ヽ
                                          l ;.    ,'         ',    'い
                                          | ,'    ,'          ;     'い
                                          l/     ,'          ;     い


471 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:54:12 ID:VkRf532r
九25.



       ______________
     | | ̄ ̄ ̄||  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄|_|
     | |      ||           |l    | :|
     | |      ||           |l    |_,|
     | |      ||           ||    | |
     | |      ||           ||    | |
     | |      ||           ||    |_|
     | |      ||           ||    |_|
     | |      ||           ||    |_|
     | |      ||           ||    | |
     | |      ||           ||    |_|
     | | l| ̄l ||           |l    | :|
     | | l|: ; l ||           |l    |_,|  バタン
     | | l|(,0 ||           ||    | |
     | |   ̄  ||           |l    | :|
     | |      ||           |l    | :|
     | |      ||           |l    | :|
     | |      ||           |l    | :|
     | |      ||           |l    |_,| _,.. -‐''"
     | |      ||           ||_,.. -‐''"
     | |      ||     _,.. -‐''"
     | |     _||,.. -‐''"
     |_|,. -‐



扉が閉じて数秒。
困り顔の翡翠がベッドのやらない夫を振り返ると―――



                    _ r‐v¬v~r- 、
                    ,r‐ 1 |  | __」__/  / 入
               /rヘ.  |. ┴'  ___``<_」
.                / /\ У -‐         \}-┘
               / `ー7/           ヽ
                /    |′   ./ / /  / | |  |
.              |     |    / ,.イ / 〃 ハ.|||
.              |     |   __/_/_仏jイ/ ./ハ!|||
.              |  fニヽ|   |/_  // ,二|.} }/
.               |  Vi(.|   ィi::;;j1 ′   f::j} ノイ
             |.   ヾ.|   ト ┴     ` ^´| |
              |   .||   |      i   ,ハ.|      「やらない夫様。
.             | :| i  i.|   |     __   .:i |      マゴット司祭長は気づいていると思いますよ?」
.              |:| |:  H..ヽ.|ヽ、   ,.イ:| |
            {ヘ| |i、 |: \ヽ\ /` ¨´ | | /
              ,ハ|:::ヽレ一:7´ ̄ ̄: ヽ イ / /
             / /::::/   /:::::::::::::::::::::::∨1j/
            /  /::::/   /::::::::::::::::::::::::::::ハ
.          〈  |:::/    '::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
            |/     {:::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::}
              〉        ヽ:::::::`ー:::::::__/
           |        〕::\:::::::::::::::::; ヘ
            |       く::::::\ヽ--::r:´  i
         _」.         }:\::::::ヽ--:;〉    }
         ヽ        }::::::::::ー:::::::ノ    /
   r‐- 、 ___ ,.⊥ __     /::::::::::::::::::::/   /
  丿  〈//   \\  /::::::::::::::::::::/  /
  {_厂 ̄不ト、     〉¬../::::::::::::::::::::/ /
-- `ーァ'::: |. }. ヽ   /\. /::::::::::::::::::::/_ノ
 ̄ ̄´:::::::/ / \レヘ  /::::::::::::::::::::/

474 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:55:12 ID:VkRf532r
九26.
むっくりと起き上がった彼は、ずっと寝てばかりで強ばった身体を解しながら言った。



              / ̄ ̄\
             /  ヽ、_  \
           (●)(● )   |
           (__人__)     |     「ああ。
           (`⌒ ´     |      ………わざと怪我したのがばれたかな?」
            {         |
            {        ノ
        __    ヽ      ノ          __
        | |=====>    く=============| |
        | |   / l      ヽ        | |
        | |  / /l     丶 .l        | |
        | |  / / l      } l ̄ヽ____| |
      / ̄ーユ¨‐‐- 、_    l !__ノ   /| |
   _ /     ` ヽ__  `-  {し|     /  | |
  /    ヽ        `ヽー、}   ./  /| |
 ノ               ヽ__  `ヽ./  /  .|_|
/                   ノ |  /
                     /  |/



              _r ´  \_/\
            /\: :\  : | : / \
         , . -<  : : : : : : : : : : : : : . :/|_
        /:. :./\: : : : :, - ― ‐ - 、: : : :/\
       /:. :. /: : : : : :/:. :. :. :. :. :. :. :.\ : : : :/|
       /:. :. :.| : : : :/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.\: : /\
       |:. :. ;. l_/:. :. :. :. / :. :. :. :. :. :. :. :. :.\:/
       |:. :. ;. :. :, :. ;. :.l:. :./:. :. :. :/:. /l:. :..l:. :. :. : ヽ
       |:. :. ;. :. :, :. ;. :.|‐/-:.、:. :/:. / l:. :./l:. :. :. :. .ヽ
       |:. :. ;. :. :, :. ;. :,r―-、:`/:/ l:. / l:. :. :. :. :. ヽ     「いえ………
       |:. :. ;. :. :, :. ;. :トj:::: /ヽ   「/ヽl:. :. ;. :. :, :.ヽ     怒ってらっしゃるのは
       |:. :. ;. :. :, :. ;. :ヾ メ     イj:ヽ/:. :. ;. ::. :, :. l      そこではなくて―――」
       |:. :. ;. :. :, :. ;. :. |      ヾメ/:. :. :. ,.:. :. :l:. :|
       |:. :. ;. :. :, :. ;. :. |    _ `  /:. ;. :. :ハ:. :. l l: |
       |:. :. ;. :. :, :. ;. :. |       イ:. :/:. :./ |:. :.l l:.|
       |ハ:. :, :. /ヽ:|:. : |> - <: /:. /:. :./  l:. :| l: l
        ハノ/ヾ; ; ; lハ: l:/lコヾ:. :./:. /:. :/  l:. / |:.l
       / ̄ \‐ - /;;;;;;;ll;;;;\ :.:/:./   l:/  l l
      /- 、   \/;;;;;;;;;;;;||;;;;;;;;;\イ    〃  リ
     /::::::::::::\   ヽ;;;_;;;_;;;_||_;;_;;;/ ヽ\
    /:::::::::::::::::::::\  ..:::/;;;;;;|::::|;;;ヘ/:.: /::::ヽ
   /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:. : /;;;;;;;;l -|;;;;;;ヘ:.メ:::::::::ヽ
  /::;::;::::::::::::::::::::::::::::ヽ:. ヾ_;;_;;|:. |_;;_;/ ヽ::;::;::;ヽ
  /:;::;::;::;::;::;::;:::::::::::::::::::ゝ:.:.:.:.:. :r ニヽ:.:.:. :./::;::;::;/



だが数日前にエスメラルダから戻ってきて、
自分だけは理由を聞かされてる翡翠はそっと首を振る。


475 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:56:12 ID:VkRf532r
九27.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   やらない夫様が、本当の事を言わないからだと思います。

┗──────────────────────────────────────────────┛



       l l::::::::::└┐┌┘:::::::::::::::::| |::::::::::::::::::ヽ
        | |::::::::::::::::| |:::::::::::::::::::::::| |::::::::::::::::::::::!
        | |:::::::::::::└┘::::::::__|_|::::::::::::::::::::::|
        | |::::::::_;;;-ー''´ ̄: : ハ: : :``丶、::::::::|
        〉-'7:/: :/, : : /: / _l,.ム : : : : : ヽ/
        /: :/:/: /: /: : :/: ;ィ'´ノ !ハ: : : : : : !
       /: :,' / /: :/: : :/ /,ィ行气刊;=、: : : :l
       ! : l: :!/丁クト!/レ'  V::::::リ"!lうリ : l : !          (………やっぱり時間稼ぎ?
        { : l: :l: !汽示     ゞ-'' !l1": : :!: :',
       | : l:ヽl: l` V:ハ  ,       从! : : : l : ヽ          フーリン夫妻の処分については
         |: :゙、: ヽ:ト、.゙~’   _    / l : : : : ! : ヽ         王女様のお心一つ、とは言え―――)
          '、: :ヽ : : へ.. ___ ./__!_: : : : !: : `、
.         ヽ: : l ヽ: : : : : : : :「      {_ _,. ┴-、:ヽ
         ヽ: l : : >ー-'ヽ\   ̄ ̄ヽヽ`、   \ヽ
          l: :!: xヽ.\\: \\__ ノ丿:::\  ^ヽ
          l;イ  ヽヽ \\:::`ー--ー彡:::::::::::\  \
         / j    ヾ、 \\::::::::::::rー'ヽ;: - 、:ヽ  ヽ
         /{/     ヾ、. \\::::::::::ゝ      〉::j  /
         /∧        }}ヽ. ヽヽ::::<     r:'::::,'  /
.       /: X       〃ヽ  } }::::::〉 ┐ l:::::::/ ィ'
       /: :/ |       〃  〉/ /:::::::::::::::!  !:::::::::!.  〉
.      /: :/ /:\    〃  .{l |:::::::::::::::|  |:::::::::!.  ハ
      /: :/. /: /: :\_. {i    !l |:::::::_;レ┴ー┴ー< `、
    /: :/  /: / : :l: : :ヽ.{{.    廴レ'´          `ト-!、
 .   /: :/  /: /!: : :l : : : ヘ)}  -〃                〉 `ヽヽ
   /: :/  /: / ',: : ', : : :/,ヘ                 /  p 〉



水と食事もこっそりと翡翠が持ち込んでいるのか、肌が乾ききっていたり頬が痩ける様子もないし、
数日前から寝たふりだと見抜いていたアリアは何となくその訳を感づき始めていた。

城の噂はそれとやらない夫の状態とに二分されているし、
王女が彼から直接状況を聞き取るまでは判断をしないと明言していたのも理由の一つだった。

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477 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:57:12 ID:VkRf532r
九28.
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そして次の日の夜、東の塔の牢屋。



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 .....;::|                         ,.、t''T叮了丁丁Ti¬-、      《》 《》
 .....;::|                       ,.<ヽ>‐ ´ || ̄|| ̄||`^''く,r`>、    《》 《》
 .....;::|                     .,心>イ'__||_||_||_||_||__ヾk,. ヘ   《》 《》
 .....:::|   ;; : . .    , ;..      ム,.//' ̄|| ̄|| ̄|| ̄|| ̄|| ̄||;V‐''',   《》 《》
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 .....:::|                     |-ー||]|_||_||_||_||_||_||_,|ー-|   《》.  《》
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 .....;:lノ. ; '  _,,..-ー.'"l_. ._ l,..-‐; |-ー|´|| ̄|| ̄|| ̄|| ̄|| ̄|| ̄||`|ー-|   《》 《》

480 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:58:12 ID:VkRf532r
九29.
陣痛が始まったとの連絡を受けて数時間。



                         /i、,,-ーフ,、__
                        iヽ/i/::::/∠_::::::::::::::`>__
                       |::ヽ:/:///::::::/::>::::::::::::ゝ
                      |ヾ::V:::/:,彡ソハヘ;;;;;:::: ̄´\:ト
                    γ升/`"ヘL,,___ヘ /`二ニ:::\
                     !/≧ `"''i斤┬,r、 く;;:::ニ_\::>
                     ゞt)    ' 、_ヒ;j ′ ミ::::::::::::\
                      タ       u   ミ>=-::ヘ一       「ああもう、落ち着かねぇ!
                     〈 ヽ          γ´ヾラヘ
                        ',     __    ソノ/::/           バゼットは大丈夫なのか?
                       ', ヾニ二二`)  ∧≦/           生まれるのは男?いや女か?」
                      i′       ´ l:l::::|
                      |:lヽ __       l:l:l:::|
                      L!   i    _.,、ーl !」ゞ、
            __          イt、,,,、、i´: : : : : : : : :>ー-、_ _
          /´: : : / ̄>ー--、,,、ー'´:.| i丁厂ヘ__;, : : : :/: : : : :!√ヽ:`:\
         /',: : : : : i: : : : i: : : : /: : : :,、/Υソγ⌒ヽヘ/: : : : /: : : : : :,ヘ :\
         /:.:.',: : : : :l : : : l: : : : i:,、ー';;;;(( ノソ´;;;;;;;;));;/: : : /´: : : :.,、ー'′: :ヾヾヽ
          i:.:.:.:.',: : : : ! : : :.l: : : :|二ニヘノノヘ==≡∨: :/: : :,、ー':´: : : : : : : : : : :ヘ
         !;.:.:.:.:.'.,: : : ヘ : : ∨:._:゚/;:;:;:;:ヽ__/;:;:;:;:;:;:;i゚。∨: :,、ー': : : : : ; : :´: : :`: :': : ; :'.,
          'l:.:.:.:.:..:.:'.,: : : \厂゚/´;:;:;:;;;;:;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!ト。_/: : : ; : :´: : : : : : : : : : : : : : .〉
         ';.:.:.:.:.:.:.:.:':.,: : : ゚ソ´;:;:;:;:;;;;;:;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヘ: : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/
       ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.,/;;:;:;:;:;:;:;;;;;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; ヘ: ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/
        /:.;,;,;,:、;ー/7丁´:;:;:;:;:;:;:;;;;;;:;:;:;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
       `フ;:;:;:;:;:;//;:;:i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/;:;:\: : : : : : : : : : : : : : : :/
         /;:;:;:;:;:;//;:;:;:;ヾ;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;:;:;:;:;:;:;\: : : : : : : : : : : /



落ち着かないランサーは牢屋の中をうろうろと動き回っては
壁を叩いたり鉄格子をギシギシと揺らしてみたり、
妻と子の無事を祈ったりと落ち着かない時を過ごしていた。


481 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 20:59:12 ID:VkRf532r
九30.
もう、日付も変わろうとしていたその時だった。
具足や軍靴ではない、軽い足音が走ってきたと思ったら、



                       i     ;        /
                        l       ;       /
                    l     ,'      /     ,..、、
                     |    ,'       /ー- 、. -=― .、ヽ
                     l.    ,′     /       ,: ゙i|
                   i    i    /ヾ:     ,,.:'  |l
                    ,! ,  !、   ' ノ,' __  '"_,_;_,..-',イ
                        ,'   |`ー--‐"'''´    ̄i`- '" l
                  /     |             l     ,!
                    r'´ ̄`ヽ、!           ゙、   /
                  ,'      |            `''''"
                 ,'     ,:'
                   /     /
               /     ,,.:' /
              、-゙''   '''" /
        ,:''⌒``'''<゙ヽ、、    '{
          !,. - 、    \ヽ、` 、.,!    タタタタタッ
        ゙ヽ、  ` ‐ 、...ヽ、_``'く
          ``''‐- 、_ `` ``r'′
               `丶、ノ


483 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:00:12 ID:VkRf532r
九31.
息を切らせたアリアが、とうとう産まれた事を教えてくれる。



          r'ニニニ二二二ニニニヽ
          | |      @     | |
        r ┤|           |├、
          |  | |     Π      | | .|
        l  l l    lニ  コ    | | .|
          |  l l     |_|     | | .|
           l_l_l_______|_|_|
          / ィ ,イ /   } !、 ヽ   ヽ
.          / ./| / l/x'   l.ハ`x ヽ ! }    「産まれました!
        { /| N レ;行ミ   ≠ミト、!、ト、!     産まれましたよ!
        V |/ .!イ {r、::}    トィ,.:} 〉! l |
.            l | .| ゞー'    弋ツ ハ ! |      元気な男の子です!
         | ! ト、''''' { ̄j ''''' ィ'|l .| .l      バゼットさんにも変わりありません!」
          j l !_|_l ` r - ャ<_j_| ハ.| ハァハァハァ
        r'ニニYヽ ゞ、_,〃 /yニニヽ
        }、 ニニ! ヾ  ,ニ,  //ニニン



                                                ノ    __ ,
                                             /::/,、ー'´/ー--ー/ __,,、
                                          /i/:::::::::::::::::::://:::::::::::: ̄//_,
                                         /i !i:::::::∧,_/´/:/::/ニニソ:::ノ
                                        ヽ、i::::::::/∨::/i::::/:::///:::::::::::二ニ彡
                                        ヾ:ヾ∨/:::/彡ミヘ"彡::::::二二ニ彡
                                         ∨ヾソ〃\:\  }:}"`ー-、彡彡彡
               「そうか!                     /:/i!    ヾ:i  」i,,、-  彡/ヘ
                男、か………」                  |/ !     斤7"リ      ソ )
                                           リ  ヽ   フ 、、,,,、-′   つ/
               (これで思い残す事は―――                  }           ゝ〈ヘ
               なにもねぇ、な)                       i           / i :iヘヘ
                                             ' ー 、. ー - " ´      ! j ヾ;ヽ.
                                                 \    /    _,ァ:::'.,
                                                  ヽ-、-     _,、ー′: :∨ヘ、
                                      __          イt、,,,、、i´: : : : : : : : :>ー-、_ _
                                    /´: : : / ̄>ー--、,,、ー'´:.| i丁厂ヘ__;, : : : :/: : : : :!√ヽ:`:\
                                   /',: : : : : i: : : : i: : : : /: : : :,、/Υソγ⌒ヽヘ/: : : : /: : : : : :,ヘ :\
                                   /:.:.',: : : : :l : : : l: : : : i:,、ー';;;;(( ノソ´;;;;;;;;));;/: : : /´: : : :.,、ー'′: :ヾヾヽ



肩の荷が降りたランサーはしみじみと呟き、大きく息を吐き出した。

処刑を待つ身として唯一の気がかりが無くなったのだ、
彼が妙に晴れ晴れとした表情なのも当然で―――

484 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:01:12 ID:VkRf532r
九32.



           | ┌''´       ゞ=ノ        〉. 〉
           /l !        「 ̄|        / ./\
           { ',. ',.   __,,、-ー┘ └ー--、,,   j / /
.           l l |  「      _,   __    `i | .,'  |
           l | | └ー'''´ ̄ |  |   ̄`''ー┘j j /
            | ', ',      └ー┘      / / ,'
            |,.-l }  __,,.、r─ー─tーァ-、,,_ | ト、.|
             ! |,.ゝ''´ ://´|: :l : : :/: /``lヽ:j``、j、 !
            }'´l: : ! :V,z=ニ.ヽ:! : /: /=z、リ: : ,' i `i'
               ,'1: l: |:vイィぅ`ヽ ` Vリ' ;ぅ`ヽj:/:/ :| : }     「なにか、お伝えする事は?」
           / j: :| :|':!{ {c::::::j       !c::: リ.}|/l: :|: : !
          ,.' ,': :}: :',:`:, ゞ-''    .  ゞ-'' ./: l : :l: : |
         ノ. /: : :ハ: \ト、    ,..、    ./|:/i: : |: : !
.             /: : /: :ヽ: `、: :> ,-,` ' ,. ィ ': :!':: l: ::! : :l
.          ,.': : :/ :/ : ヽ: ,、 ;_/ / `´.┤:l : : : l : ',: l: : :',
.         ,/ : : / :/:ヘヽ ̄ゞ./ `ニヽ.  `〃` ̄〃 : ', : : ',
       /ィ : : /: /,'  ヾ、  j   ニヽ彡’   〃 ヽ: :`、: : `、
   __,. ''´: :,.':: : : /:/ :{   ,. 》./    ィン┐   《、  }:',: `、 : :\
 _='-ー''´,'/: : : :, ' /: : }  ,' 〃'. `ー /.  !     l|ヽ ,': :`、: : ヽ : :ヽ,



ここから出してあげる事も彼女らをここに連れてくる事も出来ないが、
せめて何か言葉でもと司祭が問うと、



                              イ     ___ ,.イ
                          ,.イ/// ̄ ̄.:.:.:.:.:.:ノー 、
                        ヽ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:___ノ.:.:__ノ.:.:.:.:ニ=ー
                        |/.:.:.:.:,.イ.:.:.://.:/.:.:.:.:.: ̄ ̄ ̄.:.:>/
                       \ヽ//.:.:.:.:.:ノノ/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>.:.:.:// イ
                          ∨.:.:/ノイ!   彡── ´.:.:.:.//:.:/
                          i/ヘ   }}   ミ二ニ.:.:.:.://.:.:.:,イ
                           / |//厂`  ヾ:.:.:.r-く.:.:.:.:.:.:/.:.:.j
 「名を、伝えて欲しい。           / /        ∨/⌒ ヽ.:.://.:.: /
  それから―――」            ヽ  ,,ノ      ヽ丿 丿´.:./.:.:.:/
                .         /           __ノ.:.:.:./.:.:.:./
                        /            Xヽ.:./.:.:.:,.イ
                        `ヽ              | |  ヽく::::::ヽ
                           `<  ̄          | |    l ヽ:::::::ゝ、
                             ',        イ  / ¨    l  `く:.:.:.:.ヽ
                              ',  .. 、´ ___./───-ュ  \:.:.:.:.\
                             ̄  」¬|::::::::::::::::::::::::::::::∧   \.:.:.:.:\
                               | | ̄|:::::::::::::/  ̄ ̄ ̄ >ー-::、:.:.:.:.:ヽ.
                                  ,| |⌒トー、//  .:/ ´      `ヽ、:.:.:.ヽ.
                             /イ /   )// .:./       __  ヽ:.:.:.:.:'.,



目を閉じて天を振り仰ぎ、しばし考えた咎人は二つ頼む事にした。

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486 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:02:12 ID:VkRf532r
九33.
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数分後。
また、息を切らせて全速力で戻ってきたアリアから伝えられた夫の言葉を繰り返し、
ベッドの上のバゼットは、腕の中で元気に泣いている赤子に視線を向けた。


                      __
                   r':.:´:.:.:.:.:.:.:`ヽv..ー.、
                 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、':.:.:.:.:.:\
                /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〃:.:.:.:.:.:.:.ヽ.
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.,
              /:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;.:;、:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
               /:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:lヾ/ソ、::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
             i:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:i:.:.:.i:l|    l:.i:.:.:.i:.:.:.:.i.:.:',
              | !:l:.:.i:.:.:i:.:.:.:|:.i:.:.:.:i|:.:.:.|:!   |:.li:.:.l:.!:.:.:l!:i:.i
             i !:|:.:l:.:.:|:!|:.:|l:.ト;:.:.:l.!:.:.:|:i、  |:.!i:.:リ:.:.:.!| |:i
               ! !i:.:i:.:.:l`i|:iトl、ヘ:.;|ヘ;:.:!:iゝ__,,斗レ´リ:.:/!|ノ|!
                i!:l!:.:i!|、、,,___,,\ \!<___,,,,、 |:.∧l/        「ヒュンケル、ですか。
                 {ヘ\ヘ`" ̄   ::   `¨`´ i/ノ) )         確か、古代の槍の使い手でしたね」
               \トi\      :        /7/
                 |i∧      !      /゚:|
                  l:|:i i\   ─-─    /|:.||:i
                  !: :i i:.:|i\      /i:.|:.l:!:|リ
                 \i:!lr:|  \  __/ |r:!レ/
                 ,,∨ `ヽ、,_    _/´ ヘ\_
              __ ,r‐''´ {     ゝーく      〉.:.:.:`ゝ-、
      _, 、 -― ''"´.:.:.:.:/.:.:.:.:ト    /     i   / !.:.:.:.:.:i.:.: ̄`i´`ー-ヘ
      .':.:.:.:.:.:.:ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:| \ / ヽ ,- 、ヘ / l.:.:.:.:.:.:l.:.:.::.:.l.:.:.:/.:.:.:.`.,
      i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:!     i   i     i.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:|/.:.:.:.:.:.:.:.: !
    l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:/.:.:.:.:.:.:.:.:,イ    l:::::::::::l    |.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:/.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|    <オギャア!オギャア!



       //  ィうヾ        \ヽ
       | j     >=彳       ::::l |
       | l  ___|   |__     ::::l|
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       l ! |    :::|  |     .::::::j ,'::::::::::. l
      | l|  ::└ー┘    .::::::::j ,'::::::::::: ,'
        ', ', l _,;:ァ-rーヾー 、_.:::::::://::::::::::: ,'
       vイ´:/   !: : :!: : : :ヽ、`:x'/::::::::::: /
       | l,'/> 、ヽ,: '、:ト、\:丶、:`l: 、: /
       | ! i彳tぅミ ヽ!斗≦毛zミl: ! : ヾ    「『約束通り、男なら俺が決めて良いだろう?』と。
        l: ;イ}ゝ辷;j.    ´ トィ':::j"|: l: : : !     それから―――」
.       j : 八 ,,,,  ,   ┴ー"'ォ ,': : : l
.       ,'/ィ : : `..、  -   """ィ|:!/l : : :l
      //j : : : : : _´>┬_,≦ノ|㍉_: : :!
      ノ /: : : ァ´ {{:::{{ヾ-  〃:::〃ヾ,l
.       /: : :/  〃;;::::ゞ=三 彡':::〃  .}
.    , ': : : :イ  /'  ::/  /  ''〃/   j
    /イ: : : {  {  .::/ ./  .:!l/   ./l



ランサーが伝えてくれと願ったのは子供の名前ともう一つ。
こちらは言うのに勇気が要ったが、

487 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:03:12 ID:VkRf532r
九34.
大事な事なので、出来るだけ真剣に伝える。



          //       ◎     \\
        //        / 7      .\\
.        | |    ┌─ー─' /_       \\
.       /| |   └─-ァ _   ̄7      / /
.       |  | | __ ,. rーy-/ /    ̄`''      / /
        |  |/: : : : :/: : :∨\へ        / /\
       |/:/: : :/: : : : : : :ヽ:\ \    ./ /  ./
      /: / : : : / : : : /ヽリ:',: ', : : : : ヽ //  ./
     /: :/ / : / /: : : :/   j ハ: ',: ', : : : ヽ/   /
.    //:/ : / : /,./ム--/  //_} : l: :! : : : :ヽ  /
    ハ!/: : ,' : ,ィ{ N: : :|  .// /`メ、:l: : ', : :ヘ/
.    !: : : l : :!|:,ィ云示  // /_:/|: :ハ: : ! : :ハ       「『愛してる』と」
.    l: : : :l : :l,ハz:::::リ     え圷ミ :! : :j: : : :!
     l: : : :', } ゞニニ´    弋z::::リ〉,': :,': :l : !
     ',: :,.A ハ ::::   .  ゝニン./: :/ : j : :l
      ∨. ヽ ゝ、.  ‘ '  :::: ノハ/: : :,': : :!
     /    { {  >、._,. <///`ヽ/: : : :|
    ヾ、    ヽヽ 、_   ,.-' //   ヘ : : !
     /ヾ、 i   ヽヽ      ノノ     ヘ: : l
    ,'  ∨    ゞニニニニニ彡    /  /〉 : |
    |  /               l  // : : :l
    l  {      ┌┐      .,'/. ',: : : :l
    l  .ゝ. ┌---┘└---┐  ノ   l: : : :!



と、最初バゼットは、何を言われたのか分からない様子だった。

だが数秒して頭が理解したのだろう、頬を染めて照れ笑いを浮かべた彼女は
珍しい事もあるものです、とその言葉もしっかり受け取った様子である。



                   _ _
                ,...::´:.:.:.:.:.:.:.`':. ̄:.ヽ
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ:.:.:.:.:.:.:.:.\
              /:.:./:.:./:./:.:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ヽ
             /:.:〃:.:/:./:.i:.|ヾi,,/∨:.:.:.ヾ:.:.l:.:.:.:|
             i:.:/:.:.:.i:.:ハ:.!:.l    !:.l:.:.:.:.:ハヽ:.:.|
             !:.l|:.:.:i:.:l:i:.:.|:.:i    |:.il:.リ:.|:.:|:.:i|:|
             |/!.:.:.l:.廾リレ′   ノリ丿/:.:/:/:.:i
                i| レヘ! >| !卜  イ升リ丿:/:.:/
              ,ヘ | 弋込)    込メ ソ勹    「ふふ。
              ヽトゝ ///  :   /// /7/ソ    彼がそれを言うのは二度目、ですね」
               `∧     '     ∧ソ
                /ハ\  ´ ̄`  /| |i、
                /!り/i |\_  _/ |ヽ∧ゝ
                 `>く    , -‐´\
            _,,-//   ゝ/´    /.:.\、
        --'' " ̄:.:./:.:.:|  /;:;:.\    /:.:.:.:.:.i.:.:`'''ー-- 、
       /:.:.:.:.|:.:.:.:/:.:.:.:./|/ i;:;:;:;/´\  / !.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
      |:.:.:.:.:.|.:/:.:.:.:.:イ    〉-〈    ヽ'丿:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:|
       |:.:.:.:.:.:.:` >:.:.:.丶   /;:;:;:;|   /:.:ヽ _ 」:.:∨:.:.:.:.:.:.:.|
       |:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ /;:;:;:;:;:| /:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.i./:.:.:.:.:.:.:.:.:|
      }:.:.:.:.:.:.:.:./\:.:.:.:.:.:.:.:.\ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ!|i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
      /:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.Υ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|


491 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:04:12 ID:VkRf532r
九35.



         r'ニニニ二二二ニニニ、ヽ
         | |     .@     | |
      rー┤|           |├、
      |   | |       Π    | | |
      l    l l     lニ  コ  .| | |
     |    l l      |_|    | | |
       l__l_l______|_|__|   っ
       | /  ,イ,へ 丶、       ヘ
       | ,' / //  \| \ ト、 ヽ ',   つ
      !j./l /        ` ヽト、ヽ }
.     | | .!/.!  ○    ○ l l |ヽ,'    ⊃   「そ、そうなのですか?」
       l | | .l/////////////! | !.|
       .| ! | ト、  ,-ー¬   .ィ| .| l
        | l ! l l` r --.' <j ,' | |
        | .l ', l |ャ-ミ≡彳ァトイ ,'! !
      .| | ヽ| | l r´ )/ハy / | ',



                   _.,、-ー:.':."::¨::'::-.、.
                  /´:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_
               /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
               /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;:::::::::',
              ,'::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::/ヘ;::::::::::::',
              l::::::::::::il:::::!::i:::::/!:::::i::l::::l  |:::i::::::::i
              !:::::::::::il:::::i::il:::iハ:::il:!l::::|   |::::l::::::::l
              ',::::::::::i:l::::|辻≧tf」l|/リ!|  /_/:::il:!:!
               ∨⌒i!ヘ:|弋;;シ´`"` レ'/ソノ::://ノ
                }{ヾ.ソ ヘ!       trッ/ソノ
                i|ヘヘ          ′/ソ
                /!:::::i i`      // /          「ええ。
                //!|:l」  \   ー' /i i           求婚の時に言ったっきり。
                   7''-、_  ` ー ´  l」
                   ,、く    `ー 、_ |ヘ               『釣った魚にゃ餌をやらない主義なんだ』ですって。
                /i:::::ヽ       /´∨ヘ>、,_           とんでもないですよね」
           _.,、-"´:::::l::::::::::ヽ.   ∧;;;;;;;ト∧:::ヘ:`ー-,ー..、
         ,:´::`:::、::::::、::i::::::::::::ヘ / \;;入∧:::::ヘ::::::i::::::::'.,
         i::::::::::::::::`::ヘil:::::::::::::::ヘ´    i;;;;;;ヘ ∨::::ヘ::i:::::::::::',
       :l::::::::::::::::::::::ヾl::::::::::::::/ヘ  l;;;;;;;;;ヘ |ヘ_ゝ::::::::::::',
         {::::::::::::::::::::::::::ヽーフ´::::::::::\.l;;;;;;;;;;;;∨::\\:::::::::::i
          ',::::::::::::::::::::::::::!/:::::::::::::::::::::\;;;;;;;;;/:::::::::::`>、:::::::i,
        ヾ;:::::::::::::::::::::::ヘ;;;;__::::::::::::::::::::`\/::::::::::/:::ヽ:::::::ゝ


492 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:05:12 ID:VkRf532r
九36.



                /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
                /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:.:.:.:.:.:.:\
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
            /:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:./ヽ:.:.,、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
             /:.:.,':.:.:.i:.:.:!:.:.:i!/ヾヘ〃i!:.;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
              !:.:,':.:.:.:.!:.:.:!:.:.il!      !:.:l:.:.:.i!:.:.:.l:.:.:.',
           l:.:i:!:.:.:.:i!:.:i!l:.:i!l      l:.:il:.:.:i!l:.:.:.l:.:.:.:!
              i:!!:.!:.:.:l:l:ハ!:_!」__   __リハl:_:ソノ:.:.l:.:.:.;'
            レ!:.i:.:.:!ク仆ミゞ    ノタ≧ラ:.:i:.:./
                〉∨',`弋9リ`    ´辻タ ノ//ヘ
                 ∨ヾゝ´ ̄       ̄`.//ノ/      「でもまぁ………
                \ヘ     i;      /ソ       行動で示してくれたのだから、許しますか」
               i:i::'.、   ー 一  , .':.!i:i
               i:i:.:.:.\      /.:.:.:.:i:i
               /リハ:.| 丶-  ´ |、:.i:!リゝ
                 _ノ/〈     /´`\ゝ、
            _、ノ::::/  \_,、/    /::∧`..、
      _,、-ー‐.."´:::/:::::::/   /´;:;:;:;ヽ     /::::::∧:::::::`:::ー,-...、
     /::::::::::i:::::::::/::::::::ハ /i;:;:;:;:;:ハ    /i::::::::::∧::::::::::::::i:::::::::'.,
      i::::::::::::}:/::::::::::ノ! ∨ .〉ヘノ  ヽ_//:::::::::::::::l:::::::::::::/:::::::::::',
      l:::::::::::::',:::>::/::::ヽ  ./;:;:;:;:l     /\:::::::::::::|:::::::::/::::::::::::::::i



なんと強く、そして悲しい笑顔だろう。

麻呂の悪意は本人が斃れた後でも、
幸せを願う夫婦すら巻き込んで無情に打ち壊していくだけなのか。



       /:::/ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/           /:::丶、     /:::::::/  /:::::::/
      /-/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'-、        /::::::::::::::::`丶、/::::::::/  /:::::::/
     / ゝ__ゝーーァ--、;___::::::::::::::::::::`::::::丶、 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  /::::::/
    ,.rー''´ /  ./  / / /` 7''- 、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  /::::::/
   //  /   /  / ./ / /    `,へ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  /::::::/
,. '", ィ /  /   /{ /   / /__,.レ   、/  | ` ァ 、:::::::::::::::::::::::::::::/  /::::::/
  /  / .イ   /,!-rー'' |."/|  !     ,ヘ l  |  \:::::::::::::::::::/  /::::::/
  /  /   |  l |/____,|./ | l     / |ヽ|  l   | \:::::::::/  /::::::/
. l  /l  |  |ァ≠=ニニlト、! ト、.   ,' .l |\|    l    i`<  /ヽ、/
  | / {   l .|` ト- ':::::::/` .l| ヽ  l  | .|  l 丶   l   | | `<   /
.  !l ヘ   lヽ|cゝ!;;;;;;;___/   !  \ ! ,ミヽ、N ! \ |   .l l  `y'
 /i|// ヽ  ', :::::::::::::::::⊃       ヽ! / ヾヾl、|    |  ! |   |
./ / / / \ '、::::::::::::::::           /:`:::':::::`ト、l   !  !|   !
' / / / .人\ゝ.       ,      ⊂ヽ、;::: /ゞ!  j  |   .|
/ / /  / ヽ `            :::::::::::`~ぅ/.|  ∧  ! |  |
/,.ィ'   |--ー>,     r 、      ::::::::::,.-" ,. l ./ ∧ ',l  |     「……………」
/::!  |::::::::/  >,    ` ’       ∠ -ァ''/|/  / \ゝ !
::::::|   !:::::::/  / .ト、            ィ'.〆 / ./!   | |
::::::|  |::::::/  /.  |\\___ ,. -‐ '"´ /ィ / ,ィ'| l    |  |
:::::::|  .l:〈 、/   l  `丶__,,. - ー''///  ,< .| |     |  |
::::::::|  |::\ .\           //// /:::::\| |    |  |

493 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:06:12 ID:VkRf532r
九37.
司祭が涙目になっているので、これ以上の気遣いは無用ですとバゼットは首を振った。

夫婦の心残りは子供の事であり、
それが達せられた今、思い残す事は何もない。

もちろん誰かの手に託すのではなく自分らが育ててみたい、
親の愛情を注ぎ込みたいとも思うが―――



                   _ _
                ,...::´:.:.:.:.:.:.:.`':. ̄:.ヽ
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ:.:.:.:.:.:.:.:.\
              /:.:./:.:./:./:.:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ヽ
             /:.:〃:.:/:./:.i:.|ヾi,,/∨:.:.:.ヾ:.:.l:.:.:.:|
             i:.:/:.:.:.i:.:ハ:.!:.l    !:.l:.:.:.:.:ハヽ:.:.|
             !:.l|:.:.:i:.:l:i:.:.|:.:i    |:.il:.リ:.|:.:|:.:i|:|
             |/!.:.:.l:.廾リレ′   ノリ丿/:.:/:/:.:i     「マゴット司祭長もありがとうございました。
                i| レヘ! >| !卜  イ升リ丿:/:.:/
              ,ヘ | 弋込)    込メ ソ勹       この子が―――ヒュンケルが助かるのであれば、
              ヽトゝ     :    . /7/ソ       私達はどのような処罰でも思い残す事はありません」
               `∧     '     ∧ソ
                /ハ\  ´ ̄`  /| |i、
                /!り/i |\_  _/ |ヽ∧ゝ
                 `>く    , -‐´\
            _,,-//   ゝ/´    /.:.\、
        --'' " ̄:.:./:.:.:|  /;:;:.\    /:.:.:.:.:.i.:.:`'''ー-- 、



自分達の立場でそれ以上を望むのは不相応だ。

それでアリアもやっと分かった。
やらない夫が何を思って時間稼ぎをしていたか。



                                |:::::└┐┌ー┘::::::::://:::::::::::::\
                                |:::::::::::::| |::::::::::::::::://:::::::::::::::::::::〉
                         .       |::::::::::::| |::::::::::::::://::::::::::::::::::::/
                                 |::::::__二__::::://:::::::::::::::::::/
                               /´//l : !: : !: : :`:`´、:::::::::::::::/
                               /: : /:A-! |l: :|-ト、: :l: : \::::::/
                               { :| トl:fヘ!ヽ!チ示ミ! | :l : Y
                               ヽ!ヽ!:j`ー'' ,  ゞニノ!:ハ l: : ヘ
「いえ、私は大した事はしておりません」 .        |/ゝ'''  、 '''''' //-' ! : : ヽ
                                  /: / |> ._. ィ/:/| : :|: : : : `、
(全部―――)                .       /: ///7-〃┴7:/´〃⌒ヽ: : :ヽ
                                /: /,'ノ〃〃、 ./:/ 〃メ、   l: : : :\
                              / : /ィ' 〃::{{ ./:/〃〃\ヽ、_j: : : : : :\
                         .     /: : / /ノ^r' /:/〃::lj   `ー!: : : : : : \` 、
                            /: / / イ  /: イ/):::::::|    ./: : : : : : \ :\
                           /: : :/: / .{丿 /イ:ハ!丿::::::,'    j: : : : : : : : : \:
                          /:/: / /,./   !/{: :!:::::::::::j ,.-ー〈 : : : \: : : :\
                          !/|: :|/∧    /|ヘ{二二l/´   { : : `、: :`、 : : : `
                         .  |: メ  ヘ   ∧i |:::::::::::|   '⌒ - ,._:\: :\:
                             ',   \/  ',| |::::::::::|/    ,--ー': : :`、 : \


495 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:07:12 ID:VkRf532r
九38.
眠ったふりまでして待っていたのは、新しい命の誕生だったのだと。



┏──────────────────────────────────────────────┓

   やらない夫さんの努力ですわ―――

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... .. ..   . ... ...    ..::   . .. . .. . .. ..   .  ... ...      .. ..::   . .. . ..
 . .. . .. ... .. ..   . ... ...    ..::   . .. ...     ::  ◯    :   . .. .
. .:: : :.. . ... ::: :::..   . .. . .. .. .. ..     ... ... ...   .... ..::   .
                          。
                     。  。     |     。  。
                      |.  |     |:|    |.  |
                   ||  ||    |.:.|    ||  ||
                     |:|. |:|   l∧l   |:|. |:|
              。     |.:.|. |.:.|   ,.傘.,   |.:.|. |.:.|      。
               |       .|∧||∧| ,傘傘傘, |∧||∧|       |
     。  。       ||.     (VVVV).傘傘傘.(VVVV)       ||      。  。
     |.  |      |:|      {∽}{∽}}}傘傘傘{{{∽}{∽}      |:|      |.  |
    . ||  ||     |:.:|    ,傘|l~~|l~~|}}个个个{{|l~~|l~~|傘,    |:.:|     ||  ||
    |:|. |:|    lvvl .,.,傘傘|∩||∩|}::::/⌒ヽ :{|∩||∩|傘傘,.,. lvvl    |:|. |:|
    .|.:.|. |.:.|.     |∩|傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘|∩|     .|.:.|. |.:.|
   |∧||∧| ,.,.,傘||"||傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘||"||傘,.,., |∧||∧|
   (vVVVV)傘傘{∽}个个个{∽}{∽}}:|三ニ三|:{{∽}{∽}个个个{∽}傘傘 (VVVVv)        |
   山i!山i山傘傘|三|!|/⌒ヽ!|l~~|l~~|}:/个\ {|l~~|l~~|!/⌒ヽ|!|三|傘傘山i!山i山          ∧
   ||^^||^^|个l个{∽}!||:.  ||{∽}{∽}}:{ニi二iニ}:{{∽}{∽}||:.  ||!{∽}个l个||^^||^^|       /;;;;;ヽ
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   {})({i})({}iニニニi{({})}!!.!|,,, l|:!{})({|})({}}::|皿l皿|::{{})({|})({}!:!|,,, l|:!!{({})}iニニニi{})({i})({}:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
   || l|| l|鬥l鬥||: ||!|鬥l鬥||| l|| l|}|鬥轟鬥|{|| l|| l||鬥l鬥|!||: ||鬥l鬥|| l|| l|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   || l|| l|/⌒ヽ||: ||!|/⌒ヽ||| l|| l|}|iiiiiiiiiiiiiiii|{|| l|| l||/⌒ヽ|!||: ||/⌒ヽ|| l|| l|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
   |∬||∬||:.  ||§|!||:.  |||∬|∬||}|iiiiiiiiiiiiiiii|{||∬|∬|||:.  ||!|§||:.  ||∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   |凶||凶|iニニニi|凶|!|iニニニi||凶||凶|}|二二二|{|凶||凶||iニニニi|!|凶|iニニニi|凶||凶|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::


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496 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:08:12 ID:VkRf532r
九39.
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翌朝。
やらない夫の部屋に入るなり、もう演技の必要はありませんと言うと、



                           .            |  |:::::::.:.:.:.:.:.!、;;,丿..........|.  |
                           .            !  |:::::.:.:.:.:.:.:ڪ.............|  |
                           .           ,,:┤  l::::::.:┌ー┘ └┐......l  |
                           .         ィ'.:.:.:.:!   |:::::::.└ー┐ ┌┘.....|  !
                                     !::::::::::!   !::::::::.:.:.:.:.:.:|  l............l  !
  「昨夜未明に産まれました、        .         |:::::::::::l  .|::::::::.:.:.:.:.:.:|.__」............! l
   大変元気な男の子です。                    !:::::::::::l  |::::::_;;;;;;;;;;;;;;;_::::::|.:.:|
                                   !;::::;;;;;;> ※アメ、_  .//ノ/,ク7ァ┤
   ですからもう起きても大丈夫ですよ」             Y´| ; |. |〃、_,,ニ''〃//、/ハ: !'
                           .           l:.l .::'λ !"`=''"    ゞ='',{:.l
                                     l:.| ,:〃.!:.゙、"""     ,"" ,!;.|
                                    !:.l; /'ゝ!、:ヽ    ,..  .ノ!l:.l
                           .         l:.:|〃!|:.lゞヾ>=┬-;<´|:. !|:.l
                           .           |:.:!/l{ {::.:..`ヾ;、.__゙ーπi、:.!;'|:.!.|
                                    !;:!l::!::l!ハ;::::. ヾ、 ̄´_ヾl |,'ノlリ|
                                   リィ'l|:::|l:!::{゙、:::. ヽ!::.ヽ ヽ\'.:,|: !
                                   ハ! lハi|:l::ヽヽ::.:. ゙、::.┘└ノ:ノ:丿



       / ̄ ̄\
._     /   _ノ  \   __
| |======|    ( ー)(ー)===| |
| |     |     (__人__)   .| |
| |     |     ` ⌒´ノ   | |  「……………」
| |____|        }__| |
| |\ ( . ヽ       } ヽ  \
| |  \ヽ   ヽ     ノ  )   \
| |\  \( ̄ ⌒⌒⌒⌒ ̄⌒ ⌒ ⌒ヽ
|_|  \  ヽ               \
    \  \               \
      \  \               \


497 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:09:12 ID:VkRf532r
九40.
目を開けた彼は身体を起こすと、ベッドから降りて頭を下げた。



            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●)
         . |     (__人__)    「すみません。
           |     ` ⌒´ノ     面倒な役を押しつけてしまって」
         .  |         }
         .  ヽ        }
            ヽ      ノ
        | |=====>    く=============| |
        | |   / l      ヽ        | |
        | |  / /l     丶 .l        | |
        | |  / / l      } l ̄ヽ____| |
      / ̄ーユ¨‐‐- 、_    l !__ノ   /| |
   _ /     ` ヽ__  `-  {し|     /  | |
  /    ヽ        `ヽー、}   ./  /| |
 ノ               ヽ__  `ヽ./  /  .|_|
/                   ノ |  /
                     /  |/



                                     //  ィうヾ        \ヽ
                                     | j     >=彳       ::::l |
                                     | l  ___|   |__     ::::l|
                                      /l | |        |   .::::l l::\
                                    | .| | └─┐ ┌─┘  .:::::l l:::::::.\
   「良いのです。                          l ! |    :::|  |     .::::::j ,'::::::::::. l
    二人の望みは適った。                   | l|  ::└ー┘    .::::::::j ,'::::::::::: ,'
                                      ', ', l _,;:ァ-rーヾー 、_.:::::::://::::::::::: ,'
                                     vイ´:/   !: : :!: : : :ヽ、`:x'/::::::::::: /
    そしてあなたが起きない限り                 | l,'/> 、ヽ,: '、:ト、\:丶、:`l: 、: /
    王女様はご判断を下さない―――             | ! i彳tぅミ ヽ!斗≦毛zミl: ! : ヾ
                                      l: ;イ}ゝ辷;j.    ´ トィ':::j"|: l: : : !
    その間、フーリン夫妻の事情が噂となって  .       j : 八 ,,,,  ,   ┴ー"'ォ ,': : : l
    城内外に広がる事も              .       ,'/ィ : : `..、  -   """ィ|:!/l : : :l
    想定していた事なのでしょう?」                 //j : : : : : _´>┬_,≦ノ|㍉_: : :!
                                    ノ /: : : ァ´ {{:::{{ヾ-  〃:::〃ヾ,l
                              .       /: : :/  〃;;::::ゞ=三 彡':::〃  .}
                              .    , ': : : :イ  /'  ::/  /  ''〃/   j
                                  /イ: : : {  {  .::/ ./  .:!l/   ./l
                              .     l,': : : :i   l、;;;;;/  /;;;;;;;;;;;j'   ./: :!
                                   {,ヘ: : : ',   l ̄    ̄ ̄/   /: : :l
                                    i| ', : : |  'r┐ ┌--/   /: :l: :j
                              .     ヽ ヾ\!.  'v  |:::::/   /ノ丿ソ



しかし謝罪は不要ですと首を振った彼女は、一晩考えて正解にたどり着いていた。
結果として、あの負傷すらもわざとだったのではないかと類推するまでに至ったが―――


498 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:10:12 ID:VkRf532r
九41.
もはやそれを確かめても詮無いこと。



             / ̄ ̄\
           / _ノ  ⌒ \
           | ( ●) (●) |
          . |   (__人__)  |
            |   ` ⌒´  |          「どんな空気になってます?」
          .  |         }
          .  ヽ        }
               ,、ヽ     ノ-、
             /;;;i/      '、!\
         _,、-/;;;;;;;;| i      i  i;;;;;゙、-、_
    ,-‐'''";;;;;<;;;;;;;;;;;;;!、_`ヽ  、-'_/!;;;;;;ヽ;;;;;`'';;ー;;-,
.   !;;;|;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;;;|'ーニ_ー_ニ゙/.|;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;!
   |;;;;;i;;;;;;;;;;;;/´;;;;;;|           |;;;\;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;|
.   |;;;;;;;゙i;;;;;;;;;'、;;;;;;;;;;;;!─┐  ┌─.|;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;/;;;;;;;;i
  /;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;゙、;;;;;;;;;!  l   l   l;;;;;;;;;;/;;;;;;ノ;;;;;;;;;;|



                                      .        | |    ┌─ー─' /_       \\
                                      .       /| |   └─-ァ _   ̄7      / /
                                      .       |  | | __ ,. rーy-/ /    ̄`''      / /
                                              |  |/: : : : :/: : :∨\へ        / /\
                                             |/:/: : :/: : : : : : :ヽ:\ \    ./ /  ./
                                            /: / : : : / : : : /ヽリ:',: ', : : : : ヽ //  ./
 「非正規兵のうち、大した事はしていない者、               /: :/ / : / /: : : :/   j ハ: ',: ', : : : ヽ/   /
 イチジョウに寄った官僚でも、                   .    //:/ : / : /,./ム--/  //_} : l: :! : : : :ヽ  /
 人質や家族など人的影響が理由な者は                 ハ!/: : ,' : ,ィ{ N: : :|  .// /`メ、:l: : ', : :ヘ/
 温情とも取れる判断が下されています。             .    !: : : l : :!|:,ィ云示  // /_:/|: :ハ: : ! : :ハ
                                      .    l: : : :l : :l,ハz:::::リ     え圷ミ :! : :j: : : :!
 逆に確実に犯罪を働いた者や、                       l: : : :', } ゞニニ´    弋z::::リ〉,': :,': :l : !
 金銭や役職目的で寄った者は処罰を受けています。           ',: :,.A ハ ::::   .  ゝニン./: :/ : j : :l
                                            ∨. ヽ ゝ、.  ‘ '  :::: ノハ/: : :,': : :!
 ですので、極刑は免れるのではないかと言う見方と、             /    { {  >、._,. <///`ヽ/: : : :|
 情状酌量の余地あれど、                          ヾ、    ヽヽ 、_   ,.-' //   ヘ : : !
 やはり中心人物の一人であった事から                   /ヾ、 i   ヽヽ      ノノ     ヘ: : l
 極刑は免れないのではと言う見方が半分ぐらいだと思います」    ,'  ∨    ゞニニニニニ彡    /  /〉 : |
                                          |  /               l  // : : :l
                                          l  {      ┌┐      .,'/. ',: : : :l
                                          l  .ゝ. ┌---┘└---┐  ノ   l: : : :!



ただ、今の状況が狙い通りになっているのか知りたくて
上目遣いに彼の表情を覗き込みながら言ってみれば、

501 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:11:13 ID:VkRf532r
九42.
悩んだ表情で頭に手をやったやらない夫は、あっさりとそれを認めた。



                ―― 、
             / 〉 ´      \
            / /'  __ ノ   ゝ.__ ヽ
         / //〉  ( ー) (ー )  l
          l  ´ イl   (___人___)  l        「半々か。
.        l    iYl    ` ⌒ ´   l         俺もそんな所です」
.       /   ハ !.!          !
.        /  /  ' ヽ           /
       l   // 、ゝ       / ヽ_
      ´` ー‐ '`./  `ー、  ,-´  /   \
.     i      ii   / `:.i   i´ヽ.  /     `  、
.     , 'l     l.!  /   l   ! ハ /        \
    / ,:|     | ヽ/   !_'   V       ,  ,    ヽ
.  / / l     |     /:.:.:.:ヽ       / /  /  i
.  !/  !      l\.   i:.:.:.:.:.:.i      / /  /   l
  /        !  ヽ.  !:.:.:.:.:. !      ´   !  /     !



                                      .            |  |:::::::.:.:.:.:.:.!、;;,丿..........|.  |
                                      .            !  |:::::.:.:.:.:.:.:ڪ.............|  |
                                      .           ,,:┤  l::::::.:┌ー┘ └┐......l  |
                                      .         ィ'.:.:.:.:!   |:::::::.└ー┐ ┌┘.....|  !
                                                !::::::::::!   !::::::::.:.:.:.:.:.:|  l............l  !
                                      .         |:::::::::::l  .|::::::::.:.:.:.:.:.:|.__」............! l
                       「皆そう思っていますよ。          !:::::::::::l  |::::::_;;;;;;;;;;;;;;;_::::::|.:.:|
                       私も、そうです」                !;::::;;;;;;> ※アメ、_  .//ノ/,ク7ァ┤
                                                Y´| ; |. |〃、_,,ニ''〃//、/ハ: !'
                                      .           l:.l .::'λ !"`=''"    ゞ='',{:.l
                                                l:.| ,:〃.!:.゙、"""     ,"" ,!;.|
                                               !:.l; /'ゝ!、:ヽ    ,..  .ノ!l:.l
                                      .         l:.:|〃!|:.lゞヾ>=┬-;<´|:. !|:.l
                                      .           |:.:!/l{ {::.:..`ヾ;、.__゙ーπi、:.!;'|:.!.|
                                               !;:!l::!::l!ハ;::::. ヾ、 ̄´_ヾl |,'ノlリ|
                                              リィ'l|:::|l:!::{゙、:::. ヽ!::.ヽ ヽ\'.:,|: !
                                              ハ! lハi|:l::ヽヽ::.:. ゙、::.┘└ノ:ノ:丿



この事については誰もが明確な答えを出せなくなっている。
マコト、言葉ですら気持ちを揺るがせており、一概に処刑だとは思わなくなっているのだ。


503 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:12:12 ID:VkRf532r
九43.
だが判断権限を持つのは王女ただ一人で、自分達が気を揉んでも仕方が無い。

だからやらない夫もただ無言で子供が生まれるための時間、
それぞれが考える時間を確保しようとしたのだろう。



                                         | |::::::::::::::::| |:::::::::::::::::::::::| |::::::::::::::::::::::!
                                         | |:::::::::::::└┘::::::::__|_|::::::::::::::::::::::|
                                         | |::::::::_;;;-ー''´ ̄: : ハ: : :``丶、::::::::|
                                         〉-'7:/: :/, : : /: / _l,.ム : : : : : ヽ/
                                         /: :/:/: /: /: : :/: ;ィ'´ノ !ハ: : : : : : !
                                        /: :,' / /: :/: : :/ /,ィ行气刊;=、: : : :l
                                        ! : l: :!/丁クト!/レ'  V::::::リ"!lうリ : l : !
                                         { : l: :l: !汽示     ゞ-'' !l1": : :!: :',
                                        | : l:ヽl: l` V:ハ  ,       从! : : : l : ヽ
                                          |: :゙、: ヽ:ト、.゙~’   _    / l : : : : ! : ヽ
                                           '、: :ヽ : : へ.. ___ ./__!_: : : : !: : `、
  「とにかく。                         .         ヽ: : l ヽ: : : : : : : :「      {_ _,. ┴-、:ヽ
  目的が達せられたのであれば、                     ヽ: l : : >ー-'ヽ\   ̄ ̄ヽヽ`、   \ヽ
   一秒でも早く皆さんに元気な姿を見せてください。           l: :!: xヽ.\\: \\__ ノ丿:::\  ^ヽ
                                           l;イ  ヽヽ \\:::`ー--ー彡:::::::::::\  \
  ちょうど朝食会があるので                        / j    ヾ、 \\::::::::::::rー'ヽ;: - 、:ヽ  ヽ
  親衛騎士集会所に居るはずです」                    /{/     ヾ、. \\::::::::::ゝ      〉::j  /
                                          /∧        }}ヽ. ヽヽ::::<     r:'::::,'  /
                                 .       /: X       〃ヽ  } }::::::〉 ┐ l:::::::/ ィ'
                                        /: :/ |       〃  〉/ /:::::::::::::::!  !:::::::::!.  〉
                                 .      /: :/ /:\    〃  .{l |:::::::::::::::|  |:::::::::!.  ハ
                                       /: :/. /: /: :\_. {i    !l |:::::::_;レ┴ー┴ー< `、
                                     /: :/  /: / : :l: : :ヽ.{{.    廴レ'´          `ト-!、



処分について議論をするつもりのなかったアリアはあなたには別の役目があるでしょう、
まずは皆に元気な姿を見せるべきですと朝食会への出席を勧め、



      __     ━┓
    / ~\   ┏┛
  / ノ  (●)\ ・
. | (./)   ⌒)\
. |   (__ノ ̄   \       「朝食会?」
  \          |
    \       /
.      \  ⊂ヽ∩
      /´    (,_ \.
       /       \. \
      ./   /       |. \ソ
    (  y'      .|



知らない話だな、とやらない夫が首を傾げたので、


504 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:13:12 ID:VkRf532r
九44..
私も誘って頂けたんですと、とても嬉しそうに言った。



                                      l;;:l i;;:::::└ー┐ ┌ー┘:::::;;;! l;;;;ヽ
                                      l;;:l i;;::::::::::::::::|   |:::::::::::::::::;;;;! l;;;;;;;|
                                        l;;:l i;:::::::::::;;;;;l__!;;;;;:::::::::::;;;;! l;;;;;;;|
                                         l;;| i;;_;;ァア'/゙`゙'''""ヾミ丶、;! l;;;;;;;;l
                                        ゙y''7 /;'イl     _!l .! !`〈;;;;;;;;|
                                      ,;' ;'.!,.iイ'l"!`    ´ !l`!|、;';:ヽ;;;l
  「ええ。                         .        ;;' i .|'l .|ヾ_゙     __リソiノリ.: : Y
  王女様の提言で、これから主だった者は     .      ,;l l .::!i゙;ャ''"゙`    " ̄ヾ;';'ト、; ,:!
  出来る限り一緒にご飯を食べて、               ,:' .l!l ::{ハ ゙、""  ,   """;'';: lリ' ;.:}
  情報や意見を交換する場にしましょうと」            ゙、';.:!ミゝ    、_ ,,.    ;ム' !;',';'ハ
                                        メ!|ヽ';:,`;.、  _,.、 ,,.ィ'",;' j',';'イ.! ゙、
                                       ,'ハ'; ';:.';,';::|シ./.j''´'"!,;';';,',;'' .;. '; `
                                      /,',:i_ヾ,jィ-ry././;`ハ ''y',',';_ハ ::',
                                      /´.:`i l;::::リ,' j .レ ,' ;'ノ';','';;;;;;;;'',ゝ、;
                                       ,'!.  ::l |;;:::;;|     ' i'''i',',';;;;;;;;;;l i  .:}
                                      ノ:l   ::! !;::::;;!    ノ:::i; {;;;;;;;;;;i l ..::!



         / ̄ ̄\
       /   ヽ_  \
       |    (⌒ )(⌒)
      . |     (__人__)    「そりゃあ良い考えだ」
        |     ` ⌒´ノ
      .  |         }
      .  ヽ        }
         ヽ      ノ
      _,,,,ノ|、 ̄//// \、
  _,,..r''''"/ | \`'/  /  |  ̄`''ー-、
  /     /  |  /\  / /    / ヽ
 ノ |  > |/)::::/\/ \   ノ /}
 {   | {   | ,r":::ヽ /   /  / // ハ
4 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:14:12 ID:VkRf532r
九45.
先に向かっててください、と一度自室に向かったアリアと別れたやらない夫は集会所へと向かう。



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                          (●) (●)   |    (身体、鈍ったなぁ………)
                          (_人__)    /
                          l`⌒´    /
                          |      ヽ
                          __!、____/  \
                        /、 ヽ     r 、 ヽ
                        ハ ヽ Y`l     |  >  Y
                       { ヽ_ゾノ     | レi i i}
                       `¨´  ヽ    ハ  `'''
                             >   / ヘ
                            /  /ヽ  ヘ
                            _,/  / ご_ノ  カツンカツン
                          ( ヽ /
                           \__ノ


5 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:15:12 ID:VkRf532r
九46.
何となく気まずいものはあるが、躊躇していても始まらない。
そっと扉を開けて中を覗き込んでみると、



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8 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:16:12 ID:VkRf532r
九47.
アリアを待っていた全員が、驚いた様子で彼を振り返った。



     / \   /:::::|      ( ´z十 ― -                、    ヽ::::::.     )
     )   ヽイ : : :::::|/__     ノ .i !                     \     V::::..   ノ
    ( _     |:::::::::::│  ) / i  i !    i! !   | │           、  i:::::::...ノ
     イ::「 )    V.::  |  「 .' i : Z≠=乏ヘヽX | / .| | 、   「 `ヽ  /   !ヽ |::::::..ノ
  /  !::|(__    ヽ::.. r‐v7/ ∧ヾ{  //::::て }ヤ.乂::ノ / 'ヽ / /  ∨  ′i  |::::::::)
 .'     !::|ゝ==)     rfぅjV ハ)     { {:::::::::7∧./レ'  .r‐十 、  / }: ://  .′.!::::\
    丶!::| \ ゝ-.. ゝ少ノ ,'  |    ヽ辷少        Z/,.へヾ /   .'  /  ,人::::ゞ\
〈     \:|  ヽ ヽ`ーヘ  /.. .│  \\i \i ヽ        /::: し少 イ  /  イ:| |:|⌒)::::)   「やらない夫!?
 ヽ   ヾ: 、  〉、 \  V   |                  i{:::::::ソ / ! .′/ ! | __ノ '/    もう起きても大丈夫なの!?」
   \   |:|\ !:::|   ヾ |  ハ  U            以-  /レ' レイイ  | 「! (:/
    ヽ. |:|   |:::| r.. ―┤  | '.    , ‐ .、_.    ' i\i ヽイ i|     |:  |/ !
        |:|   |:::ト<:.   │  |  i!  /    `ヽ-、       /.ム .|     |:  ∧\
        |:|   |:::| \  人   \:|  i      ∨     /j!  \   .| /  '. \
        |:|   |:::|    Y'  \  \、廴    ノ    ,イ   i!    \ ! .'   ! )::)
        レ′Y::/     | ヽ.  \  \    _´ 彡'´  ̄ ̄ ̄`ヽ     ./     | /::/
          │!    ム-‐─‐-ゝ   ) ー: : : /            ',:  , '  )  '/::/



::::::::::::::::::::::::::ハ::::::::::::::/i// i:::::::::::::::::::::::::|::::::|:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::\
::::::::::::::::::::::::::::ハ;;;;;;;;;/-'´   .|::::::::::::::::::::::::ト::::: ト::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::ヽ
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:::::::::::::::::::::::::::::iヽ:ヘ      |:/   V::::::/   /イ=フi}ヾ─────'`
ヽ:::::::::::::::::::::::::| \ヽ     |i!    }::/   r''´ゞハi l:ヽ
::::\::::::::::::::::::::|   \   __ニ三イ   ||r j}i| .i lヾ}
::::::::::\::::::::::::: |   /::::_,,,ィ彡=''´i/il_,==|.しソハ ノノ-、
:::::::::::/ \::::::::::ヾ /:- ''´>''´ -=イ`  ||r'´` ハ彡 y/: : : :\ニニミ-、         「やらない夫!?
::::::::/   `ー- xゝ rィ彡''´イッ:::リ  /i   ミー=´i: : : : : : :`:-:、: : :}ソヽ       平気なのか?」
:::::/::ハ_____/ /  / ヒ:::..ソノ {.リ    }.  l-、: : : : : : : : i: ://: :ハ
 ̄ヽ──────、ハ ヾ  ゞ''´  ノノ    ./  ./: :ノ: : : : : : : : l: i l: : : ハ
i ヽ ` -ゝ      ヽヽ ミ=''´ //       /: : i: : : : : : : : : l: i l: : : : :ヽ、
{  ハ         \\__//    , ィ /: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : \
 `   廴     し   ー─''´    ir'_´'´ ./: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : /
>、_   ー                     /: : :/: : : : : : : : ::/: : : : : : : : : : :/
: : : : : >-、_ハ、               ハ/: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : :/ハ



11 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:17:12 ID:VkRf532r
九48.
いや、一部驚かなかった者も居たが―――



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:::::::::::::::::::/ |/          ゙  ヽソ         「よーう、寝坊助。
:::::::::::::::::∧               \         お前が眠り姫なんて絵にならないから、
:::::::∧:::/ `ー             /         さっさと起きて良かったな」
:::::/ ∨           ∠二 7 /
/ヘ                  , '
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  \  \    /  ` ー - ′
   \  \__ /
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  |/.:.:.:/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.::/.:.:.:.:.: /<ヽ.:.:i.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
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 .|:| .|.:.:.:.::i.:.:.::.:i.:.:ム;r-y,ネ'  // -_、,,,,__ .|:;ヘ|.:..:i.:.:.:i.::..:|
  ii |i :i.:.::i.:.:.:.:|ヤケiテうト`  ,/'´  '´,ケネデヌ;., |.:.:i.:.:/|.::.::|i      「こんな事を言っているマコト君ですが、
  .` |iト,.:i..:i.:i.:..:|{_|;:::::`}:| /     |{::::::f;;イソ:.i.:.イ./.:.:.::|i       一日五回は様子を聞きに行っていたのでした。ふふっ」
   |i|i.:.::ト,.:iヾ;;:| ャ:::::,ソ        .セ_:::::ソ/.:.:/.|/.:.:.:.:|.i
  .|i|i.:.:.:;iヾ;ヽトヽ ̄     ,     .~ ̄ /イi.:.:|i.:.::.:.:.| .i
  .|i |:i.:.:.:.:i..:`,ミ:ト、     __      ' /V::./.:.:.:.:.:|| i
  |i .|.:i.:.:.:.:i.:.:.:.:トト`: .、.  ヽ __丿    , r'´.:::|.:.:/.:.:..:.::|| i
 |i |:.:i.:.:.::.:.:i.:.:.::i.:|;:;:;:;::`i  、 __ , . r'´;:;:i:;:;;:/:/.:.:.:.::.:.:|.:| ii
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  ノ'´ |:ハ;:;:;:;:;:;:;:;:i :|`ヽ,       , r'´/;:/;:;:;:;:;;:/;:/\;::|  ii
. /   |:| .ヽ,;:;:;:;:;:;:;i:|= =`=、   ,r'´ _./;:/;:;:;:;:;;:/;::/   \  .ii
/   |:|  ヾ;:;:;:i:;:;::|-=テ=Yd <´/;:/;:;:;:;:;::/;:;:/ー-   ヽ ii
    |:|   ヾ;;;;i;;;;;;| r彡ハ:/ ハア//|;:;:;:;:;:/;:;:/       | ii


13 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:18:12 ID:VkRf532r
九49.
結局、心配で心配で仕方が無かった事を暴露しあう羽目になっている。



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   /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
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   |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V
  < : 」_: : / 〈 (・) |/:::::::レ(・) }|:./ヽ : |
  <:: |. 小{   _,,.. - :::::::::::、-.,_  レ{: :.|ヽ:|      「わーーー!
   厶ヘ ハ   ::::::::::::::::::::、::::::::::::::: {ハ/ V       なんでそれを!?
      \_! u     _ '     !
        ヽ    /   `t u /           さては言葉も来てやがったな!?」
      ___,r| \  {    / /
    /:/::::| \  ヽ `_⌒ ィ ´
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.|.:ii.:..:.:レi.:.:.ト,r'|::ケf~ト`,ソ'´   _     ソ|.:.|.:.::|.:.:.::..:.::i:.:.:.:::i.:i.::.|    「さ、さぁて?何の事でしょう?」
.ヽi.i.:..:i.:i.:..:|"'i.i_:::::~:j´      '´"ニニ=,、_/'|.:.ト、:|.:.:.:.:|.:.:i.:.:.:.:i.:.:i.:.:|
 `i.:i.:.:i..:i.:.:| .: r`i:::.ソ       ":/::::;リヘ、 .|.:.:|.:.::.:,'|.:.:i.:.:.:.:i.:.:i.:.:|
  `ト、i.:`トヽ ;:{:::::/:        : i_:::::::f、ィ'ト,/.:/.:.::/.:|.:..i.:.:.:.:i.:.::i..:|
   |.:i.::` 、| ` 、 ̄         .: i .j::::::::::::}'ソ:/.::.:/.:/.:.:i.:.:..:.i.:.:.:.i.:|
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17 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:19:12 ID:VkRf532r
九50.
そこへ、あまり健康状態について問い詰められるのも困るだろうと
廊下で見計らっていたアリアが入ってきた。



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 ̄  ̄:\:::\::|::::|lll|    l::| |::::::└┘:::::::| ト;! ̄
::::::::::::::::::\::::`:::::!lll!   Y,r'T瓜「下マ宀'┤::
:::::::::::::::::::::: \:::: !lll!  ー彳i Nrィハヽ!fイハゝ: !::::    「遅くなってすみません、お腹ぺこぺこです」
:::::::::::::::::::::::::::::\|lll|.    {:iヾ:代ツ  ゞツ:! :l:::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::.       `ハ:ト",._ワ,."イ/:八:::   (まぁ、この事は私と翡翠さんの
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: ハ !: !「{ト__,リY ハ ヽヽ    胸の内にしまっておく事にしましょう。
               /: ノハ l::`二::{:!{ .jヽ-、ヽ
          .     /r‐へ,Nr┘└iN:ヽ、,-{、 ヽ  共通の秘密なんてちょっとドキドキしますし………)
              {:ハ-、,ri |:'┐┌':! !: :ハ: } ヽ:}
          .     !{.ヽヽ| |:::::|__.|::::| |:ノ }ノ  ソ
               ` ヽ| L_____j |、 "
                 `-tー┬弋彡ヘ
                  }ニニ{  \_ノ
                  l__,,ノ


18 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:20:13 ID:VkRf532r
九51.



                          /"  /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::::::::::::::
                            /,,ラ::::::::::::::::::::;:::::::::::::/ |:::::;::::::::::::::::::::::
                           ///::::::::::::::::::イ:/!::/  l::::/|:::::、:::::::::::::::::::::
                          -" ./::::;イ:::::::/>:/ //   !:::i .l::::|ヾ::::::::::::::::::::::::::::::
                            /:/ l::::://'^X"    l:::/ |:::| ヾ::::::;:::::::::::lヾ::::::::
                            /  /::イ  _ ヽ丶    l::i  |:::| i::::::::|ヽ::::::i,、
                              レ|/ "⌒ヾ,,     |:l 一|::|ー-i::::::| ヽ::::::::::ヽ>::::
  「これで全員揃いましたな、   _,,,,__       /     ~     i/ =--l:|  ヾ:::l^`ヾ::::::::::::::::::::
   王女様」            ''". .'' .<三` =-.,,_/             | _,,-┿=、 ヾ:|  ヽ::::::::::::::::::::
                   ヽ.. . . .\ ゙゙̄'''=i     ,             ヾヾl   !:::::::::::::::::::::::::::::
                    ゙. . . . .\ . .{     r"               |  i:::ヘ::::::::::::::::::::::
                    . . . . . .). . ',   、_                     |;/ ヾ|)::::::::::
                      . . . ./,-"  .',    ゙''-,,_               ノ  〉ノ::::::::
                     . . . /" /. .'、     ゙゙'' ー- ,,_         ,/_//:::::/
                     . . / /. . .//:'.、                ,=-- <:::::k"
                      / /. . . //:: : ' 、       _,,,,,,, --─'''''"" ̄ ̄
                       /. . . /// :.| l.ン- ,,_/⌒). . . . . . . . . .
                     /: . . . ( ノ . . :.:i::t.K | /./::7 /. . :/'''""" ̄⌒
                    /: . . . . . .  . :.:.l:) ) `// // /. ./. . . . . . . .


これで戦いが終わってから十日にしてやっと、全員が揃った事になる。
時間も余裕が無い事であるし、真紅が開始を告げて七人の朝食会が始まり―――



                、_          , -―  ―- .、          _)
            _ノ        ,  '´              `  、    (_, ^i
         ,.-‐(__       /                     \    _ノ,. -‐-.、
          | r‐-ァ_)   , '                      ヽ   (ノ)<フ /
           rt  ̄(__   //                     `、    )iヘ、X
        i l´ヽク/ノ  //      j            l i       i  (〈_l V /
        ヾ= ,イ(__  l |        小          | |   `i    l ( ゝ---'
          /.:l|i フ | |  { | |  :i| i       |   ,| ト、 |  |  | |  ):i:::|::::|
            /.:/.|l 弋っ| | .: || |、:;| l |      |  /l/ i l|  |  !:i /:::::k:|!:::|
        /.:;/ |! ::|〈 :i.|| 、 | |什三|上i k. |  .j / / リ  |ム j  , j l 〈::::: i:||::::|
        /.::/ | :::| | :| |kl  ヽト.l ,ィ干=tt_ヽ|、 .ノ/_ム廾下、 | /, / /,'i :l|:::: . l:||::::|
        /.:::i  | ::::| | ::|c,ヘ ヽゝイ f¨:::::::ト ̄ヾソ/ノ彳¨::::::} |ト,リ/iノノ | ::|l:::. |:!|/     「ええ、朝食にしましょう」
       \|  | ::::|.|::|{回}) |、`代::.o.ノ       弋::.o,ナ'´ソ! |{廻})::||::::. |l
          | :::::| | :::i⌒ l . |`y   ̄    ,     ̄  / l |´⌒|..::||::::: |!
            | . :::::| ヽ、l  .| .|.∧      ┌―┐      / . | |  ヽ、||::::: l!
.           | ::::::|     ,! . ,|.  >     ヽ ノ    . <  l . !     |::::. . |
          | . ::::::|    ,.' , '.L. -―....>  _  < ,...‐-..、..,| |    |:::::. |
           | :::::::|   ./ /::|..|::::. .::::::,-―.==、ー-、:::::  ..y'k .!     |:::::. . |
            | :::::::|  , ' 人::::| l::::: :::::::;;;::::({薔}))::`ヾ....、.:::,' .ハ ヘ、  |::::::. |
.          | :::::::レ' , '  ヾ! lに:: '´::::::::::7~'イ:::::::::::: .:::/ ハ\ゝ、`.、 .|::::::. . |
         | ::::::::ト、 ̄二‐- l |.::Y::.  ::::::::/| ::::|ヽ :::: .:,.' /   `、ソ ゝ|:::::::. |

22 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:21:12 ID:VkRf532r
九52.
今日の担当だった琥珀だけでなく、手伝いに加わっていた翡翠も集会所に入ってきた。



                「「王女様、おはようございます。
                 皆様、おはようございます」」


            r-、_/`--、                             __   ___
         ヾヽ´l :::i/__//:::ヽ´ヽ_                       _//       ` 、
        <ヽ,-= ニ ニ =、ヽ、/_、                    ,.イ/7"  /          \
        ゝ´´: : |: : :: :: ::ヽ:`ヽ、/ゞ                 //;;;;;/   /   /    、ヽ  ヽ
.       //: :: :::l:ll:l::::::、:::::::ヽ::|:::゙l-ゝ l               〃´::;;;;; ∧.  |  ./:/  :l.:.l .:l:.ハ :.ハヽ
.       l :l ::l:: ::_ll_l:lヽ:、」l-‐弋|::::|::::::::|               ヽ:::::::;;;;;;|、ヾ |  .:.|/: .:.:l .j/:lL:.l .:.:l:.!
       l :l :::|::´l |、.l:l ヽゝ―l、|:::::|::::::::l                 ヾ :::;;;;;ト ゝ、| ‐:7,,乞、/:〃ノ'ヘj:.:./リ
.       レ l::ll::::f´l:`l  ´ l :::).|::::l:::::::l                  ` ー/|`{ f`| <f:::Jイ '"}/ル7レ'
        ヽ!ヽ:l..ヒノ ,   `‐´ |:::::l::::::l           .        / ;| !ヽー! :.:| ̄     ! /!|
        l:l ::::ll    _ _     , |:::::|::::::l                   l ;;!:l:.:l:.!|! :.:.ト ,  _ ‐_ィ . !|
        ll l :::l:`ヽ 、 _ , イ|::|:::/l:/:/                   | ;;;;リ!:.:l:八 :.:| 冫 `Y〉:.:.!|
.        | ヽ::lリヽl / ̄l厂 ̄l/:レル                   `~ヘ:.:ヾ_:ヽ:∀   :.:小、.;ヘ
      __     ゝr´彡(フ`ヽ、,--t- 、                     ,〆⌒ヽ、/     :.:|ヽ∨、
     ヽ、ヽ、/;;;;;ゝ彡/;lヽ:`::); ;;;;;;;;;;ヽ                    (~/'¨`~/      ::レ' l |
.    ,‐rニヽ ヾ、;;/メ//:!ttイ; ,;;;;;;;;;;;;;l                      /⌒ー/   .::. ::|   :l |
   rf´ミフ , -ゝヽ、:::// ::/::l;;;;;;;;,, ;;;;;;;;;;l                       〈        .:::: ::|  ::!|
   l,{ -,ゝ´;;;;;;;;;;;;;レr、/7fゝ,:l,,_;;;;;;;;;,,,,;;;;;;;;l                    `、:..    ....:::::::: ::|  ::!|
  rfゝ< ;;;;;;,,_ -‐‐l.... ´...゙´ゞミ、、ヽ;;;_ -イ                      } ::::..::.. ::::::::::::: :::| _, -{ 〉
.  lヽ__ゝ,イ;,;,;,;;;;;;lヽ: ::::::/ ;;;;;ヽ/-                          j":::::...:::..   :::: :::|'´ / }|
   lヽ、、l_i ;,;,;,;,;;;;;;l;;;゙Y v´ ,;;;;;;/;;|                           | ::::::::.:.::..   .:::::}'/ ハ
   l ;,;,;,;,l ;,;,;,;,;;;l;;;;;; l lヽ、;;;;;/l;;;l                          ヽ  :::::...  ::::::/   }
    l ;,;,;,;,;l ;,;,;,;,;,;,;;;;;l lヽ;゙;;/ ̄ト´ ̄ ゙̄ ヽ                     \     :::::/    !}
    l ;,;,;,;,;ゝ、;,;,;,;,;;;;ll;,;,;,/:::::::f::::゙:::-::::::::::::l                      /::\:::::...::::/      !}



24 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:22:12 ID:VkRf532r
九53.
きちんと、やらない夫の分まで用意されていた朝食。



                                  . -─-
                               r―‐‐.( ( ⊆⊇ ) )‐―──────────、
                                  |    |` ─‐─ ' i      ,,,,,::;;'';;;;;;;;;;;:;;;;,,,,..     |
                                   |   |. -‐─-、 l   //          ヽ、  |
              , '"```.、        l    /     |-' ,':::,'  \ ヽ、ヽ、     ヽ, |
             ,r'´    ;;`、        |    / -─-、. | //    \ ヽ ヽ    ,〉 |
             ,:' ::    ::::l       ',  ( ( ⊆⊃ )))""ヽ----―――――---イ´ ,'
           ,-.{ ::    .::::::|‐-.、     ヽ 、 ` ──‐'                   ノ
          (  :, :: ,,.::;:;:;:;:;;''   )        `=============================='´
          ',`'ー`‐-======-‐' !            `' 'ー‐--------‐─' '´.
           ゝ、         /        ,、、 .,、、       ./  ̄ ̄ ̄ ̄\
             ` 、    _..-´_.((⌒),--、 ,.- 、/;:| レ;:| |    /  , 。ooo∞o。. \
      / ̄ ̄ ̄ ̄\` ̄ ̄´  , ' ((⌒)トi--イi--イ :// ;//    !\〃。o∞∞o8ヽ/ !
    /  ,,..--ー-..._, \     (_ ((⌒).`r-‐'.ト--';//::// .)    l  \,。o8o∞o/   !
   |\,〃'i;'"~ ゙;ミ;:..::ヽ/|     ヘ`ー-'`ヽト‐‐イl,-‐' ´`-‐'ソ    |   i ̄ ̄ ̄ l   |
   . l  \゙ゞ-ノノ彡:/  l      ヘ ::    ̄ ̄,,;;;;;;;;;;;;;,,:''      |   l     i   |
   .|    l ̄ ̄ ̄l   |       ヽ、_  ;;;;;;,;:;:;:;;::;:;:''       ヽ   l     l   /
    ヽ  .l     !   /         `i .,,;:;::;:;;;i'             \___i_______i___./
     ヽ二l________l二ノ              `ー--‐''             `ー--‐'´
       `‐-ニニ-‐'        r---r;===============================、---、
        ,。'"``:`ヽ      |  《   l::::::::::::::::;;::::::::::::::::;;::::::::::::::::;;:::::::::::::;;;|  》  |
   ,. -‐''r''" ,:´゚   ゚,゙'ヽ'‐-、,   |   《  !;:;:;:;:;; ,-ー‐-、 : : !   !  .;.;..;;:;:;:;: |  》  |
  ( ,r'"    ;. "。 ; ゚:. ヽ、 ) |  《   l;;;;;;;;:: /  /  l : : :|   | :::::::::;; ::;;;;|  》   |
   ',`''ー- ..,,______,,..-‐'".,' |  《  !;;;;;;;;;└ー′ _ノ ;;;;;;;  ノ  ;;:::::::::::;;;;;!   》   |
   ヽ、:::.:.:.:..:.:.:.:.:.:::.:.:.::..  /. |  《  ゙ー-------------------------'´   》  |
     \ ::::.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.: /   |   t.================================''   |
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         `iー---i        ┌───────────────┐
         `ー--‐''       |    お て も と             /三三l
                      └──────────────亠┘


26 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:23:12 ID:VkRf532r
九54.
湯気を立てているそれが、いつもとは全く異なる内容だったのでマコトは驚いたが、



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     /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
.    /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
   /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
   |: : |: : : : : |: /  \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|
   |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V    「なんだこりゃ、すげぇ!
  < : 」_: : / 〈  ゚ |/  レ  ゚ ..}|:./ヽ: : |      東方料理か?」
  <:: |. 小{   _,,.. -    、-.,_  レ{: :.|ヽ:|
   厶ヘ ハ         、     {ハ/ V
      \_!      _ '     !
        ヽ    /   `t   /
      ___,r| \  {    / /
    /:/::::| \  ヽ `_⌒ ィ ´
  /::::::/::::::|  \   ´ ∧>、
/:::::::::::/::::::::|    \  /  !\::`ー- 、
::::::::::::::/:::::::::∧    /二\ |::::::ヽ::::::::::::\
::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ  /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::!



妹から、今日からやらない夫も朝食会に加わると
連絡を受けていた琥珀が、腕を振るいましたと笑顔で頷いた。



                               _,,,,..-----..,,_
                             /          \_
                        ,,........./,.             .\_,,,_
                        !`--/, / .r/ /,    , :..::: ::|......-|
                       λ;;;/! /::// !∧'!ヽ.,.:ヽ::|::::::|;;;;;;;ノ
                       .!;;;;;|イ .:|::レ|-/:! '.,L..L_.:ヽ!::::::!;;;;;;'|
                       L_;;;_| :Kハ!ヽ|'.| \-,_`''_|::::::L_;;;;j
                        `'7!| ::|r'''"`''   r''"''-.`|::::|ト, `"
                         /;|:!:::ト,〃  ,.   〃 .|::::||ヽ
                        /;;;||.:::|ヽ,   r--,.  _,イナ:::|!;;;'!
                        /;;;;;〉!,::|;;;;`-,_ `''" ,.ィ"|:|:|:::/;;;;;;|
   「はい!                '、;/_|ヽト,ト|j `''''''" レ|/ノ;/,.|;;;;;/
    頑張りました!」           V `'',,.-"!!      //\"^ レ"
                        ,,.--''"!:::::::ヽ.,    //;;;;;;;/`'--..,,_
                      /;;;;;;;;;;;;;;|::::::::\,  //::::::;;/;;;;;;;;;;;;;;;\
                    /_;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ,::::::::ヽy/::::::::;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
                    |;;;\_;;;;;;;/;;;;;ヽ,:::;;;;/_;:::::::;;/;;;;;;;!;;;;;;;;;,.-";!
                    .ハ;;;;;;;;\,/;;;;;;;;;;\/トヽ;;/;;;;;;;;;;;;レ''";;;;;;;;;;!
                .   |;;;;'!;;;;;;;;;;;;!----/"/|ヽ\;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
                   |;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;!_,,..,,〈 '//| ,\ヽ;;;;,.,_|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
                  .|;;;;;;;;;''!;;;;;;;;|--- |' r'' | '〉  ヒ..-/;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;|
                  |;;;;;;;;;;;;\_;;;|::::::::::! ヽ |/   !:::::::/;;;;;;;;/;;;;;;;;|;;|
                  !;;;;;;;;;\_;;\L_r-ノ   Y   |.,_::/.-'''";;;;;;;;;;;;;;|;/


27 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:24:12 ID:VkRf532r
九55.
それからしばらくは普通の食事だった。

やらない夫は麻呂との戦いについての質問をいくつか答えたりしていたが、
見計らった真紅に呼ばれたので、



  「`ー'′/    /   ヽ、 \ \  ヽl}::.:)、 \
  l_,ィ  / /   l      l 、  l `、 {:|}く\ヽ/
  ノ  ,′ !    {      | l|   |   l ):|} ノ|:「´
.  ヽ∧| , |   | l      | l|  |  l| {:|!::)|:|
   |::l| | |  l  、    | l | _,厶| j| {::|}::} |」
   l:::| `、!|   \ ヽ、 |,.イ,斗予 | |{K!j |
   〈:;小、ヽヽ、T,Zニミヽj  ^ヾrシ | |ァ1 |   「やらない夫、良いかしら?」
    |  \ヽN {ヾtク         | ト |_|  |
.   |  |   l \    `-   /!| |::..::.`:┴-、
.     |  |  |  | > 、 __ /::..::|| |::..::..::..::..::..:ト、
    |  j  /|  l/::..::..::..::..rクニミ::../| |::..::..::..::..::./::..`ヽ、
.   l   ! //l  l::..::..::..::/;ハミZシ//| |::..::..::..::..:/::..::.`ー┴―-ォ
   j   レ'∧! ,'::..::..::.〃::..::..::.レ'/::| |::..::..::..::r'::..::..::..::..::..::..::/::|
   /  / / /| ハ::..::..::..::..::..::. /l ト、| |::..::..::..::{ー-::.ハ::..::..:: /::..|
.  /  / |{::.| ||::.\::..::..::..::../::.| l::.| |::..::..::./::..::..::/::..\::./:ヽ:j



来たか、と食事の手を止める。



                                                   / ̄ ̄\
                                                 /  ヽ、_  \
                                                (●)(● )   |
                                                (__人__)     |
                               「ランサーの事か?」     (          |
                                            .    {          |
                                                ⊂ ヽ∩     く
                                                 | '、_ \ /  )
                                                 |  |_\  “ ./
                                                 ヽ、 __\_/


31 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:25:12 ID:VkRf532r
九56.



                /      _ .. - 、--──- 、    \
              '     , '"           ゙ヽ     L
             ,′   /                \   ノ
           _ l   j//  /       丶        ヽ /
        ___  (._  |  ノ ,   '  ,         '         ' ヽ
     ___/r_- '  ̄  イ (__/ /  /          |  i 、      V
   r :::__:::: {    /:!   ヽ    ,'  │!.    │ !   V      ',
   |:::|  イ^て  イ::::!   ノ .!  l.  │!     ハ  !   l  !  ハ !
   L/イ  「    |:::::!   (_ | l ハ   | | |!   l | |  ノ| !   ! | |
  .   /!  ハ____. |:::::!    ヽVハ__ヽ__Nヽ|!  l/ j ,.ィl‐j 'T リ イ レ
    /::!   l    ヽヽ:::ヽ  ノヘ´ ヽ==ゝl、 `ヾノ' j/ィ´j::V レイ|         「そう。
    !:::!  !   (  ヽ,=:Vハ ヽ イiナ:ハ        、'-ノ ' l | ヽ         一応ランサーからも聞いたけど
    ゝ!   !    ー-..{@jil!| !   ゝ‐ '            ハ ハ. |        確認しておきたくて。
      |  !         ´ゞィ'!| |            _′   / | | ヽ
      |  !       `ナ'| ト          '-'     ∠_.l  !  \     あの日、中庭であなたとランサーは
.      ,|  ::!         /'  l  !_>-_、, ―-、     /⌒Y ,′   lヽ    会って話したのね?」
    /│ ::::!         /   l  ! ' ´ : : : : : : .ヽ-<: : : : :V ハ.    | !
  . /:/  :::::!      /   ,l  !: : : : : : :__ {ゞン}─ - 、:.| ! ノ  / '
   / l ::::i      /    /! i!: : : : /: : : : . Y´: : : : : :L_.! / /
  :/.  | ::::!       \ ,.'   ! i!:__:/: : : : : : :.:.| : : : : : ::_.ゝ-─── ァ
  '   | ::::l       ゝ ノ ノ: イ: : : : : : : : :ノiヽ: : : : : ゝ_.. -─r─/



                                                     / ̄ ̄\
                                                  /  ヽ、_  \
                                                 (●)(● )   |
               「ああ。                              (__人__)     |
                第一騎士団が中庭に突入する寸前、            (`⌒ ´     |
                跳ね橋の制御室から出た所でな。              {           |
                                                  {        ノ
                あいつはバゼットさんを助けようと               ヽ     ノ
                城を抜け出し、ギャブレー邸へ向かおうとしていた」     ノ     ヽ
                                                    /      |


33 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:26:12 ID:VkRf532r
九57.



                                _. イ⌒ヽ_ノ ⌒し '⌒i
                            , 、_ノ⌒)´           し'⌒i
                   ,. - ─ァ⌒                    _ ィ
                  /    /:::::::::::::::::::::::::::::.......            )
                . '’     /───  - <::::::::::.          (_
       、      . ィ’       _)            ` . :::::::.          `ヽ
     / \   /:::::|      ( ´                ` .::::::::         ノ
     )   ヽイ : : :::::|/__     ノ                \::::::::.      (´
    (  ヽ.  │.::::::::::|   (´  '  ,  ′ i!              \::::::::::.     `7
      )   \.|.::::::::::::|    7 / / /   i!         、    ヽ::::::.     )
     '       |:::::::::::::|  (⌒' /  ' /     i!          \     V::::..   ノ
    ( _     |:::::::::::│  ) / i  i !     i! !         、    i:::::::...ノ
     イ::「 )    V.::  |  「 .'  i  i !/i    ヾ |             !ヽ  |::::::..ノ
  /  !::|(__    ヽ::.. r‐v7/  ∧ !|ト!、| |│ \!   !   !    ′i  |::::::::)
 .'     !::|ゝ==)     rfぅjV  ハ)/7从 、|ヽ! | /:||\ i   イ  /  .′ !::::\
   丶 !::| \ ゝ-.. ゝ少ノ ,'  | rzぇ::zrゝ 乂::ノ / 'ヽ /   .'  /  ,人::::ゞ\
〈     \:|  ヽ ヽ ` ーヘ  /  │ 夊f_少'   /レ')/ゝ/) イ  /  イ:| |:|⌒)::::)    「じゃあ―――
 ヽ   ヾ: 、  〉、 \  V   |           ィzテ7/ ! .′/ ! | __ノ '/      すでに敵対の意思はなかったの?」
   \   |:|\ !:::|   ヾ |   ハ            v夕 /レ' レイイ  | 「! (:/
    ヽ. |:|   |:::| r.. ―┤  |  '.        . j   ∧i|     |:  |/ !
        |:|   |:::ト<:.   │  ト i!     - 、    イ ヾ |     |:  ∧\
        |:|   |:::| \  人   \:ト、        . <__j!   \   | /  '. \
        |:|   |:::|    Y'  \  \ > -<´:::::::::::: i!ー-, \ ! .'   ! )::)
        レ′Y::/     | ヽ.  \  \tfうj} :::::::::::; /   /     /     | /::/
          │!    ム-‐─‐-ゝ   ):少 :::::::::; /   /ヽ.  , '  )  '/::/



                                                     / ̄ ̄\
                                                   /  ヽ、_  \
                    「イチジョウに協力する気があったかと       (ー)(ー )   |
                    問われれば、おそらく皆無だ。               (__人__)     |
                                                  (          |
                    ただ、あのまま本当に城を抜けようとしていたら、 {          |
                    城門を抑えていた者との小競り合いは       ⊂ ヽ∩     く
                    辞さなかっただろう」                   | '、_ \ /  )
                                                   |  |_\  “ ./
                                                   ヽ、 __\_/



目を閉じたやらない夫は事実をねじ曲げた弁護も、裏付けのない想像もしなかった。

ただ自分の見てきた状況から他に抜け道がない以上、
本気で脱出するつもりがあったら最終的にはそうなっただろうと答える。


34 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:27:14 ID:VkRf532r
九58.
それで必要な欠片を手に入れた真紅は分かりました、と心を決め―――
自分を落ち着かせるようにお茶を手に取った。



   ) . .:./.:.::::/              \ \.:.::| |::::::人
.  ( . . .:.:.:::::::/       /        ヽ 入| |/ヽ `ヽ
   \.:.:.:.::::/    / ′  l      |  l 「:::| |:::::::ノ   !
      Y.:.:.′   ,′! l   |       |  }ノ..:.| |:::::ノ    |
.     ゝ┤   |  || l |    l   (. .:://.::∧    |
        l !|  _|_Lj、 l | _/|_/ l | )//.::/ l   |
        |八 l l l{\|`ヾト、l、/ ̄l/`刈Y北L.,′ |   |
        | ヽヽl ´==''     ==''^ } | ヒシ''′ |   |
.      '  l / ∧    '       イ|Y´    |   |      「分かりました。
      | j l ||丶   ‐    イ`ヽl l      |   |
.     /|  {| ! | ヽ ` rz=.、´ ノ  / lト、   |   |       では、午後一時より
     //j/. :| ! |\ l、{{r勿}}〃  //| jj:::::\  |   |       フーリン夫妻の処分について発表しますので、
.     /./. .:.::::|   {     `゙T゙´   // l|从::::::::::ヽ.!    |       皆謁見の間に集まってください」
 r‐=ニ´.:::ヽー=≧ト:.r‐⊂ニニニ⊃x/ /j/:::}::::::::::::::ヽ.  |
  \::::::::::::::ゝ---/´ ミ}厂厂厂厂jr―‐ヘ/.:::j:::\::::::\_j
   \::::::::::::::::::/  ア{ i/ i/ i/ i/jゞ、ヽ`ヽ\{:::::::::\::::::::`ヽ



                                                     / ̄ ̄\
                                                   /  ヽ、_  \
                                                  (●)(● )   |
                                                  (__人__)     |
                                                  (          |
                            「検査官に尋問させたり    .    {          |
                             裁判をしたりは?」          ⊂ ヽ∩     く
                                                   | '、_ \ /  )
                                                   |  |_\  “ ./
                                                   ヽ、 __\_/


35 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:28:12 ID:VkRf532r
九59.



                  ,. '   ヽ
                ,.イ     /
            ,. - ' /三三_   /
   _     ,_,.. /  / ̄ ̄ ̄ `ヽ r-ァ― 、
  / ヽ  /..f|    -|         ヽ〔 三  ヽ.
 |   ヽ/....三l    v'           ヽ./   |!
 f   l! .|三三l   f             \  j
 __ゝ,. l. l.三三|   ,'./ /              V,.,__
.7 ゝォ ゝ!三三|  ラ/ /|   l | l   l `!    ヾ三. /
  攸.  |三,r ! Lイ、 j. l ィ l |.il:l  l l ,l    i 〕三 /
   ケヽ  ヽ:::::::ヽ ノ 刈l lメ lv'l |il|l|  / / |l  l !/|\ L
  / 〉'´ヽ 〉rt:ヾ| レ!ヾvrl'ルヽji リ / / !|: ! レ' |ニトv'
 'Y |i ヽヽ√ミfr@jY/, f´Yミ-ァ`lヾ'レ' //__/ノ// rイ`!i
 \ヾ,/¨ヽ ヽヘ`´〃l ヘ ゝ-'     'r'::メ j// /:::L_l!    「必要ありません。
   ヾ!l! |-l\'ヘ::ソ  ハ!       t_ク/ |/,_∧::|      それに検査官の聖騎士は
  .__ ||、 |:! 'rゞ:|! | ヾ      ,  /if |  f ルヘ      スラム兵や官僚の事で手一杯ですし。
  \`|| ヽ|:! ,f三::|! ト___i|  -、  /ヘ`ヽ | /∧ \
    | レ  ´`!、三.|! '\.|!   , r ´=ー、j-,. ヽ// f'|`ー,i   ………話は十分聞きました」
    ヽ  l  Vゝミ\  \-r ',== / ヾ'∧  |  l |
    l  l   |八,j- .\ _ヽ\く三= (  v'/ ヽ_ノ  l j
    l    l <´_    ̄ \三  \ レヽ\ \ `
  /⌒l    |` 三三⌒'ー - 、 \   へl |,r--ォ



あくまで検査官の存在や裁判は、国王の代理や判断材料の収集の場に過ぎない。
小さな窃盗や傷害などの事まで面倒を見ていたらきりがないので任せているだけなのだ。

逆に言えば、国の基盤を大いに揺るがした今回の事件における首謀者や身近な関係者は
全て真紅が判断を下すのが当然と言えた。



                                                       / ̄ ̄\
                                                    /  ヽ、_  \
                                                   (●)(● )   |
                                                   (__人__)     |
                                 「決めたんだな、         (`⌒ ´     |
                                  二人をどうするのか」 .     {           |
                                                    {        ノ
                                                     ヽ     ノ
                                                     ノ     ヽ
                                                      /      |


36 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:29:12 ID:VkRf532r
九60.
国を治める覚悟と言うより、国民を裁く覚悟と言うより―――
彼女が持っているのは、新しい国を作る決意に近いのかも知れない。

迷いの無くなった真紅は改めて一時からの開催を指示し、



                 , -、/ ̄ヽ   __
            __(  しヘ 弋/ )\
            /ー'    \    └ヘ\
         └ヵ              |\
        / ̄\             〕 \
        └┐         _   -―-\  ヽー、
        ┌┘        ,.   /  ヽ \ 了   ト ∠ム / ヽ
        廴     /   /       ヽ`つ  ∨Y   ̄〕マ7_
         r┘   /              |  |└┐ | |  rヘ´ \ j!   _
         `つ   ./            |  |  | | 〔. ||<_ム__>  ̄__
         〔_ .′           |  | || |i `)|| 〔 ヘ\ <
           ヽ| | :  |  |    |  | ||  レハ 弋 |r= 、r┘ | \ `
            | | |  |||    |  川ィチレ,_| ({ヘ參〉)  !   \
            | | |  |⊥从_| /j//ィi´うハ「| |广7_ハ   ヽ
             \\ヽ7了7ヾ     ゞ- '| |∨/   \  \
               \| ヽ ゞン       | | ∨     \  \
                 | ∧    ` . -    __| ハヘ      \  \      「ええ。
                 | l| >_    / j / ̄ヽ.マ_     \  \
                 /∧|/   __ア=ミく入`マ" ̄ ̄ /        \       マコト、アリア。
              // ヘ   /-ゞ參r' _≧ \ ̄/___〉         \     一時にランサー、バゼットの二人を
          ___/∠ ヽ_\イ   `T1く, ―‐  ∨  ヘ,__            謁見の間に連れてきなさい」
          \   _...ニニニ>    」 K_,/ ̄ヽ 〉¬   \_
             ̄  _/ __〔  /  | ゝィ厂ト  Ⅴ | |  廴 厂 ヽ
            <二、≦二._ヽイ    |  「 广ヽ.ノ |/   \   /
              冫 ̄_.ア/ /     /(  ┬―\     |  ヽ
              / --≧> /、 __  ゝ┴イヘ         /!  ノ
             /    ヾ\  ん}}丿 `ー' ̄丿  ト _      / r‐'´
           く      ` ==' ( ̄ ̄ ̄   ト    ̄ ー‐' ノ
            \__,.....,      ノ       /,! \――<__

39 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:30:13 ID:VkRf532r
九61.
いよいよか、と二人も重い雰囲気で了承する。



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:::::/ ::::!/:://:::::::::/  /::::::::::/´ ∨/::::i:::::/::::::::::::::::/i::::::::::/
:::::`::::::/ ./::::::/   /::::/      メ::::::!::/::::::::::::::::/ l::::::/
::://  /::/    // ミk.,   /:::ヘ::/::::::ハ::::::/   l:::/
//'., ' , ∨     /    ゙ヾミk/:::::/)ノ:::/ /::::/   i:/
/   ゝ                 /::/i //:::/ /:/   /
     ヘ            /´   ',///´
                     '、
                      _ゝ        「………分かりました」
、                     / ´
;;',   /` 、         , ′
;;;;', /     `` 、   , "
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.            |  |:::::::.:.:.:.:.:.!、;;,丿..........|.  |
.            !  |:::::.:.:.:.:.:.:ڪ.............|  |
.           ,,:┤  l::::::.:┌ー┘ └┐......l  |
.         ィ'.:.:.:.:!   |:::::::.└ー┐ ┌┘.....|  !
          !::::::::::!   !::::::::.:.:.:.:.:.:|  l............l  !
.         |:::::::::::l  .|::::::::.:.:.:.:.:.:|.__」............! l
          !:::::::::::l  |::::::_;;;;;;;;;;;;;;;_::::::|.:.:|
        !;::::;;;;;;> ※アメ、_  .//ノ/,ク7ァ┤
          Y´| ; |. |〃、_,,ニ''〃//、/ハ: !'     「畏まりました」
.           l:.l .::'λ !"`=''"    ゞ='',{:.l
          l:.| ,:〃.!:.゙、"""     ,"" ,!;.|
         !:.l; /'ゝ!、:ヽ    ,..  .ノ!l:.l
.         l:.:|〃!|:.lゞヾ>=┬-;<´|:. !|:.l
.           |:.:!/l{ {::.:..`ヾ;、.__゙ーπi、:.!;'|:.!.|
         !;:!l::!::l!ハ;::::. ヾ、 ̄´_ヾl |,'ノlリ|
        リィ'l|:::|l:!::{゙、:::. ヽ!::.ヽ ヽ\'.:,|: !
        ハ! lハi|:l::ヽヽ::.:. ゙、::.┘└ノ:ノ:丿

42 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:31:12 ID:VkRf532r
九62.



            /    /  ,、 |、|"゙`、    `、
           l    /  / | .|.l|   l  .::::::::::l
            | |   l  /_,. | .| |ト、  | ,  .:::::::::|
           | |   l/l/'´ // /  `メノl /l .:::::::|
           、ヽ   ,ィチ斤、′   ミュ' !.:::l:::|
            | \ {b::::::リ    P::::::リ / .:::|:::ト、        (ジュン君、どうなると思います?)
            ト、  `ド-‐'   ,  `‐-'/l.::  |:::| ヽ
            |::|   ヘ         /:::|.::. |::::| `、
             |:::|  ::::「` 、   ´`  イ `|.:::. |:::::|  \
              |;:イ  ::::|  l ` ー ' ´  !  |.::  ト、:::|
           /';:::|   :::|.  |‐- 、 , -‐/   !.::. |:::ヽ、
          /::::::::';::|  :::|   ヽ   /   |.::  |:::::;'::::::ヽ
            l::::::::::::';:|  :::|  __\/__  |.:::. |::::;'::::::::::::l



: : : : : : /     l.:::\ | |.:.:.:.:.:.:\
: : : : : /      l.:.::::::リ |/´  ̄``,  .:.:.:.::.:.:.:\
: : : : /       l.:.:/      ',    .:.:.:.:.:.:\
: : : /        \        ',     .:.:.:.:.::::ヽ
: : 〈          \       ', .:.::::::::::::::::::|\.::.:|
: : : :',       .:.:.:.:.:  \      ',::::::::ト、.::::::::| ハ:.:l
: : : : :',      .:.:.:.:.:.:.ト、 \     ',::::::lニ\:::::|
: : : : : .',     .:.:.:.:.:.:l \ \/  ',::::l   ト、|
: : : : ::::::',     .:.:.:.:.:.:l   `y':/ニヽ ',::l1   l |
.:.:.:.:::::::::∧     .:.:.:.:.:.:l  ///  い / l  l |
:.:.:.::::::::/ ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l ../∠    い /ハノ/
.:.::::::::./   \.:.:.:.:.:.:.:.:.:V彳o:::ヽ   j! !  `ヽ
.:::::::::〈       \.:.:.:.:.:.:.:}ム:::::::ノ´ //    /          (さすがに分かりません。
、::::::::::.\_,, -‐  \.:.:.:.:l  ̄ //     ,.イ
 ヽ            \:L_//      /            ただ、どうなっても僕は
  \          └=='     //             王女様に異を唱えるつもりはありません。
    \                   /
     \                 ,′             父さんの事はイチジョウ達三人の事であり、
       \               ,′             ランサーは別件だと思っています)
        \`ー--------r---‐‐'´
          \      ∠ ̄`ヽ



囁き合う言葉とジュン、ここには居ない二人に思いを馳せたロイも目を閉じて黙り込んでしまい、
会話が途切れた朝食会はそのまま終わりとなった。



    , -‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;``'' ‐、_
,、‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
 ̄/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;‐、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
‐'/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/イ;イ;;;;;l
./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;メ/ // l;;;;ト;|
イィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;///;;;;イ/ ト/、X, l:イ l
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l '´///'´   ┘ !リ       (アレックス。
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト,. Y         '、        そしてアンデルセン殿―――
 rイ;;;;;;;;;;;/  'ー'           ン
ノ ヽ='´'             /        王女様がどのような答えを選ぼうとも………
く   ``ヽ、_   、    -‐‐r<         受け入れてやって頂けますか)
;;;ヽ、  ,、 ,、 `ヽ、_ヽ.,_   ,イ´  L..
;;;;;;;;;\ヽ ソ `〉 /小ー、` 〉ノにソ `ヽ_
;;;;;;;;;;;;;;`ヽ`ー' / ハ | /、'"   / 、ノ

43 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:32:13 ID:VkRf532r
九63.
食事が終わるなり殆どの者が急ぎ足で部屋を出て行ってしまい、
取り残されたやらない夫はやる事が分からなくて頬をかいた。



          / ̄ ̄\
        / _ノ  ヽ、.\
          |  (●)(●) .|
        !  (__人__)  |
          , っ  `⌒´   |      「で、俺はこれからどうすれば良いんだ?
       / ミ)      /
      ./ ノゝ     /       何か手伝える事は?
      i レ'´      ヽ
      | |/|     | |



困ったな、とジュンに問うと、ただ一人残っていた彼が
騎士団関連の事があるから部屋で待っていてよと言うので、
頷いて自室に戻ったのだが。



                                       |:.:.:.:.∧:.:|    |:.::∧:.:.:.:.:.| ≧:.:L-\:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:ヽ
                                       }:.:.:.:.ヾ:.:.:',   |:./ .V:.:.:.:|ニ-====\:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.∧
                                       >:.:.:.:.:.|ヾ:.V==/ニ  V:.:.:i{ ゞテ=ァ ||\:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.∧
                                      /:.::V:.:.:.:レ'´>=ニ示 ヽ、_V:.||  {辷zり  .|| レr -、V:.:.:.:.:.:∧
                                  .   /:.:.:.:.:V∧:.r'´ /ひョリ || ̄ .ヾ∧___ //  / .}:|:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
                                    /:.:.:.:.:.:.:..:/ヾ::>  ゞ' ´ || {     ̄ ̄ ̄ ̄   入 ソ/:.:.:.:.__/
    「君が承認しなきゃならない書類が山積みだよ。    ̄ ̄ ̄ |:.:.:∧ヽ_ -=''´ ヽ           / /:.:ヽ ̄
     部屋に運ばせるから急いでやってくれ」             レ'´ ヽ |        _        /-'´/ ̄
                                             ヽ       ̄_         / ̄゛゛
                                                \          _ ィ|
                                                 `   、     イ   y入
                                                    ニi ´    /  ヽ
                                                   // }     /    |\
                                                  / / ノ    /     |   ̄ ' - 、
                                                 /  V'´ ̄ ̄ ../        |      ` ' - 、
                                              .//   /::::::::::::::/_==-、_ |         /ヽ

45 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:33:13 ID:VkRf532r
九64.
数分して、早速キバヤシが荷物持ちの新人を引き連れてやってきた。



  NヽN`              `゙、
.、Nヾミ                i
 ヾミミ、       _,.ィイ八、     !
  ー-=ニ _,..、_'"'ノ,."-'ニ'ヾ、._ l_
     {F|! '、辷゙iニ{´'_辷,゙ ゙!r'-r,^、i    「失礼致します!
      l;j゙、_   ノ ヽ)、  ノ'  ゝ:'/     ビップ殿の回復、騎士団全員が待ちわびておりました!
      `!  ̄ヽ '   ̄~´  ,'.,ィ'
       i.   --一 、   ,' |      サクラダ殿に指示された書類を運び入れますので
        ヽ、 `二ニ´  ./  ト、     少々お待ちください!」
       ,..-i;:ヽ、   ,. '´  / ヽ、_
    _,.イ´  j   ̄ ̄   /   ,i、゙ト-、



          ___                     |  \ \
    /    / ))))                     |
   /    /_ ⊂ノ               .| ヽヽ .|\
  /   / /              i 、、. | ヽヽ .|\   |  \
 / / \ \  Λ_Λ  ド ド |ヽ   |\  |    |
/ /    \ \(; ´_ゝ`)
/ /     ヽ      ⌒\   Λ_Λ
/       ノ      /> > (; ´_>`)     「えっほえっほ!」
        /     / 6三ノ ,⌒   )
       /  / \ \ ` ̄/{: ミ   ノ      「兄者、あと何往復だ!?」
―    /  ん、  \ \ .し”   /乃
――  (__ (   >  )(   _⌒)      「知らん!」
⌒ヽ   ’ ・`し' / / /  √ソ  丿
  人, ’ ’, ( ̄ /  /  ノ .ゝう ̄
Y⌒ヽ)⌒ヽ、 )  |   ⌒ /
         \_つ  ̄


47 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:34:12 ID:VkRf532r
九65.
山積みと言うからどんな量かと思ったら―――



                 ,.. ---- 、 _
           \ ソ - "´          `丶、_ノ
           ,/                  ヽ、
           /           , iヘ、       \
            /            |i ハ i \     ヽ
         i            ハ | !  \   ヽ l
           |           / l/      ヽ   、|
           |           / /    ,.= 、. ! ハ l
          |             / , =丶   r,  / リ | '
         l          / /   !;i   ,ヾ- '  ! .l
           l           ィ ヽ_,. '´  丶  ∵.|ノ
            l       l  ∴.      r'   i
            l |   ,.-‐ 、.|   u           ,'     「おっとっと………
          ヽ,ヽ 丶,^ヽヾ、        _.. - /      やべ、崩れそう」
              ヽ\ ヽ、‐,)      ´   /
          __      / >=、__ ,.ゝ、     / __ ,. -- 、
       _ /// ,ヘ、.__/ / /// ‐‐}  ` ーz'  _//,.. -‐\
    /  }-'-'、   / / ///  _/  ,. - '´-' ´  ̄ `      丶
   /   /   |   ヽ'ゝ- ' ´´  ̄ - ' ´    /           }
.   l   !    |  ///´ ,.- '´      /          |
  r '   | /\ | ///,.- '           /           l
  >、   」 \/ .l///   ,. --―一 丶  /                }
/   /    /// /_,.  ---- '´  /              {



                 ,   ,    __     __ 、
             / / イノ ,ィ ,ィヘ、\  \ `ヽ、
.            / .r<-'/// /   \\  \ ヽ'、
           l ' / レ / |      ヽ ヾ  `、 l ヽ
            | ./ l { |  L_     |__jl   | | |
             | l | | 「`´  `ー-    」_,.-'L_」 ノ
              l l |  l 〉 ィテT 、`   /ィjT`/」`'´
            .l l l . l Y   ゞ-'ノ     l ゞソ {
          l l l l |         l   .l|      「カイ、しっかり」
          l .l .| l }         _,`  / |
            l j  ハ N、      , - ァ  , イ|f´‐ 、
          ,ノ/ / | ト、 \    `ー' ,イ| .トi、   `
             __ 人ヽ | ` 、_`  、 _ / \ l l
         ' `´\  ` レ    `l   /ヽ  /l  |
     ヘ、     \  \    |     | (|    |  /



           .ィ
          //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
        .へ}  ′          ヽ
       /  `              ヽ
       ノ                   .i
     / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
    ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l
     | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ
     |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .     レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/    「これで全部かな?
        `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/     それではビップ殿、失礼しますっ!」
         `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
         `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
      _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
      \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈

48 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:35:12 ID:VkRf532r
九66.
―――山積みどころの騒ぎでは無かった。



            ,、                ___,,,
       //  |亅       /|.,、   / ̄ ̄    /
       / /   | |. /l  __ ||| l ∠-一ァァ 7  /       __
      / / /1 ||| | / /∧l/ V     / / / .// \   / /
      7 / | | | l |/ / /|1 ,-‐─¬ / .///  ヽ、_/ / /
      / /   l | |ノ / /  | | `"7T7// / ´   __/ /
     / /    l |   | /   l |  // レ // / ̄ ̄__/
     / /     l | ,' l/   `'   |/ ∠人  ̄ ̄ ̄
    / /     レV
    `
                                              |
           从从w!             .__  . __.            |
           ,ハvVvwリ               / _ /|/ _ /|          |
          /ルwwV.ヽ          |≡≡|  .||≡≡|  .|           |
           WwwW               |≡≡|  .||≡≡|  .|            |
_______|   :::|_______/ |≡≡|./ |≡≡|./|_______|
          ヽ_,ノ            [ニニ ̄ ̄ニニ ̄ ̄ニ/ I         丶
                       Ⅱ::::...         Ⅱ  I            \
                       Ⅱ:::::::::....         Ⅱ/
                .__     .__    . __     .__
              / _ /|  / _ /|  / _ /|  / _ /|
              |≡≡|  .|  .|≡≡|  .|  |≡≡|  .|  |≡≡|  .|
              |≡≡|  .|  .|≡≡|  .|  |≡≡|  .|  |≡≡|  .|
              |≡≡|./  |≡≡|./  |≡≡|./  .|≡≡|./
               ̄ ̄      ̄ ̄  .__ ̄ ̄      ̄ ̄
                   .__  _ ./ _ /|__         , '⌒ i
  , '⌒i                / _ /|  |≡≡|  .|  /|      ( ̄ / / |
/ /  ̄ ̄ ̄`)        |≡≡|  .|  |≡≡|  .|/  |    / / /    |
i'⌒i  / ̄ ̄~, 1        .|≡≡|  .|  |≡≡|./      / / /     |
|  . ̄ ̄ `)/ |       /|≡≡|./    ̄./       /  i'⌒i     /      .__
|        |  /      /   ̄ ̄       /     (´ ̄ ̄ ̄   |    /      ./ _ /|
|____|/       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|      |         |  /      |≡≡|  .|
               |                |      |_____|/        |≡≡|  .|
                                                    |≡≡|./
      .__          / ̄ ̄\                         ̄ ̄
    / _ //         /       \                  .__
   ./≡≡/ /          |        |                    / _ /|
   ./≡≡/ /        |         |                |≡≡|  .|
  /≡≡//         |         |    「……………」      |≡≡|  .|
   ̄ ̄            |     u  }                     |≡≡|./
                 ヽ       ノ                  ̄ ̄
                   ヽ    ノ             .__           .__
                 /      \       / _ /|      / _ /|
                 |         |       |≡≡|  .|      |≡≡|  .|
                 |  |.      | |      |≡≡|  .|      |≡≡|  .|
     .__             |  |      | |      |≡≡|./         |≡≡|./
   / _ /|        |  |      || |        ̄ ̄        .__ ̄ ̄
   |≡≡|  .|        (__)   |   |__)             / _ /|
   |≡≡|  .|           |   |  |               |≡≡|  .|
   |≡≡|./             |   | |  |                  |≡≡|  .|
    ̄ ̄                 |   | |  |                 |≡≡|./
                 (__|(__|


53 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:36:12 ID:VkRf532r
九67.
机やテーブルに置ききれず、所狭しと床にまで乱立するのは書類の束、束、束。
十日間のツケと言うには余りの量に、汗をかいた翡翠がまずはお茶でもと言うので、



                 r へ_/´`ー、
              ,ィ^ー1 _ ⊥ .__/ 7⌒i、
             く ヽ,. _ ..  -- -  .`  ./`ヽ
              > '´         ` .`ヽ ⌒}
              , '/.    .      、  `ヽーく    /´`)
           / // /  /! i  ヽ   ヽ   レ'´ ヽ      /´`)
            ,' ,' ,'  /_il__ ト、  ヽ-- 、   ',.   ',
            l l li  |_士ハ \ _ム....iハ  l    l
            l l li  rイ.j`ヾ  >' l_ノ;: ト. i  l l  |
            八Nト、 l |r';:j|    |_r'jリ |  l l  |     「お、お茶をお持ちしましょうか?」
             |l l\!ー‐' .    """  |  l l  |
             |l l ト.""  r‐;    .ィ  l l  l
             |l l |i >  . _  .  ´ | リ  l l  ,'
             リト.l |lハ  i /77/´ ̄ ̄|  //レ'
.                  ヽ.|l >‐ァ‐/ くハj ___/レ'´
         (`ヽ    / //i  fト、`ヽ   `ヽ
            \ \ /   Y ./ / |  /     ',
       ,. -く ̄ ヽ ヽ  /`ー′/ .レ'       i
       f´ ̄ `)  _ li_く  / /   i|           |
        /| ´ ̄ノ/,. -- |/`ヽ /´`) ノ         i
      il |  ̄ //     |{      {,. -- 、    , '
.     /乂___.//  / ̄ ̄| ', ',   /`ー - 、  __/
     i \_ ヽ./     ト、 ヾヽ /     /イ
.     ',     〈       l \ヘ./     / ./
       ',    ヽ     '    V`ヽ.   ∧./
        ヽ    ヽ       i  }   /ー1____
       ヽ    ヽ          /   }      `ヽ
        ヽ     \       , 'ー‐〈  ̄ `ヽ.   }
           `ー ‐‐‐/ \__ /    ト、    \ /
             /          /  i ヽ  \ _j
.            /          /   !  V _ノ、
            /        , ' /    !   V  \



          / ̄ ̄\
        / _ノ  ヽ、.\
          |  (●)(●) .|
        !  (__人__)  |    「ああ、熱いの頼むよ」
          , っ  `⌒´   |
       / ミ)      /
      ./ ノゝ     /
      i レ'´      ヽ
      | |/|     | |



やれやれだ、と眉を動かしたやらない夫は早速、端から手を付けていく事にする。

55 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:37:12 ID:VkRf532r
九68.
              _     _    _
          「_ <>'> 「_ <>'>「_ <>'>
              _l l    _l l   _l l  <> <> <>
          「___」   「___」  「___」

    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( ○)(○)
  |     (__人__)     「―――さて。
   |     `⌒´ノ      これ以上長居は出来ないんだ、
   |   ,.<))/´二⊃    ちょっと本気で片付けるか」
   ヽ / /  '‐、ニ⊃
   ヽ、l    ´ヽ〉
''"::l:::::::/    __人〉
:::::::::|_/ヽ.   /|||||゙!:゙、-、_
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|



数分後。
お茶を淹れた翡翠が戻ってきた時には―――



                           r-、_/`--、
                        ヾヽ´l :::i/__//:::ヽ´ヽ_
                       <ヽ,-= ニ ニ =、ヽ、/_、
                       ゝ´´: : |: : :: :: ::ヽ:`ヽ、/ゞ
               .       //: :: :::l:ll:l::::::、:::::::ヽ::|:::゙l-ゝ l
               .       l :l ::l:: ::_ll_l:lヽ:、」l-‐弋|::::|::::::::|
                      l :l :::|::´l |、.l:l ヽゝ―l、|:::::|::::::::l
    「やらない夫様、 .       レ l::ll::::f´l:`l  ´ l :::).|::::l:::::::l
     お茶が………」         ヽ!ヽ:l..ヒノ ,   `‐´ |:::::l::::::l
                       l:l ::::ll    _ _     , |:::::|::::::l
                       ll l :::l:`ヽ 、 _ , イ|::|:::/l:/:/
               .        | ヽ::lリヽl / ̄l厂 ̄l/:レル
                     __     ゝr´彡(フ`ヽ、,--t- 、
                    ヽ、ヽ、/;;;;;ゝ彡/;lヽ:`::); ;;;;;;;;;;ヽ
               .    ,‐rニヽ ヾ、;;/メ//:!ttイ; ,;;;;;;;;;;;;;l
                  rf´ミフ , -ゝヽ、:::// ::/::l;;;;;;;;,, ;;;;;;;;;;l
                  l,{ -,ゝ´;;;;;;;;;;;;;レr、/7fゝ,:l,,_;;;;;;;;;,,,,;;;;;;;;l
                 rfゝ< ;;;;;;,,_ -‐‐l.... ´...゙´ゞミ、、ヽ;;;_ -イ
               .  lヽ__ゝ,イ;,;,;,;;;;;;lヽ: ::::::/ ;;;;;ヽ/-
                  lヽ、、l_i ;,;,;,;,;;;;;;l;;;゙Y v´ ,;;;;;;/;;|
                  l ;,;,;,;,l ;,;,;,;,;;;l;;;;;; l lヽ、;;;;;/l;;;l
                   l ;,;,;,;,;l ;,;,;,;,;,;,;;;;;l lヽ;゙;;/ ̄ト´ ̄ ゙̄ ヽ
                   l ;,;,;,;,;ゝ、;,;,;,;,;;;;ll;,;,;,/:::::::f::::゙:::-::::::::::::l

56 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:38:12 ID:VkRf532r
九69.
とんでもない速度で次々に書類をさばいている彼の姿があった。



   / ̄ ̄\
 /    \ /\
 |    ( ○)(○)     「承認!駄目!承認!駄目!駄目!駄目!駄目!駄目!
. |     (__人__)      承認!手直し要!押印漏れ、再提出!駄目!承認!承認!手直し要!
  |     ` ⌒´ノ      これは良い案だ、優先!駄目!再提出!駄目!承認―――」
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ         \
   /     く≡つ=つ       \
   |     \ ババババ     \
   |    |ヽ、=つ≡つ       \
           ババババ



闇雲に印を突いている訳ではない。

きちんと一つ一つを確認し、承認するか駄目なのか、各担当の印鑑は足りているか、
そして手直しすれば再考の余地があるのかなどを分けており―――




       ├‐v,/  /  // ', ', ヽ, 丶      ヽ,__,,_',
       i   /,' / //   ', ',  丶  \  ヽ ',  l  V!
       ト,,/,' L―ハ― __ヽヽ ヽ,_,.―,―――, ヽ‐' i
       l i ! :; //     丶\ ';,\ ',ヽ, ',  i  i: |
       ,!  i  ハ i , ‐ '' ‐、   ` `'‐, ‐'^''丶,', i! i: i
       i  ', l:iv/               ヽV i i |     (翡翠です。
       |   ヽi| ヽ   ○        ○  /i i レ i      やらない夫様の周りで
       !  ; |                  i  ;; i      書類が舞っています)
       l  ;: i.                  l  ;; l
     _,.r‐i  ;; l i                 i  ;; i''‐.,,_
   _,‐´   i  ; i ヽ、              /l  ,:' ,'   `ヽ,  「ここに、置いておきますね………」
   /     i  ', i  ヽ,    ⊂⊃    ,. i  i  ,:' /     :l
   !      i ', i   l ` ‐ .,,__  __,. ‐''´  i  l ,:' /      |
  :i       ヽ  i  ヽ   丶  ̄ /    l  レ' /       i


58 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:39:12 ID:VkRf532r
九70.
あれだけあった書類は午前十一時過ぎには全て適切に処理され、
片付いてしまった。



           从从w!                                    |
           ,ハvVvwリ                                    |
          /ルwwV.ヽ                                    |
           WwwW            ___________           |
_______|   :::|_______/              /|_______.|
          ヽ_,ノ            [ニニニニニニニニニ/ I          丶
                       Ⅱ::::...         Ⅱ  I            \
                       Ⅱ:::::::::....         Ⅱ/


                         _________            , '⌒ i
  , '⌒i                /           /|      ( ̄ / / |
/ /  ̄ ̄ ̄`)           /           /  |    / / /    |
i'⌒i  / ̄ ̄~, 1         /           /      / / /     |
|  . ̄ ̄ `)/ |       /           /       /  i'⌒i     /
|        |  /      /             /     (´ ̄ ̄ ̄   |    /
|____|/       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|      |         |  /
               |                |      |_____|/


66 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:42:12 ID:VkRf532r
九71.
さすがに目と手が疲れたやらない夫は
邪魔にならないようにと翡翠が用意してくれたサンドイッチを食べ、
食後のお茶を飲んでいたのだが。



<コンコン


     / ̄ ̄\
.   ./   _ノ  ヽ
    |    ( ー) (ー)
    |      (__人__)  ∫    「どうぞ」
    |     `⌒´ノ
    |        |  ∬
.   ヽ         } | ̄|
     ヽ     ノ |_|)
____/      イー┘ |
| |  /  /     ___/
| |  /  /      |
| | (    ̄ ̄ ̄⌒ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|



    , -‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;``'' ‐、_
,、‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
 ̄/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;‐、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
‐'/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/イ;イ;;;;;l
./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;メ/ // l;;;;ト;|
イィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;///;;;;イ/ ト/、X, l:イ l      「ビップ殿、かくかくしかじか………」
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l '´///'´   ┘ !リ
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト,. Y         '、
 rイ;;;;;;;;;;;/  'ー'           ン
ノ ヽ='´'             /
く   ``ヽ、_   、    -‐‐r<
;;;ヽ、  ,、 ,、 `ヽ、_ヽ.,_   ,イ´  L..
;;;;;;;;;\ヽ ソ `〉 /小ー、` 〉ノにソ `ヽ_
;;;;;;;;;;;;;;`ヽ`ー' / ハ | /、'"   / 、ノ



ノックに答えると、入ってきたのはロイだった。
話を聞いてみると吹き飛んでしまった自室を修理する際の、
錬金術関連の実験器具について悩んでいるらしい。

67 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:42:25 ID:VkRf532r
九72.
冒険者だった頃、他の錬金術師の研究所を見た事があったやらない夫は
その記憶をもとに助言をし、



                                                   / ̄ ̄\
                                                 /  ヽ、_  \
                                                (●)(● )   |
                                                (__人__)     |
                         「それならこうすれば………」      (          |
                                            .    {          |
                                                ⊂ ヽ∩     く
                                                 | '、_ \ /  )
                                                 |  |_\  “ ./
                                                 ヽ、 __\_/



       /"  /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::::::::::::::
         /,,ラ::::::::::::::::::::;:::::::::::::/ |:::::;::::::::::::::::::::::
        ///::::::::::::::::::イ:/!::/  l::::/|:::::、:::::::::::::::::::::
       -" ./::::;イ:::::::/>:/ //   !:::i .l::::|ヾ::::::::::::::::::::::::::::::
         /:/ l::::://'^X"    l:::/ |:::| ヾ::::::;:::::::::::lヾ::::::::
         /  /::イ  _ ヽ丶    l::i  |:::| i::::::::|ヽ::::::i,、          「なるほど!
           レ|/ "⌒ヾ,,     |:l 一|::|ー-i::::::| ヽ::::::::::ヽ>::::       そう言う視点がありましたか。
  _,,,,__       /     ~     i/ =--l:|  ヾ:::l^`ヾ::::::::::::::::::::
''". .'' .<三` =-.,,_/             | _,,-┿=、 ヾ:|  ヽ::::::::::::::::::::       眼から鱗が落ちる思いです」
ヽ.. . . .\ ゙゙̄'''=i     ,             ヾヾl   !:::::::::::::::::::::::::::::
 ゙. . . . .\ . .{     r"               |  i:::ヘ::::::::::::::::::::::
 . . . . . .). . ',   、_                     |;/ ヾ|)::::::::::
   . . . ./,-"  .',    ゙''-,,_               ノ  〉ノ::::::::
  . . . /" /. .'、     ゙゙'' ー- ,,_         ,/_//:::::/
  . . / /. . .//:'.、                ,=-- <:::::k"
   / /. . . //:: : ' 、       _,,,,,,, --─'''''"" ̄ ̄
    /. . . /// :.| l.ン- ,,_/⌒). . . . . . . . . .
  /: . . . ( ノ . . :.:i::t.K | /./::7 /. . :/'''""" ̄⌒
 /: . . . . . .  . :.:.l:) ) `// // /. ./. . . . . . . .



それは上手いやり方ですな、と解決策を得た彼はありがとうございましたと出て行ってしまう。


70 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:43:12 ID:VkRf532r
九73.
と、入れ替わりにドアが開き、今度はマコトが入ってきた。



   \       \ \     | ,,,--''''' ̄ | // _,,,,--┐   | /  _,,,...---
.       || ̄ /l‐|、-/l \┌' ̄|    _,,,,-ゥ/i`ヽ、  .ィ-ァ| | 「 ̄'   |
.       ||  ./,' | | |、| ̄''''ー-____,,--''''',,,-'''~/  \|.. .// | | |    |
.       || //==| |=|/ー-< ̄__,--''  ̄   /.     //.|  | | |    |
―--,,,___||_// ┌| |‐---,,,,__ ̄| | |    .     //  |  | | |    |
___ .||l /| | 'l |     | | |         /'''~.     |  | | |_,,,,--|--''''
====┐ .||/. | | |l.      | | |               |  | | |    |
    ||  ||/ .| | '!      .| | |               |  | | |    |
    ||  ||  | |         | | |               |  | | |    |
――||―||  | |         | | |               |'.―|‐.| |-,,,,,__ |_,,,,
    ||  ||  | |         | | |               |  | | |--'''' ̄|'''''--
    ||  ||  | |         | | |               |  | | |‐-,_____|
    ||  ロ(()==|         | | |             \|  | | |    |`''--
    ||  ||  | |.      / .| | |               |\..| | |    |
    ||  ||  | |./  /.   | | |             \|  \ |,,,,....--- |----
    ||  ||  |/  /..   .| | |               |\..|..\... ___|,,,,,,,,,,



.     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
     /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
.    /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
   /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
   |: : |: : : : : |: /  \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|
   |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V
  < : 」_: : / 〈  {} |/  レ  {} }|:./ヽ: : |      「おーい、ちょっと相談に乗ってくれ」
  <:: |. 小{   _,,.. -    、-.,_  レ{: :.|ヽ:|
   厶ヘ ハ         、     {ハ/ V
      \_!      _ '     !
        ヽ    /   `t   /
      ___,r| \  {    / /
    /:/::::| \  ヽ `_⌒ ィ ´
  /::::::/::::::|  \   ´ ∧>、
/:::::::::::/::::::::|    \  /  !\::`ー- 、
::::::::::::::/:::::::::∧    /二\ |::::::ヽ::::::::::::\
::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ  /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::



いきなり机の上に広げられたのは王都周辺の地図である。

聞けば、土木事業の関連で新しくテレジア河から水路を引くための
灌漑設備の設置場所を悩んでいるそうだ。

72 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:44:12 ID:VkRf532r
九74.
そう言えば米作が盛んなミツカミで良く見たな、といくつかの候補を挙げてから
最終的には王都大学の農学部に相談すれば良いんじゃないかと言えば、



        / ̄ ̄\
      /  _ノ ,ヽ\
      |   ( ●)(●)
. \    |     (__人__)     「こことここなんか良さそうだな」
   .\  .|     ` ⌒ノ
   . \ ヽ       }
      .\_,ゝ     ノ
      /, r、    く
     ./ 〈  \    i
    . ヽ、 .ヽ   \ i..|
       .て_)   \ノ
             \
               \
                 \



                /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
                 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
              /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
              /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
              |: : |: : : : : |: /  \: : /|: : r 、 : : :.|.: : : ト、:|
              |: : |: : : : /!/    | :/ |:.:(ヽ、`\:|.: : : | V
             < : 」_: : /  _   _|/   レ. \ \ \ : |
             <:: |. 小{  `゙''''''        ‐-\ \ \_
              厶ヘ ハ U      、 r--‐-、 >、    `ヽ      「うあちゃー、見落としてた。
                \_!          ' ` ‐-、 ``      `、     なるほど、そうしてみる」
            _, r´:/ : :| ヽ    r‐--っ   /\         `、
        _, r ´:.:.:.:./:.:.:.:.::| | \    ̄   /ヽ :`ヽ         ヽ
     _, r'´:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:|  \ ヽ _ , ィ ´ |::.:.:ヽ: : `、        `、
  _, r ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|    >-、ー_'/   !::.:.:.:.:ヽ: : ` 、 __ ___i__
 /゙: : : : : : : : : : : : ヽ:.:.:.:.:.:./i!  /ヘ i. / 入  |\.:.:.:.:.ヽ;,r'`‐´_,,..---┴‐,
l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\/:.:.:.:!'! /ヽ、ヽrk'´:_,r、 イ:.:.:\/ _>-‐'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l



そう言えば専門家が居るんだっけ、と眉間にしわを寄せた彼は
地図を丸めると早々に出て行ってしまった。


74 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:45:12 ID:VkRf532r
九75.
マコトが行ってしまって扉が閉まりかける直前、
今度は言葉の遠慮がちな声が滑り込んできた。



:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||            <  やらない夫君、ちょっといいかな?
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              \_______________
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::|| ̄|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||  |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::|| r√入.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::|| |{ (5).:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||└ヽУ.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||  |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||_|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.                  どうぞ>
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||              |:::::||.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.



                 __,,.、 -- 、、_
              _,.ィ'"´        `'ト、
.            /              \
.           /     ..:    ..::  ..i   ..:.\
          /    ..:.:.:   ..:.:.:  .:.|   .::.:.:∧
.          j    ..:.:  .: ../::  .:.::ト、  .:.:.:.:.:.:ヘ
..         |    / .:.:.:.:/ .:,イ.:./!:..| i  :.:.:.:.:.:.: i,
          |  .:.:./.:.:. // .://.:./ |:./ } :.:.:.:.:.:.:.:.::|
          | .:.:.:/.: /--─‐‐ ''/" l/\ | :.:.:.:.|.:.:.:.:: |
           | :.:./:.:/ ,ィ==rァ / /_,_ `ト、:.:.|::.:.::.|::|
.         | :.:.:j:.:.:.:.l'"トz::゚リ      ィテラト| .:.:. |:.:.:.:.|.:|
.          | ..:.:|:.:.:.:.{ `-‐'     ヒ::,゚ソ /}:.:.: l\:.//      「異動の事で相談があるんだけど………」
         | :.:.:| :.:.:.ヘ、          ~ /,ノ:.:.::.∧ \
           | :.:.:| :.:.:.::}へ、    __ '  _ イ : /二二^  \
.         | :.:.:| .:.:.:.:.lト、 >、_  _,. <:.:..:..〈 ー‐-、    ヘ
        / :.:.:.| :.:.:.:..|  \ 了\__:.:.:.:.:.:.:`l斤\     |
.       / :.:/|:.:.:.:.:.:|ヘ  rー--ヘ、 \:.:.:.::.:..|  ト---‐┴、
       /../::::::|:.:.:.:.:.:| \{ ー-<⌒)'二\::.| {::::::::::::::::::::::}
.      /../:::::::::: |:.:.:.:.:.:|\ \ __,, ィ`-K-- .__).! |::::::::::::::::::::::|
     /..:{::::::::::::::|.:.:.:.:.:.|:.:.:\/___ノ ノ \-- >.|:::::::::::::::::::: |
.    /..:.:.:|::::::::::::::\:.:.::.i,:.::.::.ヽ ::`ー''´:::ヘ  Y´:::::::\:::::::::::::::::j
.     /..:.:.:.:ヘ.::::::::::::::::.\:.:\:.:.::.):::::::::::::::::::ヘ  }::::::::::::::::\ :::::::: |



どうやら悩んだ表情の彼女も相談事があるらしく、

76 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:46:12 ID:VkRf532r
九76.
招き入れたやらない夫は嫌な顔一つせず、親身になって答える。



               / ̄ ̄\
             / ノ  ヽ、.\
             |  (●)(●) |
             / ̄ ̄ ̄ 丶人__).  |
         /        \ ._|_____      「………えーっと。
       , --'、             /         `〉     この人とこの人を………」
        / ⌒ )        /         /
       ,′  ノ          /           /
       l  T´ .._     ./       r'´ ̄ヽ
      ヽ ノ   ./丶、  /       (  ̄  l
         `'ー'´   | .`'ー'――┬― --、/   _.ノ



      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
     /: : : : : l: : l ト、;ヽ:`: : : :\: : : :`、
     /: : : : : : : |: : l l ` ゛l:l : :ヽ: : ヽ: : : ヽ
    /:/: : : /:l : :イ: ::l l   l::l;:::::l::::ヽ;:::::::i::::i
   | l: l: : :l :l::/ |: /l l--- l:l 'l::::l:::l:l:l:::l::::l:::l
   | | :| : :l: l/ // l l ,___ ll +::;l:::l::l::::l::::l::::l
   | |: | l:::l V // レ ",l"弐x,_ l://::::l::::l::i::l        「あ、そっか!
   ゙l: : :;:l::::l,y弐、     o::::リ///::::::l:::::l::i::l        さすがだね」
.    !、l ヽ;::l,゙ 'o:::l    v=" イ:: ::::::::l::::::l::i::l
      \'l、ヽ゛''"      〃 l :/:::::::l:::::::l:::::l
         |: :.、〃丶  ,    l::/::::::::l:::::::::';:::ヽ
         |::l::::`'...,.., ̄  /l:/::::::::;'ヽ::::::::';::::ヽ
         |:l : :::::::l::::l:::>i_ ,ィ : :::::::l ヽ:::::::';:::::\
         Y : :::::::l:::::/7  〃::::::::::/冫ヘ::::::';:::::::::\
       / : ::::::l::レ ノノ  / : ::::::::/´    \:';::::::::::::\




78 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:47:12 ID:VkRf532r
九77.
そして―――
彼女が帰って行ったのと入れ替わりにジュンがやってきて、



    \やらない夫ー?/
:::::::::::::_______________:::::
::::::::::::|\\        .|:::::::::::::::::::::::::::::::: |::::
::::::::::::|:::::\\       ! :::l ̄ ̄ ̄ ̄|:::::|::::
::::::::::::|:::,、::::\\      |:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|::::
::::::::::::|:::||\:::::\\    !:::::!:::::::::::::::::::::!:::::!::::
::::::::::::|:::||:::::\:::::|lll|     |:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|::::
::::::::::::|:::||::::::::::|::::|lll|     |:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|::::
::::::::::::|:::||::::::::::|::::|lll|     ||]::|:::::::::::::::::::::|:::::|::::
::::::::::::|:::||::::::::::|::::|lll|     |:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|::::
::::::::::::|:::||::::::::::|::::|lll|     |:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|::::
::::::::::::|:::||::::::::::|〔 !lll!     !:::::!:::::::::::::::::::::!:::::!::::
::::::::::::|:::||::::::::::|::::|lll|     |:::::|______|:::::|::::
::::::::::::|:::\:: :: |::::|lll|     |:::::::::::::::::::::::::::::::: |::::
 ̄  ̄:\:::\::|::::|lll|       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
::::::::::::::::::\::::`:::::!lll!     :::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::: \:::: !lll!     ::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::\|lll|       ::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::        ::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::        :::::::::::::::



        /l
     Λ/ 〈 へ、
   ヘ|        ,>
 ∠  /   〉ヽ   ̄\
 / ノ〈 |^^| /\ト、  ト、l      「やらない夫~。
 |/| .ハ|__ |/___ ヽ  ヽ       ちょっと相談に乗ってくれよ」
   l/  |‐|   |―ヽ_|
    |  ̄ c  ̄   6 l
.   ヽ (____  ,-′
     ヽ ___ /ヽ
     / \∨/ l ^ヽ
     | |      |  |



騎士団強化の為の食事について相談に乗ってくれよと言った。

80 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:48:14 ID:VkRf532r
九78.



       (⊃ ̄ ̄\
     (⊃   _ノ  \
    (⊃   ( ●)(●)
     |     (__人__)
     |     ` ⌒´ノ       「そこはピーマンだ。
       |         } \      誰がなんと言おうとピーマンだ」
     /ヽ       }  \
   /   ヽ、____ノ     )
  /        .   | _/
 |         / ̄ ̄(_)
  \   \ /| JJJ (
   \  /   /⊂_)



: : : : :: : :、: : : ::::::,lll,,,,,,,,,,,,,__
: : ::_、,,、‐,l,: : : :,,ll,i,_゙゙゙llllllil,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__
,,llll,,,lll,,i´,ll,゙l,、:,illilllllli,l,: ,lliill゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゚” ̄
lllil!llil゙゜:lllllllilll,.:llllllllllllllll::llllll!llii,,l,i、
l!lilll゙ιllllllllllllllillllll!lllllllll!,lll゙!liill!llllil,i、
illll!`lll:,lllllll!゙゙l゙!!゙lllll゙!lllllll,llll,,゙!lli゙llll!llil,i、
!l】l::lll゙llllllll:: : : : : : :|llllllllllllil,,゙lli、゙゙lllll,,、
il゚,ll:lll|llllllll: .: : : : :.::|'lllllllllll!lili,゙lll  ゙゙゙!l,,、
l゙,lllllll|llllllll:.、:::x,、:、:|'llllllllll.lllllli,lli,    ゚゙=:
,,llll!,lllllllllll: : : : ゙'N,,,.,lllllilll|:l!ll!lli,li,
illlilil!llllllllll、::::::::.,,.::_ll!,l゙'llli,"ll` .'!li,,
llilllll:゙llllllllll、、:、:ハ::゙i!゙,l`|lli"ll
lllllll:_,゙llllllll〆":'│::.゙.:`、.=,「
!|llll'`::'!llll゙li、丶'|,!::::::::::::::i!l゙,!        「やっぱり?
::)ll′: :゙!ll゙゙l: : ::|:.: : : : :`|::l、        仕方ないなぁ、そうするよ」
、'l、:: : :゙!!::`::、U,、,:、..,i,|、゙i,、
、::`::: 丶丶丶:::゙!i{h,、_,シ`::::::.|
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: : :`: : : ::`: : : : : : : : : : : : :/
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: `"'ヽ,,: : : : : : :`:_,,r,i´
: : : : : :゙・: : : ::‐'''~`



こちらもどうやら一段落、大体の事が固まった彼が出て行って数秒。


82 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:49:12 ID:VkRf532r
九79.
もはや様式美と言うべきか、廊下を走る足音に続いて真紅が部屋に飛び込んで来る。



        ||        |     , -‐:: :: :: :; :;  _ _ _  :; :; :; L_
.       _  i⌒i    !   i:; :; :: :: ::   ,  ´     ` ヽ :; :; ヽ
      f ヽ | l  _ !    〉:; :: :: , ´            ヽ :; )
      _\ `┘ .V´ /|    r:; :; :. /               \ っ
     ヽ_____      {     ):; :; /   i ヽ      、   ヽヾ`´
     f二二  て-‐イ了   「:; :; /   , |  |丶 、丶\ \`ヽ ヾ丶           「やらない夫!
         ヽ⊿廿庁 :; :;\ ヽ:;;|i  i | l |  ヽ ヽヽ \ ヽ ` i 丶            ちょっと助けて!」
、      :|l  Z丁:; :; :; :; :; :; ヽ`i | |  ト 、丶  ヽ |ヾ,ゞ、ヽ.`  l | _ -::-::-、
:.\      ||    \ :; :; :; :; :; ヽヾヽ! |ゝF::ミ丶 ヾ!タ::レトヽハ ノiノ` ‐ - - - L
  \    ||      \ :; :; :; :; :; :;  レ! ゝ!ヒ:::ソ`  ´ヾ::ソ /::  ̄:: \‐::―::-- 、丶.
    \  ||     ミ  \:   ; :; ::  |  ヽ     ,     /:: :: :: :: :; :;ヾ :; :; :; :; :`))‐┐
      \||        |_\:; :: :: :; l  !ヽ\_,. rー-y_,イ‐;;-;、:; :; :; :; ;ヾ:; :; :; :; //::,. - -、
              |:;< :; :: :: :: :: :ヽ ヽ;; ;; ;;`:;ヽ ヾゞ;;_;;/i:;,;-;;‐⌒フ-,て , - ‐ つ     ,
           / ̄|||:; :;〉:; :; :; :; :; : :: :丶ヽ/:;; ;; ;: :) /:; :; /;; ;; :; :; :; :; //_. /   く. _  _ _ ノ
           /  ||   | ̄|| | || | ||; :; :;\ヽ、_;; ;; |ノノ、 :;(;; ‐:; -;.、:; :;.i  ̄
          /  ||   |  || |_|| |_||: :; :; :;,>‐-=、´;; ;; `:;(;; ;; ;; ;; :; :ヽっ         ,. -:: ‐::-:: 、
          /  ||    |  ||:; :; :; :; :; :; :; :; :; :: :: :: :; );; ;; ;:; ヽ;; ;; ;; :;;/     , ‐ ::´:; :; :; :; :; :; :; :; :;ヽ
        ../__||    .|  ||:; :; -´::`、:; ; :; :; :; :; :;/;; ヽ、:;_:; ;;|/`‐´    ,  ´:; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :;.i
         ̄      .|_|:; :; :; :: ::,. ´ヽ:;_:;_:;_:;_ノ:; `:;‐-)):;`´丶、   /:: :: :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :;;|
              |:; :; :; :_    || ̄|| :; :; :; :; :; :; : ノノ:; :; :; :; ;ヽ. /:: :: :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :;;|
              |  :; |_||   / // ,´:; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; 、:: :: :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :;/
              | ̄:; ̄:; ̄:; ̄/ //:; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :::|;:.ヽ:; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :;ノ
              |:; :; :; :;__/ // \:; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :;; ;: :\:; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :;く.
              | :; :; :|___//; :; :: 、:; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; ::/;;; ;; :: :: `:; :; :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ` 、



         / ̄ ̄\
       /   ヽ_  \
       |    (⌒ )(⌒)
      . |     (__人__)      「今度は真紅か、どうした?」
        |     ` ⌒´ノ
      .  |         }
      .  ヽ        }
         ヽ      ノ
      _,,,,ノ|、 ̄//// \、
  _,,..r''''"/ | \`'/  /  |  ̄`''ー-、
  /     /  |  /\  / /    / ヽ
 ノ |  > |/)::::/\/ \   ノ /}
 {   | {   | ,r":::ヽ /   /  / // ハ



                                   ●


                                   ●


                                   ●


83 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:50:13 ID:VkRf532r
九80.
それが二周繰り返された。

そろそろ昼食の時間とあって立て続けの訪問者が途切れた様子なので、
頬杖を付いたやらない夫はお茶の準備などに忙しかった翡翠にもご苦労様、と声をかける。



        / ̄ ̄\
      /   _ノ  \
      |    ( ●)(●)
     . |     (__人__)         「………一段落、かな?」
       |     ` ⌒´ノ
     .l^l^ln        }
     .ヽ   L       }
       ゝ  ノ    ノ
     /   /     \
    /   /        \
  . /    /        -一'''''''ー-、.
  人__ノ       (⌒_(⌒)⌒)⌒))



                    _ r‐v¬v~r- 、
                    ,r‐ 1 |  | __」__/  / 入
               /rヘ.  |. ┴'  ___``<_」
.                / /\ У -‐         \}-┘
               / `ー7/           ヽ
                /    |′   ./ / /  / | |  |
.              |     |    / ,.イ / 〃 ハ.|||
.              |     |   __/_/_仏jイ/ ./ハ!|||
.              |  fニヽ|   |/_  // ,二|.} }/
.               |  Vi(.|   ィi::;;j1 ′   f::j} ノイ
             |.   ヾ.|   ト ┴     ` ^´| |     「そのご様子ですね」
              |   .||   |      i   ,ハ.|
.             | :| i  i.|   |     __   .:i |     (皆様がやらない夫様を
.              |:| |:  H..ヽ.|ヽ、   ,.イ:| |      頼りにして居られるけど………
            {ヘ| |i、 |: \ヽ\ /` ¨´ | | /
              ,ハ|:::ヽレ一:7´ ̄ ̄: ヽ イ / /       少し………頼りすぎではないでしょうか)
             / /::::/   /:::::::::::::::::::::::∨1j/
            /  /::::/   /::::::::::::::::::::::::::::ハ
.          〈  |:::/    '::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
            |/     {:::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::}
              〉        ヽ:::::::`ー:::::::__/
           |        〕::\:::::::::::::::::; ヘ
            |       く::::::\ヽ--::r:´  i
         _」.         }:\::::::ヽ--:;〉    }
         ヽ        }::::::::::ー:::::::ノ    /
   r‐- 、 ___ ,.⊥ __     /::::::::::::::::::::/   /
  丿  〈//   \\  /::::::::::::::::::::/  /
  {_厂 ̄不ト、     〉¬../::::::::::::::::::::/ /
-- `ーァ'::: |. }. ヽ   /\. /::::::::::::::::::::/_ノ
 ̄ ̄´:::::::/ / \レヘ  /::::::::::::::::::::/



答えながらテーブルの上の器を片付る彼女は、何とも言えない違和感を覚えていた。


84 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:51:13 ID:VkRf532r
九81.
皆がやらない夫を頼りたくなるのは分かる。
部屋の隅で見ていたが彼は博識であるし、説明したり教えるのもとても上手だ。
そこに答えがあるのなら、自分で考えずに質問に来てしまうのも無理はない。

だが―――

つい昨日まで、自分達が何とかしなければ、
より良い国を作らなければと高い意識、望みを持っていた王女達から、
それが消えかけているように見えるのは気のせいか。



\\ _, ゝ‐  ̄ ゙ - 、/    ゝ
  >‐´ _, - - - - 、\::.....::::r
../ / ´     . / / l i゙ヽ ヾ彡 ゙ゝ
レ ´l .::  ./  . / // ll ::l lヽヽ__:::::ろ
.:: ::l.:: .:: ::/ .:/./ .// .:/.l.::l: .:l 丶i  ,ソ
:: ::l: .: .:/ .// ./:/ .:/ l.::l: :::l :lヽ l´
: ::l: .////::/://::/  l.::ll::.:::l: :l:l: l
‐:t/‐//∠//:/  l::/.l::::l::::l/ :l
,,-‐7卞 ト、´゙//    f ̄f゙7トl/ :l
ヽl .lっ:::C ゙     r7゙勹ゝl/::  :l      (やらない夫様に頼り切りになってしまって………
.::l ゙ ー‐‐        /:ヽ /::l:::  i l       本当にそれで良いのでしょうか?)
l::l  ´´´        ゞ-´ /::::l::: : .l: l
l::l         ゝ ´´´/:::l::l:::: :::l: l
l::l 、    ―‐    イ:::::l::l:::: :: l: l
:l:l ヽ、       イ:::l:l::::::l:::l::: :: ll::l
:l::l   ゝ _  イ:::::l::::l::l:::::l:::ll::: : l.l:l
::lll___  ___,,lヽl:::::l::l::::ll::l l::::: l l:l
::l:l::://l /ヽヽ::::::ヽ-ノlノ::/l::l l:::::l ll _、、、
ヽ:://::::l/::::l l::: ..:::::::)----レt‐‐ ´:::::::::::::::ヽ、



彼女が感じた事は杞憂ではなかった。
それこそが、『英雄』が猛毒にもなり得る所以だ。

同等の仲間ではなく、頼るべき人と認識してしまった者の成長と進化を止めてしまう、
甘美でとてもとても抗いがたく、そして緩慢に相手を殺していく毒。

それは余りにも哀しく、理解されない英雄の孤独。

86 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 21:52:13 ID:VkRf532r
九82.
だから彼は思っていた。
もう、潮時なのだと。

これからの事に思い残す部分は多い。
確認しなければならない事、挨拶に行かねばならない人など、
本当なら身一つでは足りないほどやりたい事がある。



           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●
.         |      (__人__)
           |,      ` ⌒´ノ      「っと、そろそろ一時か。
          │         }       行ってくる」
           ヽ、      ソ
          イ斗┴r┐` .;
    / ̄`ーゞ、  / |__ 〈ー─r、     (今日が最後、だな―――)
   /     \ ∨\  |,ベ._ / |
   {    . : : : . ヽ>ー\[ ̄{ 〉\|、_
   |        `丶}\  __\_]~∨'\`ヽ
   :|   ._    \_}/r‐-}\ ゙,`''く l ゙,
    ト、: :./ / ̄`` ぐ└f'二)::{  ',  | !,ゞ┐
    `、∨ ´ ,.、-''"~ ̄}_{‐''く:::{_  ', _|_|_,rー'、_
     }{ / _、-'''"~ ̄{_\;;;;;j;><;:::::\:::ヘ}\
      }∨: /  _、-''゙~ ̄ ̄     \::::},之_ ヽ
       〉∨   /           ,.、イ;;ノ_   `ヽ}
     {: \,/\  -‐ '"   /` ̄      :.:}



皮肉な事にそれをやろうとすればするほど、
やらない夫に囚われた王女達の歩みは重くなっていくだろう。

だから、それらを放棄してでも彼は行かねばならない。
大切なこの国の未来をもう一度護る為―――



                         ,. --- 、
                        ,...:'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
                   r'~`i⌒r‐-、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
                  ヾ、,⊥.,___;;__ ヽ;.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.',
                    i.:.:.:.:.:、.:.:.:.:`i.:.:.:.:l_.:.:.:.:.:.:.',
                .   liいヽ:ヽ_;;;,:.:l.:.:.:;.lヽ.:;;::::;:.ヽ、
                .   l!'い';ヽ、;_;こ!::::,;,;iノ,;,;;;,;;;;;、rォ、
                     ヽ-'l`く 、ノ!:::,;,;,l |,;,;;,;,;;/  ヽ.
  「行ってらっしゃいませ」        .i:.:.;|. l:,;,;,;,;l |;,ル/.  /ー\
                        .!i.:;;个!i,;i,;,;レレ';V.  /    ヽ、
                       lハi´ リiルi`ヘ人 /  __   ヾ、
                             _,く‐' :ヽ,i/    ̄ "')\
                               ヽ:i:.:..:.:|ヽ;,,,,      /  ヽ_
                                }:!― ! ヽ;;;;;;;;;;;;,,,,. i    `ir‐_''ユ =-、
                             /.:!:::::.;,i  ヽ;;;;;;;;''  !;;,,,,,;,;;;;;人ー‐一 '" ヽ
                              └ノ.:,. -ゝ、  i    l //  ,>、二 ___l
                              `    i, `l ,.   |- ''  /  ! ヾ、、
                                  ! i i ,'    l  ,/   ',  ヾ.、
                                      i l リ    「 ̄      ',.  ヽ丶
                                   'i ,'    リ           ',.   丶ヽ
                                      l ;.    ,'         ',    'い
                                      | ,'    ,'          ;     'い



―――今度は、自分と言う存在から護る為に。

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━━━━━━━━━━……



110 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:05:12 ID:VkRf532r
九83.
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午後一時より、少し前。
だいぶ補修、手入れは進んでいるものの、まだ床の穴が完全に塞がっていない謁見の間は
大勢のざわめきに包まれていた。



        (ヽ、00  ∩
      ⊂ニ、ニ⊃ ⊂ ⊃
       ,, -‐- \   | |/⌒ヽ  〇  〇
      ( ⊂ニニ   / /⌒) )
       `ー――'′ し∪  (ノ

                             (ヽ、00  ∩
                           ⊂ニ、ニ⊃ ⊂ ⊃
                            ,, -‐- \   | |/⌒ヽ  〇  〇
                           ( ⊂ニニ   / /⌒) )
                            `ー――'′ し∪  (ノ

::::|    .       |    \: : : : :\ \/ /: : : : : :./ .|:|   |      |::|   \: : : : ::\\/
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::::|   | :|       |   |::|   |-‐'''"|  |゙ :‐-.::;|       |:|   |        |::|   |   |-‐''' ゙゙|  |`
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::::|   | :|       |   |::|   |   |  |: : : : : |       |:|   |        |::|   |   |    |  |:
::::|   | :ト、          |     |   |  |: : : :        |:           |            |:
::::|   | :ト、\              |  |: : :
::::|   | :|∨:||               |  |: :
::::|   | :|│:||                   |
::::|   | :||〔三三三〕
::::|   | :|└──<| |
::::|  〔三三三三三三〕
 ̄厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「|
 ̄ ̄ ̄ ̄厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

111 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:06:12 ID:VkRf532r
九84.
その殆どは貴族や官僚の声だ。
彼らは一様にフーリン夫妻がどうなるかを勝手に予想しているのだが―――



      _/彡三三三ミァrェ、
     /彡彡ニ三三彡ソハヘ\\
    /彡二三三三ニ彡f;;;;;;;;;;;;;;;;;},
   |//彡三三ニ==! !|ヘ;;;;;;;;;;ヽヽ     ,-,
   .|///´ ̄´゙    `ヽヘ',',ヘヘ;}     / |
   ∨;f           ヾ;;ヘ;;;ジュ     l  |
   `{リ 、,,,,,_    __,,,,,,、zィ  ヾ'゙テリ       |  |
    `|  rェeミ 、 {゙ィ‐eェァ =  ソ |.       |  |       「私は極刑だと思いますよ。
     |  `~´..:i |:::.` ~ ´`   r-'      |   |      事情はどうあれ、騎士の誓いを裏切り
     ',   /::i i::::::、 、    |    !´ ̄ ̄ ⌒〉      逆賊に荷担した罪は重いんですから」
     '、 '´ヽ(_>ィヘ丿 /  |  〈⌒r‐‐'''''' ̄  〉
       ヽ `トエエエエイノ . | :::/^i ∨|─ー''''' ̄  |
       \ .ヾ三シ ノ ,'::::/  ,ハ | \>〈     |
        ハ    /:::ィ゙   /⌒'、   /      |
       ノ ィ^'ヽ┬‐'´   //   ヽ  |       |
    /^ / |__八   //      \|      |
   / / / /: : : | >//         ヽ     |
  /  /  |/: : :///            |     |
 ノ   |  |: :///              |      |



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                 レ:;// , r,ー -- 、  \              `|
                 |"/;;;彳" ̄ ̄ ̄ヾヽ、 `ヽ、   ..., -‐     |
                 l/;;/彡        ヾヽ     ̄        |
                /⌒ヾシ    _, =-.、  ヾ、      ,,ィ==k、 l
                  | /又 / > "(乙ソ`\ヽ`彳   /"     ソ
                   { /゙ 〃     ̄ ̄ ー,     / ィチテ-、   /
                \ヽ!{.     `ヽー '´      l 、ー'- "=/     (その理屈で言うと、
                  ヽ_ヽ、              | \__ノ  }      あたしらもタダじゃ済まないんだがね)
                  !: ヘ l                |      j
                   /:l: :.l !    ,- ..__ノ _ ..::::j〉     /
               ,r イ !: : !     |        <_   /
            _,ィ≦ ̄{. |  l: :.ヘ    | , _      /  /
          -‐ '´ 7   | |   !: : :ヽ  l    _ ̄` ./ /′
    _, -r''´      |::   | |  l: : : : ヽ !   ''''   //          ┌────────┐
-‐'''´ /         |::   |  l  !: : : : : \      , ィ<´ \          │  言葉の父   ...│
     |          |:::   l  l  !l:  : : : : `ー-‐ク′: :l: : : :\         │  歌丸=桂   ...│
    〈        l:::.    ヽ ヽ !l:  : : : : : //!: |: : : :|: : : : : :`丶、.      └────────┘



処分によっては、自分達にも影響がある事を言葉の父は懸念していたりする。


114 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:07:12 ID:VkRf532r
九85.
一方、黙り込んでいるのは親衛騎士達だ。



            /    /  ,、 |、|"゙`、    `、
           l    /  / | .|.l|   l  .::::::::::l
            | |   l  /_,. | .| |ト、  | ,  .:::::::::|
           | |   l/l/'´ // /  `メノl /l .:::::::|
           、ヽ   ,ィチ斤、′   ミュ' !.:::l:::|
            | \ {b::::::リ    P::::::リ / .:::|:::ト、
            ト、  `ド-‐'   ,  `‐-'/l.::  |:::| ヽ
            |::|   ヘ         /:::|.::. |::::| `、
             |:::|  ::::「` 、   ´`  イ `|.:::. |:::::|  \
              |;:イ  ::::|  l ` ー ' ´  !  |.::  ト、:::|
           /';:::|   :::|.  |‐- 、 , -‐/   !.::. |:::ヽ、
          /::::::::';::|  :::|   ヽ   /   |.::  |:::::;'::::::ヽ
            l::::::::::::';:|  :::|  __\/__  |.:::. |::::;'::::::::::::l



          > -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
          >:.-:.-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´:.:./
        r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:./::|:.:.:.:.:.:.:/
      /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| ̄`''- 、;i:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ヽ
       /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.|      |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_    //:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ、=、_,, ,/ |:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|
  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´\-;/ ̄ V ̄ | |イ≧ミ=、/   |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
  ` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}
      /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|
      フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V
      ´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|
          ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /
           /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./
      /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
     /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´
   ノ |      }ヽ::::    /_
 ̄ ̄  .|       \   { ヽ
     .|      / ` ー='´  \

118 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:08:12 ID:VkRf532r
九86.
王女の左右を固める彼らとロイは複雑な表情でただ、開催の声を待っているのみ。



                   _,,,...----..,_
                   ,r'´:::::::::::::::::::::::`.、,,r=-
                  /::::::::::::::::::;;::''::::::::::::::::¨ヽ
               /:::::::::::::::;r";;r';;;;r':;;;i;;;::;i;:::::i
              <:::;:::::;;;;;/;;;/;;;;;;;/;;;;/l;;;;;;;l;;:;;::!
              Σ;;;;;;;;;;;/;r'i;;;;;;r'i;;;/_''ト;;/;;!;;i;;;l
                `、;;;;;;´V;;;/  レf/! レi;;;;!;;!レ′
                  !;;;;_;;l;/!    ` l_レ!/
               _r<   ヽ    - / '′
               /:::`ヽ、`ヽ、 i´` 、/
             f:¨::ヽ::::::::`..、 `7、
             /::::::::::::`:、:::::::::〈:.:.:i
            i:::;;::--::;;:::::`ー-、;ト、:l
            /;''::::::::::::::`、::::::::/:::::i.:l
           i:/::::::::::::::::::::::i::::/:::::::::!:l
         .  i:i:::::::::::::::::::::::::l;;;:ヽ::::::::l.:!
           l:::!:::::::::::::::::::;;;;;;!:::::ヽ:::::::!l
           !;;;!::::::::::::::::::;;;r'i;:::::::ヽ:::::`!



    , -‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;``'' ‐、_
,、‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
 ̄/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;‐、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
‐'/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/イ;イ;;;;;l
./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;メ/ // l;;;;ト;|
イィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;///;;;;イ/ ト/、X, l:イ l
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l '´///'´   ┘ !リ
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト,. Y         '、
 rイ;;;;;;;;;;;/  'ー'           ン
ノ ヽ='´'             /
く   ``ヽ、_   、    -‐‐r<
;;;ヽ、  ,、 ,、 `ヽ、_ヽ.,_   ,イ´  L..
;;;;;;;;;\ヽ ソ `〉 /小ー、` 〉ノにソ `ヽ_
;;;;;;;;;;;;;;`ヽ`ー' / ハ | /、'"   / 、ノ

123 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:09:12 ID:VkRf532r
九87.
王女のすぐ側、アリアの隣に立っていたやらない夫が見れば、
手錠をかけられているランサーとバゼットはすでに中央に立たされており、
しばらくぶりの再会なので状況を確認し合っているようだ。



           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●
.         |      (__人__)
           |,      ` ⌒´ノ
          │         }
           ヽ、      ソ
          イ斗┴r┐` .;
    / ̄`ーゞ、  / |__ 〈ー─r、
   /     \ ∨\  |,ベ._ / |
   {    . : : : . ヽ>ー\[ ̄{ 〉\|、_
   |        `丶}\  __\_]~∨'\`ヽ
   :|   ._    \_}/r‐-}\ ゙,`''く l ゙,
    ト、: :./ / ̄`` ぐ└f'二)::{  ',  | !,ゞ┐
    `、∨ ´ ,.、-''"~ ̄}_{‐''く:::{_  ', _|_|_,rー'、_
     }{ / _、-'''"~ ̄{_\;;;;;j;><;:::::\:::ヘ}\
      }∨: /  _、-''゙~ ̄ ̄     \::::},之_ ヽ
       〉∨   /           ,.、イ;;ノ_   `ヽ}
     {: \,/\  -‐ '"   /` ̄      :.:}


125 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:10:12 ID:VkRf532r
九88.
あるいは、もう間もなく最後の時になるやもしれないのに
そのさばさばとした表情はどうだ。



             ト、_  _
      ヾー-< ̄¨ヾト、. \.ヽ ヽト、
     _ト--'ド=、=三≧=ニト、ト、\}iYi }i ,.ィ
    > =ニト-ドミi、`ヾミli、\ド、Vi:レ/i/
   ≦===< ̄¨ニ=- 、 `ヾ \ Yl/ .lレイ
   <-―=ニ三≧=、ト、 >}-iド!¬iヘi斤K
  ≦= '三 ニ=,.ニ.Z 〃.〃  {{i    { {iヾヽ
  之_Z二〃 ̄ __,.ィ! {{ |{.  |{ト、  ヽ ∨ }}
  ≦ィ'∠,/ ̄,.イく. リ_,」ヒ==≠=ミ;、  z久ノ
   ノイ∠.イi,r<ソ'    ,ィ''::ナ≧    fテ
   ∠ィ'〃,'{ ¬.、    ` ̄ ´      「i
   フイ小| '、:::}             \
    ̄}ノ,'八.ヽ-、            _ ,ノ    「よう。
     '^^!个irr:ェ           ___7     あいつは?」
       ド.Ll {. } ヽ       ‐''",. -.〉
        川||.| ト、._        {
      リ  .| ∨    `ヽ、    _ノ
      厶=r:|_         ` T  ̄
    /  く_  ̄¨ ¬------┴、
   / / ノ    ̄¨ ¬-------イ
  ,/,∠.../             \_



                                      /: : : : : : : : : :´: : : : : :\
                                     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
                                     : : : :/: : : :_: : : : : : : : :、: : : : : : ',
                                   /: : : :/: /:.//:ヽ: :/:|:',:ヽ:ヽ:ヽ: : : :
                                   ,':.,: : : : :.′!:.!ヾ`v´^´l:.!:!:.i: :l: ハ: : : |
                                   : i: : : l:l:.!: :|: !     i: |:l: l|:.!: : l: : :l
                           .       |:.l:!: : |:|:|l: ハ:|     l:.ハ|:ハ!_!: : l: : :}
                                   !:|:|: : lー+!:i、li   _ +'ェ≦、}i: :.,'_: :/
                                   レぃ、: lヤ下:ヾ  ´ フ´い:リ' l: /ィ },'
   「今はメイドに預かって貰っています」           `{ヽ{ 、マソ     ─ '・///' /i
                                     ヽ_`    ,       '´ム':|:.{
                                      } {:.、          /! !|:|l:|
                                      | !|:|:\ ´  ̄`  /|:| |从リ
                                      UN、!: :丶 ___ イ  l、ン
                                        , -/{|    ,, '"´ ヽ.、
                                      イ´::/  ヽ_ /      }::ヾ.、
                               .-┬一':´:::/::::::,'!  f´::::ヽ     /:::::::',:::`゙...ー-、_
                              /:::::::::|::::::::::::/::::::::ハ /|::::::::::ハ    /'::::::::::::!::::::::::::::::l:::::::ヽ



その二人の表情を見るだけで、自分とアリアの苦労も半分は報われるのかなとやらない夫は思う。

128 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:11:12 ID:VkRf532r
九89.
少しして、午後一時を告げる鐘の音が届いてきた。


<ゴーン


            └ヽ:::::::/::::::::::::/                ヽ  \__::::: |  | :::::::::ノヽ
              _j:::::::::::::::::: /         ,               ゙'、  ヾ:ト、:|  |::::/、  ヽ
              r::::::::::::::::::::/       /    ,          i _ノ::::::|  K_::::: |    |
              \:::::::::: /     /  ,       i          l |_::::_:: |  |:::::::ノ;    |
                ):::: .'      ,'   l      l        i    | ソ:::::::|  l:::::L     |
                  ( .:::::i ,     l    |       |        l!   i/´:::::::/ /:::::丿     |
                   ̄| i!    |    ト、!    |     ィ     ヘ:::::::/ /::::∧      |
                    | |     ,j__l_ |    |!    _/_j_ /  / j:::/ /::::/ |     |
                   レヾ   !ト、 ̄|`ヾ|! i  l!  ´/ ̄j/ ̄lメヽ(_::ノ_ /::::/.  |     |
                  |  \i、! ヽ,\! _ ヾ\|ヽ/ _     レ' Y !7_ヽ:ノ   .|     |
                     |  |  〉ゝj! =='        == ' | i ;lヒ ノ     |     |    「………アリア、始めましょう」
                     '  | ,'  ∧       .;           ィ .| Y´       .|     |
                      i  │ !  i. | \       _ _       ./ | | |       |     |
                      |   | |  |i |‐ ´、iヽ..         .. ィj´ヽ.! | |       |      |
                 /i   | |  || |   ヾ   >_-.,<    j  /  ト、_.      |      |
                   //|   |ィ|  || |      {〈.Zjィji      / ./ |/ヽ    |.    │
                 j/ .!/:  |  || | \   i、 ゞt;_ソ  〃  / /| │::::::::゙;、  │     .|
                    / ./::::::::::::|  ヽi!          |!   ,   / / .| ∧::::::::::: ヽ  |.     |
             _ /::´::::::::::::::::::\_ ヽ,,  _ __ _ゝ  く / / /! |::::!:::::::::::::::\!    !



その日、初めて王座に座った真紅が始めるように言い、
同じく、初めて司会をする宮廷司祭長は少し緊張した様子で宣言する。



.            |  |:::::::.:.:.:.:.:.!、;;,丿..........|.  |
.            !  |:::::.:.:.:.:.:.:ڪ.............|  |
.           ,,:┤  l::::::.:┌ー┘ └┐......l  |
.         ィ'.:.:.:.:!   |:::::::.└ー┐ ┌┘.....|  !
          !::::::::::!   !::::::::.:.:.:.:.:.:|  l............l  !
.         |:::::::::::l  .|::::::::.:.:.:.:.:.:|.__」............! l
          !:::::::::::l  |::::::_;;;;;;;;;;;;;;;_::::::|.:.:|
        !;::::;;;;;;> ※アメ、_  .//ノ/,ク7ァ┤     「一同静粛に。
          Y´| ; |. |〃、_,,ニ''〃//、/ハ: !'      定刻になりましたので、
.           l:.l .::'λ !"`=''"    ゞ='',{:.l       これより王女様より―――」
          l:.| ,:〃.!:.゙、"""     ,"" ,!;.|
         !:.l; /'ゝ!、:ヽ    ,..  .ノ!l:.l
.         l:.:|〃!|:.lゞヾ>=┬-;<´|:. !|:.l
.           |:.:!/l{ {::.:..`ヾ;、.__゙ーπi、:.!;'|:.!.|
         !;:!l::!::l!ハ;::::. ヾ、 ̄´_ヾl |,'ノlリ|
        リィ'l|:::|l:!::{゙、:::. ヽ!::.ヽ ヽ\'.:,|: !
        ハ! lハi|:l::ヽヽ::.:. ゙、::.┘└ノ:ノ:丿

130 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:12:13 ID:VkRf532r
九90.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   ランサー=C=フーリン、
   バゼット=F=フーリン両名の処分についてご発表頂きます。

┗──────────────────────────────────────────────┛



                                                       __
      .j、 |ソ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ノソ;;;ィ                        r':.:´:.:.:.:.:.:.:`ヽv..ー.、
      .i:;ヽ|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/l/: 'ノ'ノ/,ノノ'´: : : /                       /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、':.:.:.:.:.:\
   (V:;:;i:;:;:;:;:;ヘ:;:;:;:;:;:;:;/: /: : : : : : : : : : : : : :/                      /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〃:.:.:.:.:.:.:.ヽ.
..ヾvゝ:;:;lヽ: ヽヾ:;:;:;:;j: : : : : : : : : : : : : : : : : : ソ                     /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.,
    ..ヾ: : : : : : : : : ヽ/: ;;;;;ソ''''ヾ'、}: : : : : : : : : j                     /:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;.:;、:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
      ヾ: ヾ`/`ヾ/'''´´ ヘ、 ヾヽヾ;;: : : : : : :j                      /:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:lヾ/ソ、::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
      ミ:::}/  /     ヽ;l   ヘ ヾ;: ;;ー、:j.                    i:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:i:.:.:.i:l|    l:.i:.:.:.i:.:.:.:.i.:.:',
      ヾ::}  リ       ゝソ二| ̄ ソ ,ヘ }                     | !:l:.:.i:.:.:i:.:.:.:|:.i:.:.:.:i|:.:.:.|:!   |:.li:.:.l:.!:.:.:l!:i:.i
       ヽi `ミ}≧   ヾ~y| 弋少`   ( ァ,i                    i !:|:.:l:.:.:|:!|:.:|l:.ト;:.:.:l.!:.:.:|:i、  |:.!i:.:リ:.:.:.!| |:i
        i ヘ 匁ヽ  ー─-      丿ソ                       ! !i:.:i:.:.:l`i|:iトl、ヘ:.;|ヘ;:.:!:iゝ__,,斗レ´リ:.:/!|ノ|!
          ', ` ̄ il             ヘoj                        i!:l!:.:i!|、、,,___,,\ \!<___,,,,、 |:.∧l/
          ',    i|          j. |.|i                         {ヘ\ヘ`" ̄   ::   `¨`´ i/ノ) )
          i'i、  ヾ            ,' |.|.i                       \トi\      :        /7/
           |.| ヽ ──一-     , '.  i.jxゝ                        |i∧      !      /゚:|
           |.j.  |ヽ      /   !::::::ヽ                         l:|:i i\   ─-─    /|:.||:i
                | ヽ   __,,/| ̄ ̄ ̄ ̄|: ヽ                        !: :i i:.:|i\      /i:.|:.l:!:|リ
              「 ̄|ニニニ--ー┤      |: : :ヽ                      \i:!lr:|  \  __/ |r:!レ/
              |.  |ヘ| |r- 、. |    '''´ ̄ ̄ ̄ ̄                    ,,∨ `ヽ、,_    _/´ ヘ\_
            ィ''ウ_|ヽl l⌒リ ` ̄ ̄>、                       __ ,r‐''´ {     ゝーく      〉.:.:.:`ゝ-、
              / /          >、            _, 、 -― ''"´.:.:.:.:/.:.:.:.:ト    /     i   / !.:.:.:.:.:i.:.: ̄`i´`ー-ヘ



瞬間、謁見の間は耳が痛い程の静寂に包まれ、中央の二人に全ての注目が集まった。


132 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:13:12 ID:VkRf532r
九91.



   r‐く二ニ:/i:i:i:i:i:i/  V^’             マ: :_: - :ヲ
.  /:i/[_: :|i:i:i:i:/、yz'′            ヽ Ⅶ: : :己
 /:i/ lしんく|i:i:i:Yrュヲ   l |  l!   l|   l| ', ' Ⅵ: : :.__7
.〈:i〈  || 己 {i:i:i:i|′   ! l |  l!   l| | l i!  | ! |: : :_:∠,
 \\!!   し|i:i:i:i|   | | | |  l!   l| | i i!  i | l}: : _く
    ̄|L__ムスi:i:i:i:{l  | | | |  l!   l| | l_」L リ .! |__ノ
    | ̄|i:|i:|マi:r=Ⅶ ! !士十i l!   l| |,ィ≠zil  | l!トミx7
    |  |i:|i:|ミム泌リヾ l|/ 行示ヾi/!ノ尓弍リN从ノマヘⅣ     「皆の者、良く集まってくれました。
    | /i:{ゞ\ゞ=イ| l |ヘ 弋辷リ   、 ゞ-" /  |  l!.| |
    | : ̄|  ̄ゞ≠{. i ト、      _′   /l   !  | i |      この度の内乱における多大なる犠牲、
    | i  |    x≧l  |ゝ、     ‘ ’ / !  .|  | | |      国民への影響については
    | l. 八   《ミく  !三≧x、_    イ三ヲ{   i  | l |      もはや私から言う必要も無いほど認識していると思います」
    | | | ヘ  ∨i:|  |≦三三r≠くヘ≦三∧  ', ! | |
    | | | ', ヽ/:ヾ|  |三三三いゞソメ《三三∧ ゝ| i |



一呼吸置いて王座を立った真紅はまず全体を見回すと、

134 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:14:12 ID:VkRf532r
九92.
決して他人事ではありませんと彼らに―――



                         ,.ィ≦三ヽ、_
                 ,..::'´:._j三三三ニ廴
                 /:r'二´三三三三二}
                 /:.:.:.:.)三三三三三三く_
      rー-v一'⌒ヽノj:.:.: , イ  ̄ ̄` <三三三ニ)
      |匸7:.:.:.:.:.:.:/_7:.:/:r┘/        ヽ、三〔_
    /人/:.:.:.:.:.:.ハ7:.:.:.:.:.〈  ′     、   ヽ三フ
    \V{:.:.:.:.:. /ニ7.:.:.:.:.:_:ノ, l  |    、ヽ  ヽ ∨ 〉
     └う:.:.:.:.{三{:.:.:.:.:.:ヽ l | lト、\ヽ ヽ` 、`、Vニヽ、
      / {:.:.:.:.:.|三|:.:.:.:.r‐'∥ l | ',丶 l 川 l | l | !  ヽ\      「だから最初に言っておきます。
    // ∧:.:.:.:.l三l:.:.:.:ヽ |ヽ」斗-ヘ }ノ,エZ{ノ/リヘ\ \ヽ      これから私は両名についての処分を述べますが、
.    | l / ヽ、:.:Vニヽ:.:r个ト,ィfl圷  ` 化ノケハ  `ヽ>└′     決してそれは二人だけの事では無い―――」
   l|,'   「ヽ{lHlリ:{ 小 ` ゞ ′    八ヽ\
   |V  ,'  l| | ` <7/ | lヽ、    , .′, 仆 ヽ \ヽ
    `7 /  ,イ |    l├ヘヽ―ヘ、__,.:'⌒ヽ `、`、 ヽ\
    /   / ||   | |:./ヽ\::.::rヘ::.::.::.::.::\ヽ \ \ヽ
   ,' ′ / /|| /ヽ\::.::.::.) ){廴r-、__::.:rく  \ ヽノ /
   / /    /ハ !/:.:.:._:_;>=≠-‐、::.f‐ミ ヽV  \ } 〉 /
.  / /    / 'rヘヽ:.:.:. ヽ二ニ==、 }:「`{  ,ゝ、_V_/∠_
 / ,     / ,':.:.:.:.ヽ\:.:.:.:.:.: r‐彡ィ´:::|::.::>‐':.:.:.:.`)ー‐r≠ニ }
./ /    / /:.:.:.:.ノ:.\ヽ:.:.:.:.:.ヽ>:l ::.::|::└r1 :.:.:.:.:.ヽノ/_/ く
//  | / /:.:.:.f⌒ヽ:.:.ヽ`、:.:.:.:.:{{ヽL 厶-‐'/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.人   ヽ


135 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:15:12 ID:VkRf532r
九93.
―――特に、自分達は厳罰でなくて良かった、と
余裕を見せている貴族達に太くて大きい釘を刺す。



┏──────────────────────────────────────────────┓

   旧改革派の者も、本来であれば
   同様の処分を受けるべきだとの意見がある事を忘れないでください。

┗──────────────────────────────────────────────┛



      (ヽ、00  ∩
    ⊂ニ、ニ⊃ ⊂ ⊃
     ,, -‐- \   | |/⌒ヽ
    ( ⊂ニニ   / /⌒) )   (ヽ、00  ∩
     `ー――'′ し∪  (ノ  ⊂ニ、ニ⊃ ⊂ ⊃
/ ̄ー―‐ 、            ,, -‐- \   | |/⌒ヽ  〇  〇
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ           ( ⊂ニニ   / /⌒) )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ         `ー――'′ し∪  (ノ
:::::::::::::::::::::::::::::::::ハ::::i   ., -―- 、   ___
:::::::::::::::::::___ノ、/〉'  /::::::::::::::::::て/::_:::ヽ
:::::::::::::::/ u  て;/7 /::::::::::::::::::;ァ、、:::「ェ ヽ::〉 __
::::::::::::/     /〈  i::::::::r、::/=ミ `く.u J/:::::::::\
:::::::::::j u   、 ´_}ヽ.|::::::iオ/u ニi < iヽァ/:::::r----J   .r:´二ニヽ
::::::::::i   (二7´_.L., 、ハ 〉  _ _マ/ン::::r ' ;tr /;j   i::/r-、r-|  r一ー、
::::::::::|、   .r ' c /、:.:.:ヽ ヽ  ー」: : : : ii ヽu.___、/  _ん' `´ム.'  |:::r―┤
:::::::::/ ̄ ´」ー/:.:.:.:.\:.:.\\__j: : : : : ヽ ヽフ`ヽ´  | | ヽ'ーン、 _/ハu.'_' |
i:i i:::i:iヽi ´ !':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.',:.:i: : : : : : : :「=| : : : |: !  7!`:´|<  7マ.ヽー'

136 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:16:12 ID:VkRf532r
九94.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   それから。

   事後連絡になりましたが、父を毒殺した麻呂=イチジョウ及び、
   幇助したギャブレット=ギャブレー、リフ=オロナインの三名については極刑に処しました。

   また、彼らの親族については財産没収、お家取り潰しの上、
   三親等までを連帯責任として国外追放に処す。

┗──────────────────────────────────────────────┛



王女は彼らがお互いを見回して脂汗を流している間に主犯格の三名に触れ、
そのまま親族の処分をさらりと流してしまった。



::::::/:::::::::::://:::::::::::::://::::::/::::/:::::i:::::::::i::::::::::::::::l:::::::::::|
/::::::::::::::::/::::::::::::::::/´:::::::::/::/::::::::::::l:::::::::l:::::::::::::::::!::::::::::l
::::::::/´i::/::::::::::::/::::::,,,、,/:::::::\,,∧:::::l::::::::,':::::::::::::::: ノ:::::::::;!
:::::/ ::::!/:://:::::::::/  /::::::::::/´ ∨/::::i:::::/::::::::::::::::/i::::::::::/
:::::`::::::/ ./::::::/   /::::/      メ::::::!::/::::::::::::::::/ l::::::/
::://  /::/    // ミk.,   /:::ヘ::/::::::ハ::::::/   l:::/
//'., ' , ∨     /    ゙ヾミk/:::::/)ノ:::/ /::::/   i:/
/   ゝ                 /::/i //:::/ /:/   /
     ヘ            /´   ',///´
                     '、
                      _ゝ
、                     / ´         (随分緩いな。
;;',   /` 、         , ′           命があるだけ儲けもんだぜ)
;;;;', /     `` 、   , "
;;;;;ヾi           `´
;;;;;\\
;;;;;;;;;;;\\
;;;;;;;;;;;;;;∧ \



もし、貴族達が落ち着いた状況であったなら
マコトが思うように緩いと言う意見が出たかも知れなかったが、
処分を自分達に置き換えた彼らに、反論の余地があろうはずがない。



137 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:17:13 ID:VkRf532r
九95.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   次に、元親衛騎士ランサー=C=フーリンについては
   配偶者を人質に取られていた事を考慮しても、
   極刑を免れるものではない。

┗──────────────────────────────────────────────┛



              イ     ___ ,.イ
          ,.イ/// ̄ ̄.:.:.:.:.:.:ノー 、
        ヽ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:___ノ.:.:__ノ.:.:.:.:ニ=ー
        |/.:.:.:.:,.イ.:.:.://.:/.:.:.:.:.: ̄ ̄ ̄.:.:>/
       \ヽ//.:.:.:.:.:ノノ/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>.:.:.:// イ
          ∨.:.:/ノイ!   彡── ´.:.:.:.//:.:/
          i/ヘ   }}   ミ二ニ.:.:.:.://.:.:.:,イ
           / |//厂`  ヾ:.:.:.r-く.:.:.:.:.:.:/.:.:.j
.         / /        ∨/⌒ ヽ.:.://.:.: /
        ヽ  ,,ノ      ヽ丿 丿´.:./.:.:.:/
.         /           __ノ.:.:.:./.:.:.:./           (バゼットが国外追放で済んだんだ、十分だな。
        /            Xヽ.:./.:.:.:,.イ            縛り首でも断頭台でも持ってこい)
        `ヽ              | |  ヽく::::::ヽ
           `<  ̄          | |    l ヽ:::::::ゝ、
             ',        イ  / ¨    l  `く:.:.:.:.ヽ
              ',  .. 、´ ___./───-ュ  \:.:.:.:.\
             ̄  」¬|::::::::::::::::::::::::::::::∧   \.:.:.:.:\
               | | ̄|:::::::::::::/  ̄ ̄ ̄ >ー-::、:.:.:.:.:ヽ.
                  ,| |⌒トー、//  .:/ ´      `ヽ、:.:.:.ヽ.
             /イ /   )// .:./       __  ヽ:.:.:.:.:'.,
             /∠ムへ、,/ / .:/   . ・ ´  ̄    `ヽ ∨:.:.:.i
.           /ムγ´: ̄::/ /.:/  /            ∨:.:.:.:l
         ハ.::::::::::::::::::/ / ′ /                ∨:.:.:l



続いての、自分に対する処分が至極当然だと思っていたランサーは
どんな方法でも構わんと悟りきった表情でそれを受け入れた。

138 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:18:12 ID:VkRf532r
九96.
だが。
転ずる言葉を続けた真紅がやらない夫をちらりと見れば、



                          )::::::::::::::::::::,  ´    )::::::::::::::===彡::::::テ
                           (::::::::::::::::://    ヽ:::_:::::::::::::::::i  l::::l:::::ハ二))
                          >:::::::,.'  ′    |   ):::::::::::::::l  i:::i:::::(、二))
                            て::::/   ll  l |  !|   {::::::::::::::::|  l::i:::::::::ハ〈
                             しl |  l |  | | _!H‐'フ|/て::::::::::彡ミ::::::::(  !l
      「しかし―――」              l l  l _L | |ノ  rT´㍉ | (::::::::ミ彡::::::ィ  l|l
                                ll ヽ ´ rr、    ヽ__ソ | l! {::l l::::;:::) |  リ
                                ハ v)       l l | リ /:://   |  |
                                ,' ハ 丶      リ ,| |//´  | |
                                |  〉 、 `    lレ' | h、     |  |
                                l / ||  > - ィ 〃 | | l7      |  |
                                ノ'  |r j / rr、 〃  | | 〈 \    |  |
                                /'   ノl j/ ㍉ト(  ノ l (   \  |  |
                               ヽヽ/ヽ j!    > ´ / /     ハ |  |



視線を感じた彼の眉が、嬉しそうにぴくりと動く。



           / ̄ ̄\
         /    ⌒  '\
         |    ( ー)(ー
.         |      (__人__)
           |,      ` ⌒´ノ
          │         }
           ヽ、      ソ
          イ斗┴r┐` .;
    / ̄`ーゞ、  / |__ 〈ー─r、
   /     \ ∨\  |,ベ._ / |
   {    . : : : . ヽ>ー\[ ̄{ 〉\|、_
   |        `丶}\  __\_]~∨'\`ヽ
   :|   ._    \_}/r‐-}\ ゙,`''く l ゙,
    ト、: :./ / ̄`` ぐ└f'二)::{  ',  | !,ゞ┐
    `、∨ ´ ,.、-''"~ ̄}_{‐''く:::{_  ', _|_|_,rー'、_
     }{ / _、-'''"~ ̄{_\;;;;;j;><;:::::\:::ヘ}\
      }∨: /  _、-''゙~ ̄ ̄     \::::},之_ ヽ
       〉∨   /           ,.、イ;;ノ_   `ヽ}
     {: \,/\  -‐ '"   /` ̄      :.:}


139 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:19:12 ID:VkRf532r
九97.



                                  .       /    /   .'    / /        |
                                         i l   l  l     / ′          .′|
                                         | |   |  | ‐、/| !        /   l
                                         | |   ト . |  |`ト、| .      〃  / /
                                         ヽ.|\ l ヽト .xィ士.j ト.| /    //  / /,′
  「自首しての奪還戦での活躍、                      / / ヽ/ ハ.|ヽト辻}小∨j//./_/__,//_/__
   情報の提供、                            //   // /ヽi|  ^冖^      ‐テ士</-‐ ´
   そして何より本人に反省の色が見られる事から   .     〃   // /|!  |     ,       ト辻}小>‐ /
   執行猶予を与える事とする!」                 /′ // / |l ハ    ′      ^冖^ / /
                                  .   /   // /  _!ヽ   \  r__,        / /|
                                     '   / | i  /'| ',  | i\        / 厶イ|
                                    l l   |,-l |‐厶-ヘ  }  V  >‐z――…/ /'   !
                                    | l  / N´ ,. -‐ヽハ  |-く^Y´       ' /\  |!
                                    | l<⌒ ‐-'---‐'_丿 小丕}|      |/   \.|l
                                  -‐┴'´  \_ ̄  ̄ _/,小辻リ       l ! -――/.'
                                         | ̄ ̄/ / ヽ{__ソ\   /!l,. -―//



それで自信を持った彼女が一気に言い切ると、一層大きなざわめきが満ちた。



                       (ヽ、00  ∩
                     ⊂ニ、ニ⊃ ⊂ ⊃
                      ,, -‐- \   | |/⌒ヽ    __
                     ( ⊂ニニ   / /⌒) )  └‐¬ |
                      `ー――'′ し∪  (ノ    l二ノ


                         /i、,,-ーフ,、__
                        iヽ/i/::::/∠_::::::::::::::`>__
                       |::ヽ:/:///::::::/::>::::::::::::ゝ
                      |ヾ::V:::/:,彡ソハヘ;;;;;:::: ̄´\:ト
                    γ升/`"ヘL,,___ヘ /`二ニ:::\
                     !/≧ `"''i斤┬,r、 く;;:::ニ_\::>
                     ゞt)    ' 、_ヒ;j ′ ミ::::::::::::\
                      タ       u   ミ>=-::ヘ一       「え?」
                     〈 ヽ          γ´ヾラヘ
                        ',     __    ソノ/::/
                       ', ヾニ二二`)  ∧≦/
                      i′       ´ l:l::::|
                      |:lヽ __       l:l:l:::|
                      L!   i    _.,、ーl !」ゞ、
            __          イt、,,,、、i´: : : : : : : : :>ー-、_ _
          /´: : : / ̄>ー--、,,、ー'´:.| i丁厂ヘ__;, : : : :/: : : : :!√ヽ:`:\
         /',: : : : : i: : : : i: : : : /: : : :,、/Υソγ⌒ヽヘ/: : : : /: : : : : :,ヘ :\



142 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:20:12 ID:VkRf532r
九98.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   猶予の条件は次の通り。

   一つ、家財没収の上、王都から追放。
   一つ、生涯、国外への移動を禁ずる。
   一つ、王国への絶対の忠誠を誓う事。
   一つ、その居場所は常に国の監視下とする事。

   以上が守られぬ場合は即刻縛り首に処す。

┗──────────────────────────────────────────────┛



: : : : : : /     l.:::\ | |.:.:.:.:.:.:\
: : : : : /      l.:.::::::リ |/´  ̄``,  .:.:.:.::.:.:.:\
: : : : /       l.:.:/      ',    .:.:.:.:.:.:\
: : : /        \        ',     .:.:.:.:.::::ヽ
: : 〈          \       ', .:.::::::::::::::::::|\.::.:|
: : : :',       .:.:.:.:.:  \      ',::::::::ト、.::::::::| ハ:.:l
: : : : :',      .:.:.:.:.:.:.ト、 \     ',::::::lニ\:::::|
: : : : : .',     .:.:.:.:.:.:l \ \/  ',::::l   ト、|
: : : : ::::::',     .:.:.:.:.:.:l   `y':/ニヽ ',::l1   l |
.:.:.:.:::::::::∧     .:.:.:.:.:.:l  ///  い / l  l |
:.:.:.::::::::/ ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l ../∠    い /ハノ/
.:.::::::::./   \.:.:.:.:.:.:.:.:.:V彳o:::ヽ   j! !  `ヽ
.:::::::::〈       \.:.:.:.:.:.:.:}ム:::::::ノ´ //    /
、::::::::::.\_,, -‐  \.:.:.:.:l  ̄ //     ,.イ    (良かったじゃないか、ランサー。
 ヽ            \:L_//      /     子育て、出来るみたいだよ?)
  \          └=='     //
    \                   /
     \                 ,′
       \               ,′
        \`ー--------r---‐‐'´
          \      ∠ ̄`ヽ



                 __,,.、 -- 、、_
              _,.ィ'"´        `'ト、
.            /              \
.           /     ..:    ..::  ..i   ..:.\
          /    ..:.:.:   ..:.:.:  .:.|   .::.:.:∧
.          j    ..:.:  .: ../::  .:.::ト、  .:.:.:.:.:.:ヘ
..         |    / .:.:.:.:/ .:,イ.:./!:..| i  :.:.:.:.:.:.: i,
          |  .:.:./.:.:. // .://.:./ |:./ } :.:.:.:.:.:.:.:.::|
          | .:.:.:/.: /--─‐‐ ''/" l/\ | :.:.:.:.|.:.:.:.:: |
           | :.:./:.:/ ,ィ==rァ / /_,_ `ト、:.:.|::.:.::.|::|   (哀しみの連鎖はここで断ち切る―――
.         | :.:.:j:.:.:.:.l'"トz::゚リ      ィテラト| .:.:. |:.:.:.:.|.:|    そう言う事ですね、王女様)
.          | ..:.:|:.:.:.:.{ `-‐'     ヒ::,゚ソ /}:.:.: l\:.//
         | :.:.:| :.:.:.ヘ、          ~ /,ノ:.:.::.∧ \
           | :.:.:| :.:.:.::}へ、    __ '  _ イ : /二二^  \
.         | :.:.:| .:.:.:.:.lト、 >、_  _,. <:.:..:..〈 ー‐-、    ヘ
        / :.:.:.| :.:.:.:..|  \ 了\__:.:.:.:.:.:.:`l斤\     |
.       / :.:/|:.:.:.:.:.:|ヘ  rー--ヘ、 \:.:.:.::.:..|  ト---‐┴、
       /../::::::|:.:.:.:.:.:| \{ ー-<⌒)'二\::.| {::::::::::::::::::::::}
.      /../:::::::::: |:.:.:.:.:.:|\ \ __,, ィ`-K-- .__).! |::::::::::::::::::::::|



一番驚いている様子の本人を見ながら、ジュンや言葉はある意味納得したように頷いていた。

どのような答えであろうとも自分で責任を取らねばならない真紅がそう決めたのだ、
異論を唱えるつもりもないし―――


144 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:21:12 ID:VkRf532r
九99.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   なお、バゼット=F=フーリンについては先の麻呂の親族に関与するため、
   本来は国外追放であるが―――

┗──────────────────────────────────────────────┛



王女が何を思ってそう決めたか、身近にいた彼らには分かったのだ。



    , -‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;``'' ‐、_
,、‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
 ̄/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;‐、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
‐'/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/イ;イ;;;;;l
./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;メ/ // l;;;;ト;|
イィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;///;;;;イ/ ト/、X, l:イ l
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l '´///'´   ┘ !リ      (王女様は、全ての怨恨を断ち、
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト,. Y         '、       皆で良い国を作っていこうと仰った。
 rイ;;;;;;;;;;;/  'ー'           ン
ノ ヽ='´'             /        だから、結果を見てから判断してください、
く   ``ヽ、_   、    -‐‐r<         アレクサンド殿、サクラダ殿、アレックス―――)
;;;ヽ、  ,、 ,、 `ヽ、_ヽ.,_   ,イ´  L..
;;;;;;;;;\ヽ ソ `〉 /小ー、` 〉ノにソ `ヽ_
;;;;;;;;;;;;;;`ヽ`ー' / ハ | /、'"   / 、ノ



145 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:22:13 ID:VkRf532r
九100.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   父武丸がイチジョウ家から外れての婿入りであった事、
   夫であるランサーが国外への移動禁止である事を鑑み、夫と同様の処分とする。

┗──────────────────────────────────────────────┛



                      __
                   r':.:´:.:.:.:.:.:.:`ヽv..ー.、
                 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、':.:.:.:.:.:\
                /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〃:.:.:.:.:.:.:.ヽ.
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.,
              /:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;.:;、:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
               /:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:lヾ/ソ、::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
             i:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:i:.:.:.i:l|    l:.i:.:.:.i:.:.:.:.i.:.:',
              | !:l:.:.i:.:.:i:.:.:.:|:.i:.:.:.:i|:.:.:.|:!   |:.li:.:.l:.!:.:.:l!:i:.i
             i !:|:.:l:.:.:|:!|:.:|l:.ト;:.:.:l.!:.:.:|:i、  |:.!i:.:リ:.:.:.!| |:i
               ! !i:.:i:.:.:l`i|:iトl、ヘ:.;|ヘ;:.:!:iゝ__,,斗レ´リ:.:/!|ノ|!
                i!:l!:.:i!|、、,,___,,\ \!<___,,,,、 |:.∧l/
                 {ヘ\ヘ`" ̄   ::   `¨`´ i/ノ) )
               \トi\      :        /7/    (王女様―――
                 |i∧      !      /゚:|      貴女様の慈悲に、心から感謝します―――!)
                  l:|:i i\   ─-─    /|:.||:i
                  !: :i i:.:|i\      /i:.|:.l:!:|リ
                 \i:!lr:|  \  __/ |r:!レ/
                 ,,∨ `ヽ、,_    _/´ ヘ\_
              __ ,r‐''´ {     ゝーく      〉.:.:.:`ゝ-、
      _, 、 -― ''"´.:.:.:.:/.:.:.:.:ト    /     i   / !.:.:.:.:.:i.:.: ̄`i´`ー-ヘ
      .':.:.:.:.:.:.:ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:| \ / ヽ ,- 、ヘ / l.:.:.:.:.:.:l.:.:.::.:.l.:.:.:/.:.:.:.`.,
      i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:!     i   i     i.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:|/.:.:.:.:.:.:.:.: !
    l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:/.:.:.:.:.:.:.:.:,イ    l:::::::::::l    |.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:/.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
    l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/__, 、-ー'´:.:l     |::::::::::::i   /´`''ー-、,_ヘ/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!



命を許されたばかりか、一緒に居て良いとまで言ってくれた。

それがどれほどの温情か分からないバゼットは鼻の奥に力を込めて涙を堪えていたが、
目の端から一粒、また一粒と熱い滴が滴り始めている。



148 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:23:12 ID:VkRf532r
九101.



                ノ , -      _  /三l
              /      ,. -‐ '´/ヽ/三ノ
             /    __      7三三,
          /   , ' ´     r 、_ ノ 三三レ!
         r    〆     __ト、;;三三〃´ 
\    __, イ        ,〆;:三三! `` 、    f
ヾ 二 / ,,三/         r==、_ 丿    \  ノ
    / 三/      _ / ⌒'!          Y
`ー=,!三三l      /三;::j l! |::: !     ヾ  |
   |三三|    ∠ ーr-イ |! │:::! ,!   iヽ  ! i|              「なお、刑は本日二十四時を以て執行とする。
   |三三|      __,/ / | |\ト、:! .lト、  l:::i l !l               関係者は通達や準備、監視などに当たりなさい。
   |三三|  , 三三:: イト、|-十=',ニリ.'ヽ,/:/,/レリ
    ゞ.三_:|_/ 三三イ│| ヽ弋テハヾ' ヽi_イ|                発表は以上ですが異論がある者は?」
    rイrーt,,ヽ.三ノl!  |│|    ` ´    t;f !
ー-テ| l!kt〃,ij  / l   |│|            ノ!ハ            _____
    ゞ、ニイハ,/,.イ !  | ヽヽ         __ ハ r、\         ( ヽ-ゝ _,..>- --、
,、.   `ー-く三\| !  |  ヽヽ     ´-' /::! ヽヽ、\       ̄フ´ _,. -ゝ┴-r-、
| \      \三| !  |    ヽヽ __  ∧!:f |/ | ト、\.   ,.-‐´ / ̄,./´  _フ
   `ーr--、_ ゞ| !  |_, -―- l |´三1l_ノー-| i   ' ' |:ヽ,ヽ. / _,. く  /  _/ ̄|
 |!     |   _,.>'| i  | 三三 ゝ\:: |トrj`!::ノ       |、::: l. / にニ'/,、-、‐┴ ―― 、
      く.    |,  | 三三三; ) ) |ハン} |       /   V       (_ヽ-'__,._-- -⊥._
  \、    ノ!   |;  | 三三三/ /三Lyノ_ゝ-r、 rー 、_. /         . ̄       __'-ノ
  ヾ \  j/  \  \__;三/ / 三 ヾ:::く   `    ,/         rt‐ラ' ̄ ̄ヽ ヽ
   |\,` ー 、   ` ー─ `ヽ! 三三 |::::.>   ,__//             ゝニ--‐、‐   |
   |:::::::` ー 、\      !|´ヽ\ 三 |!/    ゞ /           /‐<_   ヽ  |ヽ



どっかりと王座に戻り、手を組んだ王女は暗に異論は認めないと言っており―――

151 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:24:12 ID:VkRf532r
九102.
彼女の迫力に圧された貴族達はただ、言葉無く硬直するだけだ。

夫妻の処分が自分達と同じ天秤にかけられていると嫌でも分からされたのだ、
敢えて重罰を呼び込む真似をする物好きが居るはずもない。



               |\                                 /7
               |  |                                /  /
               |  |            ___               /  /
               |  |          / __ \      __      /  /
               |  |         (__/   \ \__/ )     /  //⌒i
/ ̄ー―‐ 、        |  |      ∧          \___/     /      |   ∧
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ       \ \__ノ ノ                     /    /|  \_ノ ノ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ      \___ノ                     (___/  \____ノ
:::::::::::::::::::::::::::::::::ハ::::i   ., -―- 、   ___
:::::::::::::::::::___ノ、/〉'  /::::::::::::::::::て/::_:::ヽ
:::::::::::::::/ u  て;/7 /::::::::::::::::::;ァ、、:::「ェ ヽ::〉 __
::::::::::::/     /〈  i::::::::r、::/=ミ `く.u J/:::::::::\
:::::::::::j u   、 ´_}ヽ.|::::::iオ/u ニi < iヽァ/:::::r----J   .r:´二ニヽ
::::::::::i   (二7´_.L., 、ハ 〉  _ _マ/ン::::r ' ;tr /;j   i::/r-、r-|  r一ー、
::::::::::|、   .r ' c /、:.:.:ヽ ヽ  ー」: : : : ii ヽu.___、/  _ん' `´ム.'  |:::r―┤
:::::::::/ ̄ ´」ー/:.:.:.:.\:.:.\\__j: : : : : ヽ ヽフ`ヽ´  | | ヽ'ーン、 _/ハu.'_' |
i:i i:::i:iヽi ´ !':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.',:.:i: : : : : : : :「=| : : : |: !  7!`:´|<  7マ.ヽー'



           _,-‐‐‐‐--、._
          ,.ィ',.....------、_`ヽ、
            //       `!、ヽ
        lィ´          !、 l
          ll               ! l
        l! ,;;;;,,,,,,   ,i!!!!!!!! l,-!-、    (異論なんか唱えようものなら、
        i'ヾi _,ィュ、   i´ィェェ,、  l! k ,!     自分の首を絞める事にならぁな。
        ヽ_! 二ノ  l ヽ ‐‐  ,i' ノ
          ヽ   ,ィ  `ュ、  , j、,ノ      ただ貴族達は良い、黙っているだろうが―――
          `! ' _`__´__ `iイ l、       騎士達が何も言わないってのは凄いねぇ)
          ヽ  `===ィ' , 'ノ j ヽ
            人 、  ノ,ィ /   ヽ、
          _,ィ'´ lヽ`ー‐‐‐' ,ィ´   /  `ー 、_
      ,.ィ'´    l `i、  //   /   l   `ー、_
      ,ィ´      l ヽ、,イ/   /    l      ヽ


152 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:25:13 ID:VkRf532r
九103.
ところが―――
当の本人が本当に良いのかよと口を開くではないか。



                            、,  /i_,、-ゝ、___
                             ヾ∨:::/:::::/:::/∠__
                              |:i::::/:::::/::::::/:::/::::::`:>-
                             _|il:/:::::/:::::://::::::::二ニニゝ、
                           /ゞ"''ヘテ"ヽー-、、::::::::::::::\:::::ヘ
                          〃 /   |:i  |i ノ____::::::::::ヾ<::\
                          i __ }ヾ==メー、_il  ミ:::::::`ヘ__:::::\::ゝ
                       _,、-'´ /  ゝtrッ    ミ_:::::::::::::::::::::/::/
                    rn、′  /  "  "′    ミ::___ニ="´;;:/
                 rn;;;´;;;i l 、   ゝ            こ}:::::://_
              _,、-''゙ヘヽ;;;;;;! ! 冫  ヽ、_    ι    ルノ彡"/´
           _,、-''゙::::::::::::::ヘヽ;;;;;ヾヽ_   ヽ  ``ヽ     こソミ〈'"′      「あ、あのよぉ………」
       _,、-''゙:::::::::::::::::::::::__:::::ヘヽ/`′ ー-ノ         / i i ̄:l ヘ
    _,、-''゙´::::::::::::::::::::::,、-''゙::<ニ〃'゙        ` 、_ - "´ ./___| |:-∧ ヘ
  /:::::::::::::::::::::::::,、-''゙::::::_,、-'゙´           / ̄>-l ̄´  `'   〉,久
 /::::::::::::::::::::::;、-''゙::::::::,、-'゙               / ヘ〕∃、___,,,、、、、==!:::::'.,
{:::::::::::::::::::::://´:::::::/::::Y Y" ̄``"''ー--、、<ニ〈::::::/〔 ̄∟_ヘ、.  ̄ 〉l::::::::',
 ヾ___//:::::::/:::::::::::ヘヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::\>/;;;;;;; ̄`\ \ \/:::';::::::::::'.,
  `"'ー==>:、__,,,、--ー ソ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::ソ:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`\.:.:.\::::::';:::::::::::',
      `"''ー-、;;´ ̄ ̄::´`"''"'ー-、_::::::::::::::::::::/:.:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`\入:::::';:::::::::::',.
           `"'ー-、_:::::::::::::::::::::`"'ー-、_;;;;il:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ト、:::';:::::::::::',.
               `"'ー-、_::::::::::::::::::::::::`li:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.人 ヘ:';:::::::::::',
                    ` " "'''''¨"´i.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:i::::::::`.、.Y';::::::::',



   / ̄ ̄\
 / ⌒  ⌒ \
 |  ( ●)(●) |
. |   (__人__)  |    「それではマゴット司祭長。
  |   \_)  |     異論も出ないようなので閉会を」
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   /    く



しかし察したやらない夫が余計な事は言うなと遮って閉会を促したので、


156 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:26:13 ID:VkRf532r
九104.



       //  ィうヾ        \ヽ
       | j     >=彳       ::::l |
       | l  ___|   |__     ::::l|
        /l | |        |   .::::l l::\
      | .| | └─┐ ┌─┘  .:::::l l:::::::.\
       l ! |    :::|  |     .::::::j ,'::::::::::. l
      | l|  ::└ー┘    .::::::::j ,'::::::::::: ,'
        ', ', l _,;:ァ-rーヾー 、_.:::::::://::::::::::: ,'
       vイ´:/   !: : :!: : : :ヽ、`:x'/::::::::::: /
       | l,'/> 、ヽ,: '、:ト、\:丶、:`l: 、: /
       | ! i彳tぅミ ヽ!斗≦毛zミl: ! : ヾ
        l: ;イ}ゝ辷;j.    ´ トィ':::j"|: l: : : !     「以上で閉会としますっ」
.       j : 八 ,,,,  ,   ┴ー"'ォ ,': : : l
.       ,'/ィ : : `..、  -   """ィ|:!/l : : :l
      //j : : : : : _´>┬_,≦ノ|㍉_: : :!
      ノ /: : : ァ´ {{:::{{ヾ-  〃:::〃ヾ,l
.       /: : :/  〃;;::::ゞ=三 彡':::〃  .}
.    , ': : : :イ  /'  ::/  /  ''〃/   j
    /イ: : : {  {  .::/ ./  .:!l/   ./l
.     l,': : : :i   l、;;;;;/  /;;;;;;;;;;;j'   ./: :!
     {,ヘ: : : ',   l ̄    ̄ ̄/   /: : :l
      i| ', : : |  'r┐ ┌--/   /: :l: :j
.     ヽ ヾ\!.  'v  |:::::/   /ノ丿ソ
         l  |  !:::/   / \



やはり察したアリアが閉会を宣言し、
王座を立った真紅が解散するよう命令したので、何とかうやむやにする事が出来た。



::::|    .       |    \: : : : :\ \/ /: : : : : :./ .|:|   |      |::|   \: : : : ::\\/
::::|   |      .|   |:  \: : :/∨ /:\ : : : /   |:|   |      |::|     \: : :/ ∨ /
::::|   ∧      :|   |::|:... ∨   |  |: : : \/      |:|   |      |::|   l   ∨    |  |:
::::|─ | :| ‐──┘  └─‐. |   |  |: : : : : | ───┘   └────┘  └‐ |    |  |:
::::|   |_:|             |   |  |: : : : : |                           |    |  |:
::::| ̄ | :|  ̄ ̄ ̄|   「:| ̄ |   |_ |: : : : : |  ̄ ̄ ̄「|   | ̄ ̄ ̄ ̄「:|   | ̄ |    | _|:
::::|   | :|       |   |::|   |-‐'''"|  |゙ :‐-.::;|       |:|   |        |::|   |   |-‐''' ゙゙|  |`
::::|   | :|       |   |::|   |   |  |: : : : : |       |:|   |        |::|   |   |    |  |:
::::|   | :|       |   |::|   |   |  |: : : : : |       |:|   |        |::|   |   |    |  |:
::::|   | :ト、          |      ,ィ'~~~'ヽ,
::::|   | :ト、\           、/ v''⌒''vヽ ,    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
::::|   | :|∨:||           》((从_从))《    <   それでは全員、業務に戻りなさい!
::::|   | :|│:||            ヽ||!、゚ - ゚ノ||イ     \________________
::::|   | :||〔三三三〕      ノ〈,iミπミi,〉ヽ
::::|   | :|└──<| |     (( /,ノ入ヽゝ))
::::|  〔三三三三三三〕    ζ ` '-tッァ-'´ ζ
 ̄厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「|
 ̄ ̄ ̄ ̄厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

158 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:27:13 ID:VkRf532r
九105.
貴族達と、後は任せましたと言い残した王女が退室した後。



       / ̄ ̄\
     /   _ノ  \
     |    ( ●)(●)
.     |     (__人__)      「それじゃ、ランサーとバゼットさんの見送り………
      |     ` ⌒´ノ      じゃなくて監視は俺がいくよ。
      |         }      みんなやる事あるだろうし」
   _./:l ヽ        }
‐''"´:/::::::|_ ヽ_  __ノ::、     (やっぱり複雑そうだし、な)
::::::::: !::::::::l′     \ ,イ\
::::::::::l::::::::::l         /:`:::l:::::\
::::::::::|:::::::::::\     /:::::::::::l:::::::::\
::::::::::|::::::/\ヽ   l::ヘ::::::::l::::::::::::ハ
::::::::::l/:::::::::::o:ト .」::-:::::\::!::::::/::::l
:::::::::::::::::::::::::::::: l`ー'l:::::::::::::::::`::/::::::::l



俺が城外まで送っていくよ、とやらない夫が申し出ると、
久しぶりの自宅に行く予定だったジュンは任せるよと頷いた。



 /::::::::::::::::::::::::::::/::::\:::::|::::::ヽ:::::::::::::::::\::::::::-──
_,,- -ィ::::::::::::::::::::/::::::::::i:::V::::::::::::>:::::::::::::::::: \:::::\
 /::::::::::::::::::::/::::::: : :|:::::V/ ̄ V:::::::::::::::::::::::\::::ヽ
/::::::ィ:::::::::::::::{:::::::::::::::i: | ̄     V::ト:::::::::::ハヽ;;::ゞ:::ヘ
:::/:::::::::::::::::::|::::::::::::::ハ:|        |::i \:::::::}:::::ト-;;::::ハ
/:::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::| リ───''  i:リ ニ彡:::iト、;ヽ \::i
:::::::::::::::::::::::::::::|::::::: :: |_,,,-===ヽ/ _||=__メ:| ||   ヾ
::::::::::::::::::::::::::::ハ:::::-::|>'' ̄=.ィ-  ||=||{t..:jア ||       「分かった。
::::::::::::::::::::::::::::i>\:: |||マハ廴ソ  ..川 ハ ̄ iノノ        僕はこれから、戻ってきたヒナ達に
:::::::::::::::::::::::r-、}''´ \||  ̄    //  ノ ` ̄ |´        会いに行かなきゃならないから。
::::/i:::::::::::::::| /ヽ    ヾ==─''´´      /
:/ |::;;::::::::::ヽ  >        `ー -  /          本当なら君も一緒に、と思ったんだけど」
  レハ:::::/i::::::≧::-:、          /
     レ'  ̄ ̄ ̄Yi      ____./ _
     _...-:::'´ ̄ ̄`:-..、    |ー- ∧ }、_
    i: : : : : : : : : : : : : : : : `::-.┴..、: /: :}: :}: : : ヽ
   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : ヽ /::/: : : : ∧



160 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:28:12 ID:VkRf532r
九106.



              ̄ ̄   、
         ´          \
.       /              \
      /                   ヽ
       i                 丶
       l       /  ̄           丶
       |  __           ヽ        丶             「俺の分まで宜しく言っておいてくれ、
       ヽ/         i イ`丶 l         丶             無事で良かったと。
        ヽ     ヽ ゝ _            ',
       丶i イ`丶 l    `ヽ             ヽ            エンジュ様は―――最後まで騎士だったと」
         ゝ  , ヽ _  丿            \‐、-..、
         ヽ  ゝ ノ , ‐ ´              ソ:.:.:.:\
          ヽ  ´                '    /:.:.:.:.:.:/\
           \            /   /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヽ、
             \          /  /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
               ヽ         /  /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
                  ヽ __  ィ   /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:



                                   |:.:.:.:.∧:.:|    |:.::∧:.:.:.:.:.| ≧:.:L-\:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:ヽ
                                   }:.:.:.:.ヾ:.:.:',   |:./ .V:.:.:.:|ニ-====\:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.∧
                                   >:.:.:.:.:.|ヾ:.V==/ニ  V:.:.:i{ ゞテ=ァ ||\:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.∧
                                  /:.::V:.:.:.:レ'´>=ニ示 ヽ、_V:.||  {辷zり  .|| レr -、V:.:.:.:.:.:∧
                              .   /:.:.:.:.:V∧:.r'´ /ひョリ || ̄ .ヾ∧___ //  / .}:|:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
                                /:.:.:.:.:.:.:..:/ヾ::>  ゞ' ´ || {     ̄ ̄ ̄ ̄   入 ソ/:.:.:.:.__/
   「ああ。                          ̄ ̄ ̄ |:.:.:∧ヽ_ -=''´ ヽ           / /:.:ヽ ̄
    暇が出来たら会いに行ってやってよ?」          レ'´ ヽ |        _        /-'´/ ̄
                                         ヽ       ̄_         / ̄゛゛
                                            \          _ ィ|
                                             `   、     イ   y入
                                                ニi ´    /  ヽ
                                               // }     /    |\
                                              / / ノ    /     |   ̄ ' - 、
                                             /  V'´ ̄ ̄ ../        |      ` ' - 、
                                          .//   /::::::::::::::/_==-、_ |         /ヽ



163 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:29:12 ID:VkRf532r
九107.



         / ̄ ̄\
       /   ヽ_  \
       |    (⌒ )(⌒)
      . |     (__人__)
        |     ` ⌒´ノ     「ああ、もちろん。
      .  |         }
      .  ヽ        }      エンジュ様のお墓に
         ヽ      ノ      ご挨拶も行かなきゃならないしな」
      _,,,,ノ|、 ̄//// \、
  _,,..r''''"/ | \`'/  /  |  ̄`''ー-、
  /     /  |  /\  / /    / ヽ
 ノ |  > |/)::::/\/ \   ノ /}
 {   | {   | ,r":::ヽ /   /  / // ハ



                                     ,イ ‐- 、     ト、
                                    i ',  \ `ヽ   i ヽ
                                    ヽ、ヽ、 ヽ  \  l  ', ',
                               _,、-''"´ ̄ ヽ、 ` ‐ ゝ  ヽl   i .i
                             , -'´ __              レノ
                              , -''"´,、-'"´              '´ ー‐- 、
                              /::::::,-'´..:: .:: ..::::.   :.  :. ::.   ::::::.... ヽ  ノ
                           /,-'フ..:: .:::..::::::::::::::::::...  ::. ::.. :::.. :. :::::::::::::::::',-'´
   「父さんの墓は、             // / ..::::.:::::/レイ::::l';:::::::.. :::.. ::::::.. :::. :::::::::::::::::':,ヾ
    町外れの墓地だよ。             / .::::::::::::/___ ';::l ';:::::::::..::::::..::::::::::::...::::::::::::::ヽ:', ',
                             l..::;イ:::l'¨戌テミ|   .';::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'::',ヽ、
    じゃあ、行ってくる」               l::/ ';ノ弍{_ソ」|   ヽ::::::',`ヽ:::::::::::::::::::::::::::ヽ、!ノ
                              レ  (    ̄´´    `丶` /::::::::::::::::::::::::::ミ`‐-‐'´
                               〉           ,ノ';::::::::::::::::::::::::ヽ.',!
                                    ヽ -‐ フ     "´   ';::ト;::::::::::::::',ヽ、
                               丶 ´            ';:! ';:l';:::l`‐、_
                                  ',    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ.
                                      ` ‐-‐/  _ , 、 -‐ーー‐- 、._ ',.
                                    _, 、 -‐ ''"´               ``‐-、...._
                                ,、-'"´                         `` ‐ 、
                           /         ...:::::::::::::::      :::::::::::::..          \



それでジュンが謁見の間を出て行くと、


164 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:30:12 ID:VkRf532r
九108.



             ⌒ヽ、
          _ ,-─ 、,〉ゝ--::... 、
        ,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`\_
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
     , ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     /::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   ,/:::. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    l:::./.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    |/|:::::::::::::::::::::::::::::::: ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    |:::::::::::::::::::::::::::::/ l:::::::::::::::::::|\::::::::::::::::::::::::::::::::::::|     「じゃあ、後頼む」
    |::::::::::::::::::::::ゝ/L  l:::::::::::::::::|   \斗‐:::::::::::::::::::::|
    |:::::::::::::::::::/l /  `メ::::::|\::::lィ´  \:::::::::::::l:::|
    |::::::::/|::::/ リ  ,__、 ヽl  \l;,__   |l |人::::::::|∨
.    |::::/ |:::fzll ^`=='´     ^===‐'´ljlノ::::::::/
     |/  ヽ::::|ヘ              /ィ<"l/
         ゝ;八      ;       /イ
           x > 、    ─     イゝ:::`>-、
         〆::::;//ハ` 、     <´/  l):::}:::::::::::::::` 、
        //::::://  \  `‘´   /  /::::7::::::::::::::::::::ハ::l
       ノ::::/::::::《〈 ヽ/ヘヽ     /  /::::/::::::::::::::::::::::/::::l



マコトと言葉も、ランサーやバゼットと視線を合わせないまま足早に出て行ってしまう。



                                   /    /  ,、 |、|"゙`、    `、
                                  l    /  / | .|.l|   l  .::::::::::l
                                   | |   l  /_,. | .| |ト、  | ,  .:::::::::|
                                  | |   l/l/'´ // /  `メノl /l .:::::::|
                                  、ヽ   ,ィチ斤、′   ミュ' !.:::l:::|
                                   | \ {b::::::リ    P::::::リ / .:::|:::ト、
   「私も用事があるから行くわね」             ト、  `ド-‐'   ,  `‐-'/l.::  |:::| ヽ
                                   |::|   ヘ         /:::|.::. |::::| `、
                                    |:::|  ::::「` 、   ´`  イ `|.:::. |:::::|  \
                                     |;:イ  ::::|  l ` ー ' ´  !  |.::  ト、:::|
                                  /';:::|   :::|.  |‐- 、 , -‐/   !.::. |:::ヽ、
                                 /::::::::';::|  :::|   ヽ   /   |.::  |:::::;'::::::ヽ
                                   l::::::::::::';:|  :::|  __\/__  |.:::. |::::;'::::::::::::l



166 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:31:12 ID:VkRf532r
九109.
一方、一足先に墓地へ行くつもりだったロイも
自分のホールディング・バッグから上着と花束を取り出すと



                   ____
             _,.`;:ニ='"::::::::::::::::::::::`ヽ、
           /ァ'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
            /;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
           //;::::::::::::::::::::::、::::::::::::::::::::::::::::::'、
            /l::::::::l;::ト、::::::l\::::、::::::::::::::::::ヾ',
               l:::;::::!ヾ__';:';;l  `_;::','、:::;::::::::ト!
             ';l゙lヾ!‐ェァ``゙ ´ rェメ、ヾ';:::;'
        f''ヽ   `ヽl`   .::        /ノ′               「私もこの足で
        {   ',    ',   :::;      //-、                アレックス達の墓参りに行くつもりでね。
         ', _f{スアコ´ゝ''7ー 一  /l'7  ヽ
-- 、   ,.--ァf=- r-/   /`ヽ__,、 ´/,イ   ',、_             どうなったかを報告してくるよ」
    `ヽf{/(,イfュ)} )ハ } _ノフfヘ、 / //ハ    ヽ`丶、
   rf"ニヾ`fヾf= イノ//´-、`Y´   Yコノノ//rェ==┘  `''‐ァ、
丶、_f又t"_ィYフ´  ̄ヾ{ _  }、_,. -''Klllイ l `丶、      /  ヽ
_  こ=r-ァ{ ⌒ } ヽY 、 ノ´   l llll||/  ヾ,  >      /   }
7フ´,.ィフ,.-‐ヘ ー 、 f‐ク´     ! l`7、ィ   / | | /    l
 "´ `ヽ,、_,.-ァ、ニ-'´        ヽ∨  ; /   ヾ l,/     ,l
   , '´// 〃ハ            ヽ ;/      ヾ/     ハ
.  ', l ,'  / /  `            ∨',       ',      {
.   ', ′   j ト;、           ',  l ', ',       !   / |
   `7ー 、 _   ヽ、          ヽ l 〉 ;      ! /   ',
    /  _rフヽ-  > 、         ', !|,'      /'´     ',
   /  /ヾ`丶、 ,イヽ \         ヾ !;,.へ    ,'       ',
   /  ,/  ', `ヾヽヾ', ', ',ヽ   _ ニヽ_,.ィ〈}ヽノ   ,イ      _ '、
  f  /    ー-、ヾ/__} `''ヘニfT ´ 7 /イ,ィ /ー 、__/ !   _,.-'´  `ヾ、
  jfr'     /   ̄ ノ     !l ,イ /r'/l l'"   {r;=<        {
  >ll     /   / ,,..、    ,シ,ィ  T',l  l,.-''  l┴ヽ ヽ         ',
  ∨    , '  /  {__ノ  r/,イ /  ! { |,.-   },  l! l       !
  ヽ、  , '  ,イ       //` ハl   l! ヽノ<__,.r‐ヘ _jト, !      /
    `ヽ -''´/!      //  /ハl  l ヽ ヽ   ヽ  ヾll/フ     ノ
        /    _.,,  l|  //=lト、 l  ', ヾへ ',  ゙l/ /,. -―''"´
       /    {__,}  ! '、 // l l `_.,  ヽ  `ヾ,ヾ、_j イ
        /        l  `ヾ、  ! ! ´    \  `ヾ、 ',
        /         `ヽ、   `ヾi、_      `丶 、 `'' - 、
     /           /7`ヽ、 ,イ          `丶、  `ヽ
     ヽ`ヽ、        //   ` ! l         ,.-‐''"l\   \



と言い残してやはり行ってしまい、

167 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:32:13 ID:VkRf532r
九110.
広間に残されたのはアリア、バゼット、ランサーそしてやらない夫の四人だけだ。



          //       ◎     \\
        //        / 7      .\\
.        | |    ┌─ー─' /_       \\
.       /| |   └─-ァ _   ̄7      / /
.       |  | | __ ,. rーy-/ /    ̄`''      / /
        |  |/: : : : :/: : :∨\へ        / /\
       |/:/: : :/: : : : : : :ヽ:\ \    ./ /  ./
      /: / : : : / : : : /ヽリ:',: ', : : : : ヽ //  ./
     /: :/ / : / /: : : :/   j ハ: ',: ', : : : ヽ/   /
.    //:/ : / : /,./ム--/  //_} : l: :! : : : :ヽ  /
    ハ!/: : ,' : ,ィ{ N: : :|  .// /`メ、:l: : ', : :ヘ/
.    !: : : l : :!|:,ィ云示  // /_:/|: :ハ: : ! : :ハ     「あ、じゃあ私がバゼットさんについていきますね。
.    l: : : :l : :l,ハz:::::リ     え圷ミ :! : :j: : : :!     坊やを受け取ってこなきゃ」
     l: : : :', } ゞニニ´    弋z::::リ〉,': :,': :l : !
     ',: :,.A ハ ::::   .  ゝニン./: :/ : j : :l
      ∨. ヽ ゝ、.  ‘ '  :::: ノハ/: : :,': : :!
     /    { {  >、._,. <///`ヽ/: : : :|
    ヾ、    ヽヽ 、_   ,.-' //   ヘ : : !
     /ヾ、 i   ヽヽ      ノノ     ヘ: : l
    ,'  ∨    ゞニニニニニ彡    /  /〉 : |
    |  /               l  // : : :l



                               /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
                               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:.:.:.:.:.:.:\
                              /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
                           /:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:./ヽ:.:.,、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
                            /:.:.,':.:.:.i:.:.:!:.:.:i!/ヾヘ〃i!:.;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
                             !:.:,':.:.:.:.!:.:.:!:.:.il!      !:.:l:.:.:.i!:.:.:.l:.:.:.',
                          l:.:i:!:.:.:.:i!:.:i!l:.:i!l      l:.:il:.:.:i!l:.:.:.l:.:.:.:!
                             i:!!:.!:.:.:l:l:ハ!:_!」__   __リハl:_:ソノ:.:.l:.:.:.;'
                           レ!:.i:.:.:!ク仆ミゞ    ノタ≧ラ:.:i:.:./
   「お手数をおかけします、             〉∨',`弋9リ`    ´辻タ ノ//ヘ
    マゴット司祭長」                  ∨ヾゝ´ ̄       ̄`.//ノ/
                               \ヘ     i;      /ソ
                              i:i::'.、   ー 一  , .':.!i:i
                              i:i:.:.:.\      /.:.:.:.:i:i
                              /リハ:.| 丶-  ´ |、:.i:!リゝ
                                _ノ/〈     /´`\ゝ、
                           _、ノ::::/  \_,、/    /::∧`..、
                     _,、-ー‐.."´:::/:::::::/   /´;:;:;:;ヽ     /::::::∧:::::::`:::ー,-...、
                    /::::::::::i:::::::::/::::::::ハ /i;:;:;:;:;:ハ    /i::::::::::∧::::::::::::::i:::::::::'.,


168 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:33:12 ID:VkRf532r
九111.
二人は財産没収の上、王都追放の身である。

家に帰っても誰もいない事、何も持ち出す事が出来ない事を踏まえれば
執行が今夜二十四時である事も考慮して、
すぐにでも行き先を決めて町を出なければならない。



             ト、_  _
      ヾー-< ̄¨ヾト、. \.ヽ ヽト、
     _ト--'ド=、=三≧=ニト、ト、\}iYi }i ,.ィ
    > =ニト-ドミi、`ヾミli、\ド、Vi:レ/i/
   ≦===< ̄¨ニ=- 、 `ヾ \ Yl/ .lレイ
   <-―=ニ三≧=、ト、 >}-iド!¬iヘi斤K
  ≦= '三 ニ=,.ニ.Z 〃.〃  {{i    { {iヾヽ
  之_Z二〃 ̄ __,.ィ! {{ |{.  |{ト、  ヽ ∨ }}
  ≦ィ'∠,/ ̄,.イく. リ_,」ヒ==≠=ミ;、  z久ノ
   ノイ∠.イi,r<ソ'    ,ィ''::ナ≧    fテ
   ∠ィ'〃,'{ ¬.、    ` ̄ ´      「i
   フイ小| '、:::}             \    「城門で落ち合おうや。
    ̄}ノ,'八.ヽ-、            _ ,ノ    俺は手ぶらだけどな」
     '^^!个irr:ェ           ___7
       ド.Ll {. } ヽ       ‐''",. -.〉
        川||.| ト、._        {
      リ  .| ∨    `ヽ、    _ノ
      厶=r:|_         ` T  ̄
    /  く_  ̄¨ ¬------┴、
   / / ノ    ̄¨ ¬-------イ
  ,/,∠.../             \_



一番近い町への乗合馬車の代金ぐらいはあったかな、と懐を探ったランサーと
歩き出したやらない夫は、それで階段を下りると城を出た。



         , -―- 、
      /     \
      /  \_   |
      (●) (●)   |
      (_人__)    /
      l`⌒´    /     「じゃあ、行ってるか」
      |      ヽ
      __!、____/  \
    /、 ヽ     r 、 ヽ
    ハ ヽ Y`l     |  >  Y
   { ヽ_ゾノ     | レi i i}
   `¨´  ヽ    ハ  `'''
         >   / ヘ
        /  /ヽ  ヘ
        _,/  / ご_ノ  コツコツ…
      ( ヽ /
       \__ノ


169 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:34:19 ID:VkRf532r
九112.
中庭を突っ切って、正門へ向かう途中。



                          。
                     。  。     |     。  。
                      |.  |     |:|    |.  |
                   ||  ||    |.:.|    ||  ||
                     |:|. |:|   l∧l   |:|. |:|
              。     |.:.|. |.:.|   ,.傘.,   |.:.|. |.:.|      。
               |       .|∧||∧| ,傘傘傘, |∧||∧|       |
     。  。       ||.     (VVVV).傘傘傘.(VVVV)       ||      。  。
     |.  |      |:|      {∽}{∽}}}傘傘傘{{{∽}{∽}      |:|      |.  |
    . ||  ||     |:.:|    ,傘|l~~|l~~|}}个个个{{|l~~|l~~|傘,    |:.:|     ||  ||
    |:|. |:|    lvvl .,.,傘傘|∩||∩|}::::/⌒ヽ :{|∩||∩|傘傘,.,. lvvl    |:|. |:|
    .|.:.|. |.:.|.     |∩|傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘|∩|     .|.:.|. |.:.|
   |∧||∧| ,.,.,傘||"||傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘||"||傘,.,., |∧||∧|
   (vVVVV)傘傘{∽}个个个{∽}{∽}}:|三ニ三|:{{∽}{∽}个个个{∽}傘傘 (VVVVv)        |
   山i!山i山傘傘|三|!|/⌒ヽ!|l~~|l~~|}:/个\ {|l~~|l~~|!/⌒ヽ|!|三|傘傘山i!山i山          ∧
   ||^^||^^|个l个{∽}!||:.  ||{∽}{∽}}:{ニi二iニ}:{{∽}{∽}||:.  ||!{∽}个l个||^^||^^|       /;;;;;ヽ
   || l|| l|::::::::::::|三|!|iニニニi||l~~|l~~|}::::/\::::{|l~~|l~~||iニニニi|!|三|::::::::::::|| l|| l|        | ∩ |
   || l|| l|/l\||: ||!|/l\||| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l||/l\|!||: ||/l\|| l|| l|  /\  |ニニ|
   || l|| l|::l⌒l: ||: ||!|:Ii==iI:||| l|| l|}:::|ニニニ|:::{|| l|| l||:Ii==iI:|!||: ||::l⌒l: || l|| l|三三三三三三三三
   |∬||∬|::|___l: |§|!|:|l  l|:||∬||∬|}:::, '三`、::{|∬||∬||:|l  l|:|!|§|::|___l: |∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   {})({i})({}iニニニi{({})}!!.!|,,, l|:!{})({|})({}}::|皿l皿|::{{})({|})({}!:!|,,, l|:!!{({})}iニニニi{})({i})({}:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
   || l|| l|鬥l鬥||: ||!|鬥l鬥||| l|| l|}|鬥轟鬥|{|| l|| l||鬥l鬥|!||: ||鬥l鬥|| l|| l|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   || l|| l|/⌒ヽ||: ||!|/⌒ヽ||| l|| l|}|iiiiiiiiiiiiiiii|{|| l|| l||/⌒ヽ|!||: ||/⌒ヽ|| l|| l|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
   |∬||∬||:.  ||§|!||:.  |||∬|∬||}|iiiiiiiiiiiiiiii|{||∬|∬|||:.  ||!|§||:.  ||∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   |凶||凶|iニニニi|凶|!|iニニニi||凶||凶|}|二二二|{|凶||凶||iニニニi|!|凶|iニニニi|凶||凶|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::

172 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:35:12 ID:VkRf532r
九113.
見納めになる王城を振り返ったランサーは、
二つの大穴がだいぶ塞がってきているので急ぐ理由でもあるのかと尋ね、



               j、 |ソ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ノソ;;;ィ
               i:;ヽ|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/l/: 'ノ'ノ/,ノノ'´: : : /
         (V:;:;i:;:;:;:;:;ヘ:;:;:;:;:;:;:;/: /: : : : : : : : : : : : : :/
          ヾvゝ:;:;lヽ: ヽヾ:;:;:;:;j: : : : : : : : : : : : : : : : : : ソ
          ヾ: : : : : : : : : ヽ/: ;;;;;ソ''''ヾ'、}: : : : : : : : : j
            ヾ: ヾ`/`ヾ/'''´´ ヘ、 ヾヽヾ;;: : : : : : :j
            ミ:::}/  /     ヽ;l   ヘ ヾ;: ;;ー、:j.
            ヾ::}  リ       ゝソ二| ̄ ソ ,ヘ }
             ヽi `ミ}≧   ヾ~y| 弋少`   ( ァ,i       「へえ、随分頑張って修理してるんだな」
              i ヘ 匁ヽ  ー─-      丿ソ
                 ', ` ̄ il             ヘoj
                ',    i|          j. |.|i
                i'i、  ヾ            ,' |.|.i
                 |.| ヽ ──一-     , '.  i.jxゝ
                 |.j.  |ヽ      /   !::::::ヽ
                       | ヽ   __,,/| ̄ ̄ ̄ ̄|: ヽ
                     「 ̄|ニニニ--ー┤      |: : :ヽ
                    |.  |ヘ| |r- 、. |    '''´ ̄ ̄ ̄ ̄
                    ィ''ウ_|ヽl l⌒リ ` ̄ ̄>、
                    / /          >、
                       / /



数歩前で振り返ったやらない夫は確かあと十日だったかな、と締め切りについて答えた。



    / ̄ ̄ ̄\
  /         \
  /ノ  ヽ、_      ヽ
 ( ●)( ●)      |
  | { .!  )        |.
  |. ¨´ `¨´      l.     「近いうちに近隣の国の代表を招いて
.  |          /.      戴冠式が行われるしな」
  |          /
   \__      (
     _)_ ===\
    /          \
   /            ヽ
   |    ,        i
   |     |        l.|
   |     l         | |
   |     |.        |. l
   l    |       |.│
  /    ノ        | |
  /     /        l /
 (ヽ、__,/____  __,У
  ヽ_ィ  __ __ ̄ ̄_ ̄_,|
      j l   |


173 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:36:12 ID:VkRf532r
九114.
中庭の雑木林側を通り過ぎ、城門手前。
ここらで良いかと立ち止まったやらない夫がこれからの事を聞くと、



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)     「これから、どうするつもりだ?」
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <
   |     |
    |     |



                                     ト、
                                 Z弋ミヾヘヾヽ,,
                                辷彡 彡ネ〉ヾヾ〉ハ爪
                          .    / -=ニ 彡'ナヽ、/`ヾ《ハ
                             人ニ三彡  込ツ ヽ  Yヽ
    「そうだなぁ………              Y ,ミYヽ      :::..イツ |
     どこかの町で道場でも開くか―――    廴ミゝ、    、___ ィ
     食い物屋でも開くかなって。         ヾミZ:::..      /
                               j''  ::::::::::.........  j
     先立つ物がねぇけどさ」         _____/    |:::::::::::r-/
                           イ  ヽ    |   Yミヽ、__,,,--一-、
                               \ .小  ハヾミ三三ミミ、
                                 〉、ー- >-ゝ> ミ二ミミミ、
                                   ヘ:::::::...........:::Y    ハヽヾ〉
                                  ヘ:::::::::::|:::::::|     |丿
                                   ヘ::::::::::::::::|      |
                                    \::::::::::|     /
                                      \::::j     /
                                       Y   丿
                                       j    /
                                         ソ
                                           |
                                         「



何とかなるんじゃねぇか、と命と家族以外の全てを失った男は楽観的に答えた。


175 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:37:12 ID:VkRf532r
九115.
だが、ランサー一人なら釣りでもして生きていく事は出来るだろうが、
生後間もない赤ん坊と妻を連れての旅は甘くない。

本来であれば城を出なきゃならない事だって負担なのに、と午前から考えていた提案をすると、



     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ●)(●
   |      (__人__)   「じゃあ、お前の魔槍を俺が買い取ろう。
.   |        ノ    金貨四千で良いか?」
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /



                                  ∧ N w N丶 rN/N,.  ,ィ_,
                                  ∨  }   } },,,,,,,/  ノ /|r ̄三フ_
                                   ∨,,,,},,,,,,,},,,,},,,,},,,,,,,,,,,/,,,,,,,,,,,   三彡≡──z
                                    |∨ソヽ,,,ゝ∨,;:;:;:∠ r;:;:;:;:;:;:;:;:,,,,,,,,,,,,,,,, 二彡´
                                    |/  /└ー──┼ヘ───''フ,,,,,,,,,三二7
                                   /  /       .|  ヾ.:.:.:.:.:.:/,,,,,,,三三≡!
                                   ノ! ̄|\ ! 丿丿  |   |.:.:.:.:.:/,,,,,,,三二≡ !
    「ハァ!?                          !==ミ\ / (  .丿 ._⊥_.:ソ,,,,,,三二彡ノ
     いや確かに、そんぐらいだろうけどよ!」       ! (:)  ≡ <`ー≦二.:|.:.:.:.:.:∨,,,,,三彡丿
                                    !   /   ヽ二' : ) ヾ.:.:.:.:.:.:.:∨二\〃
                                    !   /      `ヽ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ.:.:.:.:|
                                   ∧ /          .:.:.:.:.:.:.:.:.:丿.:.:.:.:!
                                   | |ヽ`ー         .:.:.:.:.:.:.:.:.:○__ノ,|
                                   | |  ! 「二二ミゝ,   .:.:.:.::::.:::.:.:| |  ┥
                                   | |  ! ヾー---┘  .:.:./.::.:.:.:.:.| |  ┃
                                   ∪ /!        ..:/..:.:.:.::.:.:.:.:| |  ┃
                                    /  ー- 、_ '.ttェェ==┌─.| |━┥
                                     !      |i!iii!i!i!i!i!| |i!i!│  .∨,,,,,,,,,|
                                        __|i!i!!i!i!i!i!| |i!!i│  |,,,,,,,,,,,,,|



そもそも槍の所有権をすでに失っていた元の持ち主は驚いた声を出した。


178 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:38:12 ID:VkRf532r
九116.



    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( 一)(●)
  |     (__人__)     「回収されて、処分について任されててな。
   |     `⌒´ノ      嫌ならそのまま返しても良いぞ」
   |   ,.<))/´二⊃
   ヽ / /  '‐、ニ⊃
   ヽ、l    ´ヽ〉
''"::l:::::::/    __人〉
:::::::::|_/ヽ.   /|||||゙!:゙、-、_
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|



これは等価交換ではなく、ただの温情でしかない。
それでも家族のために縋らなきゃならないんだ、とランサーが申し出を受け入れた時だった。

突如バゼットの声が割り込んできたので振り返ってみると、



                                             イ     ___ ,.イ
                                         ,.イ/// ̄ ̄.:.:.:.:.:.:ノー 、
                                       ヽ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:___ノ.:.:__ノ.:.:.:.:ニ=ー
                                       |/.:.:.:.:,.イ.:.:.://.:/.:.:.:.:.: ̄ ̄ ̄.:.:>/
                                      \ヽ//.:.:.:.:.:ノノ/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>.:.:.:// イ
                                         ∨.:.:/ノイ!   彡── ´.:.:.:.//:.:/
                                         i/ヘ   }}   ミ二ニ.:.:.:.://.:.:.:,イ
                                          / |//厂`  ヾ:.:.:.r-く.:.:.:.:.:.:/.:.:.j
   「いや、頼むわ。                  .         / /        ∨/⌒ ヽ.:.://.:.: /
    あいつ等にはもう、苦労をかけたくないんだ」         ヽ  ,,ノ      ヽ丿 丿´.:./.:.:.:/
                               .         /           __ノ.:.:.:./.:.:.:./
                                       /            Xヽ.:./.:.:.:,.イ
                                       `ヽ              | |  ヽく::::::ヽ
                                          `<  ̄          | |    l ヽ:::::::ゝ、
                                            ',        イ  / ¨    l  `く:.:.:.:.ヽ
                                             ',  .. 、´ ___./───-ュ  \:.:.:.:.\
                                            ̄  」¬|::::::::::::::::::::::::::::::∧   \.:.:.:.:\
                                              | | ̄|:::::::::::::/  ̄ ̄ ̄ >ー-::、:.:.:.:.:ヽ.
               f´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ       ,| |⌒トー、//  .:/ ´      `ヽ、:.:.:.ヽ.
               |  ………分かってない。        |      /イ /   )// .:./       __  ヽ:.:.:.:.:'.,
               乂______________ ノ    /∠ムへ、,/ / .:/   . ・ ´  ̄    `ヽ ∨:.:.:.i
                               .           /ムγ´: ̄::/ /.:/  /            ∨:.:.:.:l
                                        ハ.::::::::::::::::::/ / ′ /                ∨:.:.:l


179 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:39:12 ID:VkRf532r
九117.
息子を抱いた妻が、たいそう不機嫌そうに立っているではないか。



                   _.,、-ー:.':."::¨::'::-.、.
                  /´:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_
               /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
               /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;:::::::::',
              ,'::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::/ヘ;::::::::::::',
              l::::::::::::il:::::!::i:::::/!:::::i::l::::l  |:::i::::::::i
              !:::::::::::il:::::i::il:::iハ:::il:!l::::|   |::::l::::::::l
              ',::::::::::i:l::::|辻≧tf」l|/リ!|  /_/:::il:!:!
               ∨⌒i!ヘ:|弋;;シ´`"` レ'/ソノ::://ノ
                }{ヾ.ソ ヘ!       trッ/ソノ
                i|ヘヘ          ′/ソ
                /!:::::i i`      // /       「だからあなたは分かってないと言われるのです。
                //!|:l」  \   ー' /i i        一人で苦労を背負い込むのは
                   7''-、_  ` ー ´  l」        いい加減止めにしてくれませんか?」
                   ,、く    `ー 、_ |ヘ
                /i:::::ヽ       /´∨ヘ>、,_
           _.,、-"´:::::l::::::::::ヽ.   ∧;;;;;;;ト∧:::ヘ:`ー-,ー..、
         ,:´::`:::、::::::、::i::::::::::::ヘ / \;;入∧:::::ヘ::::::i::::::::'.,



                             、,  /i_,、-ゝ、___
                              ヾ∨:::/:::::/:::/∠__
                               |:i::::/:::::/::::::/:::/::::::`:>-
                              _|il:/:::::/:::::://::::::::二ニニゝ、
                            /ゞ"''ヘテ"ヽー-、、::::::::::::::\:::::ヘ
                           〃 /   |:i  |i ノ____::::::::::ヾ<::\
                           i __ }ヾ==メー、_il  ミ:::::::`ヘ__:::::\::ゝ
                        _,、-'´ /  ゝtrッ    ミ_:::::::::::::::::::::/::/
                     rn、′  /  "  "′    ミ::___ニ="´;;:/
                  rn;;;´;;;i l 、   ゝ            こ}:::::://_   「いや、だってお前………」
               _,、-''゙ヘヽ;;;;;;! ! 冫  ヽ、_    ι    ルノ彡"/´
            _,、-''゙::::::::::::::ヘヽ;;;;;ヾヽ_   ヽ  ``ヽ     こソミ〈'"′
        _,、-''゙:::::::::::::::::::::::__:::::ヘヽ/`′ ー-ノ         / i i ̄:l ヘ
     _,、-''゙´::::::::::::::::::::::,、-''゙::<ニ〃'゙        ` 、_ - "´ ./___| |:-∧ ヘ
   /:::::::::::::::::::::::::,、-''゙::::::_,、-'゙´           / ̄>-l ̄´  `'   〉,久
  /::::::::::::::::::::::;、-''゙::::::::,、-'゙               / ヘ〕∃、___,,,、、、、==!:::::'.,
  {:::::::::::::::::::::://´:::::::/::::Y Y" ̄``"''ー--、、<ニ〈::::::/〔 ̄∟_ヘ、.  ̄ 〉l::::::::',
  ヾ___//:::::::/:::::::::::ヘヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::\>/;;;;;;; ̄`\ \ \/:::';::::::::::'.,
   `"'ー==>:、__,,,、--ー ソ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::ソ:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`\.:.:.\::::::';:::::::::::',
       `"''ー-、;;´ ̄ ̄::´`"''"'ー-、_::::::::::::::::::::/:.:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`\入:::::';:::::::::::',.

181 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:40:12 ID:VkRf532r
九118.



           /: : : : : : : : : :´: : : : : :\
          /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
          : : : :/: : : :_: : : : : : : : :、: : : : : : ',
        /: : : :/: /:.//:ヽ: :/:|:',:ヽ:ヽ:ヽ: : : :
        ,':.,: : : : :.′!:.!ヾ`v´^´l:.!:!:.i: :l: ハ: : : |
        : i: : : l:l:.!: :|: !     i: |:l: l|:.!: : l: : :l
.       |:.l:!: : |:|:|l: ハ:|     l:.ハ|:ハ!_!: : l: : :}
        !:|:|: : lー+!:i、li   _ +'ェ≦、}i: :.,'_: :/    「苦労も幸せも私達と分かち合うものです。
        レぃ、: lヤ下:ヾ  ´ フ´い:リ' l: /ィ },'     それが夫婦、それが家族でしょう?」
         `{ヽ{ 、マソ     ─ '・///' /i
          ヽ_`    ,       '´ム':|:.{
           } {:.、          /! !|:|l:|
           | !|:|:\ ´  ̄`  /|:| |从リ
           UN、!: :丶 ___ イ  l、ン
             , -/{|    ,, '"´ ヽ.、
           イ´::/  ヽ_ /      }::ヾ.、
    .-┬一':´:::/::::::,'!  f´::::ヽ     /:::::::',:::`゙...ー-、_
   /:::::::::|::::::::::::/::::::::ハ /|::::::::::ハ    /'::::::::::::!::::::::::::::::l:::::::ヽ    <おぎゃあ!おぎゃあ!ふんぎゃぁ!
  ,':::::::::::{::::::/::::::::_:{ ∨ t:_:_::/ ヘ  //::::::::::::::!:::::::::::::/::::::::::::',




                    j、 |ソ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ノソ;;;ィ
                    i:;ヽ|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/l/: 'ノ'ノ/,ノノ'´: : : /
              (V:;:;i:;:;:;:;:;ヘ:;:;:;:;:;:;:;/: /: : : : : : : : : : : : : :/
               ヾvゝ:;:;lヽ: ヽヾ:;:;:;:;j: : : : : : : : : : : : : : : : : : ソ
               ヾ: : : : : : : : : ヽ/: ;;;;;ソ''''ヾ'、}: : : : : : : : : j
                 ヾ: ヾ`/`ヾ/'''´´ ヘ、 ヾヽヾ;;: : : : : : :j
                 ミ:::}/  /     ヽ;l   ヘ ヾ;: ;;ー、:j.
                 ヾ::}  リ       ゝソ二| ̄ ソ ,ヘ }
                  ヽi `ミ}≧   ヾ~y| 弋少`   ( ァ,i
 「バゼット………」       i ヘ 匁ヽ  ー─-      丿ソ
                      ', ` ̄ il             ヘoj
                     ',    i|          j. |.|i
                     i'i、  ヾ            ,' |.|.i
                      |.| ヽ ──一-     , '.  i.jxゝ
                      |.j.  |ヽ      /   !::::::ヽ
                            | ヽ   __,,/| ̄ ̄ ̄ ̄|: ヽ
                          「 ̄|ニニニ--ー┤      |: : :ヽ
                         |.  |ヘ| |r- 、. |    '''´ ̄ ̄ ̄ ̄
                         ィ''ウ_|ヽl l⌒リ ` ̄ ̄>、
                         / /          >、
                            / /

182 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:41:12 ID:VkRf532r
九119.
自分の独りよがりが何を招いたのか。

それを思い出したランサーはもう一度、
自分の物ではなくなったはずの魔槍を買い取ってくれるよう願い、



              イ     ___ ,.イ
          ,.イ/// ̄ ̄.:.:.:.:.:.:ノー 、
        ヽ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:___ノ.:.:__ノ.:.:.:.:ニ=ー
        |/.:.:.:.:,.イ.:.:.://.:/.:.:.:.:.: ̄ ̄ ̄.:.:>/
       \ヽ//.:.:.:.:.:ノノ/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>.:.:.:// イ
          ∨.:.:/ノイ!   彡── ´.:.:.:.//:.:/
          i/ヘ   }}   ミ二ニ.:.:.:.://.:.:.:,イ
           / |//厂`  ヾ:.:.:.r-く.:.:.:.:.:.:/.:.:.j
.         / /        ∨/⌒ ヽ.:.://.:.: /
        ヽ  ,,ノ      ヽ丿 丿´.:./.:.:.:/     「やらない夫、すまねぇ。
.         /           __ノ.:.:.:./.:.:.:./      四千で良いから買い取ってくれ」
        /            Xヽ.:./.:.:.:,.イ
        `ヽ              | |  ヽく::::::ヽ
           `<  ̄          | |    l ヽ:::::::ゝ、
             ',        イ  / ¨    l  `く:.:.:.:.ヽ
              ',  .. 、´ ___./───-ュ  \:.:.:.:.\
             ̄  」¬|::::::::::::::::::::::::::::::∧   \.:.:.:.:\
               | | ̄|:::::::::::::/  ̄ ̄ ̄ >ー-::、:.:.:.:.:ヽ.
                  ,| |⌒トー、//  .:/ ´      `ヽ、:.:.:.ヽ.
             /イ /   )// .:./       __  ヽ:.:.:.:.:'.,
             /∠ムへ、,/ / .:/   . ・ ´  ̄    `ヽ ∨:.:.:.i
.           /ムγ´: ̄::/ /.:/  /            ∨:.:.:.:l
         ハ.::::::::::::::::::/ / ′ /                ∨:.:.:l



道具入れから白金貨の入っている革袋を取り出したやらない夫は
四十枚を彼に握らせ、そして―――



                    / ̄ ̄\
                  /  ⌒ .⌒\
                       |   (●)(●)|              /勹
                       |   (_人_)│         /ヾ/
                      |     ` ⌒´  |        /ヾ/
                  |          |,,.._,.,_   ∠ヾ/   「ただし、俺にはこの剣がある。
                      .  ヽ      /  ゙弋llコ~○/      槍があっても使わないから、
                  / lヽ     /    /`弋ll       城の倉庫に放り込んでおくぞ」
             _/゙ヾヽノ_ヽ  ̄ノ ,r‐;=/δ/ `弋l、
        ,r‐< ̄´、ヽ、 `ト-====ハ|   ,`v-, 、__  ゜
        /    ` ー-`、ー_`、 ,!'``'┴┴ヘ,|/.-'_´.-'  `ヽ
       l         r-ィヽ.}ヽ、__  _,.-ヘ´‐'r-ィ     |
       ノ 、        ヽ_ソ≠====:三===キヲ_ノ     |
       〉、 丶、 _    __,. ゝシ``ー---ll--‐‐ヘゞ‐′    ,. ヽ、
       !、 `丶--'丶、__,ノ  <^^> ||    ヽ,--、 -‐',. イ´
.      }、`_ー_'二フ7'、_}ヽュ__,.., Ⅴ ´ ̄`丶、_,ッ}:::ゝ-二._,.イ
.       〉、_ 二 -ィ′八ヽ ゙´Y          }リ::::::::{'ー--〈
     /ー--‐''´::::::/;;;;;ヽヽ、_>、  ,. -─‐- 、ノレi:::::::::ゝ、ーイ
.     l::::::::::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;〉}  Y´       l |;;|:::::::::::::: ̄l
      ゝ:::::::::::::::ノ;;;;;;;;;;;;く ノ   }        { l;;|::::::::::::::::丿
     ,〉:::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;;/ `ヾ丶ゝ、      ゝ'〈;ヽ、::::::::::`ヽ、
    {:::::::::::::::::く;;;;;;;;;;;;r'、   ,.、`丶` =--=''´'´ ,..ヽ、|::::::::::::::::::|


183 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:42:12 ID:VkRf532r
九120.
次代への投資と思えば安いものだろ、と言った。



                ̄    、
            ´          \
     /                ヽ
      /           、_  ヽ
    '               ` 、ヽ
    l              ,‐-,.._ ゞ
.   l              l 弋心 l
.    l              冫.ー く
   l               l    ノ!
   l               `ー‐ f r'     「いつか、槍使いの息子が
   l                  ノ'       城に来た時の為に、な………」
   !                     /
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./

185 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:43:12 ID:VkRf532r
九121.



    _ , -‐=‐-..、_!\_
    >.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト`ヽ,_.i
  _/..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ルイ
<.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_ぇ.:.:.:.:.:.:.:.:./
 ラ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヌ┘ .f::/ヾ^>,:ム'
 ヾ.:.:.:.:.:.:.:.::, へマ   .j,へ リ |
  l.:.:.:.:.:,'.::ん'     7‐=二メ、l
  ゞ.:.:.:.:人り    ト;:ヲ´  γ
   >、.:,ィfヲ    ,   ̄  丶,
_,イ>イ l l   弋ッ‐- .、 /     「おいおい、何年先の事だよ」
>´  .l  iノ \   ` - '/
   rム     ト、  /
   }二===‐┴┐ ̄
  ノ::::::::::::::::::,:∈ゞl|
ミ≡==--.、::::::::::::卞,
      ノ:::::::::::::/∧



皮算用が過ぎるのでランサーは保証はしねぇぞと呆れた顔で笑い、
強要するつもりもないやらない夫も肩をすくめる。



         / ̄ ̄\
        /   _ノ  \
        |    (⌒ )(⌒)
        |     (__人__)
          |     ` ⌒´ノ    「さて、な」
        |         }    
        ヽ     ヘミ|
        /,` 、` -`,--` ,
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ |
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/'  `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く   ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/



188 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:44:13 ID:VkRf532r
九122.
買い物や準備もあるだろうし、
あとは自分達で出来るだろうとやらない夫が切り上げようとした時だった。

微笑んだアリアが城の入り口を見るよう言い、



       l;;:l i;;:::::└ー┐ ┌ー┘:::::;;;! l;;;;ヽ
       l;;:l i;;::::::::::::::::|   |:::::::::::::::::;;;;! l;;;;;;;|
         l;;:l i;:::::::::::;;;;;l__!;;;;;:::::::::::;;;;! l;;;;;;;|
          l;;| i;;_;;ァア'/゙`゙'''""ヾミ丶、;! l;;;;;;;;l
         ゙y''7 /;'イl     _!l .! !`〈;;;;;;;;|
       ,;' ;'.!,.iイ'l"!`    ´ !l`!|、;';:ヽ;;;l
.        ;;' i .|'l .|ヾ_゙     __リソiノリ.: : Y    「………フーリン殿。
.      ,;l l .::!i゙;ャ''"゙`    " ̄ヾ;';'ト、; ,:!    あそこを」
      ,:' .l!l ::{ハ ゙、""  ,   """;'';: lリ' ;.:}
       ゙、';.:!ミゝ    、_ ,,.    ;ム' !;',';'ハ
         メ!|ヽ';:,`;.、  _,.、 ,,.ィ'",;' j',';'イ.! ゙、
        ,'ハ'; ';:.';,';::|シ./.j''´'"!,;';';,',;'' .;. '; `
       /,',:i_ヾ,jィ-ry././;`ハ ''y',',';_ハ ::',
       /´.:`i l;::::リ,' j .レ ,' ;'ノ';','';;;;;;;;'',ゝ、;
        ,'!.  ::l |;;:::;;|     ' i'''i',',';;;;;;;;;;l i  .:}
       ノ:l   ::! !;::::;;!    ノ:::i; {;;;;;;;;;;i l ..::!



振り返った彼が見たそこには―――



                       ∧ N w N丶 rN/N,.  ,ィ_,
                       ∨  }   } },,,,,,,/  ノ /|r ̄三フ_
                        ∨,,,,},,,,,,,},,,,},,,,},,,,,,,,,,,/,,,,,,,,,,,   三彡≡──z
                         |∨ソヽ,,,ゝ∨,;:;:;:∠ r;:;:;:;:;:;:;:;:,,,,,,,,,,,,,,,, 二彡´
                         |/  /└ー──┼ヘ───''フ,,,,,,,,,三二7
  「あ、あいつら………!」       /  /       .|  ヾ.:.:.:.:.:.:/,,,,,,,三三≡!
                        ノ! ̄|\ ! 丿丿  |   |.:.:.:.:.:/,,,,,,,三二≡ !
                         !==ミ\ / (  .丿 ._⊥_.:ソ,,,,,,三二彡ノ
                         ! (:)  ≡ <`ー≦二.:|.:.:.:.:.:∨,,,,,三彡丿
                         !   /   ヽ二' : ) ヾ.:.:.:.:.:.:.:∨二\〃
                         !   /      `ヽ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ.:.:.:.:|
                        ∧ /          .:.:.:.:.:.:.:.:.:丿.:.:.:.:!
                        | |ヽ`ー         .:.:.:.:.:.:.:.:.:○__ノ,|
                        | |  ! 「二二ミゝ,   .:.:.:.::::.:::.:.:| |  ┥
                        | |  ! ヾー---┘  .:.:./.::.:.:.:.:.| |  ┃
                        ∪ /!        ..:/..:.:.:.::.:.:.:.:| |  ┃
                         /  ー- 、_ '.ttェェ==┌─.| |━┥
                          !      |i!iii!i!i!i!i!| |i!i!│  .∨,,,,,,,,,|
                             __|i!i!!i!i!i!i!| |i!!i│  |,,,,,,,,,,,,,|


191 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:45:12 ID:VkRf532r
九123.
なんだかんだで見送ってくれている、かつての仲間達が立っている。



           -─ 、  , -──- 、
           , - ─`<::::::::::::::::::::::::ヽ
         /::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::`- 、
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
         /:.:.:.:.:.::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
      /: : : : : : ::::i: ::::ハ:: :::::::: : :::ト:::::::: : i: : :::::::::::ヽ
       /: : /: /: ::::::|::::/ V::ト::::::: :::| \::: :V: : :::::::::::|
       |: :/: /: :/:::::|∠─ V| ヾ:::::::| ̄ V:::::i:::::::::::::::::}
      レ.|:.::::|:::i:::::/:/  .、ハi \:::レィ--V::ト::::::::::::::::ヽ
        .|::::::|:::l::/|::レイ飛ゝ   ヾ| 'j及ァVハ::::::::::::::::ハ
         |::::::|:::K .V 辻 tj}      弋 ソ ' ハ::::::::::::ト;;ゝ
       |::::∧:r-、 ゞ- '´        ̄ i .ヒ V:ハ::::i::>
       |::/ |:|レヽ      i       レイ/'リ::::::>
       ヾ.  | ヽ∧     _     r‐ム::ハ/                 /|  , イ         ==‐
          V:::/ ヽ、         /'´                `、    / { /             `丶、
           ヾi   }>     , イ                   ヽ\  { |/                   ヽ
                 | ` - ´_ -┴┐                   乂ヽ { |      \             \ 、、
               r‐'V/ ̄    /::\                   /   、 |      ` 丶、       ヽ ヽヽ
               / /:::::入     ./::::::::::|""\             , ',/ //   \|、   `` ‐  `_ヽ、    、ヽ ゙.
            /:/ /:::::::::::∧  /::::::::::::|::::::::::::" - 、         ノ / /// |i |``lヽ     \  `‐ `=-   \ヽ
                                           //|   レ! | 、ヾ 、ヤ \ ヾ\      ヾ }`
                                           i// /   | ヾ ヽぃ i iヽヽ\ヽ,,,\  \| | ハ!
                                            |//   H Aト-仆ヽぃ ヽ! xィ勿 }}\   `レ′
                   _ ,, ........ ,, _                    /| ,,  キ,,x=≠=x, レ ヽ イ弋_歹 ! \ヽヽ.
               ,r ':::´::::::::::::::::::::::::` ヽ                   |/| | 代 勿 }}              ト ´|` ゝ
               /::::::::::::::::::::::::::::::::i::::,、:::::\                  | / ヽ `‐゛           ,′| | \
             /:::::::::::::::::::::::/:::::::::i::l∨v}::::::::::\                   ヾ!      ヽ     〃| |ヽ!  \
             /::::::::::::::::::::::/:::::/|::::|::l`゙ i::::::i:::::::ヽ                   ヽ\    -一  / /|/    _ ,-ン
              !:::::::::::::::/:::/:::::/ l:::/l::l   !::::::l:::::::::}                    \ `ト 、_  _ / | /  _, ‐ ´  ノ
            i:::i:::::::::i/:::/l::::/_,.l:/ l::lヽ.,__l:::::::l::::::::l                  /´`ヽ,.|     ̄ ____| )_-(_   , /
             l:::l:::i:::::l:::/ l|/´ l/ !/   从::::l:::::i::l             ___∠Y ′ ∠,ヽ ヽ _,-‐ ´´  )‐}    ̄
             |:::l::::l::::l/|,xz=ミ /  / ,x=ミ、}::::l::::::l:l         -‐ ̄   /   ̄_,´` ̄丶_  _/ /   , ヽ_
           i|::::l:/l:::::',:flc;;;ri      fc;ri ゛!::/|::::/i!        // ̄\ /   <__/ .` ー´ ̄ /   //     ̄ト、
           /|:::::i::::ヽ::ヽ弋シ     弋シ //:::|:/ l
           / |:::::::::::i:::\:\    i)    /::::::::|!
            / !:::::::::::l:::::::::>゛~   ‐   /:::i:::::::|i
         /  l::::::::::::l::::::i:::::i > 、. _, ィ'´:::l:::/::i::::|.i
          /  !::::::::::::l:/:::lr'´i       iハヽl/::::l:::::| i
       /   l:::::::::,rl/::::::l    / /   /::::::l::::::| .i
        /   !:::/:::/::::::::l `ヽ. , -‐/ /:::::::/ヽ、:! i
      /    l::/::::://::::/l     / /::::::::::/ /:::::`ヽ !


195 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:46:12 ID:VkRf532r
九124.
声をかけてくれるわけではない。
手を振ってくれるわけでもない。

それでも来てくれたと言う事が、どれほどの気持ちを表しているか
今のランサーには痛いほど分かる。



                                       ノ    __ ,
                                    /::/,、ー'´/ー--ー/ __,,、
                                 /i/:::::::::::::::::::://:::::::::::: ̄//_,
                                /i !i:::::::∧,_/´/:/::/ニニソ:::ノ
                               ヽ、i::::::::/∨::/i::::/:::///:::::::::::二ニ彡
                               ヾ:ヾ∨/:::/彡ミヘ"彡::::::二二ニ彡
                                ∨ヾソ〃\:\  }:}"`ー-、彡彡彡
                                 /:/i!    ヾ:i  」i,,、-  彡/ヘ
                                 |/ !     斤7"リ      ソ )
   「ああ―――                      リ  ヽ   フ 、、,,,、-′   つ/
                                     }           ゝ〈ヘ
    俺は本当に、分かってない奴                  i           / i :iヘヘ
    だったんだな………」                    ' ー 、. ー - " ´      ! j ヾ;ヽ.
                                        \    /    _,ァ:::'.,
                                         ヽ-、-     _,、ー′: :∨ヘ、
                             __          イt、,,,、、i´: : : : : : : : :>ー-、_ _
                           /´: : : / ̄>ー--、,,、ー'´:.| i丁厂ヘ__;, : : : :/: : : : :!√ヽ:`:\
                          /',: : : : : i: : : : i: : : : /: : : :,、/Υソγ⌒ヽヘ/: : : : /: : : : : :,ヘ :\
                          /:.:.',: : : : :l : : : l: : : : i:,、ー';;;;(( ノソ´;;;;;;;;));;/: : : /´: : : :.,、ー'′: :ヾヾヽ
                              i:.:.:.:.',: : : : ! : : :.l: : : :|二ニヘノノヘ==≡∨: :/: : :,、ー':´: : : : : : : : : : :ヘ



馬鹿だったな、と己を嘲った彼に首を振ったやらない夫は、
過去ではなくこれからを見据えるべきだと言い―――



                ̄   、
            ´        \
     /              ヽ
      /                ノヾ
    '            ー ´  ヽ
    l              / .,.....、ヽ
.   l              l {::::::} l
.    l              冫.ー く
   l               l    ノ!    「何が一番の選択だったかなんて、
   l               `ー‐ f r'     誰にも分からないさ。
   l                  ノ'
   !                     /      ただ言えるのは、
   ,'                   /       みんなが三人の未来を望んだ。
 ̄ `ー -               /        ―――そう言う事だろ?」
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./


198 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:47:12 ID:VkRf532r
九125.
そうだな、と感謝したランサーも今は前だけを見て行く事にした。

まずは手に入れた未来をやれるだけやって、
足場を固めてからいつか、返せる物を少しずつ返していけば良い。



                                   /i、,,-ーフ,、__
                                  iヽ/i/::::/∠_::::::::::::::`>__
                                 |::ヽ:/:///::::::/::>::::::::::::ゝ
                                |ヾ::V:::/:,彡ソハヘ;;;;;:::: ̄´\:ト
                              γ升/`"ヘL,,___ヘ /`二ニ:::\
                               !/≧ `"''i斤┬,r、 く;;:::ニ_\::>
  「………ありがとうな、やらない夫。         ),,)     、_ヒ;j ′ ミ::::::::::::\
   取りあえずバゼットとヒュンケルと三人で、   /ラ            ミ>=-::ヘ一
   やれるだけやってみるわ」              〈 ヽ      ,    γ´ヾラヘ
                                  ',  ー '''"" ̄    ソノ/::/
                                 ',   `       ∧≦/
                                i′       ´ l:l::::|
                                |:lヽ __       l:l:l:::|
                                L!   i       l !」ゞ
                                   ___,,,/i!   _,、ー′ `ヘ、、,,,_
                          _, 、---┬'7´:.:.:./ i!,、ー'′    /:.:.:.:.:.:.i:.`"''ー---、、,
                        /´.:.:!.:.:.:.:;i://.:.:.:.:.;| /;;;;;;;ヽ     /:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:, ' ´.:.:.:.:ヽ
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              i:!!:.!:.:.:l:l:ハ!:_!」__   __リハl:_:ソノ:.:.l:.:.:.;'
            レ!:.i:.:.:!ク仆ミゞ    ノタ≧ラ:.:i:.:./
                〉∨',`弋9リ`    ´辻タ ノ//ヘ
                 ∨ヾゝ´ ̄       ̄`.//ノ/     「本当に何から何までありがとうございました。
                \ヘ     i;      /ソ      この子が大きくなったら、何遍でも話して聞かせますわ。
               i:i::'.、   ー 一  , .':.!i:i
               i:i:.:.:.\      /.:.:.:.:i:i      あなたと言う英雄が、私達の―――
               /リハ:.| 丶-  ´ |、:.i:!リゝ      そしてヒュンケルの未来を繋いでくれたのだと」
                 _ノ/〈     /´`\ゝ、
            _、ノ::::/  \_,、/    /::∧`..、
      _,、-ー‐.."´:::/:::::::/   /´;:;:;:;ヽ     /::::::∧:::::::`:::ー,-...、
     /::::::::::i:::::::::/::::::::ハ /i;:;:;:;:;:ハ    /i::::::::::∧::::::::::::::i:::::::::'.,
      i::::::::::::}:/::::::::::ノ! ∨ .〉ヘノ  ヽ_//:::::::::::::::l:::::::::::::/:::::::::::',
      l:::::::::::::',:::>::/::::ヽ  ./;:;:;:;:l     /\:::::::::::::|:::::::::/::::::::::::::::i
      i::::::::::::::∨/:::::::::::::::∨:;:;:;:;:;:l   /::::::::::::\: ̄:::::ソ::::::::::::::::::::!



運命と言う名の大河に押し流されていた三つの木の葉。
それを掬い上げた船の名を決して忘れません、とバゼットは言い―――


201 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:48:13 ID:VkRf532r
九126.
船から降りて、また新しい大地を往く彼らを



         / ̄ ̄\
        /   _ノ  \
        |    (⌒ )(⌒)
        |     (__人__)
          |     ` ⌒´ノ
        |         }        「いえ、大した事は。
        ヽ     ヘミ|         三人の未来に、光があるよう祈っています。
        /,` 、` -`,--` ,
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ |       いつかまた、どこかで会いましょう」
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/'  `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く   ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/



船と、未だ乗ったままの一人が見送る。



       |:::::└┐┌ー┘::::::::://:::::::::::::\
       |:::::::::::::| |::::::::::::::::://:::::::::::::::::::::〉
.       |::::::::::::| |::::::::::::::://::::::::::::::::::::/
        |::::::__二__::::://:::::::::::::::::::/
      /´//l : !: : !: : :`:`´、:::::::::::::::/
      /: : /:A-! |l: :|-ト、: :l: : \::::::/        「お二人の行く道に、
      { :| トl:fヘ!ヽ!チ示ミ! | :l : Y          全ての光の神の祝福がありますように―――」
      ヽ!ヽ!:j`ー'' ,  ゞニノ!:ハ l: : ヘ
.        |/ゝ". ャーァ ""//-' ! : : ヽ
         /: / |>.、_. ャ/:/| : :|: : : : `、
.       /: ///7-〃┴7:/´〃⌒ヽ: : :ヽ
       /: /,'ノ〃〃、 ./:/ 〃メ、   l: : : :\
     / : /ィ' 〃::{{ ./:/〃〃\ヽ、_j: : : : : :\
.     /: : / /ノ^r' /:/〃::lj   `ー!: : : : : : \` 、
   /: / / イ  /: イ/):::::::|    ./: : : : : : \ :\
  /: : :/: / .{丿 /イ:ハ!丿::::::,'    j: : : : : : : : : \:
 /:/: / /,./   !/{: :!:::::::::::j ,.-ー〈 : : : \: : : :\
 !/|: :|/∧    /|ヘ{二二l/´   { : : `、: :`、 : : : `


202 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:49:14 ID:VkRf532r
九127.



             ト、_  _
      ヾー-< ̄¨ヾト、. \.ヽ ヽト、
     _ト--'ド=、=三≧=ニト、ト、\}iYi }i ,.ィ
    > =ニト-ドミi、`ヾミli、\ド、Vi:レ/i/
   ≦===< ̄¨ニ=- 、 `ヾ \ Yl/ .lレイ
   <-―=ニ三≧=、ト、 >}-iド!¬iヘi斤K
  ≦= '三 ニ=,.ニ.Z 〃.〃  {{i    { {iヾヽ
  之_Z二〃 ̄ __,.ィ! {{ |{.  |{ト、  ヽ ∨ }}
  ≦ィ'∠,/ ̄,.イく. リ_,」ヒ==≠=ミ;、  z久ノ
   ノイ∠.イi,r<ソ'    ,ィ''::ナ≧    fテ
   ∠ィ'〃,'{ ¬.、    ` ̄ ´      「i
   フイ小| '、:::}             \
    ̄}ノ,'八.ヽ-、            _ ,ノ     「じゃあな。
     '^^!个irr:ェ           ___7      出来すぎた後輩と、人の良い司祭さん。
       ド.Ll {. } ヽ       ‐''",. -.〉
        川||.| ト、._        {       王女様達にも宜しく言っといてくれ」
      リ  .| ∨    `ヽ、    _ノ
      厶=r:|_         ` T  ̄
    /  く_  ̄¨ ¬------┴、
   / / ノ    ̄¨ ¬-------イ
  ,/,∠.../             \_



                /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
                /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:.:.:.:.:.:.:\
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
            /:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:./ヽ:.:.,、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
             /:.:.,':.:.:.i:.:.:!:.:.:i!/ヾヘ〃i!:.;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
              !:.:,':.:.:.:.!:.:.:!:.:.il!      !:.:l:.:.:.i!:.:.:.l:.:.:.',
           l:.:i:!:.:.:.:i!:.:i!l:.:i!l      l:.:il:.:.:i!l:.:.:.l:.:.:.:!
              i:!!:.!:.:.:l:l:ハ!:_!」__   __リハl:_:ソノ:.:.l:.:.:.;'
            レ!:.i:.:.:!ク仆ミゞ    ノタ≧ラ:.:i:.:./
                〉∨',`弋9リ`    ´辻タ ノ//ヘ
                 ∨ヾゝ´ ̄       ̄`.//ノ/     「いつか、また会いましょう!」
                \ヘ     i;      /ソ
               i:i::'.、   ー 一  , .':.!i:i
               i:i:.:.:.\      /.:.:.:.:i:i
               /リハ:.| 丶-  ´ |、:.i:!リゝ
                 _ノ/〈     /´`\ゝ、
            _、ノ::::/  \_,、/    /::∧`..、
      _,、-ー‐.."´:::/:::::::/   /´;:;:;:;ヽ     /::::::∧:::::::`:::ー,-...、
     /::::::::::i:::::::::/::::::::ハ /i;:;:;:;:;:ハ    /i::::::::::∧::::::::::::::i:::::::::'.,
      i::::::::::::}:/::::::::::ノ! ∨ .〉ヘノ  ヽ_//:::::::::::::::l:::::::::::::/:::::::::::',
      l:::::::::::::',:::>::/::::ヽ  ./;:;:;:;:l     /\:::::::::::::|:::::::::/::::::::::::::::i   <おぎゃぁ!
      i::::::::::::::∨/:::::::::::::::∨:;:;:;:;:;:l   /::::::::::::\: ̄:::::ソ::::::::::::::::::::!

203 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:50:12 ID:VkRf532r
九128.
ランサー達が去っていった後。



          //       ◎     \\
        //        / 7      .\\
.        | |    ┌─ー─' /_       \\
.       /| |   └─-ァ _   ̄7      / /
.       |  | | __ ,. rーy-/ /    ̄`''      / /
        |  |/: : : : :/: : :∨\へ        / /\
       |/:/: : :/: : : : : : :ヽ:\ \    ./ /  ./
      /: / : : : / : : : /ヽリ:',: ', : : : : ヽ //  ./
     /: :/ / : / /: : : :/   j ハ: ',: ', : : : ヽ/   /
.    //:/ : / : /,./ム--/  //_} : l: :! : : : :ヽ  /
    ハ!/: : ,' : ,ィ{ N: : :|  .// /`メ、:l: : ', : :ヘ/
.    !: : : l : :!|:,ィ云示  // /_:/|: :ハ: : ! : :ハ      「行ってしまいましたね………」
.    l: : : :l : :l,ハz:::::リ     え圷ミ :! : :j: : : :!
     l: : : :', } ゞニニ´    弋z::::リ〉,': :,': :l : !
     ',: :,.A ハ ::::   .  ゝニン./: :/ : j : :l
      ∨. ヽ ゝ、.  ‘ '  :::: ノハ/: : :,': : :!
     /    { {  >、._,. <///`ヽ/: : : :|
    ヾ、    ヽヽ 、_   ,.-' //   ヘ : : !
     /ヾ、 i   ヽヽ      ノノ     ヘ: : l
    ,'  ∨    ゞニニニニニ彡    /  /〉 : |
    |  /               l  // : : :l
    l  {      ┌┐      .,'/. ',: : : :l
    l  .ゝ. ┌---┘└---┐  ノ   l: : : :!



    / ̄ ̄ ̄\
  /         \
  /ノ  ヽ、_      ヽ
 ( ●)( ●)      |
  | { .!  )        |.     「………俺達も戻りましょう」
  |. ¨´ `¨´      l.
.  |          /.
  |          /
   \__      (
     _)_ ===\
    /          \
   /            ヽ
   |    ,        i
   |     |        l.|
   |     l         | |
   |     |.        |. l
   l    |       |.│
  /    ノ        | |
  /     /        l /
 (ヽ、__,/____  __,У
  ヽ_ィ  __ __ ̄ ̄_ ̄_,|
      j l   |



後は彼らが自分の足で歩んでいくだけだ、と城を振り返ったやらない夫は、
寂しそうなアリアに後ろめたさを感じながら部屋に戻っていった。

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━━━━━━━━━━……

205 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:51:13 ID:VkRf532r
九129.
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部屋で一人の夕食後、手紙を認めていたやらない夫の部屋をジュンが訪ねていた。



      ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
    /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
   ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
      /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
    ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧
    |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧
   イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
   /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
    !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
   .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
   .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!    「やらない夫、新しい記章を届けに来たよ」
    レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
          i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
           、             r彡;〃´
           ヽ   ヾニフ       ノレ'´
            \          ´ ,L. -‐ 、_
              ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
               ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
             _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
           rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"



                                              / ̄ ̄\
                                           /  ヽ、_  \
                                          (●)(● )   |
                         「えっ?             (__人__)     |
                           ああ、記章ね記章。       (`⌒ ´     |
                           神竜騎士団の?」  .      {           |
                                           {        ノ
                                            ヽ     ノ
                                            ノ     ヽ
                                             /      |





207 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:52:12 ID:VkRf532r
九130.
そっと手渡されたのは、透明な水晶の竜で―――



                     /    |   .|    |
                 |     |   .|    |
                   |ー |   l ー-  l
           /⌒ヽ   |    |   l     l
           l   l    |    |  |    |
            |   l   | ー-  |   l   - l
             |  -‐|    |    |  |      |    /⌒ヽ
           |    l    |    |  |      l   |    ヽ
             l    _!   |    !__,! ‐  一 |   l     ヽ、
         /⌒ヽl  ‐ \  |,    . .      l    〉-‐  l
         l〉   )ヽ、   ヽノ        ,、 i、 ヽ、 |     |
        /  人 ヽ、           j !./.j   ヽノ     |
          l     ヽ、\,          //,.ィ ノ/      l
        ヽ  ノ \,/     /  _/ '´ _フ      ヽ  l
         \    /        /,ィ  '´ (        |
          ヽ、       /   r´ ´r-‐< ̄         |
           ヽ、  /   / {,-'~r'⌒‐^`        l
            ヽ、       `Y´ l          /
             ヽ、            |          /
              ヽ          l        /

208 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:53:13 ID:VkRf532r
九131.



 /::::::::::::::::::::::::::::/::::\:::::|::::::ヽ:::::::::::::::::\::::::::-──
_,,- -ィ::::::::::::::::::::/::::::::::i:::V::::::::::::>:::::::::::::::::: \:::::\
 /::::::::::::::::::::/::::::: : :|:::::V/ ̄ V:::::::::::::::::::::::\::::ヽ
/::::::ィ:::::::::::::::{:::::::::::::::i: | ̄     V::ト:::::::::::ハヽ;;::ゞ:::ヘ
:::/:::::::::::::::::::|::::::::::::::ハ:|        |::i \:::::::}:::::ト-;;::::ハ
/:::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::| リ───''  i:リ ニ彡:::iト、;ヽ \::i
:::::::::::::::::::::::::::::|::::::: :: |_,,,-===ヽ/ _||=__メ:| ||   ヾ
::::::::::::::::::::::::::::ハ:::::-::|>'' ̄=.ィ-  ||=||{t..:jア ||
::::::::::::::::::::::::::::i>\:: |||マハ廴ソ  ..川 ハ ̄ iノノ
:::::::::::::::::::::::r-、}''´ \||  ̄    //  ノ ` ̄ |´     「急いで作ってもらった割には良い出来だよね。
::::/i:::::::::::::::| /ヽ    ヾ==─''´´      /       竜の意匠なんて畏れ多くて滅多に見ないものだけど」
:/ |::;;::::::::::ヽ  >        `ー -  /
  レハ:::::/i::::::≧::-:、          /
     レ'  ̄ ̄ ̄Yi      ____./ _
     _...-:::'´ ̄ ̄`:-..、    |ー- ∧ }、_
    i: : : : : : : : : : : : : : : : `::-.┴..、: /: :}: :}: : : ヽ
   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : ヽ /::/: : : : ∧.



なんだか複雑そうな表情のやらない夫と、立派な記章とを見比べたジュンは
名前負けならぬ意匠負けしないように頑張らないとね、と口の端を釣り上げて笑う。



                                     / ̄ ̄\
                                   /  ヽ、_  \
                                  (●)(● )   |
                                  (__人__)     |
                                  (          |
    「今までの、薔薇の記章はどうすれば?」  .    {          |
                                  ⊂ ヽ∩     く
                                   | '、_ \ /  )
                                   |  |_\  “ ./
                                   ヽ、 __\_/


209 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:54:13 ID:VkRf532r
九132.



             >'´ /   ∧    |    i| ヽ.      \
           /   /     /::::ヽ _,斗:.:.:.: :   |   !  :...   \
            〉       ::ー‐^´¨ |:.: : !:.:.. ト、  |   :.:.:... : :..`ー-、
              |   |  il  ::|       ! ::∧:. :.  ,=‐i   :.:.:.:.:...:.:.:..:.:./
             / .:.:.:.:|  i|   ::|       | / ,ィ|,.イ´__ ∧  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
         / :::/イl|  l|  ::|=、>ー=、 i′|:rレ弍¨ヽ ト :.:.:.:.:.:.:.:.:./
        ./::/  /   |  |´戈¨T |ト==、|| 弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
        レ'゜   / /  iヾヽ! 辷_ソ」|   ヽ=====' マヽ.:.:r-‐'´     「貰っちゃおうよ、記念だし。
 rr‐、           レ' レ'〉 ! ヾニ=== ′〈           'ノ::;;;>        僕はそうするつもり」
 ト' |                  ̄ヾヌ、      `       ,/‐'´
 |  |                 ̄ヽ       ー‐      /
..ノ  l'⌒!                \           _, ィ´
´ ノ^ヽ '、                  `¨ニt-  -‐' ト-┐
  /`ヽ.ヽ、          _   /´iイ      |/ ヽ―-- 、__
   ‐'´`ヽ. i、          /i  ゞ7″ | ′    /    |     `ヽ、
\   イ-'  ヽ       /  i  / ,ヘ |____,_/ |―、  |    /  ヽ.
  ヽ.  ″    l     /-‐'´ | ./// ヽト-―/ニ,ノ  \|     /   \'、
   \      l. ,.-‐'     : レ' ′  く !  //          /       ヾ、
      |    .ト''      ! .| r―┐  | ,//      :. l  /       `ヽ、
     l      l、__       レ'  |  |  i/o’        :.:. ! |           ヽ、



                                           ̄ ̄   、
                                      ´          \
                             .       /              \
                                   /                   ヽ
                                    i                 丶
                                    l       /  ̄           丶
                                    |  __         _ ヽ        丶
                                    ヽ/       i イ::::ヽ l       丶
                                     ヽ    _  ヽ ゝ_ゞ::ノ '           ',
  「そっか、記念にな。                      丶i イ:::ヽ l    `ヽ            ヽ
   そう言えば実家の方はどうだったんだよ?」           ゝ ゞ ', ヽ _  丿            \‐、-..、
                                         ヽ  ゝ ノ , ‐ ´              ソ:.:.:.:\
                                            ヽ  ´                '    /:.:.:.:.:.:/\
                                        \            /   /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヽ、
                                          \          /  /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
                                            ヽ         /  /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
                                               ヽ __  ィ   /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:


210 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:55:12 ID:VkRf532r
九133.
あまり騎士団の話題を続けたくなかったやらない夫が問うと、
あの後実家に行っていたジュンは全員無事だったよ、と何故か複雑そうな表情で答え、



                                                /l
                                             Λ/ 〈 へ、
                                           ヘ|        ,>
                                         ∠  /   〉ヽ   ̄\
 「あー、うん。                                / ノ〈 |^^| /\ト、  ト、l
  ヒナや姉さんは父さんの指示で、母さんの実家に避難してた。   |/| .ハ|__ |/___ ヽ  ヽ
 メイドや執事も暇を与えてカーディナルから出してたらしいけど、    l/  |‐|   |―ヽ_|
  今日の時点でみんな戻ってたよ」                      |  ̄ c  ̄   6 l
                                        .   ヽ (____  ,-′
                                             ヽ ___ /ヽ
                                             / \∨/ l ^ヽ
                                             | |      |  |



         / ̄ ̄\
       /   ヽ_  \
       |    (⌒ )(⌒)
      . |     (__人__)      「ほらな、さすがエンジュ様だろ」
        |     ` ⌒´ノ
      .  |         }
      .  ヽ        }
         ヽ      ノ
      _,,,,ノ|、 ̄//// \、
  _,,..r''''"/ | \`'/  /  |  ̄`''ー-、
  /     /  |  /\  / /    / ヽ
 ノ |  > |/)::::/\/ \   ノ /}
 {   | {   | ,r":::ヽ /   /  / // ハ


211 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:56:12 ID:VkRf532r
九134.
良かったじゃないかと微笑む彼に人的被害は無かったけどさあ、と
状況が決して芳しくない事を続けた。



: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : |: : : : ヽ: : ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : :./\: : : : : ト、: : : : ト、: : /: :∨ :.l
: : : : : :∧: : /──{/、.  \ : : |.-\: : |ー∨、: : : : : |
: : : : :./ 1/     .i   l\:|   \|   |: : |\;!
: : ,、: :{           |-‐‐-|         .|:ヽi
: :{ ヽ'           !   |         ハ:_}
ハヽ ヽ_____,ノ   ヽ_______ノ }
ハ: :`-',  ! | |  ! !      ' ! |' | | 川/ ノ     「でもさぁ、金目の物まで片付けたものだから、
  〉: :.:∧   〃'ー──-----、    ,イ"´       襲撃に行った奴らが八つ当たりに暴れ回ったらしいんだよ。
   ̄  \  ヽ______丿  /
        >、         ,イ´           家屋の方がボロボロ、幸い燃え広がらなかったけど
 ,────、__` ,‐──┬'"´ __          火をかけられた所も何カ所かあったみたいで」
/        |   !     | ̄l ̄    `ヽ
.         |  ー──'  リ      }



                                         , ´  ̄ ̄ ` 、
                                        /        ヽ
                                          /    _,ノ_ `ヽ-、
                                      /   (√丶丶´v 〉
      「なんてこった………」                     ノ U   { )     j
                                    ,.イ 、    V     /
                                 _,/(:::ヽ.ヽ   {     r
                          _, 、 -― ''":::::::::::::\::::ヽヽ., __r  /⌒ヽニ‐-、
                         /::::::::゙:':、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V/..... ̄ '.,:::::
                        丿::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::( :::::::::::::::... '.,::: |
                       r ::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ ::::::::::::::::.. '.,::i
                      / ::::::::::::::::::::::: !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ ::::::::::::::::::. '.,
                      / ::::::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ ::::::::::::::::::::. '.,

212 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:57:12 ID:VkRf532r
九135.
金目の物を処分する際も急ぎだったので随分と買いたたかれたようだが
今更言っても仕方が無いし、
家族やメイド達に被害がないだけでも幸運だと思わなければならない。

エンジュが亡くなった分の補償金についてだが―――
家族への補償は今の時点で支払われる物の、
エンジュ自身の報償は他の騎士達と同じ、国庫が安定してからになる。



               /!
                 //
             /::l _,  - ア
            _ /:::::!「::::::::::::/─‐…ァ
      、___∠::::::〈:::::::|::::::::::::::::::::::::<´
       /::::::::::::::: 〉、::ヽ-..、::::::::::::::::::::\
      ∠ ァ¨´::::;:ィ::::;、ヽ::∧::\:::::::::::ト、::;;>
      /::::::::::/:::|::::{┴'┴l:!::::::}i::::::::::::::\
.     /::::::::::∧::下仁、 イル二ハ::::::::l:::::::::ヽ
     /::::;イ:::/;;:ハ:{廴__j「¨f廴__j}ハ::::::ト、::::::::',
    .厶イ/::/::{ (Y ` ̄´ } ` ̄´ Yヘ::::l/:\::::!    「建て直した方が早いんじゃ無いかって
       ⌒ヽヘ ト-‐ トLr┘ ー-1 /∧:: ハ:|     大工が見積もりを出してきてさ。
         Vヾ{ ',ト、 __ ィ1' };イ/ ∨  ′
         V:::ト、 }ヽ`二´ '{ /::/          国もやばいけどサクラダ家も
             ヽ:} ヽ . - 、 /|:/          没落の危機なのさ、ハハハハハ」
             /! iハ、___ イ i|\
         _/ {〈 l   {    ト、∧
     / ̄ |   ヽ._  ゝ    _!イ〉 「 ̄\
_  - ´ ̄ヽ  ト、   \二二二 / /    ` - 、_



騎士の名誉を回復する分、時期が遅れるのはどうしようもない事なのだが
今はその時間差がきついんだ、とジュンは言い、



                                                 ―― 、
                                              / 〉 ´      \
                                             / /'  __ ノ   ゝ.__ ヽ
                                          / //〉  ( ー) (ー )  l
                                           l  ´ イl   (___人___)  l
                           「うーん」 .        l    iYl    ` ⌒ ´   l
                                 .       /   ハ !.!          !
 (エンジュ様。                        .        /  /  ' ヽ           /
  このぐらいは手を貸しても良いでしょうか………?)        l   // 、ゝ       / ヽ_
                                       ´` ー‐ '`./  `ー、  ,-´  /   \
                                 .     i      ii   / `:.i   i´ヽ.  /     `  、
                                 .     , 'l     l.!  /   l   ! ハ /        \
                                     / ,:|     | ヽ/   !_'   V       ,  ,    ヽ
                                 .  / / l     |     /:.:.:.:ヽ       / /  /  i
                                 .  !/  !      l\.   i:.:.:.:.:.:.i      / /  /   l
                                   /        !  ヽ.  !:.:.:.:.:. !      ´   !  /     !



こめかみに手をやって考え込むやらない夫は、心の中だけでそっとエンジュに問いかける。


213 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:58:12 ID:VkRf532r
九136.
考えたって仕方が無いよ、姉さんが何とかするでしょと今度はジュンが話題を変えた。



                                       >'´ /   ∧    |    i| ヽ.      \
                                     /   /     /::::ヽ _,斗:.:.:.: :   |   !  :...   \
                                      〉       ::ー‐^´¨ |:.: : !:.:.. ト、  |   :.:.:... : :..`ー-、
                                        |   |  il  ::|       ! ::∧:. :.  ,=‐i   :.:.:.:.:...:.:.:..:.:./
                                       / .:.:.:.:|  i|   ::|       | / ,ィ|,.イ´__ ∧  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
                                   / :::/イl|  l|  ::|=、>ー=、 i′|:rレ弍¨ヽ ト :.:.:.:.:.:.:.:.:./
                                  ./::/  /   |  |´戈¨T |ト==、|| 弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
  「そうだ、話は変わるけど                 レ'゜   / /  iヾヽ! 辷_ソ」|   ヽ=====' マヽ.:.:r-‐'´
  シンジがどうなったか聞いたかい?」   rr‐、           レ' レ'〉 ! ヾニ=== ′〈           'ノ::;;;>
                           ト' |                  ̄ヾヌ、      `       ,/‐'´
                           |  |                 ̄ヽ       ー‐      /
                          ..ノ  l'⌒!                \           _, ィ´
                          ´ ノ^ヽ '、                  `¨ニt-  -‐' ト-┐
                            /`ヽ.ヽ、          _   /´iイ      |/ ヽ―-- 、__
                             ‐'´`ヽ. i、          /i  ゞ7″ | ′    /    |     `ヽ、
                          \   イ-'  ヽ       /  i  / ,ヘ |____,_/ |―、  |    /  ヽ.
                            ヽ.  ″    l     /-‐'´ | ./// ヽト-―/ニ,ノ  \|     /   \'、



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)     「いや?
  |     ` ⌒´ノ     そう言えばどうなったんだ?」
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <
   |     |
    |     |

215 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 22:59:12 ID:VkRf532r
九137.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   どうやら膝蹴りの当たり所が悪かったらしくて―――
   神殿に収容されてるけど、これからどうするか決めかねてるってさ。

┗──────────────────────────────────────────────┛



              _____
             /  ___  |     _         _
           /  /   / .|    ノ   ゝ       ノ   ゝ
           \/   /  /    /  ,/___   /  ,/___          _  ._
                /  /    /        l  /        l             |  | |  |
              /  /     /  / ̄l   | ̄ /  / ̄l   | ̄  ____   |  | |  |
              \/      l_ /  ,l  ,l′ l_ /  ,l  ,l′  |      |  |  | |  |
                           ,ノ  ,l'       ,ノ  ,l'     ̄ ̄ ̄ ̄   .|  | |  |
                          丿 丿      丿 丿                ̄   ̄
                         |_ノ       |_ノ                 □  □

                 ___...、
                 _,/:.:.:.:.:.:.:.ヽー‐ュ
               ,.イ:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.L.__
              j:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!
              /:.:.:.:/:.: /:.:.:.:.: /Vヘ:.:.:l.:.:.:ハ
          イ:.:.:.:.:.:.:.〈:.:.:./:./ `"´}:.:〉:.:.:.:ヘ
          く:.:.:.:./:./ノ):ハ:.)  /:.;ハ:.:.:.:トゝ
           ):.イ:.〈ハリ≧、(   ,)斗ト:.γ
          ノハ/こハ)≦゚≧)  ≦゚≧ハリ
               ∨(       、  /
              |ゝト   、エエエイ´ /     「でひゃひゃひゃひゃwww
            ノ从 ヽ   `""´/       オウフww」
              __|  >  イ
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218 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:00:16 ID:VkRf532r
九138.
神聖魔法をかければ戻るのかもしれないが、
死刑囚を癒すのも何だし、かと言って正気を失った者を処刑しても罰にならない。



          / ̄ ̄\
        / _ノ  ヽ、.\
          |  (●)(●) .|
        !  (__人__)  |    「あらお気の毒?」
          , っ  `⌒´   |
       / ミ)      /
      ./ ノゝ     /
      i レ'´      ヽ
      | |/|     | |



                                           /l
                                        Λ/ 〈 へ、
                                      ヘ|        ,>
                                    ∠  /   〉ヽ   ̄\
                                    / ノ〈 |^^| /\ト、  ト、l
          「正気を取り戻したら取り戻したで、     |/| .ハ|__ |/___ ヽ  ヽ
          すぐ処刑だしねぇ………」             l/  |‐|   |―ヽ_|
                                       |  ̄ c  ̄   6 l
                                   .   ヽ (____  ,-′
                                        ヽ ___ /ヽ
                                        / \∨/ l ^ヽ
                                        | |      |  |




222 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:01:12 ID:VkRf532r
九139.
その辺は検査官の聖騎士達に任せようよ、と自分達の手から離れている事を告げたジュンは
それで続きを配ろうと部屋から出て行き、



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_,,- -ィ::::::::::::::::::::/::::::::::i:::V::::::::::::>:::::::::::::::::: \:::::\
 /::::::::::::::::::::/::::::: : :|:::::V/ ̄ V:::::::::::::::::::::::\::::ヽ
/::::::ィ:::::::::::::::{:::::::::::::::i: | ̄     V::ト:::::::::::ハヽ;;::ゞ:::ヘ
:::/:::::::::::::::::::|::::::::::::::ハ:|        |::i \:::::::}:::::ト-;;::::ハ
/:::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::| リ───''  i:リ ニ彡:::iト、;ヽ \::i
:::::::::::::::::::::::::::::|::::::: :: |_,,,-===ヽ/ _||=__メ:| ||   ヾ
::::::::::::::::::::::::::::ハ:::::-::|>'' ̄=.ィ-  ||=||{t..:jア ||
::::::::::::::::::::::::::::i>\:: |||マハ廴ソ  ..川 ハ ̄ iノノ
:::::::::::::::::::::::r-、}''´ \||  ̄    //  ノ ` ̄ |´      「じゃあ、僕はマコトさんと言葉さんにも
::::/i:::::::::::::::| /ヽ    ヾ==─''´´      /       記章を渡してくるよ」
:/ |::;;::::::::::ヽ  >        `ー -  /
  レハ:::::/i::::::≧::-:、          /
     レ'  ̄ ̄ ̄Yi      ____./ _
     _...-:::'´ ̄ ̄`:-..、    |ー- ∧ }、_
    i: : : : : : : : : : : : : : : : `::-.┴..、: /: :}: :}: : : ヽ
   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : ヽ /::/: : : : ∧



         / ̄ ̄\
        /   _ノ  \
        |    (⌒ )(⌒)
        |     (__人__)
          |     ` ⌒´ノ      「おう。
        |         }       ありがとうな」
        ヽ     ヘミ|
        /,` 、` -`,--` ,
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ |
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
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見送ったやらない夫も手紙の続きに取りかかった。

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224 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:02:12 ID:VkRf532r
九140.
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なんだかんだで時刻は午後九時を回っている。

翡翠に出会さないように気をつけながら、着替えを持って部屋を出たやらない夫は
まだ挨拶の出来ていない一人を訪ねようと一階の浴場へ向かっていた。



                                         /| ̄:.:.:.;.
                                         /  .!  .::.:.
                                   __,_,/   |  :.:.:
     _ __ _ _ _ _ _ __ __ _ ____ _ _ __ _, _/:::!: `1      .!  .::.:
    .. .:'::;.: : ::: :;.: : ::.. .:'.. .: : ::: :.. .:'::;.: : ::: :;.: : ::.. .:' .. .: : |:l:':!  |     !  .::.:
    .. .:'::;.: : ::: :;.: :: ::: :;.: : ::.. .:' .. .: : :.. .:'.. .: : ::: :.. .:'::;.: , -―- 、        .::.
    ...: : ::.. .:'.. .: : ::: :.. .:'::;.: : ::: : .:'::;.: : ::: :;;.: : ::.. .:' .. /     \      .::.
    .. .:'::;.: : ::: :;.: : ::.. .:'.. .: : ::: :.. .:'::;.: : ::: :;.: : ::.. .:' ../  \_   |  「ガイさん………ミオさん?は居るかな?」
    . ::.. .:'::;.: : :::.. .:'::;.: : :::   || || ||   ': :    (●) (●)   |      ::.:.
     . ::.. .:'::;.: : :::.. .:'::;.: : :  || || ||   ': :    (_人__)    /    !  .::.
    . ::.. .:'::;.: : :::.. .:'::;.: : :::   || || ||   ': :    l`⌒´    /       ::.:.
    . ::.. .:'::;.: : :::.. .:'::;.: : :::   `‐幵.-'   :. ::. :   |      ヽ      .::.:
    ::.. .:'::;.: : ::: :;.: : ::.. .:'.. .: : ::: :;.::|:.|:.. .:'::;.:::.. .:'.   __!、____/  \      .::.
    . ::.. .:'::;.: : :::.. .:'::;.: : ::: :;.: : ::.|l ll|. .:'.. .:': : : : : :/、 ヽ     r 、 ヽ !  :.:.
   . ::.. .:'::;.: : :::.. .:'::;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:〈〈鬥〉〉;:;:;:;:;   ハ ヽ Y`l     |  >  Y
   . ::.. .:'::;.;;;;;;;;::;;;;;;i\    ;:;: ;:;:;:;:;: ;:::;:;    { ヽ_ゾノ     | レi i i} ;:.
   ;;;;;;;;;;;;;;;;|\__ _ \冫:;:       .     `¨´  ヽ    ハ  `''' ;;;;:.
  ;;;|\.   \i\_ \i\                 >   / ヘ
   \厂勹,. ,,\i\_ \l\              /  /ヽ  ヘ   ;.;.;.;;;.
     \l\_`: \|/;:,.;   \|\           _,/  / ご_ノ   ;.;.;;.;.:.
      \l\;.:   \|\_  \l\         ( ヽ /       ;;.;.;.;.;;
        \.l\___  :\l\__ \l\    .:.:.:.;.;.;.;.\__ノ        ;.;
         \l.\   \|\   \ ;;.;.;.;;.;.;.;.;;::.:.:..::.:.:.;.;.;.;;;;:.
           \ .\_   \:\   \.:.:.:.;.;.;.;.;;.;.;.;;.;.;.;;.;.;.;::.:.:..::.:.:.;.;.;.


226 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:03:12 ID:VkRf532r
九141.
階段を下りきり、一階の廊下を曲がった途端に
自分の姿を認めた彼女からの声が飛んでくるので、



           /::::::::/ _」ノ__」..L_く___〉__::::::::::\
           /:::::/ ̄ヽi´       \_ノ、::::::::::::\
        /:::::∠ ___」 ヒッ、       \)::::::::::::/
          /::::::::/:!,ハ;:::::::::::i`冖‐-`.、 \  }:::::::<
       /:::::::::;::::|し'::::::::::::l       ト、  ノく';::::::::::\
.      /:::::::::/::::::V::::::::::::::ハ.      | \_/ィァ::::::::::::::/
.    /:::::::::/:::::::::j:::::::::::::,.レへ _   、_/_/了{ ::::::::::/
.   /::::::::::::::!:::::::::/!::::::::::::; ∨_,{ /iヽ、   /\):::::::/    「ビップ殿!
 /::::::::::::::::::::|:::::::/|::::::::/   ` ー 、{/ハィ ':::::|::::::::::::|     もうお体は大丈夫なのですか!?」
イ::::::::::::::::::::::::::|::::/___|:::::::::{      `ヾ'/:::::: |:::::::::: |
 ̄ ̄{ ̄\./|:::!  |:::::::::ハ、-‐- .、   / ::::::: | :::::::: |
l   i |::::::::: \.!:::!   |::::::/  \  __>ノ :::::::::: |:::::::::::|
l   l|:::::::::::::::|:::|   |:::::|   /ハ___/ :::::::::::::::: |::::::::: |
l   l|:::::::::::::::|:::|\_|:::::|  / l \}\:::::::::::::::| ::::::: |
l   l|:::::::::::::::|:::|:::::::|:::::l/ヽ.ハ_/i /| } :::::::::: |::::::::::|
l   l|:::::::::::::::∨:::::::j/r''"く(   ){_/ ::::::::::::::|:::::::: |



あの日の誘いが遅くなって済みません、と手を挙げた彼は復調を伝えた。



                                   ,rn    / ̄ ̄\
                                  r「l l h. / ノ  ヽ  \
                                  | 、. !j | ( ●) (●) |
                                  ゝ .f, |   (__人__)  |
           「こんばんは。                   |  |  |  ` ⌒ ´   |
           心配かけました、もう大丈夫です」   ,」  L_ |        |
                                  ヾー‐'|  ヽ       /
                                  |   じ_,,ゝ     (,_
                                  \   ´ `ー-一´`ヽ
                                   \         , |
                                    │         |  l
                                    │        l_ |
                                    │        |' }
                                     \ ー─‐一ヾ/
                                      |    ij  ノ
                                       |   |.   |
                                      |    |   l
                                        i'  ,}  ,ノ
                                       l   | /
                                       |,_、|,/
                                       (゙  ))



228 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:04:12 ID:VkRf532r
九142.



.     /::::::::::;ー‐'′≧( ヒッ、\   ヽ`マ彡:::::>
    /:::::::::::::`:::――┤ヽ..二  \   ! ∨:∠_
.  /::::::::/ :::::::::::: !:::::|     `'r 、`7 ノ::::::/
/:::::::::,::'::::::::::::::::::::::`;、:! ト、__  {__l_ソアミ、/
::::::::::,:'::::::/ヽ、:::::::::::::i::ヽレ^Vl/lァ 、_, ハ:::::::\        「それは良かった!
\:,:'::::/    }:::::::::::::iヽ::\ ``'^ィ'/::::ヽ、:::::\       それで、早速お風呂に来て頂けたのですね!」
ヽ \:{ i    `:、::::::::::i._\::\ /´{::::::::::::\:::::::\
、 ヽ マハ     `:、::::::::`:、 ヽ:::ヾ__」:::::::::::\_\::::::::ヾ.フ!
`ヽ ヾ} ';     `:、::::::::::V^ヽ::::'; ':,::::::::::::::\ \::::::ヽ|
  `:、 `} \     `:、 :::::';___)'.:::、 ヽ:::::::::::::::::\ \:::::ヽ
   ;  `}.  \    / `、::::::';__`::\  \::::::::::::::i/`:、::`:、
   i  `}    \/⌒ヽ`、::::';   }:!ヾ、   \:::::::::!   `;::::::;
   |  |   /    __、:::';  リ  ヽ、/\:::!    j:::::::!
   |  | /    /    ヽ:;.       |    ,!::!   /::/
   |  |./   /        リ  厂⌒ヽ!  /::/   /



         / ̄ ̄\
       /   ヽ_  \
       |    (⌒ )(⌒)
      . |     (__人__)      「ええ、今から入っても大丈夫ですか?」
        |     ` ⌒´ノ      
      .  |         }
      .  ヽ        }
         ヽ      ノ
      _,,,,ノ|、 ̄//// \、
  _,,..r''''"/ | \`'/  /  |  ̄`''ー-、
  /     /  |  /\  / /    / ヽ
 ノ |  > |/)::::/\/ \   ノ /}
 {   | {   | ,r":::ヽ /   /  / // ハ


229 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:05:12 ID:VkRf532r
九143.



      く::::::::::::::::::::厂{-{..  -┴--- く`ヽ::\
          \::::::__,イ,. '"´          ∨{:::::::ヽ、
        r':::::} ノ´       / / } トく了 ̄\
        |::::::Vl  ――r'"  _¨二、,ノ―――イ
        |:::/ハマニ>、    /     }::::::::::::::::::|        「是非、ご利用ください!」
        |// 人/ ̄`:、 ̄!:.:.l    | ::::::::::::::: |
        /}>'"::::::、   ‐ '"´_   |:::::::::::::::::';\
         / ::::::: |::::::::ヽ.  rvハ/_}ノ⊥ン |:::::::::::::::::::':,:::\
.        /:::::::::;:::l:::::::::::::\ ー'´,..-‐    ハ:::::::::::::::::::,:::-― 、
       /:::::::::/::::|::::::::::::::::l `:、     / |::::r-r''"`ヽ.   \
     /:::::;イ::::::::l:::::::::::::::::i   、_... -‐' _.,!'"´|   ゙:::、   \
   /:::::/ :':::::::::,' :::::::::厂 ̄\    / ̄!.   |     ゙::::〉     \
.  /:::::/ /::::::::::;' ::::::::/    /  ̄ ̄ 「 ̄l   |     `ヾ`ヽ    |
  /:::::/ /:::::::::::;' :::::::/    /|   ,/| |  l            l
. /:::::/ /:::::::::::::' ::::::∧.   / .歹冖|. |  |   l              |
/:::::/ /:::/V ̄i ::: /:::::\_/ ,.イマ> {| ,}        ヽ        、
 ̄ ̄ ̄:/ /   |:::/:::::::::::::::::::厂又VV| {   \     ヽ        ヽ
::::::::::::::/ /   .|/::::::::::::::::/   |l  ̄|  \    \               ノ



いつ来られても大丈夫な様に毎日ぴかぴかに磨いておりました、と
拳を握りしめた彼女に急かされて脱衣場に入ったやらない夫は、


230 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:06:12 ID:VkRf532r
九144.
服を脱いで浴場に移ると、お湯を被って残りの予定を確認する。



                   ザーー
            カポーン


                / ̄ ̄ ̄\
          /     :::::::::.ヽ
          /    :::::::::::::::::::: 〉
          |    ::::::::::::::::::/    「えーっと。
          |     ::::::::::::::::::::l     あとは真紅に会って………
          |   ::::::::::::::::::/      サクラダ家へは明日の朝寄ればいいか」
           \__  :::::::::く
.            ,イ   :::::::::ヽ
           / `   :::::::::::}
            ,' :::j  .:::::::::/
         ,-´ :::ノ  .:::::::::{
       (,. - ―.i_   ::::::::::i
          /      ::::::::::: }                f´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ
.        l,. ----ゝ.ー―一´ー--.._         |  ビップ殿。
     _ _」.   `l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄!        乂______ ノ
    {._  |    | 厂 ̄ ̄l ̄ ̄| |
.     `¨゙l____」__j    ∟..___|__j



と、ガイの声が脱衣場から届いてきたのでそちらを振り返った瞬間だった。



                / ̄ ̄\
              /   _ノ  \
              |   ( ●)(●)
             . |    (__人__)    「はい?」
               |     ` ⌒´ノ
             .  |         }
             .  ヽ        }
                ヽ     ノ
                .>    <
                |     |
                 |     |



235 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:07:12 ID:VkRf532r
九145.
突如脱衣所へ続く扉が開き、変身を解いたミオが顔を覗かせて
とんでもない事を言うではないか。



       ガラッ

        | |
        | |
        | |   r―.、イ ̄`ヽ__
        | | ̄'i  人   V  ヽ_
        | |, ―――――― 、 ,  ヽ
        | |; .:´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄X´ /、
        | |:::::::::::/::::::::::/::::i::i:::::::::ヽ´ ̄l
        | |:: :: ::,' :: :://:/l::l:: :: i:::∧. /
        | | :::::::|::::::::| '/  j::|:::: ::| ::::ム'
        | |::::::/|::::::::|.||  l::|::::i::j:::::i::ハ
        | |―' .!,―' .lj  j/!:::j/!::::|:::::|
        | |了卞、      '‐'//::::l::i:::|    「お背中、流しましょうか?」
        | |弋ン     行下'フ‐':::|:::|
        | |、 ̄ 、\\\、ー' /:::::::::|:::j
        | |ヽ     '     /:::::i、::|∨
        ||ヾヽ   ー -   ,<:i:/l:j V
       r、!| ヽ ヽ>、__,-<´ : |'  \
       | ヽ! | }―、/   | :: ::|   イ
.       ヽ ヽ  ハ.ハ ./l:: ::::|-、  .|
        |ヽ `   .|  Y ./:::i::::|   /
        | }    .|.  | ./l::::|::::|‐、 〈
        | {    .|┐/::' ::l:::/  /
        | |`  イ .}':::::::::::::://ー´
        | |― ´  ヽ:: :::::::/. }
        | |、.      \ :/. /



    __
   /ノ ヽ\
 /.(○)(○)\
 |. u. (__人__) |    「え、何!?」
. |        |
  |        |
.  ヽ      ノ
   ヽ     /
   /    ヽ
   |     |
    |    .   |


242 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:08:12 ID:VkRf532r
九146.



        | |
        | |
        | |   r―.、イ ̄`ヽ__
        | | ̄'i  人   V  ヽ_
        | |, ―――――― 、 ,  ヽ
        | |; .:´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄X´ /、
        | |:::::::::::/::::::::::/::::i::i:::::::::ヽ´ ̄l
        | |:: :: ::,' :: :://:/l::l:: :: i:::∧. /
        | | :::::::|::::::::| '/  j::|:::: ::| ::::ム'
        | |::::::/|::::::::|.||  l::|::::i::j:::::i::ハ
        | |―' .!,―' .lj  j/!:::j/!::::|:::::|
        | |了卞、      '‐'//::::l::i:::|
        | |弋ン     行下'フ‐':::|:::|    「噂に聞いたのですが、
        | |、 ̄ 、\\\、ー' /:::::::::|:::j     ミツカミの方にはサンスケと言う
        | |ヽ     '     /:::::i、::|∨    流しを行う風呂番が居るとか………」
        ||ヾヽ   ー -   ,<:i:/l:j V
       r、!| ヽ ヽ>、__,-<´ : |'  \     (うっわ、凄い筋肉………)
       | ヽ! | }―、/   | :: ::|   イ
.       ヽ ヽ  ハ.ハ ./l:: ::::|-、  .|   ジー
        |ヽ `   .|  Y ./:::i::::|   /
        | }    .|.  | ./l::::|::::|‐、 〈
        | {    .|┐/::' ::l:::/  /
        | |`  イ .}':::::::::::::://ー´
        | |― ´  ヽ:: :::::::/. }
        | |、.      \ :/. /



サンスケがどのような事をするのかは詳しく分からなかったが、
きっとビップ殿なら知っているに違いない、手取り足取りやり方を教えてくれるに違いない。

そう思っていた彼女は特に深くは考えず、単純に風呂護衛の延長のつもりで言ったのだが、



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ○)(○)
. |  U  (__人__)      「たしかに聞いた事あるけど!
  |     |r┬-|       俺は結構ですから!
.  | ι   `ー'´}
.  ヽ     u  }       早くそこを閉めてください!」
   ヽ     ノ
   /    く   
   |     \    
    |    |ヽ、二⌒) 



彼はそんな期待に満ちた視線を向けられても困る、出て行ってくれと言った。


244 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:09:14 ID:VkRf532r
九147.



                    (⌒ヽ/⌒`\_
              、__/⌒/`ヽ\/ヽ__l/l⌒i_、
            (⌒ヽー´≡≡≡≡≡≡≡≡ヽ/ ′)
         /`l⌒≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡/´⌒)
        (´/≡≡(⌒\l⌒::::::::::::(_/::::(__l/l≡≡≡\l⌒)
        (/≡/\l/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(_/ヽ≡≡≡ヽ`)
     (⌒i`/ヽl/⌒::::::::::::::::/ l::::::::::::::::::::::::::::::::::(_i≡≡≡ー、ヽ
      \)/::::::::::::::::::::::/::::'   ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(_ヽ≡≡l_):
    _/ヽl::::::::::::::::::::::::::::'i::::'   l::l::::::::::::::::::::::::::::::::(__)≡≡_):::l
    (_∠_/::::::::::::::::::::::::::/ l::'   _ l:ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(_/≡::::::::i
      /::::::::::::::::::::::::::l_ノ'   ヽーヽ::::::、::::::::::::::::::::::::::::::::l=l:::::i
     /::::::::::::::::::::':::::/´ l      \\:::::::::: 八:::::::::::::::::::::l=l:::::l
     ':::::::::::::::::::::::::::/   '         \::::::::l\::::::::::::::::::::∥:::::i
    i::::::::::::::::::::::::i __ 、       、ー==ミ=ヽ l::::::::::::::::_:::::∥::::i
    l :::::::::::::::::::ー 巛示(_)ミ、      广示( ) ≫i:::::::::::::l ヽ∥::::l
     、:::::::::::::::::::ヽ ヽ弋::::::ソ      ´弋::::::り l::::::::::::::lα l::::ミミ   「残念です………」
     l::::::::::::::::::::::、  匕ラ         ヒZソ  /::::::::::::::::レ:::::::::::i゙
      レ:::::::::::::::::`                /_::::::::::::::::::::::::::::l
       〃l:::::::::::::l """"  `    """"""   i:::::::::::::::::::::::::::::::、 グスン
      〃 /::::::::::::::::                 i::::::::::::::::::::::::::::::::::、
     〃  l:::::::::::::::::::\     `ーヽ      '  i::::::::::::::::::::::::::::::::::::`
    〃  i::::::::::::::::::::::::::  、          '   i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
   巛   l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`  、  /   /≡l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   巛<  i::::::::::::::::::::::::::::::::/≡≡≡l__ i\/≡≡i::::::::::::::::::lヽー::::::::::::::::::::::::::ヽ
    ∨  l::::::::::::::::::::::::::::::'≡≡≡≡≡≡≡≡≡ i:::::::::::::::::::i≡≡\::::::::::::::::::::::`
       l::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ≡≡≡≡≡≡≡≡l::::::::::::::::::::i≡≡≡ヽ::::::::::::::::::::::ヽ



                    |\     /\     / |   //  /
                  _|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
                  \                     /
                  ∠  良いから早く閉めてくれぇ!  >
                  /_                 _ \
                   ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄
                    //   |/     \/     \|



248 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:10:12 ID:VkRf532r
九148.
お役目に忠実すぎるのも考え物である。

心底残念そうだった表情を思い出すだけで疲れるやらない夫は
深い深いため息を吐くと、さっさと身体を洗って風呂場を後にしたのだった。



                ザー

                / ̄ ̄ ̄\
          /     :::::::::.ヽ
          /    :::::::::::::::::::: 〉
          |    ::::::::::::::::::/
          |   u ::::::::::::::::::::l    (何で風呂に入って
          |   ::::::::::::::::::/     こんなに疲れてるんだ、俺―――)
           \__  :::::::::く
.            ,イ   :::::::::ヽ ハァ…
           / `   :::::::::::}
            ,' :::j  .:::::::::/
         ,-´ :::ノ  .:::::::::{
       (,. - ―.i_   ::::::::::i
          /      ::::::::::: }
.        l,. ----ゝ.ー―一´ー--.._
     _ _」.   `l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄!
    {._  |    | 厂 ̄ ̄l ̄ ̄| |
.     `¨゙l____」__j    ∟..___|__j



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252 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:11:13 ID:VkRf532r
九149.
━━━━━━━━━━……
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時刻は二十二時を回った辺り。

今日の業務を全て終え、風呂から上がったばかりの真紅は自室に居た。
すでに侍女達は自分の部屋に戻っており、ここには一人しかいない。

何となく眠る気になれず、お気に入りの場所―――窓際に置いたベンチ―――に座って
町の明かりを見つめていたのだが、



                、... .... ...... .... ..... .... .. ... ,        , .. .. .. .. .. ... ...、. . . . .、_
                _)::::.::::.:::.::::.::::.::::.::::.::./ /     /:::.::.:::.::.::.:::.:::.::.:::.ヽ、: : : `
              .  |::::.::::.:::::::.:::::.::.:::.::::/  /      、'、::.::.:::.:::.:::.::::.:::.::::.::::.`、: : :
                廴::::.:::.::.:::::.::.:::/   /         i `‐-‐、::.::.::.::.::::.::.::.::.:.', : : :
              .   _)::::.:::::.::::::/     i     i   |     〉:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::!: : :
                 L_::::::.:::::.::/     |   ,' |   |    {::.::::::.::::.:::.:::::.:::::} : : :
                    ̄l:::::::i    l |    i  |   !   ,ィト、:::::::::::::::::::::::::::|: : :
                    \_| i     l | __i _」 l|  ノ_,ィ´/ ! メ -‐'j:::::::::::::::j,ェ、
                        | |    lX´ i\l  レ'  ´ 'r===ュ  (::::::::::::::::ハ{{
    「あふ………」            | |i     i ≠ ̄`               ト、::::::::::代`
                       | l|   :l      '_            |l| 〈::::}: : :
              .        ヽ!ヽ、 :l|     _/ ト、_         ! ハ  〉,': : :
              .            \|l   // / |、\         l i | |: : : :
                              ::lゝノ / / / ! l       // | |: : : :
                           y'/  ´ ´ / / ,'      .// ./| |: ;/
                          //         /- ´      .///_.| |_:::::::
                          lノ       ,'_  _ ,.  ィ//: ̄ : | |:|-;:::
                     _____{!       l,>― _ l´://: : : : ::| |:|. L
                   ∠_     |          l: : : : :メ!、//: : : : : :.| |:|::::::ヽ
                  /    \  l         l: : : ム杯f//: : : : : : / /: :\:::

                                                  コンコン>


253 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:12:12 ID:VkRf532r
九150.
大あくびをした瞬間に廊下側の扉がノックされたので、戸惑って声を返すと、



                /      _ .. - 、--──- 、    \
              '     , '"           ゙ヽ     L
             ,′   /                \   ノ
           _ l   j//  /       丶        ヽ /
        ___  (._  |  ノ ,   '  ,         '         ' ヽ  ,
     ___/r_- '  ̄  イ (__/ /  /          |  i 、      V  て_
   r :::__:::: {    /:!   ヽ    ,'  │!.    │ !   V      ',    そ
   |:::|  イ^て  イ::::!   ノ .!  l.  │!     ハ  !   l  !  ハ !    (
   L/イ  「    |:::::!   (_ | l ハ   | | |!   l | |  ノ| !   ! | |
  .   /!  ハ____. |:::::!    ヽVハ__ヽ__Nヽ|!  l/ j ,.ィl‐j 'T リ イ レ
    /::!   l    ヽヽ:::ヽ  ノヘ´ x=jミ 、 `ヾノ' j//=ミ、レイ|
    !:::!  !   (  ヽ,=:Vハ ヽ {{ んハ `     んハ }},l | ヽ
    ゝ!   !    ー-..{@jil!| !  弋:゚ソ     , 弋:゚ソ .ハ ハ. |    「はい!?
      |  !         ´ゞィ'!| |                  / | | ヽ    誰ですか!」
      |  !       `ナ'| ト、       ⊂つ   ∠_.l  !  \
.      ,|  ::!         /'  l  !_>-_、, ―-、     /⌒Y ,′   lヽ
    /│ ::::!         /   l  ! ' ´ : : : : : : .ヽ-<: : : : :V ハ.    | !    f´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ
  . /:/  :::::!      /   ,l  !: : : : : : :__ {ゞン}─ - 、:.| ! ノ  / '    |  俺だ、やらない夫だ。         |
   / l ::::i      /    /! i!: : : : /: : : : . Y´: : : : : :L_.! / /     乂______________ ノ
  :/.  | ::::!       \ ,.'   ! i!:__:/: : : : : : :.:.| : : : : : ::_.ゝ-─── ァ
  '   | ::::l       ゝ ノ ノ: イ: : : : : : : : :ノiヽ: : : : : ゝ_.. -─r─/



声の主はやらない夫だったようだ。

254 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:13:12 ID:VkRf532r
九151.
確か今夜の王族警護は彼の番ではなかったはず。
こんな時間に訪ねてきた事も合わせて、本当に驚いた王女が緊急の事かと入室を許可すると、



.:.:.:.:.:.:.:.:.//:.:.:.;ノ               \
.:.:.:.:.:.:. / /:.:.:./  /   ,     `、        ヽ
.:.:.:.:.:.:/ /:.:.:.く /  |    | l     ヽ     、 ヽ、
:.:.:.:.ノ /:.:.:.:.:.∥  |l l  | l    `、`ヽ    l ヽト、
:.:.:.:{  !:.:.:.::.:;ハ  |l |l  ! |  \   ヽ、\  l|  l| |
::.:.: l  |:::.:.:.::) ト、|ト、|l  } ト、ヽ ヽ、 | l|ヽ ヽ |ヽ l|ノ
::..::.:l  |:.:.:爪,斗七|廾ト-|‐1ヽ }`ヽム-l¬ ∧ノ/ }リ
ヽ.:.:ヽ. ヽ::.}| l ハ/,ィ´うハVl/|   リ ん:::ハ. l |
  ):.:rへ_}|/ l| {l い:::j.      い:::ノ ハ
  ヽ、!{レ' ///   ゞ-'′      ` ´ ∧ |            「や、やらない夫?
   ///人 U ゙゙゙゙゙     '  ゙゙゙゙ 八l |             どうしたの、こんな夜更けに。
 // /_>ト、_r个、.   ⊂⊃_/| ヽ\
// / /: /::..::..::{::..:ヽ.  ´ ./::..l`'┴:-:ヘ \          とにかく入って」
´ /   _工l::..::..::..::..ヾ::..::トァ=く::..::..:l::..::..::..::..::}ヽ、\
ノ   / : : {::..::..::..::..::..:∨{リ廻lト、::.l::..::..::..::./  ヽ、ヾーr- 、
  /: : : : : `ヽ、::..:;:-'´丁ヾニシ::..`T:ー::-:r'′     `l /  ∧
. /: : : : : : : : : : /´::..::..::.l!::..:| |::..::../::..::..::.\       レ' | / /



入ってきた彼は別に緊急の事じゃないんだけど、と前置きをして頬をかく。



                                    / ̄ ̄\
                                  / _ノ  ヽ、.\
                                    |  (●)(●) .|
         「風呂行ったり色々やってたら        !  (__人__)  |
         こんな時間になっちまった。           , っ  `⌒´   |
                                 / ミ)      /
         疲れてるだろうに、悪いな」       ./ ノゝ     /
                                i レ'´      ヽ
                                | |/|     | |



256 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:14:14 ID:VkRf532r
九152.
ならば単純に雑談にでも来てくれたのだろうか。
それだったら嬉しいな、と頬を染めた真紅は起きていたから大丈夫と言った。



                                _. イ⌒ヽ_ノ ⌒し '⌒i
                            , 、_ノ⌒)´           し'⌒i
                   ,. - ─ァ⌒                    _ ィ
                  /    /:::::::::::::::::::::::::::::.......            )
                . '’     /───  - <::::::::::.          (_
       、      . ィ’       _)            ` . :::::::.          `ヽ
     / \   /:::::|      ( ´                ` .::::::::         ノ
     )   ヽイ : : :::::|/__     ノ                \::::::::.      (´
    (  ヽ.  │.::::::::::|   (´  '  ,  ′ i!              \::::::::::.     `7
      )   \.|.::::::::::::|    7 / / /   i!         、    ヽ::::::.     )
     '       |:::::::::::::|  (⌒' /  ' /     i!          \     V::::..   ノ
    ( _     |:::::::::::│  ) / i  i !     i! !         、    i:::::::...ノ
     イ::「 )    V.::  |  「 .'  i  i !/i    ヾ |             !ヽ  |::::::..ノ
  /  !::|(__    ヽ::.. r‐v7/  ∧ !l斗十 |│ \!   !   !    ′i  |::::::::)
 .'     !::|ゝ==)     rfぅjV  ハ)/7从 、| |│ /:||\ i   イ  /  .′ !::::\
   丶 !::| \ ゝ-.. ゝ少ノ ,'  |'   _   ,乂::ノ / 、ヽ. /   .'  /  ,人::::ゞ\
〈     \:|  ヽ ヽ ` ーヘ  /  |ァ==ミ   /レ')/ゝ/) イ .:/  イ:| |:|⌒)::::)
 ヽ   ヾ: 、  〉、 \  V   |             r=ミ、 / ! .′/ ! | __ノ '/
   \   |:|\ !:::|   ヾ |   ハ ////          `/レ' レイイ  | 「! (:/    「ううん、気にしないで。
    ヽ. |:|   |:::| r.. ―┤  |  '.        ′ ///∧i|     |:  |/ !       ちょっと、戴冠式の事を考えて緊張してたし………」
        |:|   |:::ト<:.   │  ト i!     ` ー     イ ヾ |     |:  ∧\
        |:|   |:::| \  人   \:ト、        . <__j!   \   | /  '. \
        |:|   |:::|    Y'  \  \ > -<´:::::::::::: i!ー-, \ ! .'   ! )::)
        レ′Y::/     | ヽ.  \  \tfうj} :::::::::::; /   /     /     | /::/
          │!    ム-‐─‐-ゝ   ):少 :::::::::; /   /ヽ.  , '  )  '/::/



              ̄ ̄   、
         ´          \
.       /              \
      /                   ヽ
       i                 丶
       l       /  ̄           丶
       |  __           ヽ        丶      「………大丈夫さ。
       ヽ/         i イ`丶 l         丶      君はきっと、良い女王になれるよ」
        ヽ     ヽ ゝ _            ',
       丶i イ`丶 l    `ヽ             ヽ
         ゝ  , ヽ _  丿            \‐、-..、
         ヽ  ゝ ノ , ‐ ´              ソ:.:.:.:\
          ヽ  ´                '    /:.:.:.:.:.:/\
           \            /   /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヽ、
             \          /  /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
               ヽ         /  /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
                  ヽ __  ィ   /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:


259 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:15:12 ID:VkRf532r
九153.



                             ,-''´:: :: ::/;;;;;;;;;;;;;ヽ
                          , -''´:: r''''''´´:::::::::::::::::::::::::',
                        /:: :: :: :/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
                       /:: :: :: :: ::{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,'
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                  _/´:: :: :: :: :: :: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
                 イ:: :: :: :: :: :: イ''´ ̄`''ー- 、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::\
              /: : :i:: :: :: :: :: ::/        ヽ、:::::::::::::::::::::::::::|
             /: : : : :|:: :: :: :: ::/           \:::::::::::::::::::ノ
            i: : : : : : :l:: :: :: :: <              \::::::::::/
          /::|: : : : : : |:: :: :: :: ゝ   i    ',    i    ヽ:::::ノ
         /:: :: :|: : : : : ::|:: :: :: :ノ i  |    .|    |     V
       {´:: :: :: :: :|: : : : : :|:: ::::il´  |   |    .|    |     ',
       廴:: :: /:: i: : : : : i:: :::ノ  ̄ ナ.十|、 ハ .i  ,'  /.   |   i
        >┐:: :: :∧: : : : |::::ソ .z≠ア≧ミ llヘ    /     | ィ .|
     ┌=ィ∧:: :: :: ∧:_:_:_:|ノi7 マん:::::}  { ヘ   =ニニ'、 /i / .|
       >彡/ハ`ー、::::Xrtjヘ} ト   辷zソ    ヘ/ アテト.// } ハ/      「頑張るわ!
      ゞ//  ', i  廴_t及ン::| ',           ん:://ハ┌/ン        やらない夫と約束したものね、
     ,.:^ < __'i i..-―‐-.... _ ` ヘ           ' .マ' / i i \´        国民をみんな笑顔にするって!」
-――≦―::、::\:::::::::::::::::::::::::ヾヽヘ .|_、   「   .ァ     /. l lヘ \
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、:::::::::::::::::ヽヽ) ヽ.\  ` ´    イV弌 i \ .\
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::∨i `,;;`ヽ>  ‐<   | V ヽ、l.  ヾ \
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::/;;}  i;;;;;;;ヘ    /ヽ, -―--i ヘ.  \ \ \
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{;ノ  ノ;;;;;;;;;;ヾヘ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト、 ヽ`v、ヽ  /ソ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  -'''-‐;;;;;`,Vハカ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〈 ヽ}V ) ).//
:::::::::::::::::::::::::::_ -――-、:::::::::/  :::{;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;iンィソ,,,,,,、;;;;;;;;;;〈――‐┐ノ/
.――  ̄ ̄         Ⅶ::{  :::::ヘ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/\;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;};;;;;;;;;;;;;;l <
 ∨            Ⅷ\ <ー- 、_;;;;/;;;;;;;;;\;;;;;;;;;ヽ;;;/`>;;;;;;;;;l  r-‐、     /〉
  ∨            Ⅷ:ヘ: ̄工>_/;;;;;;;;;;;;/;7ヾヽ、∨;;/;;};;;;;/,...:::^:::...´ ユ_r― ' /
  ∨            Ⅶ::ヘ::::::://__;;;;_/:ヽ/__,イ_..イ\/'::::::::::::::::::\ `」  {
   \            Ⅵ::ヘ:::ン::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}:::::::l::::::::::`ヽ、:::::::::::::::::ヘ_´_}_ニ⊃
     \              Ⅵ::ヘ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l (
      \           ∨:::ヘ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{:::::::〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::_」、_ノ


彼女は分かっていた。

やらない夫がどれ程までに『約束』と言う言葉に真っ直ぐで、誠実で、
それを成そうと努力するかを。

時には一つの約束の為に戦う事も、傷つく事も厭わない。
その様な彼と交わした約束である、
絶対に違えるわけにはいかないと真紅には分かっているのだ。

261 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:16:12 ID:VkRf532r
九154.



         / ̄ ̄\
       /   ヽ_  \
       |    (⌒ )(⌒)
      . |     (__人__)          「………そんな、肩に力を入れなくても良いだろ。
        |     ` ⌒´ノ          君の思うとおりにすれば、みんながついてくるさ」
      .  |         }
      .  ヽ        }
         ヽ      ノ
      _,,,,ノ|、 ̄//// \、
  _,,..r''''"/ | \`'/  /  |  ̄`''ー-、
  /     /  |  /\  / /    / ヽ
 ノ |  > |/)::::/\/ \   ノ /}
 {   | {   | ,r":::ヽ /   /  / // ハ



理由は分からないが、やらない夫の表情と話し方に小さな違和感を覚えた真紅は
窓際を離れると、入り口に立つ彼の前に行って顔を覗き込んだ。



                                       )::::::::::::::::::::,  ´    )::::::::::::::===彡::::::テ
                                       (::::::::::::::::://    ヽ:::_:::::::::::::::::i  l::::l:::::ハ二))
                                          >.:::::::,.'  ′    |   ):::::::::::::::l  i:::i:::::(、二))
                                        て::::/   ll  l |  !|   {::::::::::::::::|  l::i:::::::::ハ〈
                                        しl |  l |  | | _!H‐'フ|/て::::::::::彡ミ::::::::(  !l
                      「どうしたの?           l l  l _L | |ノ  rT´㍉ | (::::::::ミ彡::::::ィ  l|l
                       何だか………変よ?」      ll ヽ ´ rr、    ヽ__ソ | l! {::l l::::;:::) |  リ
                                               ハ v)       l l | リ /:://   |  |
                                             ,' ハ 丶      リ ,| |//´  | |
                                             |  〉 、 `    lレ' | h、     |  |
                                             l / ||  > - ィ 〃 | | l7      |  |
                                            ノ'  |r j / rr、 〃  | | 〈 \    |  |
                                           /'   ノl j/ ㍉ト(  ノ l (   \  |  |
                                           ヽヽ/ヽ j!    > ´ / /     ハ |  |



264 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:17:12 ID:VkRf532r
九155.
感づかれた彼はそんな事は無いと否定して話題を変えた。
元々、その石についての説明も予定に入っていたのだ。



                ̄   、
            ´        \
     /              ヽ
      /                ノヾ
    '            ー ´  ヽ
    l              / .,.....、ヽ
.   l              l {::::::} l       「そんな事、無いよ。
.    l              冫.ー く
   l               l    ノ!       そう言えばその首飾り………
   l               `ー‐ f r'       まだ付けてるんだな」
   l                  ノ'
   !                     /
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



                               _〕       //    〔      \ー‐rイ  く ―┐
                               {      / /     l \_     l:::::::l    |二二1
                                つ   /  ,    l  |   ]     l:::::::l   イ〔V  | |
   「だって………」                   └‐t  /   l    | l  |  l {      l:::::::|     | ∨/
                                  L. l !  |    l| N  l_廴 ィ   ,ィヱヘ   匸. | l
   (あなたからの御守りだなんて、凄く)          | l  l l | N ナマ彡ャ‥Y|_ 〈ヘ{そリ   | l |
                                     !l  トl,イ、.| jノ  代_ノ 八 L. ト-r'  r イ !| ヽ
   「嬉しかったから………                   l|ヽ ヽi代ハ    xwxwx | イ |/::::/ _ノ | l !ヽ|
                                        lixwx 、     U l |l  !:::/ //  .| !.|
   そうだ、聞きそびれてたけれど、                  l l          .l l |  !//    ! l .|
   この宝石は何?                           | ヽ、 ′`   _//イ  |´       .| l |
                                       / /| ` 、  r'´ // ̄| lフ      l l .!
   不思議な力を持っている事、                   //| l / ̄, ィ、 //:::::::l |ーt.      l| !
   知っていて私に渡してくれたのでしょう?」            //r'´ ̄:::::::::::{rケソ//::::::::/ /}  \   l | |
                                     /´ l:::::::::::::/:トこソ{ {:::::::/ }::|    ヽ. l/  !
                                     ヽ| /\:::::::::::::/:::::::>'´ ̄/::j |    l |  |




赤いドレスの上で燦然と輝く、透き通った青い宝石を見下ろす王女。

あの日、自分達を魔法から護って力を使い果たした石は
光を失ったはずだったのだが―――

267 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:18:13 ID:VkRf532r
九156.
日が経つにつれて、再び輝きを取り戻していたのだ。



              │_/l′
               !l'
               ├ *
             ,r'´:::::`ヽ    |
         _j|_:::::::::::::::::::__j|__
          ̄|! ̄::::::::十:::::::::| ̄|「 ̄
           |::::::::::::::::::::::::::::|  |!
        __j!__::::::::::::::::::ノ  |
           ̄|! ̄、_____/_j|_
                   ̄|! ̄   キラキラキラ…



ロイはその首飾りについてある程度の推測は得ていたものの
手がかりが無い事、確信ではない事から特に真紅に伝える事はしていなかった。


269 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:19:12 ID:VkRf532r
九157.



      / ̄ ̄\
      _ノ  ヽ、  \   ,.:┐
    .( ●)( ●)  ..| / |          ドラゴン・ハート
    (__人__)     .|./   /   「ああ、それは竜魂石と呼ばれる
     i⌒ ´ .r-、  |/  /    宝石の一つだよ」
     {     ヽ, ',. .,/ :/',
     .ヽ   .|  l_/_, -‐、',
      .ヽ . |   / , --'i|
      /   {  V , --ヘ
      |   ヽ  L| r= |



     / \   /:::::|      ( ´z十 ― -                、    ヽ::::::.     )
     )   ヽイ : : :::::|/__     ノ .i !                     \     V::::..   ノ
    ( _     |:::::::::::│  ) / i  i !    i! !   | │           、  i:::::::...ノ
     イ::「 )    V.::  |  「 .' i : Z≠=乏ヘヽX | / .| | 、   「 `ヽ  /   !ヽ |::::::..ノ
  /  !::|(__    ヽ::.. r‐v7/ ∧ヾ{  //::::て }ヤ.乂::ノ / 'ヽ / /  ∨  ′i  |::::::::)
 .'     !::|ゝ==)     rfぅjV ハ)     { {:::::::::7∧./レ'  .r‐十 、  / }: ://  .′.!::::\
    丶!::| \ ゝ-.. ゝ少ノ ,'  |    ヽ辷少        Z/,.へヾ /   .'  /  ,人::::ゞ\
〈     \:|  ヽ ヽ`ーヘ  /.. .│  \\i \i ヽ        /::: し少 イ  /  イ:| |:|⌒)::::)    ドラゴン・ハート
 ヽ   ヾ: 、  〉、 \  V   |                  i{:::::::ソ / ! .′/ ! | __ノ '/   「ド、竜魂石!?これが!?」
   \   |:|\ !:::|   ヾ |  ハ  U            以-  /レ' レイイ  | 「! (:/
    ヽ. |:|   |:::| r.. ―┤  | '.    , ‐ .、_.    ' i\i ヽイ i|     |:  |/ !
        |:|   |:::ト<:.   │  |  i!  /    `ヽ-、       /.ム .|     |:  ∧\
        |:|   |:::| \  人   \:|  i      ∨     /j!  \   .| /  '. \
        |:|   |:::|    Y'  \  \、廴    ノ    ,イ   i!    \ ! .'   ! )::)
        レ′Y::/     | ヽ.  \  \    _´ 彡'´  ̄ ̄ ̄`ヽ     ./     | /::/
          │!    ム-‐─‐-ゝ   ) ー: : : /            ',:  , '  )  '/::/



だから、宝石を指さしたやらない夫の説明に真紅が驚いたのも無理はない。

この世界でもっとも重宝され、希少価値の高い魔法宝石である至光石や星辰玉よりも、
更に更に数少ない、伝説中の伝説の名が竜魂石であるのだから。


272 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:20:12 ID:VkRf532r
九158.
┏──────────────────────────────────────────────┓
    ブルー・ドラゴン・ハート
   それは青竜魂石。
   認めた持ち手を一定時間、敵性魔法の全てから護る力を持つんだ。

   ただ一度その効果を顕すと、力を溜めるのに数日かかるけどな。

┗──────────────────────────────────────────────┛


                                     ┌───────────────────┐
                                     │【種族名】                     ...│
                                     │ブルー・ドラゴン(神竜系 普通種 青竜)   │
   _,..-x.________ _ _                          │                          ......│
  /'´`ー‐t=====―---==ニニ―、,,,_             │【怪物辞典より抜粋】              ....│
        〈               `'''''''ー-ニ 、           │霊的属性:中立                   .│
      く._                    >x` 、     │属性:氷                      ..│
      ,x'´ __,,,,,,====―――====----===、、、、`>x` 、 ....└───────────────────┘
  r=二ニXニ三ー―''''' ̄ ̄ ̄二二二ニ三三三三三三≧=≧、 、  ,=、 _
  ’   く    _,,,.. '_ニニ二´=''''''二ニ三三======三三≡ `=' >ニ、〕
      5_,.=_ニx ''' ´   _>'´x<´´´ _,,,,=――ニニ==='''''''''''´  リ
    ,..‐'_ィ=''´     _>'´x<   ,=―'´,,=-―'''Z ̄ ::::::,'   `ヾ>`__ヾ 、 、_           __
   ,'´ノ´ )    _>'´x<   ,ィ’--<____  7 ::::....、   =三{{{{{{ Σ`x_`''-=XXx、_,/!,-'./
  ('´  ‘Zxz>'x≦´   //ィ ~`ー 、_三ーニ'''ー--y<~`≦´/XX._三,,,,ニ=、,’ t_、ヾ~´./
       r’j´^  ._]   '´ / }      `―-`==ヲ / `、 .ミ`、XX`ーxー-'.  `'=、_ ゙Y
       { ノ    5 ,z  r、_x''''v'ニ`'''y     / {  ゙,  _}_,《《》'´ `、_  _   `'ヾ=
      ('´     V´Y=''´  ,=''´   、'〈({ (Y.Y´, !   x ,.} λ、》   `='´ 'ー'´} /
               _r-'~´ ` 、   Y     '   V´メイ∧   Ⅵ           'リ’
           _,=≦´、`、,'    `.、 i ◇◇◇◇< y‐《y'‐∧  .j
          r-ト、,,,,二ニ=、、ト、.     ` }/-〈/'YY._,,メ、/{ ノィ`V
        <'`、x'' ̄>_ノノ人_      ,i  Σ三    '´ ̄《'V’、
       <’ヾ/ ̄>ノ'',二`、ヽ、彡  ミミ}   三   /ィ'イノ'´  、
       <’ヾ/ ̄> /////,'/,´  ミミ/  彡   /='''''~´ 人   ヽ
      ∠ヾ=='´ ̄> ///// 《 .==r''´   /  Y      彡、   `i
       √'=/二スァ__ /// ∧  iヾ 、.   } ≡'x        }  iヾ、
      ∠r=--'´ _√ .さイ_ //, ∧ `、`、`x._ ヾ  、`x.__     r'`、  `x``==-、
       ∠ニィ'´ ̄__x''´ .> ヒヾニ=、_x_ _,__,_,,,,,-=ァ-=ァニァーァ,,,,,__'=二ニヾ~
          j_,4  r'''´r=''´ ,=/_/r'''´r'''´ { {'´ {'´ ('´.('´⊂'´⊂'´ファ、
            '―イ_X__X._{._{..,,,メ=x.__メ、メ、._メ、_メ、_メ、メ、メ、メ='--二=、



274 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:21:21 ID:VkRf532r
九159.



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒)
. |     (__人__)     「オヤジさんの酒場で話したっけか。
  |      |r┬|}      以前、宝石の魔獣の集団を倒した事があって、
  |      | | |}      一つだけ混じってたんだ」
.  ヽ     `ニ}
   ヽ     ノ
   /    く
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)


                                       ジュエル・ビースト
様々な宝石を体内に数千から数万個、隠し持っていると言われる宝石の獣魔の、更に集団からたった一つだけ。
それは数万、数十万分の一の確率か。

しかも大きさだって半端な品ではない、決して金で買えるような物ではないはずだ。



                            _〕       //    〔      \ー‐rイ  く ―┐
                            {      / /     l \_     l:::::::l    |二二1
                             つ   /  ,    l  |   ]     l:::::::l   イ〔V  | |
                            └‐t  /   l    | l  |  l {      l:::::::|     | ∨/
                               L. l !  |    l| N  l_廴 ィ   ,ィヱヘ   匸. | l
                                | l  l l | N ナマ彡ャ‥Y|_ 〈ヘ{そリ   | l |
                                  !l  トl,イ、.| jノ  代_ノ 八 L. ト-r'  r イ !| ヽ
   「そんな大切な物を、私なんかに………      l|ヽ ヽi代ハ    xwxwx | イ |/::::/ _ノ | l !ヽ|
   本当に良いの?」                       lixwx 、     U l |l  !:::/ //  .| !.|
                                     l l          .l l |  !//    ! l .|
                                     | ヽ、 ′`   _//イ  |´       .| l |
                                    / /| ` 、  r'´ // ̄| lフ      l l .!
                                    //| l / ̄, ィ、 //:::::::l |ーt.      l| !
                                     //r'´ ̄:::::::::::{rケソ//::::::::/ /}  \   l | |
                                  /´ l:::::::::::::/:トこソ{ {:::::::/ }::|    ヽ. l/  !
                                  ヽ| /\:::::::::::::/:::::::>'´ ̄/::j |    l |  |



奇跡の演出の為に貸してくれていたなら返すわよ、と遠慮がちに言うと、


276 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:22:21 ID:VkRf532r
九160.
ゆっくりと首を横に振ったやらない夫は、
それは君の元に届くため、俺の手元にあったんだろうと言った。



                ̄   、
            ´        \
     /              ヽ
      /                ノヾ
    '            ー ´  ヽ
    l              / .,.....、ヽ
.   l              l {::::::} l
.    l              冫.ー く    「竜魂石は誰でも所持できる石じゃない、
   l               l    ノ!    持ち主を認めなければ光を湛えないんだ。
   l               `ー‐ f r'
   l                  ノ'     だから君が持って構わないはずだし、
   !                     /      俺も君に持っていて欲しいんだ。
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /       俺は―――」
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



          r::v⌒ァィ7::::::::/{`し厶ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:r'
         (`レニ.:.:.:.:/::::::/ァ⌒'       `丶.:.:.:.:.:.:.:.:`う
       __「二X)ニ.:.:./::::::/rー’i   l  i  ヽ \.:.:.:.:.:.:.:.>
       [{~ヾ彡ぅ.:.:.:/::::::/rv'  !  :|   |  ハ  '.:.:.:.:.:.:`ニ)
      `ー ' イィ).:.:.:{::::::,':`┐ :|   !  j|    i  ハ.:.:.:.:.:し、
       /ィ:{;ぅ.:.:.|:::::{:{ニ´   !  i|   |    |  }.:.:.:.:.ニく
       /´ ∧!Yア.:.!.:.:.!rイ:  j|  ハ  i|    |  |.:.:.:.インく
     /´  // 乂ヾ:.Lrソt丁大┼ハ! !  |___tL  j.:.:ぅ’1{ヾ}
.    乂 //∧:} 延リい{ //////`"ーィkィz从ィ乂r:く i!:レソ
   イ:!  .イ  / 〉!  ヾ:{ トi! /////////////!イ/  1i  |:「      「えっ………」
   L{// / 〈/   /ハゞ!//////////// / i:{  {ハ. jト{
   ///     rソ/大ヾァx.__  ‐-   イl リ_ ! ! l!
.ィ彡//        ///::::::}ト、ヾ::::L__ _ ..彡八 ハ:{  : ト. {_
. //         //イ≦:::ハ }! 〉:::{〈ァ):::::::::::::::ヽ. ヽ ヽヾ ト、:、
. イ         ,ィ斗= ニ=-L_!j/:::::::`介:ヾ、::::::::::::_」、ハ  \ \ヾ\
        厶=ュ:≡=ミx  ≧=彡:ハ:r=ニ三 ̄Z ̄¨7   ヾ ハ }\ヽ
         /才ニ-ァ…‐テ::::::::/ }:>≦三≧ァ=く    } iリ  ゝ}

278 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:23:12 ID:VkRf532r
九161.
やらない夫はそこで言葉を切った。

何か素敵な事を言ってくれるのでは、と内心期待していた真紅の隣を通り過ぎ、
置かれていたベンチに腰を下ろすと窓の外に目を向けてしまう。



l__i,,,,__i,,___,l___i,,___,l__i,,,,__i,,___,l__i,,,,__i,,___,l__i,,,,__i,,___,l__i,,,,__i,,___,l__i,,,,__i,,___,l__i,,,,__i,,_
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l,,__i,,,___i_l,,_,,___i_l,,__i,,,___i_l,,_/ ̄ ̄\ ,,___i_l,,____  i,,,___i____i_l,,__i,,,___i_
l,,__i,,,___i_l,,_,,___i_l,,__i,,,___i_/      \   ___i _ノ'"´  "''ゝ__i,,___i,,,___i_l,,__i,,,_
l__i,,,,__i,,___,l___i,,___,l__i,,,,__i,,___,|::::::: :      |  _i,,_r'’        ヘ、,,,__i,,___,l__i,,,,__i,,__
l,,__i,,,___i_l,,_,,___i_l,,__i,,,___i . |:::::::::::::     |  ,,,__/’          !_i,,,___i_l,,__i,,,__
l__i,,,,__i,,___,l___i,,___,l__i,,,,__i,,___,l|:::::::::::::      |   丿           ∫ ,__i,,___,l__i,,,,__i
l__i,,,,__i,,___,l___i,,___,l__i,,,,__i,,__ .  |:::::::::::::::     }  _│            !,,__i,,___,l__i,,,,__i
l,,__i,,,___i_l,,_,,___i_l,,__i,,,___i .  ヽ____    }   ,イ            │i,,,___i_l,,__i,,,___
l__i,,,,__i,,___,l___i,,___,l__i,,,,__i,,___,l__ir'ニニヽ._\. ノ   i」             !_i,,___,l__i,,,,__i,,__
l,,__i,,,___i_l,,_,,___i_l,,__i,,,___i_r':ニニ:_`ー三`:く._   」;ii:i;;ir=ュ;;;;;;;;,,,,,,............n...._i,,,___i_l,,__i,,,
l__i,,,,__i,,___,l___i,,___,l__i,,,,__i,,_/: : : : : : :`,ニ、: :_:_;> i」ョ゙ill#‐「ll!l;li+;;ii: ;rヘ∧凸;_i,,___,l__i,,,,__i,,__
l,,__i,,,___i_l,,_,,___i_l,,__i,,,__ /: : : : : : : : / : : : ヽ\  ,H出Tエニ斤彳∟凵Ξ|!_i,,,___i_l,,__i,,,__
l__i,,,,__i,,___,l___i,,___,l__i,,,,__i| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. ir‐┬||irr-、v冖v"|l巫]||!__i,,___,l__i,,,,__i,,__
l,,__i,,,___i_l,,_,,___i_l,,__i,,,__ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l '冖‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐冖,,,___i_l,,__i,,,__
                   |:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:-
                   |:.:.::.:.::.::l.__: : : :/::: : : : :l    「……………」


          r=:、_「:.ヽ_,._
        ,イx }:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:L,ィ{
       r┘.:.:ヾ.:.:.:.!.:.:.:.:.:./.:.:.}
      _」 .:.`.:.:.:.:、.:.レ.:.:.:.ィ.:.:.:.:.`7
      ヾ:ゞ;:斗r≧三xく.:.:.:.:.:.:ヽ.
      ,.》>K`´ `¨´ ‘7ィ/ヾ<》.:.(
      /《 j:!     《イ:!  Ⅵ.:r'
     ! Y:j      }:ト;   !:ノ     「………やらない夫?」
     }  .|`.        レ!.:  {
     j  人 ヽ.    ,〃|  |!
     .:  j  ゞ、ミ ;彡_ .ィ   ト、
     i  .: ノノ,.>大スくハ.  : ヾ:、
     | / 〈く/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾx ヾ./イ
    イ j  7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:j::::::ヘ  く
    / / __/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./::::::.:.:ヽ  \
   / .ノ彡:.:.:ィ.:.:.:.:.:./.:/:::::::::::}.:.ハ   マ}
  / .人.:.:.:.く.:.:.:.:./.:〈::::::::::::く.:.:.:.:ヽ  ヾ


280 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:24:13 ID:VkRf532r
九162.
なので、彼の隣に座った真紅はそっと大きな肩に縋り付いた。

並んで見れば、町は温かい明かりをあちこちに点して
今日の平和を噛みしめているように思える。



                    |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-─……─ \
                    .r‐´:::::::::::::::::::::::::   ´               ヽ、>'"
                └-i::::::::::::::::::::/  /        \    /
                __...ノ: : : : : :,.               ヽ  /
                  |: : : : : : : :/    /                ∨
                ヽ.ィ: : : :/    /              |
                   r‐:':::::::,′   |                   |
                  ',_:、:::::.           |        .|     .|
                  ノ::::,       | .|       -|..|─.|ハ.!
                     ./:|      |-l─|─ .|    ,' 」L.⊥│
                     /:::,|      |八__jL ,ト   ./孑う庁刀
                 /:::::ハ      |r孑う庁ト\、./  弋ソ /{
                  ヽ|l  .',ヽ   小 ,,弋ソ  '′      {: :
                     ト、\ ト、     、    //|八
    「町の明かりが綺麗………」   |  .iヽ:.//         │ \
                       |  .| 人       _ _    .|
                       |  .| V介::....         ./,′
                       |  .|  i   >‐r-<.ヘ /
                       |   \ |.   〈\_,|/  ,、\
                       |     ヽ;;__>r"´  ̄ ̄ ̄})、
                       / ̄ \  \\|  ` ー─〈´ : \
                     ∧      \  .ヽ|   、___ノ  : : \
                     {        \   |      }、
                       丶       \.|    /しヘ \        f´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ
                     |    \        |    }: : : ヽ: \       |  君が守った平和の明かりさ。
                     |     \    リ    ∧ : : : : \       乂______________ ノ



あの明かりの中に、笑顔は溢れているだろうか。

281 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:25:12 ID:VkRf532r
九163.
今は溢れていなくても必ずそうしてみせる。
再び心に誓った王女は、約束を守ってくれた自分の騎士にもう一度感謝の気持ちを伝え、



        「やらない夫が居てくれたからよ………」

        r_ 、 , - ─- 、   __ _... -‐ ' ´ _ノ  /::::|  ノ:::::::::::::l!
        lj ノ      フ ':::::::/    ' "´    ヽ:::::ヽ ' ::::::::::::ノ_
       ,. ィ´⌒ヽ     /:::::::::::/         /ヽ )::::::::::::::::::::::::::::1   __/
     j/ (__      /::::::::::::/      _   /::_i_ノ'ヽ:::::::::::::::::: _::. ‐ ' ¨´
     ヾ r ' ¨     /::::::::::::/ :::::::::::::::::〆__  ヽ    \::::::::::Y´
       |...:::::::::::/  ':::::::::::::::l__,:: - ── ハ ノ      ヽ:::::ハ
       r-─ "    |:::::::::::::: |      _ ヽー ' ヾ.      ゙ '.      i
       ゝ_      _ |:::::::::::::: |    フ_j ノ     ,.      レ 、     il
      l /ゝ :::: ∠_.|:::::::::::::: | ::::::::::"j ´ T′    |   ,   l   .     il
      | l:::;/` て_  |:::__ :::::: |   _ノ ,ヽヾ.     ,ハj_   // ,   '.    |
      | Lj! |  '' 丁γr、ヽ::::| _ノ‐!- !-!、l!   ィリイi/ ノ .ヘ,/       ,  l
      |   l  ヾ ゝメjク:::::|ノlハ!j_ゝ! ゝヽノjムrjイ/ l/ j/      V  l
      |  .    | \`ー".::::| ヽハ::ィノ`     ヒケ j ハ     j  i   '.  li
      |  /   |  ヽ \::::! ハ` ´     ,  / | |   ,'   i    V リ
      | ,     |   |` ーゝ ヽヽ    _ _   イ .ハ.|   /   i     }/
     ノ /     | !  ヽノ^゙ | |ト \    / _j | !| /     i    /
    ./,.j/       | |ヽ /ゝ.  |  ヽ.\ ヽーく  ̄"| ,⊥辷__ノ   '. , ∧ .
  /   /       ヽヽノ     L   \ヽ ヽ:.:゙!:.:. l./  ー- }     V/  V
/  ., '        / イ   ハ ヽ.  \\\:∨  ー-- 〉'⌒ヽ  {   i
  /        '  :::/   /:::::  `ー、 `ー ./   ー-ン  ,. - 、ヽ ヽ.  }
,/     - 、 _ノ ::::::/   {::::::::::     >レ'′  ,r‐' /   \  }-{ {
      /  _ ノ  .::::::/  イ  ヽ:::::     , '   , -1人/       ヽ1 い.
    r ´     ::::::ノ  /::!    )::::::!   /   , く  {{ i{       / }  ヽヽ    f´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ
    ヽ-──' /  /::::   /:::::: ! /   , '  }  ヽ i      /  ,小.   、    |  ……………。
     \::::::ヽ´  /::::::::  /:::::::: /    /   /   人}     {  {{  ヽ.       乂________ ノ

282 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:26:12 ID:VkRf532r
九164.
沈黙が、満ちた―――



     ‘       `  , .. .    +    ’‘     :: . ..
 .    .         ,   ,:‘.。 +   ,..
    ,              ’‘ +   ,.. . ..; ',   ,:‘
         . .; : ’   ' ,:‘.
  ,:‘.      +  ☆彡    ,..        ,.. . ..; ',   ,:‘
   ..             .. ' ,:‘.. ...::      ’‘ ’‘.; 。        ,.. . ..; ',   ,:‘
   .     。  ,:‘. 。      ,.. .    .; ',   ,:  ‘
        ,     .. '            ,:‘.     , ;   `
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  ,   ,:‘.         ..;               ',   ,:‘  ’‘   ,
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   ,:‘. 。 .. . .    :::  ' ,:‘.  , .. . +
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田┐工ユE∧ヰA┌─≡─!杢卦士⊂ニ⊃;:::┌┐;;;;;;;:::,,,,,ロ卅ユ鬥H出Tエニ斤彳∟凵Ξ|田
=,ィ'⌒ニニエニニil]1lー-i]__森森森森_トロロロi|::rーilil==┬≡┐| ̄|─r‐┬||irr-、v冖v"|l巫]||斤
、_|il]il]_三rー| ̄ ̄|─r‐┬|iΠп/____/|  |、__\| ̄冂ПーГ┬┬ヱ ̄|─r‐┬|Π
/三三三| ̄≡≡ ̄|/二三   〉====Π/  ゙.ヘ_===_\_ |FF|ニ|i ̄ ̄i| /⌒\ /二三
/二二 /∧ ̄∧\ 「 ̄ ̄ ̄/「 ̄ ̄二二|j  ゙、_三__|  i|三三三三|i |二二! 三\
__,,.‐',. ‐'i| 田|「| | 田,. イ___/´|    |  il   |\ __] Πпr―.、=ニ二>、|| 田 |
ェェェ=‐´ 田|/二ニ,ハ_,.-_‐=_二l  |__|  '|___|   |l二ニ‐- 、 ,,_丶、` ‐ 、_,,...> ___
≡≡===> ,. - ‐''´‐ '' "´i i i i i i i| /             \ |l i l i l i`''ー-.、`、‐-、|皿皿|丶、_
ニ―-┐γ´  r''´i i| i| i_l⊥l,.-‐''´       ::'' i ''::     `''‐-.l l_i l| i| il|`ヽ、`゙ヽ、  .vi==
_,,... -┤ゝ、_゙丶i,''"´        \  .:'  :i:  ':.  /         `ヽl| il| i|ノ   )、 |! ロ
  r┐:|-‐''´/|_ `ー-ァ―ァ、 _   |圭圭圭圭圭|   _   ._,,...-‐''´  _,.イj:::丶| l^
」 .i__| :|_,,/n |  / / / ||       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      |ヽ  ._,,..-‐<´-‐||:::::::::ヽ!
 1   :| | / ヽ|/∧’/ / i||    /         \       |丶\ \ | | | 川 ノ::::::::::::::ヽ
-‐  /|| ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄||\
  /川||_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_||川
/川 /                                                  \

284 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:27:12 ID:VkRf532r
九165.



                ̄    、
            ´          \
     /                ヽ
      /           、_  ヽ
    '               ` 、ヽ
    l              ,‐-,.._ ゞ
.   l              l 弋心 l
.    l              冫.ー く
   l               l    ノ!     「……………」
   l               `ー‐ f r'
   l                  ノ'
   !                     /
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



少し寂しげで、そして何か決意を秘めたまま遙か彼方を―――
町の明かりではない、更にその遠くの星空を映している黒曜の瞳。

その、自分が映っていない瞳を見つめた真紅の心に浮かんだ疑問。



                          └-i:::::::::::::::::::::::: ,.  '"´     ``ヽ:::::::.: : ヽ、
                          __...ノ: : : : : : :,.ィ´   /     ',   ヽ `丶、: : : :ト.、  ,.ィ"ヽ
                     .     |: : : : : : : :/  ./  /      ',   ',  「: : : : :|:.:.:ヽ: : : : : 〉ニニ、二
                           ヽ.ィ: : : :/    /   ,'       l   ', `丶ト、:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート、、ヽ
                          r‐:':::::::/     ,'  ,'          !   .l i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
                     .      ',_:、:::/     l   l        |l     ! ',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_l::', ',r
 (…………。                    ノ:,'     ,'l   |     l  | l !  ! |  `丶; |:.:.:.:.:.::!: : : : : :ハ::ヽ
  やらない夫、あなたのその瞳は         /:| |   ,' | ! .!l|    ,'| l l | l ,' ,|. |!´: :.!:.:.:.:.:.,': : : :r ' `¬
  何を見ているの?)               /:::,! |   ..L.',_ト. |',ト   / !./l/├ /¬ ¬、).:: /:.:.:.:./: ::::::::|    |:
                           /:::::ハ.ト 、 ! ..l_ヽヽ\、./ l/"´ l/_∠ |  {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ノ|    !:
                           ヽ|l ',ヽ \ !,イ `` ト  '′   ,イ"´ lヽ  ,ハr'^,-ヘ':::::::::}::!|   .!:
                     .        |   ト、ト.`弋..ン        弋..ン ' | .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l !   |:
                           |    l l.|. ',     、        l  ! .|:.ヾ ニフ   !::l. |   |:
                            |   / / | ト、     ,.、     | l| |/      ヽ:| |l    !
                     .      |  / / | |_.> 、       _..-.、l l ! !          |.!   |
                           l|  /,イ _..l l:.:.:.:.:.:.:`丶、 __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::| |         | !   !
                            !|_ノ' r":.:.l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハィュヘ:.:.:.:.:.:.:./ /:.:::! !ヽ、       .| l   |
                         _..'"ィ´  ト、:.:.! .l:.:.:.:/``ヾ.ニンリ:.:.:.:.:./ ':.:.:.:.:| |:.:.:/、       ! !   !



もちろん内心の問いかけに答えはなく、時間だけがただ過ぎていく。

285 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:28:12 ID:VkRf532r
九166.
もう、日が変わろうかという頃。
決意し、大きく息を吸い込んだやらない夫が口を開いた時にはもう、



                                       「真紅。
                                       ………俺は明日―――

                                        真紅?」



       , ′       .:: /::.    / /  /  l    `、 `、       _、-
.      /    , '    .:: /::.    / /  ,'l:.::  ト、    l  ハ   ,,、-"
     /    /      .:: /:.:.  ,.::〃 l|   / |:. .: |l ::  | / ハ/
.    /  ..:/     .:: /:.:.   |:.:∟」_|:l | |:.:.. j l| ::.:  |:.    l
   /  ..:/    ..:.; /::.:..   |/l | } l≧x 」:.. /  |::.:. ハ  、 |
.  /  ..:/     . : ://::.::.  |     `ヽ|:: /    ,':.: /リ::.:l:.. l| |
  /,   ..:/    . .:://7::.:.  l l ゙``''=:、、`、 l|/    /::.:// }:: |::. l| |
. //  .:; ′  .: ..:/人!:.:..  l| |   ``"      厶メヽ ハ::.j::.:/リ l
´/ /  ..: .::.:.//ヽl::..  ハ l          "゙':;_イ/リ: / ,' /
 /  . .: .:.:/ ,'::.::}|:.:.. | | |         ヽ   /N厶 彡′
  .: .:.:.:.:::/ .:/ ::;イ|:.:.  l| | |            ,小
. ..:.:.::.::.:/ ::/ .:.::川:.:.  | | |          / ,' |
_: _: .:; ′, '´ .:.::/_/_|:.:  l   ヽ \   ο   ノ / |
..:.::.::.::/ .:.:.::∠_//:.:.:|:.  ト、   ハ ヽ    __,,,..:/l / !.|   /´;/´`.-、
.:.:.;イ二ニ≦_/ ^ヽ、|:.. |::.:.:`ヽ、|  l    ,イ // ||    / /″ '´  :'´)、
//: .: .::.:.::.:.:.:`ヾミト、::|:. {::.::.:.:.:. ∧ !  /} l l  | ト、  / /     ´ ;' /
/: .:.::.::.:;': :.:.:.:.::.::.::V!:|:. |::.::.:.:.r衣} 厂 //| |  | l | ./         ./
: : ::.::.:::./: .:.:.:.:.::.:::.::.:}ヘ!:.. |: .:.:.:.:゙='^仁彡'´| |  |川  |        ./

                「………くぅ………」



真紅は肩にもたれ掛かって、小さな寝息を立てていた。

286 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:29:12 ID:VkRf532r
九167.



              ̄ ̄   、
         ´          \
.       /              \
      /                   ヽ
       i                 丶
       l       /  ̄           丶
       |  __           ヽ        丶         「………お疲れさま。
       ヽ/         i イ`丶 l         丶         よく頑張ったな、真紅」
        ヽ     ヽ ゝ _            ',
       丶i イ`丶 l    `ヽ             ヽ
         ゝ  , ヽ _  丿            \‐、-..、
         ヽ  ゝ ノ , ‐ ´              ソ:.:.:.:\
          ヽ  ´                '    /:.:.:.:.:.:/\
           \            /   /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヽ、
             \          /  /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
               ヽ         /  /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
                  ヽ __  ィ   /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:



まぁ、良いかと微笑んだ彼は、内乱後初めて真紅の頑張りを労った人になり、
そして彼女を抱き上げるとそっとベッドへ横たえる。



    /||ミ
  / ::::||
/:::::::::::||____
|:::::::::::::::||      ||
|:::::::::::::::||        ||
|:::::::::::::::|| / ̄ ̄ヽ|| ガチャ…
|:::::::::::::::|/      ヽ
|:::::::::::::::||       |    「じゃあ………
|:::::::::::::::||       |    また、な」
|::::::::::::::|||        |
|::::::::::::::||ヽ_    _/
|:::::::::::::::||/    ヽ|
|:::::::::::::::||  i   } |
|:::::::::::::::||ノ |   } |
\:::::::::::||  |  i  |∪
  \ ::::|| ̄|  ||ー| ̄
    \|| (_/_ノ



部屋を辞そうと扉を開け、別れの言葉を告げた時、
彼の胸には確かに惜しむ気持ちがあった。

だが一瞬躊躇した彼はそれでも、足を踏み出して立ち去っていった。
もっと大きな心の声に、導かれるままに―――

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━……


288 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:30:13 ID:VkRf532r
九168.
━━━━━━━━━━……
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

翌朝―――



                          。
                     。  。     |     。  。
                      |.  |     |:|    |.  |
                   ||  ||    |.:.|    ||  ||
                     |:|. |:|   l∧l   |:|. |:|
              。     |.:.|. |.:.|   ,.傘.,   |.:.|. |.:.|      。
               |       .|∧||∧| ,傘傘傘, |∧||∧|       |
     。  。       ||.     (VVVV).傘傘傘.(VVVV)       ||      。  。
     |.  |      |:|      {∽}{∽}}}傘傘傘{{{∽}{∽}      |:|      |.  |
    . ||  ||     |:.:|    ,傘|l~~|l~~|}}个个个{{|l~~|l~~|傘,    |:.:|     ||  ||
    |:|. |:|    lvvl .,.,傘傘|∩||∩|}::::/⌒ヽ :{|∩||∩|傘傘,.,. lvvl    |:|. |:|
    .|.:.|. |.:.|.     |∩|傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘|∩|     .|.:.|. |.:.|
   |∧||∧| ,.,.,傘||"||傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘||"||傘,.,., |∧||∧|
   (vVVVV)傘傘{∽}个个个{∽}{∽}}:|三ニ三|:{{∽}{∽}个个个{∽}傘傘 (VVVVv)        |
   山i!山i山傘傘|三|!|/⌒ヽ!|l~~|l~~|}:/个\ {|l~~|l~~|!/⌒ヽ|!|三|傘傘山i!山i山          ∧
   ||^^||^^|个l个{∽}!||:.  ||{∽}{∽}}:{ニi二iニ}:{{∽}{∽}||:.  ||!{∽}个l个||^^||^^|       /;;;;;ヽ
   || l|| l|::::::::::::|三|!|iニニニi||l~~|l~~|}::::/\::::{|l~~|l~~||iニニニi|!|三|::::::::::::|| l|| l|        | ∩ |
   || l|| l|/l\||: ||!|/l\||| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l||/l\|!||: ||/l\|| l|| l|  /\  |ニニ|
   || l|| l|::l⌒l: ||: ||!|:Ii==iI:||| l|| l|}:::|ニニニ|:::{|| l|| l||:Ii==iI:|!||: ||::l⌒l: || l|| l|三三三三三三三三
   |∬||∬|::|___l: |§|!|:|l  l|:||∬||∬|}:::, '三`、::{|∬||∬||:|l  l|:|!|§|::|___l: |∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   {})({i})({}iニニニi{({})}!!.!|,,, l|:!{})({|})({}}::|皿l皿|::{{})({|})({}!:!|,,, l|:!!{({})}iニニニi{})({i})({}:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
   || l|| l|鬥l鬥||: ||!|鬥l鬥||| l|| l|}|鬥轟鬥|{|| l|| l||鬥l鬥|!||: ||鬥l鬥|| l|| l|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   || l|| l|/⌒ヽ||: ||!|/⌒ヽ||| l|| l|}|iiiiiiiiiiiiiiii|{|| l|| l||/⌒ヽ|!||: ||/⌒ヽ|| l|| l|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
   |∬||∬||:.  ||§|!||:.  |||∬|∬||}|iiiiiiiiiiiiiiii|{||∬|∬|||:.  ||!|§||:.  ||∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   |凶||凶|iニニニi|凶|!|iニニニi||凶||凶|}|二二二|{|凶||凶||iニニニi|!|凶|iニニニi|凶||凶|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::


チュンチュン
    チチチ
                                        チュンチュンチュン

290 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:31:14 ID:VkRf532r
九169.



           _,,_,,,__,r.、,,_
        ,r-、,f   i i   `7-、
       _,f,   ヽ,r―-..,,_ ,/  `;
.      f  `>' ´_,,,,,,,,,,,,,,,,_ ` 、 ノ `;
      ,f.、_,/,r':´:,' :,' /! i: : :`i.、ヽ,__,フ
      i,___i/i : i:,i: ;i: i .i: i、: : :'i; `.i,__,!
       !:i ;!: :i:,!!:.ii ;! 'i;'iヽ,: :.'i,: :i: :i
.      !:i:.ト、;ii;!i,;,!_`  ヽ!,ゝ,;,;i!:.i :.i      「どうしても………
      i i`'i ` i i::i i`  ´i i::i i `!´: :i       行ってしまわれるのですか?」
      i:.i: :'i. 」 `' ,!   .」 `' ,! .i: : :i
      i,:i : i:、  ̄      ̄ /i : :.,!
.      i.ト、:i;::`.、  ―   /:;i: :N
       ` ヽト、i;;;;i` ー‐ イ;;;iレレi/
       _,,,,,,,,ノ:.`ー、 f'''''':.ヽ.___
    f''''''´::i---'---i-'-':、,---'-.v'''''''ー、
   /:::::::::::::ト:.:.r''フ'´ ̄ゝ;i_:.:.:.:.::.:.,!:::::::::::::::i
.  /::::::::::::::::i、,;,;i i     .i,;,;____,;!i;;:::::::::::::'i,
  /:::::::::::::::::::i<;.:fヽ、   ,i,丿:.:`、 .,!;;;::::::::::::::i
  `、------、i `i;;::`ー ̄-;!'i,;r‐'''´ ,!;;;;r‐'''''ヾ;i
   `ヾ;;;;;;;;;;;;;`、f`::::::::;;;;;/    /;;::-:::、::::/
    `、`:::::::;;;;i::::::;;;;;;;:/    ,f´::::::::;;;;:::i'



        / ̄ ̄\
      /      \
      |::::::: :      |
     . |:::::::::::::     |
       |:::::::::::::      |     「ああ。
     .  |:::::::::::::::     }      これ以上、俺が居ても
     .  ヽ____    }      何の役にも立たないからな」
        r'ニニヽ._\. ノ
      r':ニニ:_`ー三`:く._
    /: : : : : : :`,ニ、: :_:_;>
 .   /: : : : : : : : / : : : ヽ\
   | : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.
 .   |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l
    |:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l
 .   |:.:.::.:.::.::l.__: : : :/::: : : : :l


293 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:32:12 ID:VkRf532r
九170.
鎧を着けているやらない夫の後ろで、
寂しげに俯いていた翡翠は何度も何度も首を振る。



           , i' ,i' , ,  ,i i i, i,  'i,  \  ヽ   ヽ,ヽ、
         ,i' .,i' ,i' ,i' i'i 'i'i, 'i,. 'i,  'i,  lヽ  ヽ --i゙ ヽ
         ,i',ii' ,i' ,i' i' i,.'i 'i, 'i, 'i,  'i,  l ヽ !  i゙  l
          !,i'i ,ii i'i,. i' i, 'i, 'i,. 'i,. 'i,  'i,. l  ヽl  __i゙  l
        l,i' i ,ii i !_i   i, 'i,. ヽ、!__!__  'i,!  l ̄     l
            !i i i/ i゙ヽ、  ヽ! / i i:::::i\、i  l      l
          l ' ヽ'゙ iイi        !イ::::ノ  ゙ l  l      l
          l   l.,-!::::i        ー '゙ ̄) l  l      l      「そんな事は………!
          l   l.'- ̄           ̄ ̄ l  l      l
          l l  i              l  l l       l       どうして、救国の英雄であらせられる
          l l  ゙ 、   -―‐         l  l l    ! l. l       やらない夫様がどうして………!」
          l l   l ヽ              l  l l  l l l l
          l l   l l ヽ、      _ - ' l  l l  l ,l' l l
          l l'i  l,. l,. l l - - '     l  ,iノ ノ l'l ,i' l
          i l 'i,. l i li, l,. l__i l  _ ----''゙l /''''''iノノノ/iノ__
        __ ヽ! 'i,l 'i,l 'i i/iri l i゙i'i      i/   ヽ /;;;;;;;;;;;;;;
       /;;;;;;;;゙゙゙__'i___-'゙ノl iノ_,i l l  ____ //;;;;;;;;;;;;;;;;;;
     /;;;;;;;;;;;/::ヽ、____゙、/::::::-r゙-''゙_____,゙''i /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
    /;;;;;;;;;;;;;;;;;i::::::::::::::::::::::: /:::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::i/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;



夕べ。
五時半には起きるので部屋に来て欲しい事、
朝食は不要な事、洗濯物は全て受け取る事を伝えられていた彼女は一睡も出来ていなかった。

そして、赤く腫れたまぶたが一晩中泣きはらした事を示していた。

295 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:33:12 ID:VkRf532r
九171.



                ̄    、
            ´          \
     /                ヽ
      /           、_  ヽ
    '               ` 、ヽ
    l              ,‐-,.._ ゞ
.   l              l 弋心 l      「翡翠も感じただろう?
.    l              冫.ー く
   l               l    ノ!      みんなが俺をあてにし始めている、
   l               `ー‐ f r'       それは良くない事だ。
   l                  ノ'
   !                     /        成長を………歩く事を止めた国に未来はない。
   ,'                   /         ローゼンが飛躍するためには、俺は邪魔なんだ」
 ̄ `ー -               /
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



翡翠は疑問を呈しても、説得をしようとは思えなかった。
彼の言う事は確かに自分が不安に感じた事であるし、なによりこの瞳に―――



                        _,、,、_, --、
                     ,.-ヘく   l|   ,>‐ 、
                    ,l   >'‐'  ̄` 'く   }
              rベ;v'´_, -┬- 、._ `' v'入
                  {__l,.イ | |{ l | | \}  }
                  |  l. | l. | | |.l | l   「`|
                   |  |_,|.|-| | ヽト、l‐-!、 | |
                  | ´l |ヘ/ヽ|   ` `ヽ、| |
                 l.  l==''"   `''== l  |     「やらない夫様………」
                    l  ト、"      " /l /
                  l. | lヽ、 ´`  , イ| | /      (ああ―――
                    ヽ.ト、トrヘ,_'ー_'ノ\/j/       なんて、遠くを―――
              /: ̄:Y^く   ハ ハ  厂Y:: ̄::ヽ   未来を見据えた目なのでしょう………)
                 /:::::::::::::| rヘ<r┴、'ー'ヽ /::::::::::::::|
            /::::::::::::::::|| __|  |__ ||:::::::::::::::::|
              Y:: ̄`:ー:| `゙フ´`卉’ ト‐' |::‐' ̄::ヽ〉
                 \::::::::::l ̄L._/ |  ,〉⌒!::::::::::/
                ト-、::|       ̄   /::::::::/
                    |:::::::ヾ;、     /::::::::::|
                   |:::::::::::::::ト----/:ィ'´::::::::|



ここではない彼方を見つめる英雄の瞳に、逆らう事など出来るはずがない。


299 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:34:12 ID:VkRf532r
九172.
鎧の装備を終え、逃げている時に羽織っていた濃い青色のマントを装備したやらない夫は、
剣も背中に背負うと道具入れから小さな革袋を取り出し、翡翠に手渡した。



                    / ̄ ̄\
                  /  ⌒  ⌒\
                       |   (●)(●)|              /勹
                       |   (_人_)│         /ヾ/
                      |     ` ⌒´  |        /ヾ/
                  |          |,,.._,.,_   ∠ヾ/
                      .  ヽ      /  ゙弋llコ~○/     「そうそう。
                  / lヽ     /    /`弋ll       これは翡翠に」
             _/゙ヾヽノ_ヽ  ̄ノ ,r‐;=/δ/ `弋l、
        ,r‐< ̄´、ヽ、 `ト-====ハ|   ,`v-, 、__  ゜
        /    ` ー-`、ー_`、 ,!'``'┴┴ヘ,|/.-'_´.-'  `ヽ
       l         r-ィヽ.}ヽ、__  _,.-ヘ´‐'r-ィ     |
       ノ 、        ヽ_ソ≠====:三===キヲ_ノ     |
       〉、 丶、 _    __,. ゝシ``ー---ll--‐‐ヘゞ‐′    ,. ヽ、
       !、 `丶--'丶、__,ノ  <^^> ||    ヽ,--、 -‐',. イ´
.      }、`_ー_'二フ7'、_}ヽュ__,.., Ⅴ ´ ̄`丶、_,ッ}:::ゝ-二._,.イ
.       〉、_ 二 -ィ′八ヽ ゙´Y          }リ::::::::{'ー--〈
     /ー--‐''´::::::/;;;;;ヽヽ、_>、  ,. -─‐- 、ノレi:::::::::ゝ、ーイ
.     l::::::::::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;〉}  Y´       l |;;|:::::::::::::: ̄l
      ゝ:::::::::::::::ノ;;;;;;;;;;;;く ノ   }        { l;;|::::::::::::::::丿
     ,〉:::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;;/ `ヾ丶ゝ、      ゝ'〈;ヽ、::::::::::`ヽ、
    {:::::::::::::::::く;;;;;;;;;;;;r'、   ,.、`丶` =--=''´'´ ,..ヽ、|::::::::::::::::::|



301 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:35:12 ID:VkRf532r
九173.



                                r-、_/`--、
                             ヾヽ´l :::i/__//:::ヽ´ヽ_
                            <ヽ,-= ニ ニ =、ヽ、/_、
                            ゝ´´: : |: : :: :: ::ヽ:`ヽ、/ゞ
                    .       //: :: :::l:ll:l::::::、:::::::ヽ::|:::゙l-ゝ l
                    .       l :l ::l:: ::_ll_l:lヽ:、」l-‐弋|::::|::::::::|
                           l :l :::|::´l |、.l:l ヽゝ―l、|:::::|::::::::l
                    .       レ l::ll::::f´l:`l  ´ l :::).|::::l:::::::l
                            ヽ!ヽ:l..ヒノ ,   `‐´ |:::::l::::::l
   「これは、何でしょうか?」          l:l ::::ll    _ _     , |:::::|::::::l
                            ll l :::l:`ヽ 、 _ , イ|::|:::/l:/:/
                    .        | ヽ::lリヽl / ̄l厂 ̄l/:レル
                          __     ゝr´彡(フ`ヽ、,--t- 、
                         ヽ、ヽ、/;;;;;ゝ彡/;lヽ:`::); ;;;;;;;;;;ヽ
                    .    ,‐rニヽ ヾ、;;/メ//:!ttイ; ,;;;;;;;;;;;;;l
                  チャラ   rf´ミフ , -ゝヽ、:::// ::/::l;;;;;;;;,, ;;;;;;;;;;l
                       l,{ -,ゝ´;;;;;;;;;;;;;レr、/7fゝ,:l,,_;;;;;;;;;,,,,;;;;;;;;l
                      rfゝ< ;;;;;;,,_ -‐‐l.... ´...゙´ゞミ、、ヽ;;;_ -イ
                    .  lヽ__ゝ,イ;,;,;,;;;;;;lヽ: ::::::/ ;;;;;ヽ/-
                       lヽ、、l_i ;,;,;,;,;;;;;;l;;;゙Y v´ ,;;;;;;/;;|
                       l ;,;,;,;,l ;,;,;,;,;;;l;;;;;; l lヽ、;;;;;/l;;;l
                        l ;,;,;,;,;l ;,;,;,;,;,;,;;;;;l lヽ;゙;;/ ̄ト´ ̄ ゙̄ ヽ
                        l ;,;,;,;,;ゝ、;,;,;,;,;;;;ll;,;,;,/:::::::f::::゙:::-::::::::::::l



              ̄ ̄   、
         ´          \
.       /              \
      /                   ヽ
       i                 丶
       l       /  ̄           丶           「俺からの特別賞与ってとこかな。
       |  __         _ ヽ        丶          今まで本当に良くやってくれたから」
       ヽ/       i イ::::ヽ l       丶
        ヽ    _  ヽ ゝ_ゞ::ノ '           ',
       丶i イ:::ヽ l    `ヽ            ヽ
         ゝ ゞ ', ヽ _  丿            \‐、-..、
         ヽ  ゝ ノ , ‐ ´              ソ:.:.:.:\
          ヽ  ´                '    /:.:.:.:.:.:/\
           \            /   /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヽ、
             \          /  /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
               ヽ         /  /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
                  ヽ __  ィ   /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:

302 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:36:13 ID:VkRf532r
九174.



                    .  - ─‐ - .
                  , ´         ` 、
                /                \
               / ,.ィ⌒i~i7´`ヽ~ォ、     ヽ
               / く__,. - r‐‐ ァ┬ r- /~ヽ    ',
            , '  ./  /  /  / l li l i `ヽ  ヽ   i
.           // //  / __ i  / ノ il iト !  i 弋´   .|
          // //\/ / li Tiハ「 i7 、いi  l.  il   |
.         // /,'  / ヽ弋ご}  レ/ r=ト.i `ヽi! __ i  i !       「お受け取りできません!
           / i /i iハ   !    ゞ‐=rヘリ,'  /  l |        城から規定の給料を頂いているのですし!」
             l l ! ! ! ハ  ヽ  /// u イ'// /  /  |
           レ' Nハノ__! \ r ;     彡' / /  /  i |
             /リ´ `丶r\    /彡'/  /i   l |
            / ノ       | Y`ー て彡イ/  / !-~'⌒ー┐
           / 〈      .ノ リ  if´   /  /l l ! >~く ノ
          /   /      i Vハ 〃Y  / / l l lく   ヽ〉
.      /   〈  , イ  / /⌒\il/⌒レレ'{   | il ノ    ヽ
      〈      ヽ ヾ. / /  /´`ヽノ ./   从く        ヽ
      ヽ    ノ  ,. '  .i  ,.- '´`ヽ  ム、     ヽ      ヽ
       ヽ  /   i   |   ´ ̄ `i     〉     /        /
        ヽ ゝ.__  l  __|     〉'   '     く       /
          },.~ 〉 i//`V    /ヽ   / ーァ  〉      /
         ノ   〈.//   V  /  i___/   i´___ノ      {



驚いて返そうとする彼女に、優しい表情の彼は良いんだと首を振る。

本当に良くしてもらったし、教わる事もあった。
何より命の危機に曝してしまった事を金銭で償えるとは思ってもいなかったが―――



                ̄   、
            ´        \
     /              ヽ
      /                ノヾ
    '            ー ´  ヽ
    l              / .,.....、ヽ
.   l              l {::::::} l
.    l              冫.ー く     「貰っておいてくれよ。
   l               l    ノ!     俺は一度足した物を引っ込めるつもりは無いし―――
   l               `ー‐ f r'
   l                  ノ'      これが、三度目で最後の命令、だ」
   !                     /
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



立ち去る自分には、感謝の気持ちとこのぐらいしか出来ないのだ。

304 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:37:12 ID:VkRf532r
九175.
感触からして高価な宝石が幾つも入っているのだろう。
これまでの仕事ぶりを褒められた喜びよりも、最後と言われて寂しい翡翠の涙が止まらない。

宝石なんか要らなかった。
やらない夫にずっと城に居てもらい、ずっと自分が世話をしたかった。



                             ,. --- 、
                            ,...:'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
                       r'~`i⌒r‐-、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
                      ヾ、,⊥.,___;;__ ヽ;.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.',
                        i.:.:.:.:.:、.:.:.:.:`i.:.:.:.:l_.:.:.:.:.:.:.',
                    .   liいヽ:ヽ_;;;,:.:l.:.:.:;.lヽ.:;;::::;:.ヽ、
                    .   l!'い';ヽ、;_;こ!::::,;,;iノ,;,;;;,;;;;;、rォ、
                         ヽ-'l`く 、ノ!:::,;,;,l |,;,;;,;,;;/  ヽ.
                            .i:.:.;|. l:,;,;,;,;l |;,ル/.  /ー\
                            .!i.:;;个!i,;i,;,;レレ';V.  /    ヽ、
                           lハi´ リiルi `ヘ人 /  __   ヾ、
                                |   _,く‐' :ヽ,i/    ̄ "')\
   「わかり………ました………」          |   ヽ:i:.:..:.:|ヽ;,,,,      /  ヽ_
                                |     }:!― ! ヽ;;;;;;;;;;;;,,,,. i    `ir‐_''ユ =-、
                             |    /.:!:::::.;,i  ヽ;;;;;;;;''  !;;,,,,,;,;;;;;人ー‐一 '" ヽ
                             |    └ノ.:,. -ゝ、  i    l //  ,>、二 ___l
                             |     `    i, `l ,.   |- ''  /  ! ヾ、、
                             。         ! i i ,'    l  ,/   ',  ヾ.、
                               :          i l リ    「 ̄      ',.  ヽ丶
                                           'i ,'    リ           ',.   丶ヽ
                                          l ;.    ,'         ',    'い
                                          | ,'    ,'          ;     'い
                                          l/     ,'          ;     い



しかし、それを言葉にしてしまうのは間違っていると分かる。
だから溢れる涙を拭おうとしない彼女は、ただ深々と頭を下げただけだった。



307 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:38:12 ID:VkRf532r
九176.



                    / ̄ ̄\
                  /  ノ ヽ、\
                       |   (●)(●)|              /勹
                       |   (_人_)│         /ヾ/
                      |     ` ⌒´  |        /ヾ/
                  |          |,,.._,.,_   ∠ヾ/
                      .  ヽ      /  ゙弋llコ~○/     「じゃあ………
                  / lヽ     /    /`弋ll       そろそろ行くよ。
             _/゙ヾヽノ_ヽ  ̄ノ ,r‐;=/δ/ `弋l、
        ,r‐< ̄´、ヽ、 `ト-====ハ|   ,`v-, 、__  ゜     誰かが来たら、机の上の手紙と
        /    ` ー-`、ー_`、 ,!'``'┴┴ヘ,|/.-'_´.-'  `ヽ      薔薇の記章を渡してやってくれ。
       l         r-ィヽ.}ヽ、__  _,.-ヘ´‐'r-ィ     |
       ノ 、        ヽ_ソ≠====:三===キヲ_ノ     |      元気でな、翡翠………」
       〉、 丶、 _    __,. ゝシ``ー---ll--‐‐ヘゞ‐′    ,. ヽ、
       !、 `丶--'丶、__,ノ  <^^> ||    ヽ,--、 -‐',. イ´
.      }、`_ー_'二フ7'、_}ヽュ__,.., Ⅴ ´ ̄`丶、_,ッ}:::ゝ-二._,.イ
.       〉、_ 二 -ィ′八ヽ ゙´Y          }リ::::::::{'ー--〈
     /ー--‐''´::::::/;;;;;ヽヽ、_>、  ,. -─‐- 、ノレi:::::::::ゝ、ーイ
.     l::::::::::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;〉}  Y´       l |;;|:::::::::::::: ̄l
      ゝ:::::::::::::::ノ;;;;;;;;;;;;く ノ   }        { l;;|::::::::::::::::丿


                                      _,,_,,,__,r.、,,_
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                           .      f  `>' ´_,,,,,,,,,,,,,,,,_ ` 、 ノ `;
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                                  !:i ;!: :i:,!!:.ii ;! 'i;'iヽ,: :.'i,: :i: :i
                           .      !:i:.ト、;ii;!i,;,!_`  ヽ!,ゝ,;,;i!:.i :.i
     「やらない夫様も、                 i i`'i ` i i::i i`  ´i i::i i `!´: :i
      どうか、どうかお元気で………」         i:.i: :'i. 」 `' ,!   .」 `' ,! .i: : :i
                                 i,:i : i:、  ̄      ̄ /i : :.,!
                           .      i.ト、:i;::`.、  ―   /:;i: :N
                                  ` ヽト、i;;;;i` ー‐ イ;;;iレレi/
                                  _,,,,,,,,ノ:.`ー、 f'''''':.ヽ.___
                               f''''''´::i---'---i-'-':、,---'-.v'''''''ー、
                              /:::::::::::::ト:.:.r''フ'´ ̄ゝ;i_:.:.:.:.::.:.,!:::::::::::::::i
                           .  /::::::::::::::::i、,;,;i i     .i,;,;____,;!i;;:::::::::::::'i,
                             /:::::::::::::::::::i<;.:fヽ、   ,i,丿:.:`、 .,!;;;::::::::::::::i
                             `、------、i `i;;::`ー ̄-;!'i,;r‐'''´ ,!;;;;r‐'''''ヾ;i
                              `ヾ;;;;;;;;;;;;;`、f`::::::::;;;;;/    /;;::-:::、::::/



310 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:39:12 ID:VkRf532r
九177.



「また、会おう」

                               「はい、またいつか………
                                必ず―――」
                                          _ -―
、_                                   _ -‐
  _ >一ー―――- 、__       , ---―- 、     _ .. -‐
 ̄                }  _ -‐ッ'       `ー--、}
               「 ̄  「   ,.-、        ',
               |     }   /  \       、
                 i     jノ ノ    `丶、    ヽ
              |    `゙´        ヽ     }
              /               ヽ   |
: . . .            /ヽ, -‐-、,r"ヽ         丶 .ィ´:、    . : : : :
: : : : : : : : : : / 〈 ⌒/ ゝ /⌒ヽ    ヽ  ∨ 、: 、. : : : :_ .. -‐  ̄
 ̄ ―-  __: : : : /   `´{  /   ∠、 \  \__ノ  \}_ .. -‐ "
         ̄ ―┘    `¨´、 /- /丶、 >‐'
                    `゙'、__/`--' ̄



最後に翡翠と再会を誓いながらの握手を交わし、
フードを被った彼が何度も何度も頭を下げる彼女に見送られて部屋を出れば、


312 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:40:12 ID:VkRf532r
九178.
ちょうど六つの鐘が鳴り、城も騒がしくなり始めていた。



        ∧_∧
       ( ´_ゝ`)
      /⌒|\||      「今日から初音さんが聞き取りに来るってさ」
      /    ̄/|
    . /  /   ̄|
    /  /|    |
     ~ヽ.      |



                                      ∧_∧
                                     (´<_` )
    「ちくしょう………                          /ヾ┰/九
     俺だって、俺だって頑張ったのに………」         /   /ゝ |
                                    | | :|/ :| |
                                    | | :|°.::| |
                                    | | :|°.::| |



手を挙げるだけで通り過ぎた城の入り口には交代したばかりの流石兄弟が立っている、
どうやら今日の立ち番らしい。

313 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:41:12 ID:VkRf532r
九179.



 「あれ、今出て行ったのビップ殿じゃないか?」


                  「ほんとだ、こんな朝から何処行くんだろう。
                   俺達とは比べものにならないぐらい忙しいんだろうなぁ」

            | / /               | /
         ∧_∧            ∧_∧  /
        ( ´_ゝ`)           ( ´_>`)
       /⌒|\||          /ヾ┰/九
       /    ̄/|         /   /ゝ |
     . /  /   ̄|        | | :|/ :| |
     /  /|    |         | | :|°.::| |
      ~ヽ.      |          | | :|°.::| |



気づいた二人は南の正門が開いたばかりだと言うのに完全装備で出て行った彼を見て、
お疲れ様ですとその背に敬礼を送る。



316 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:42:19 ID:VkRf532r
九180.



  ヽ    -‐  ̄
.  |   ── ──── ─ ─── ‐‐ ‐
  /    へ、
/   ゝ   ヽ    ヘ
  *\  \    ヾ        ヘ
  ヾ *    \     ヽ        ヘ
l   \ △     \     ヽ           ヘ
|   、     .,へ             ヽ              丶
    t     Υ  \     \       丶
.|    ヽ     .,ゝ、          \     ゝへ、
.|     \   l   l  \       \  l   l
 |    \   ` ´ /\\       ヽヽ /
 |            | / |\\         丶     /\ /\
 |      \    \|/  |  \         /  /\  \
 |       \   ヾ \ /     \       |    |   |   |
  |        \      `´         \     \   !         !
                          。
                     。  。     |     。  。
                      |.  |     |:|    |.  |
                   ||  ||    |.:.|    ||  ||
                     |:|. |:|   l∧l   |:|. |:|
              。     |.:.|. |.:.|   ,.傘.,   |.:.|. |.:.|      。
               |       .|∧||∧| ,傘傘傘, |∧||∧|       |
     。  。       ||.     (VVVV).傘傘傘.(VVVV)       ||      。  。
     |.  |      |:|      {∽}{∽}}}傘傘傘{{{∽}{∽}      |:|      |.  |
    . ||  ||     |:.:|    ,傘|l~~|l~~|}}个个个{{|l~~|l~~|傘,    |:.:|     ||  ||
    |:|. |:|    lvvl .,.,傘傘|∩||∩|}::::/⌒ヽ :{|∩||∩|傘傘,.,. lvvl    |:|. |:|
    .|.:.|. |.:.|.     |∩|傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘|∩|     .|.:.|. |.:.|
   |∧||∧| ,.,.,傘||"||傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘||"||傘,.,., |∧||∧|
   (vVVVV)傘傘{∽}个个个{∽}{∽}}:|三ニ三|:{{∽}{∽}个个个{∽}傘傘 (VVVVv)        |
   山i!山i山傘傘|三|!|/⌒ヽ!|l~~|l~~|}:/个\ {|l~~|l~~|!/⌒ヽ|!|三|傘傘山i!山i山          ∧
   ||^^||^^|个l个{∽}!||:.  ||{∽}{∽}}:{ニi二iニ}:{{∽}{∽}||:.  ||!{∽}个l个||^^||^^|       /;;;;;ヽ
   || l|| l|::::::::::::|三|!|iニニニi||l~~|l~~|}::::/\::::{|l~~|l~~||iニニニi|!|三|::::::::::::|| l|| l|        | ∩ |
   || l|| l|/l\||: ||!|/l\||| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l||/l\|!||: ||/l\|| l|| l|  /\  |ニニ|
   || l|| l|::l⌒l: ||: ||!|:Ii==iI:||| l|| l|}:::|ニニニ|:::{|| l|| l||:Ii==iI:|!||: ||::l⌒l: || l|| l|三三三三三三三三
   |∬||∬|::|___l: |§|!|:|l  l|:||∬||∬|}:::, '三`、::{|∬||∬||:|l  l|:|!|§|::|___l: |∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   {})({i})({}iニニニi{({})}!!.!|,,, l|:!{})({|})({}}::|皿l皿|::{{})({|})({}!:!|,,, l|:!!{({})}iニニニi{})({i})({}:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
   || l|| l|鬥l鬥||: ||!|鬥l鬥||| l|| l|}|鬥轟鬥|{|| l|| l||鬥l鬥|!||: ||鬥l鬥|| l|| l|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   || l|| l|/⌒ヽ||: ||!|/⌒ヽ||| l|| l|}|iiiiiiiiiiiiiiii|{|| l|| l||/⌒ヽ|!||: ||/⌒ヽ|| l|| l|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
   |∬||∬||:.  ||§|!||:.  |||∬|∬||}|iiiiiiiiiiiiiiii|{||∬|∬|||:.  ||!|§||:.  ||∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   |凶||凶|iニニニi|凶|!|iニニニi||凶||凶|}|二二二|{|凶||凶||iニニニi|!|凶|iニニニi|凶||凶|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::



中庭のちょうど真ん中まで出て行ったやらない夫が振り返れば、
白亜の城が初冬の陽光を浴びて輝いていた。

318 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:43:12 ID:VkRf532r
九181.
今日までありがとうございましたと頭を下げ、
この国で知り合った全ての人との出逢いに感謝した。

今は離れる事を選ぶ。
だがそれで絆が失われてしまうわけではない。

それぞれの道が、一度分かたれる事になろうとも―――



                   ___
                  /;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
                 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
                     i;;;;;;;;;;;;;;;;;,イ´:::ト、;;;;ヽ             /勹
                     i;;;;;;;;;/:::::::::::::::ヘl ;;;〉           ./ヾ/
                    i;;;;;;;;| |:::::::::::::::::::::};|         ./ヾ/
                 i;;;;;;;| |:::::::::::::::::::::};| .,_   ∠ヾ/      「………真紅、ジュン、マコト、
                      i;;;;;;;| |:::::::::::::::::::::};|  llコ~○/        言葉さん、マスタング殿、アリアさん、
                λ;;;;;;;ゞ\ゝ:::::::::/У /`弋ll          そして城のみんな。
             _//弋;;;;;;;ー;;;=─ヤ彡ヽδ/ `弋l、
        ,r‐< ̄´、ヽ、 `ト-====ハ|   ,` v-, 、__  ゜        じゃあ、元気で。
        /    ` ー-`、ー_`、 ,!'``'┴┴ヘ,|/.-'_´.-'  `ヽ         またいつか会おう」
       l         r-ィヽ.}ヽ、__  _,.-ヘ´‐'r-ィ     |
       ノ 、        ヽ_ソ≠====:三===キヲ_ノ     |
       〉、 丶、 _    __,. ゝシ``ー---ll--‐‐ヘゞ‐′    ,. ヽ、
       !、 `丶--'丶、__,ノ  <^^>  ||    ヽ,--、 -‐',. イ´
.      }、`_ー_'二フ7'、_}ヽュ__,. Ⅴ ´ ̄`丶、_,ッ}:::ゝ-二._,.イ
.       〉、_ 二 -ィ′八ヽ ゙´Y          }リ::::::::{'ー--〈
     /ー--‐''´::::::/;;;;ヽヽ、_>、  ,. -─‐- 、ノレi:::::::::ゝ、ーイ
.     l::::::::::::::::::::::/;;;;;;;;;; 〉}  Y´       l |;;|:::::::::::::: ̄l
      ゝ:::::::::::::::ノ;;;;;;;;;;; く ノ   }        { l,;|::::::::::::::::丿
     ,〉:::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;/ `ヾ丶ゝ、      ゝ'〈;;;ヽ、::::::::::`ヽ、
    {:::::::::::::::::く;;;;;;;;;;;;;r'、   ,.、`丶` =--=''´'´ ,..ヽ、|::::::::::::::::::|



再会を誓う限り、またいつか交わる時がやってくる。

その時まで、元気でなと呟いた彼は二度は振り返らずに
開いたばかりの城門をくぐり抜けると、朝靄の立ちこめる町へ消えていった。

その後。
彼が最後に訪れたのは、エンジュを失ったサクラダ家であったと言う。

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322 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:44:12 ID:VkRf532r
九182.
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その日は朝食会の朝だった。
皆で集会所に集まっていたのだが、やらない夫がまだ現れない。



       _,    _,     _    _     _    _,    _    _
       |_|_|   |_|_|    |_|_|   |_|_|    |_|_|   |_|_|   |_|_|   |_|_|
    | ̄|_ | ̄|_ | ̄|_ | ̄|_ | ̄|_ | ̄|_ | ̄|_ | ̄|_
    |  _| |  _| |  _| |  _| |  _| |  _| |  _| |  _|
    |_|   |_|   |_|   |_|   |_|   |_|   |_|   |_|

                          /.:.:.:.:.::::::::::::::::::厶=-‐-.、_
                            /.:.:.:.:.:.::::::::::::::::/.:::::::::::::::::| ハ
                        /.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::: /.:::::::::::::::::::jこ jリ
                          /.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::/.:::::::::::::::::ィヨ  {{
                       l.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::..<´ |主  }ト、
                           \.:.:.:.:.:::::::::::::::::/   \'「 `ヽノリ.::',
                          ` ー一'´ ̄      ヽー彡'.::::::\
                                      `ヽ.:.::::::::::::丶
                                          ∨.:::::::::::ハ
                                         ∨/.:::::::::::}
                                              V.::::::::::::::ヽ
                                          〈.:::::::::::::::::::}
                                             Y.::::::::::::::入
                                          ` ー=≦∨〉
                                            }主}`ヽ/
                                             j主j_ ,ノ|
                                               /ー‐ヘ.ノ
                                           {ー‐彡'



   \       \ \     | ,,,--''''' ̄ | // _,,,,--┐   | /  _,,,...---
.       || ̄ /l‐|、-/l \┌' ̄|    _,,,,-ゥ/i`ヽ、  .ィ-ァ| | 「 ̄'   |
.       ||  ./,' | | |、| ̄''''ー-____,,--''''',,,-'''~/  \|.. .// | | |    |
.       || //==| |=|/ー-< ̄__,--''  ̄   /.     //.|  | | |    |
―--,,,___||_// ┌| |‐---,,,,__ ̄| | |    .     //  |  | | |    |
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    ||  ||  | |         | | |               |  | | |    |
――||―||  | |         | | |               |'.―|‐.| |-,,,,,__ |_,,,,
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    ||  ||  | |         | | |               |  | | |‐-,_____|
    ||  ロ(()==|         | | |             \|  | | |    |`''--
    ||  ||  | |.      / .| | |               |\..| | |    |
    ||  ||  | |./  /.   | | |             \|  \ |,,,,....--- |----
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.   /,;,;:.::.-' /:.:.:.:.Vゞr'て・) }  ||=イ=|.| { ・ .) / || V:.:./ヾ:.:.:.:.:.:.::ゝ
     ̄   /:.://∧ `== ´ /   廴=三三=/ r─、:./ ̄ ̄ ´    「た、大変です!
.       // { ヾー==''´  {    ̄ ̄ ̄   r  }´         やらない夫が居ません!」
           ヽ .|       __       ///
             ∧      {=---ァ}     /__/
             ヽ、     ─= ‐    ノ
               ` 、       , イ
                  |> 、 _ , ィ´  .|
                r─|         ├‐ 、
                 / ..| .}        V   }
              /   V、      //   |\



寝坊なんておかしいな、と部屋まで迎えに行ったジュンが大慌てで戻って来るなり
行方不明だと騒ぐので、

325 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:45:12 ID:VkRf532r
九183.
ちゃんと捜したのか、俺は腹が減ったぞとマコトがテーブルを叩いた。



.     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
     /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
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   /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
   |: : |: : : : : |: /  \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|
   |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V
  < : 」_: : / 〈  ゚ |/  レ  ゚ ..}|:./ヽ: : |
  <:: |. 小{   _,,.. -    、-.,_  レ{: :.|ヽ:|      「居ない?便所とかじゃねぇの?」
   厶ヘ ハ         、     {ハ/ V
      \_!      _ '     !
        ヽ    /   `t   /
      ___,r| \  {    / /
    /:/::::| \  ヽ `_⌒ ィ ´
  /::::::/::::::|  \   ´ ∧>、
/:::::::::::/::::::::|    \  /  !\::`ー- 、
::::::::::::::/:::::::::∧    /二\ |::::::ヽ::::::::::::\
::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ  /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::!



            /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
        _ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::\   ,
       ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::、:.:.:.:/ //
         >:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:レ:.:.:/
         /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´
        ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
          レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ
            ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}      「部屋が綺麗に片付けられていて………」
     ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|
    /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./
  //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―
 .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
../: : : : : : : : :\: : |: : V: ∨: V: 入
/: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : \//: :/ヽ

327 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:46:12 ID:VkRf532r
九184.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   この、手紙を―――!

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        /l
     Λ/ 〈 へ、
   ヘ|        ,>
 ∠  /   〉ヽ   ̄\
 / ノ〈 |^^| /\ト、  ト、l
 |/| .ハ|__ |/___ ヽ  ヽ    「え?どういう事?
   l/  |‐|   |―ヽ_|     やらない夫は何処に行ったの?
    |  ̄ c  ̄   6 l      この封筒と記章はなに?」
.   ヽ (____  ,-′
     ヽ ___ /ヽ
     / \∨/ l ^ヽ
     | |      |  |



                       ,. --- 、
                      ,...:'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
                 r'~`i⌒r‐-、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
                ヾ、,⊥.,___;;__ ヽ;.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.',
                  i.:.:.:.:.:、.:.:.:.:`i.:.:.:.:l_.:.:.:.:.:.:.',
              .   liいヽ:ヽ_;;;,:.:l.:.:.:;.lヽ.:;;::::;:.ヽ、
              .   l!'い';ヽ、;_;こ!::::,;,;iノ,;,;;;,;;;;;、rォ、
    「……………」       ヽ-'l`く 、ノ!:::,;,;,l |,;,;;,;,;;/  ヽ.
                      .i:.:.;|. l:,;,;,;,;l |;,ル/.  /ー\
                      .!i.:;;个!i,;i,;,;レレ';V.  /    ヽ、
                     lハi´ リiルi`ヘ人 /  __   ヾ、
                           _,く‐' :ヽ,i/    ̄ "')\
                             ヽ:i:.:..:.:|ヽ;,,,,      /  ヽ_
                              }:!― ! ヽ;;;;;;;;;;;;,,,,. i    `ir‐_''ユ =-、
                           /.:!:::::.;,i  ヽ;;;;;;;;''  !;;,,,,,;,;;;;;人ー‐一 '" ヽ
                            └ノ.:,. -ゝ、  i    l //  ,>、二 ___l
                            `    i, `l ,.   |- ''  /  ! ヾ、、
                                ! i i ,'    l  ,/   ',  ヾ.、
                                    i l リ    「 ̄      ',.  ヽ丶
                                 'i ,'    リ           ',.   丶ヽ
                                    l ;.    ,'         ',    'い
                                    | ,'    ,'          ;     'い
                                    l/     ,'          ;     い



口を真一文字に結んだまま、ただ頭を下げる翡翠から手渡されたのは
一通の封筒と薔薇の記章。

ぐっと涙を堪える、たくさん泣いた涙の跡を隠そうともしない彼女の表情から
やらない夫が何処へ行ってしまったのかと、
何があったのかを悟ってしまったジュンには、それ以上言う事が出来なかった。

328 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:47:12 ID:VkRf532r
九185.



            /    /  ,、 |、|"゙`、    `、
           l    /  / | .|.l|   l  .::::::::::l
            | |   l  /_,. | .| |ト、  | ,  .:::::::::|
           | |   l/l/'´ // /  `メノl /l .:::::::|
           、ヽ   ,ィチ斤、′   ミュ' !.:::l:::|
            | \ {b::::::リ    P::::::リ / .:::|:::ト、     「手紙には、なんと書かれているの?」
            ト、  `ド-‐'   ,  `‐-'/l.::  |:::| ヽ
            |::|   ヘ         /:::|.::. |::::| `、
             |:::|  ::::「` 、   ´`  イ `|.:::. |:::::|  \
              |;:イ  ::::|  l ` ー ' ´  !  |.::  ト、:::|
           /';:::|   :::|.  |‐- 、 , -‐/   !.::. |:::ヽ、
          /::::::::';::|  :::|   ヽ   /   |.::  |:::::;'::::::ヽ
            l::::::::::::';:|  :::|  __\/__  |.:::. |::::;'::::::::::::l



         /|  , イ         ==‐
   `、    / { /             `丶、
    ヽ\  { |/                   ヽ
     乂ヽ { |      \             \ 、、
       /   、 |      ` 丶、       ヽ ヽヽ
    , ',/ //   \|、   `` ‐  `_ヽ、    、ヽ ゙.
    ノ / /// |i |``lヽ     \  `‐ `=-   \ヽ
     //|   レ! | 、ヾ 、ヤ \ ヾ\      ヾ }`
      i// /   | ヾ ヽぃ i iヽヽ\ヽ,,,\  \| | ハ!
      |//   H Aト-仆ヽぃ ヽ! xィ勿 }}\   `レ′
       /| ,,  キ,,x=≠=x, レ ヽ イ弋_歹 ! \ヽヽ.
        |/| | 代 勿 }}              ト ´|` ゝ
           | / ヽ `‐゛           ,′| | \     「王女様………」
           ヾ!      ヽ     〃| |ヽ!  \
            ヽ\    -一  / /|/    _ ,-ン
             \ `ト 、_  _ / | /  _, ‐ ´  ノ
           /´`ヽ,.|     ̄ ____| )_-(_   , /
      ___∠Y ′ ∠,ヽ ヽ _,-‐ ´´  )‐}    ̄
   -‐ ̄   /   ̄_,´` ̄丶_  _/ /   , ヽ_
  // ̄\ /   <__/ .` ー´ ̄ /   //     ̄ト、
 ノ    /    ー 、 \   \ /  //     / \
ノ    ハ    ー- ...`ヽ`ヽ             /    \
    / 人_ノ_ノ ´ ヽ、_    ヘ____ /       ヽ



言葉に言われて真紅を見ると、


329 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:48:12 ID:VkRf532r
九186.
強ばった表情の彼女が了承するように頷いたので、



       r'´      ,イ´f´    /          `ヽ          ノ
  ,rー--{       / / |     /            |    ヽ        ノ
  / / ̄!      / 〈  ノ/  /            ∥   ヽ      (_!
  | レ´ ̄_>   / ! 'Y /    !  /           ∥  |  ' ,      `!
  ,ヘ`二彳´    | |  f/ / | | /     |     ∥   |  ',      `!
/     |     | .ノ-イ ! !  |  ノ' | j   |     /}   |   |         |
       |     !f   }| { | |,イ|,f/| .∥  .j   / } |  |   |        |
      レ‐イ  | ) .{| ,ヘバ十-|-‐'ム .イ/ , / /, ,イ  /! | /      ノ
     /   |  rュ,⌒)ル'ムィテ'i'テ〒ミ`ノノ/ /レ'`ナメイァ // / /    <(´
   /     `ー<@〉},'  ハ辷'_..八` " ノ.r' ,rテ!ムz'//イ /レ      ノ
  /         `マ  ,' ´"'''"゛      {、_.'ノ 'zィ'   レ'_  _,...-‐´   「ジュン、開けて読んでください………」
/            ,' | |',         j,  `'''''゛//     ) `´
            ,'  !! ヽ、      "      /├‐-‐ '´
                ,' ∥`ヽゝ^ヽ    ~'   _.. イ |
    , ‐ ´ ̄`ー、._  |   |>´   ヽ.._.. -≦  /  {
  /          `┤ ∥       ヽ r-―-、_!  |

          > -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
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      /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| ̄`''- 、;i:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ヽ
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    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_    //:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ、=、_,, ,/ |:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|
  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´\-;/ ̄ V ̄ | |イ≧ミ=、/   |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
  ` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}
      /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|
      フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V   「良いですか?
      ´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|     読みます。
          ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /       ………みんなへ―――」
           /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./
      /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
     /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´
   ノ |      }ヽ::::    /_
 ̄ ̄  .|       \   { ヽ
     .|      / ` ー='´  \                | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
                                    |                    |
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                                  /                   /ヽ__//
                                  /               /  /   /
                                 /              /  /   /
                                 /   ____      /  /   /
                               /             /  /   /
                              /             /    /   /
                               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /   /
                                             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



ジュンは震える手で何枚かの便箋を取り出した。

333 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:49:13 ID:VkRf532r
九187.



         ___,,_,_,,._...、 、、、、、、  --- ―――┐
        .|                         | :. ::.
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     ::  |            __,,_,_,,._..、、、、   |   :.
    :  :. |  '''' ""゙ ´´ ̄ ̄                 |     ::.::.
     :: : : |                __,,_,_,,._..、、、   | :.::.
       .::.: |   '''' ""゙ ´´ ̄ ̄               .|´`""''' ―- 、
       :. ::..|                _,,_,_,, _、、、 |     _,. -''´ヽ
       .: : |   '''''_""゙_´´ _ ̄_ _,._,.,, 、,、、 -z- =-'、,. -''´:::::::::::::::::::\
   :     ゙、"``""´´ ̄ ̄    ̄__,,_,_,,._..、、、、  ゙、:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   ::       ゙、  '''' ""゙ ´´ ̄ ̄              ゙、::::::::::::::::::::::::::::::::::: \
   ::      ゙、   __,,_,, _、、、、  ----- ―――   ゙、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
 ::..    .      ゙、              __,,_,_,、、、、  ゙、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
            ゙、   '''' ""゙´´ ̄ ̄                ゙、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ::        ゙、    __,,_,, _、、┌─────────────────────────────┐
     ::    .   ゙、             │―――みんなへ                                .│
            ::::   `'''' ""、´´:: ̄ ̄:::::│………突然だけど、俺はまた旅に出る事にした。            ..│
                        │安定して心休まる城の暮らしも悪くはないが、              ...│
                        │やっぱり俺にはあてもなく彷徨う冒険者が合っているらしい。       │
                        │                                           .│
                        │みんなには別れも告げずに悪いと思ったけど、               │
                        │言えば決心が鈍りそうだったから。                      .│
                        │                                           .│
                        │新しく結成された神竜騎士団を見捨てていくようで心が痛いが、   ....│
                        │もう俺無しでもやっていけると思う。                    ....│
                        │                                           .│
                        │いや、本当は俺なんか必要なかったんだ、きっと大丈夫だ。      .│
                        │                                           .│
                        │                                           .│
                        │もう、ゆっくりと話す事が出来ないから、ここで一言ずつ、          .│
                        │挨拶させてもらうよ―――                           │
                        └─────────────────────────────┘


335 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:50:12 ID:VkRf532r
九188.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   ジュン。
   お前はもうとっくに一人前の親衛騎士だ。
   俺に頼るばかり、俺から学ぶ事ばかりを考えずに、
   自分で自分を磨き、道を探せ。

   もう、それが出来るようになってるんだぞ。

┗──────────────────────────────────────────────┛



            /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
        _ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::\   ,
       ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::、:.:.:.:/ //
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         /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´
        ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
          レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ
            ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}     「どうしてだ………!
     ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|      一緒の夢を見ようと言ったじゃないか………!」
    /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./
  //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―
 .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
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337 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:51:13 ID:VkRf532r
九189.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   マコト。
   親衛騎士団を頼む。

   騎士は誓いを守るだけでは済まない、他の事も護れなきゃならないと
   知ったお前こそ、団長に相応しいと思う。

   アンデルセン様から託された物、大切にな。

┗──────────────────────────────────────────────┛



             ⌒ヽ、
          _ ,-─ 、,〉ゝ--::... 、
        ,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`\_
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
     , ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     /::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   ,/:::. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    l:::./.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    |/|:::::::::::::::::::::::::::::::: ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    |:::::::::::::::::::::::::::::/ l:::::::::::::::::::|\::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
    |::::::::::::::::::::::ゝ/L  l:::::::::::::::::|   \斗‐:::::::::::::::::::::|
    |:::::::::::::::::::/l /  `メ::::::|\::::lィ´  \:::::::::::::l:::|
    |::::::::/|::::/ リ  ,__、 ヽl  \l;,__   |l |人::::::::|∨    「何言ってやがんだ、
.    |::::/ |:::fzll ^`=='´     ^===‐'´ljlノ::::::::/      お前が教えてくれた事じゃねぇか………!」
     |/  ヽ::::|ヘ              /ィ<"l/
         ゝ;八      ;       /イ
           x > 、    ─     イゝ:::`>-、
         〆::::;//ハ` 、     <´/  l):::}:::::::::::::::` 、
        //::::://  \  `‘´   /  /::::7::::::::::::::::::::ハ::l
       ノ::::/::::::《〈 ヽ/ヘヽ     /  /::::/::::::::::::::::::::::/::::l

338 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:52:12 ID:VkRf532r
九190.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   言葉さん。
   マコトの補佐、宜しくお願いします。

   それから色々と教えてくれてありがとうございました。
   姉が出来たみたいで、とても楽しかったです。

   そうそう、あの魔刀は差し上げますのでそのまま使ってください。

┗──────────────────────────────────────────────┛



                     /.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;/             /::/      |:.:.:.:.:.:.:.:.:.li
               /.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ , ' " ̄"''''―‐'′ /:/       |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
                /.:.:.:.:.:/.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:./ ′ ====ュ       //  ヽ.    !..:.:.:.:.i.:.:.:.:.:|
                  /.:.:.:./.:.:.:.丿、.:.:.:.:.|.:.:.:/ /|  ::::::]|     //    `ヽ. l.:.:.:.:.:.|.:.:.:.l:.:i
                  /.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.|.:.:.:.:.:.|.:.:/ ′ |:::::::::::::]|     /    , = 、 ゙ト.:.:.:.:.|:.:.:.:|i.:|
                //.:.:.:.:.:.:.:丿.:.:.|.:.:.:.:.:.:|.:.|    L:::::::::::ノ     /    i :::::!|ヽl゙.:.:.:.:.:,|.:.:.://
              //.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:l:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.|│     ゙ー-′        |::::::::|| l゙:.:.:.:.:,リ:.://
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        ,,-,フ′.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.|i                、     /:.:.:/.,/,i´
.      /.:/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:|`              '      //,,lン′
   /.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.|             , - 、       ′rノ
  /.:/.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:|            ヽ. _, ′     /.:/  「そんな………!
/.:/.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:| ヽ、                  , ':.:/    私はあなたから
./.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,,r‐ ''"^|.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:|   ヽ、             /:.:.:.:/    受け取るばかりだったのよ!?
.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/     |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:|     ヽ、       , '.:.:.:.:.:.:/
.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,/--‐     |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i、         ` _ イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:/      まだ、何も返せていないのに………!」
.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_,/         l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、      /´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.|
,´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ _,,,―──-、  l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ     /`゙ヽ.:.:.:.i、.:.:.:.:.:.:.:/.:∥
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ノ'″      .\_.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ   /丶、 ゙i、.:.l゙:.:.:.:.:.:.:/.:.:.||

339 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:53:13 ID:VkRf532r
九191.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   マスタング殿。
   短い間でしたが、色々勉強させて頂きました。
   日々努力、俺もそうありたいと思います。

   研究のお手伝いは出来ませんが、きっと―――
   行く先々でセッケンを見る度に、あなたやとっつぁんの事を思い出すでしょう。

┗──────────────────────────────────────────────┛



                                    ,.-ァ^''"´ ̄ ̄ ̄`"''ヽ、
                                    '.,:'.::.::::;:;::;:;:;::、:::::::::::::::::::::ヽ
                                    /;:::::::/!i.!ヽヽ,,..、ヽ::::::::::::...ヽ
                                   .//;::::::i_,!j i ´'-’ヽ ヽ::::r-、::i
                                    !'i::::::!か       ヾ;):ノ:;!
     「ビップ殿。                        ' !'!'ii  i       ::i'":/
                                      !、 .ー      .:::jィ'
      一人の研究室と言うのは、                  ヽ  ''"~´  .:;/i::ト-、
      意外に寂しいものなのですぞ………」            ヽ ___,,,,...-''::;/;:-'.,:::ヽ
                                       _,.-''ゝ、 :::::::::::iiヽ.:::::::::::ヽ
                                       .!,ヽ.::!r'ヽ :::iヾ!!::ヽ、:::::::/==- .....,,,,,_
                                _,.... --,-,ー:!i:::ヽj ;i´::::::/:i、!:::::::::`ー'::::      .:ヽ
                               / .ヽ  /./:: ノ-‐::ヽ、ヽー!::!,-'::::::::::::::::::::..     .:::;':i
                              / .:::ヽ/_,'-..,,,_    /:!/::::iヽ、:::::::::::::::::、::::..   .::::/:/
                             .ノ _,.-‐"´:::::::::::::::::`i  .ノ../.::::/  ::ヽ、:::::::::::::、::::.. .:::::;';:(
                           ,.;"-'..........:::.:::::::r_、:ヾ!::i、/::/: ..::/   :::::。ヽ:::;--‐、:、:::::;:;:;:;ヾ
                          ,.;ニ-!:::::::::::::;;-::::::、ヽ、ヽj-'ii:::::/..:::::/    ::::/ニ i ̄´;:;:;:';;;;;;;;;;;;;;
                       _,..='"  ヽ:::::;r '`''ー''、jヽj― i.ii:::ノ::;;:-'     ::/:;:/:;:;:;:;::;:;:;:';;;;;;;;;;;;;;
                     rァ''" 'ーァ::::::;ヾ、:;:;:;:::;):::i ー-- 'ノ;/、     .::/;:;:/:;:;: ,.;:;:;:;:;';;;;;;;;;;;;;;
                    ..r '  ...;:;(:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ::;;;ノ-/`:; ̄:;:´;/  ヽ:;:;:;:;:;:;:;:/:;:;:/;:  ,.;:;:;:;:;:;:';;;;;;;;;;;;;;
                    i´,.,.;:;:;:;:;:;:;:;ヽ;;:;:;:;:;;;ノ  ヽ_:;:;:;:;:;/:::;:;:;:;:;:;:;:ー;:、/;::: .!.,.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;';;;;;;;;;;;;;;
                    ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;;;;ン"     ./:;:;:;:;:;i`ヽ、:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;::i' ,.;:;:;:;:;:;:;:;:;:';;;;;;;;;;;;;;;
                     ̄         ̄ ̄ ̄ ̄!:;.,   i ::;:`ー:;-:';:;:::   ,.;i:;:;:;:; :;:;:;:;:;';;;;;;;;;;;;;;;;;
                                  .!:;:;:;:;.,., !        :;:: i ,.;:;:;:;:;;:-'';;;;;;;;;;;;;;;;;;


341 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:54:12 ID:VkRf532r
九192.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   アリアさん。
   宮廷司祭長就任、おめでとうございます。
   リフの代わりに光の教えを説いていくのはあなたしか居ません。

   前を向いて進めるのなら、一時の過去の事など大した事ではありません。
   それに、すでにあなたは十分償っているはずです。
   自責の念に囚われすぎないでくださいね。

   ………それから傷の治療、ありがとうございました。

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  | / {   l .|` ト- ':::::::/` .l| ヽ  l  | .|  l 丶   l   | | `<   /
.  !l ヘ   lヽ|cゝ!;;;;;;;___/   !  \ ! ,ミヽ、N ! \ |   .l l  `y'
 /i|// ヽ  ', :::::::::::::::::⊃       ヽ! / ヾヾl、|    |  ! |   |
./ / / / \ '、::::::::::::::::           /:`:::':::::`ト、l   !  !|   !
' / / / .人\ゝ.       ,      ⊂ヽ、;::: /ゞ!  j  |   .|     「違います………
/ / /  / ヽ `            :::::::::::`~ぅ/.|  ∧  ! |  |      あなたこそが光なのに………!
/,.ィ'   |--ー>,     r 、      ::::::::::,.-" ,. l ./ ∧ ',l  |
/::!  |::::::::/  >,    ` ’       ∠ -ァ''/|/  / \ゝ !      私はただ、それに照らされただけだと言うのに!」
::::::|   !:::::::/  / .ト、            ィ'.〆 / ./!   | |
::::::|  |::::::/  /.  |\\___ ,. -‐ '"´ /ィ / ,ィ'| l    |  |
:::::::|  .l:〈 、/   l  `丶__,,. - ー''///  ,< .| |     |  |
::::::::|  |::\ .\           //// /:::::\| |    |  |



344 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:55:12 ID:VkRf532r
九193.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   そして真紅様。
   俺の役目は終わりました。
   目の前の王位を貴女はきっと適切に、そして大切に使っていく事でしょう。

   心配する事はありません。
   貴女なら、民全てを幸せに出来るはずです。

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 /: : : : : : : : : ;, ´                 〉: : : : __: : : : \;;;;\
 ゝ 、: : : : : : :, '    '      、      、(__/\: : `ー 、ヽ;;;;ヽ
  ) \: : : :, '     ;'         、     、    ̄ ̄)_: : : : : : i;;;;;i
 ノ: : : : : : /    /          ` 、    ',   厂: : : :  ̄ ー-|;;;;;|
 ヽ__,,,/    /   、      ;   ;     ,  (: : : : : : : : : : : :|;;;;;|
  ノ _ /       ,'  \     i   l      ,  \: : : : : : , ': : |;;;;;|
 ̄ ̄: : : ,     ,   ,     \  i |   |      i   ): : : : ./: /i;;;;;|
: : : : : : : i     ;   ;  .ヽ  \ l |   l    ;   l  ∠__/: : : / l;;;;;|
: : : : : : : l   ';  l   ';  、 ヽ、 \   !    ; l !   ; |: : : : :/ : l;;;;;|
: : : : : : : :'   丶 |\   、 ` 、メ、 \ノ   丶;_i_! ノ   |: : : /: : :|;;;;;|
: : : : : : : : '、   \ \ \イ\ ヽ  \  /  ノ/ ̄/ート/: : : :ノ;;ツ
: : : : : : : : : :\ ' , イ、ー\ \ ゝ ヽヾ_≧≠三壬幵心ッvi\,__r'ーゥ'、
> ; _: : : : : :/\\| ゝ,≠==ミヾ     ゞッヘ_厂 ̄ て_。 7/| /7k{lソ
    >/::://\|  V,ヘ厂 vメ          つ    ノ ' .|( ベ i,}ニ'
.     /::::::/::/  .|  r ゝ  く_,,        と- _-_,) /|ハ_ヾ、ヾ
.     /::::::/:::l   |  l (⌒c二ソ         ̄    ,≦;/ ゞニ-    「 あなたが隣に居ないなんて………」
    /::::::/::::::|\_ノi.  ト、し'///        // l_,∠圭/ / ト、
  /::::::/ |::::::|   /   L>    `        ./圭圭圭/ /  i \
_/:::::::::/ i:::::::|.  /    |圭圭≧,、 ´ ̄`  /圭圭圭ミ/ /i  |
\::::::::/, i::::::::|. /  i ./圭圭圭圭≧ー- ,,/圭圭圭圭/ / .l   |/
   ̄´/ i;;::::::| / ,  ,'/圭圭圭ミ,'ィ´r,/フ゛ヽテ圭圭ミ/ /i  l |
    /   ; ̄7/, ' /、圭圭圭,,}/:l ゛l´{lソ}/}、 ハ圭ミ/ /ミ|  l ./
.  /   ;'  /' ./| ヽ圭圭圭゛l、 ヘ ゛i,}ニソ/}圭/ /圭ミ|  i'
  /   / / /,/ | /圭圭圭ミ\ヾ、ヾ二'_ノ/ミ/ /圭彡} |
/   /;´ // i.  | /圭圭圭圭圭;\三彡シ圭ミ{ (圭圭ノ /

345 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:56:13 ID:VkRf532r
九194.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   もし、もしも。
   また、ローゼンに。
   また、貴女に、みんなに―――何かあった場合は、必ず駆けつける事を約束します。

   覚えておいてください。
   やらない夫=ディバイン=ビップは、必ず約束を守るって事を。

┗──────────────────────────────────────────────┛



                          。
                     。  。     |     。  。
                      |.  |     |:|    |.  |
                   ||  ||    |.:.|    ||  ||
                     |:|. |:|   l∧l   |:|. |:|
              。     |.:.|. |.:.|   ,.傘.,   |.:.|. |.:.|      。
               |       .|∧||∧| ,傘傘傘, |∧||∧|       |
     。  。       ||.     (VVVV).傘傘傘.(VVVV)       ||      。  。
     |.  |      |:|      {∽}{∽}}}傘傘傘{{{∽}{∽}      |:|      |.  |
    . ||  ||     |:.:|    ,傘|l~~|l~~|}}个个个{{|l~~|l~~|傘,    |:.:|     ||  ||
    |:|. |:|    lvvl .,.,傘傘|∩||∩|}::::/⌒ヽ :{|∩||∩|傘傘,.,. lvvl    |:|. |:|
    .|.:.|. |.:.|.     |∩|傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘|∩|     .|.:.|. |.:.|
   |∧||∧| ,.,.,傘||"||傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘||"||傘,.,., |∧||∧|
   (vVVVV)傘傘{∽}个个个{∽}{∽}}:|三ニ三|:{{∽}{∽}个个个{∽}傘傘 (VVVVv)        |
   山i!山i山傘傘|三|!|/⌒ヽ!|l~~|l~~|}:/个\ {|l~~|l~~|!/⌒ヽ|!|三|傘傘山i!山i山          ∧
   ||^^||^^|个l个{∽}!||:.  ||{∽}{∽}}:{ニi二iニ}:{{∽}{∽}||:.  ||!{∽}个l个||^^||^^|       /;;;;;ヽ
   || l|| l|::::::::::::|三|!|iニニニi||l~~|l~~|}::::/\::::{|l~~|l~~||iニニニi|!|三|::::::::::::|| l|| l|        | ∩ |
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   || l|| l|鬥l鬥||: ||!|鬥l鬥||| l|| l|}|鬥轟鬥|{|| l|| l||鬥l鬥|!||: ||鬥l鬥|| l|| l|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
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   |∬||∬||:.  ||§|!||:.  |||∬|∬||}|iiiiiiiiiiiiiiii|{||∬|∬|||:.  ||!|§||:.  ||∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   |凶||凶|iニニニi|凶|!|iニニニi||凶||凶|}|二二二|{|凶||凶||iニニニi|!|凶|iニニニi|凶||凶|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
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348 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:57:12 ID:VkRf532r
九195.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   またローゼンに来た時には顔を出すようにしますが、その時は怒らないでやってください。
   悩みに悩んだ末の、選択なんです。

   みんな、後の事は頼むよ。
   王女様の事も。

   俺はどこか旅の空の下、ローゼンの平和をいつも祈っている。

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       _
      ./::;
     /::... : :  .ヽ               _,.... -‐=‐- ...,
     /::::...._ノハ_____j   _,,,,..___.      ‐' "~  . :.:.: .: :.: . :. . :.:"ー-,,,__
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     |::-:u;::_,.-‐'     _,.,, , -‐' "~ _  -     _」llllllllllllllllll_...-‐―‐
  " ,,.:. :.:.:.   _,.,, ,-‐'"~ _  ‐___ __....,,,--‐T"7'":;: .:.: . :..:.. .:.:. ヽ:;:..
      __,.-‐'"~  _   -  /;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、    ゞ:l=( ―-  ,,,__.:::.::  )=
     (., -= -   _-= - /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ__ソ....ヽ_,,__,,..__   ̄`-.._ __.___
      '-  -=  _-= - i;;;;;;;;;;;;;;;;;,イ´:::ト、;;;;ヽ             /勹ー"
       ~'-, ̄ -=_ =i;;;;;;;;;/:::::::::::::::ヘl ;;;〉           ./ヾ/      ,,
       .,, ″'-,,_  ― i;;;;;;;;| |:::::::::::::::::::::};|         ./ヾ/   ゛   ゛
     uiノ     ~゛'‐,,  i;;;;;;;| |:::::::::::::::::::::};| .,_   ∠ヾ/-,,,,.,,,_.   ゛
    ,,  ゛    ゛   ゛'‐,i;;;;;;;| |:::::::::::::::::::::};|  llコ~○/=― ~゛'‐-,,,,.,,,_.
          ,,    ゛ λ;;;;;;;ゞ\ゝ:::::::::/У /`弋ll- -≡―  ニ
             _//弋;;;;;;;ー;;;=─ヤ彡ヽδ/ `弋l、_ ―ニ-  ―
        ,r‐< ̄´、ヽ、 `ト-====ハ|   ,` v-, 、__  ゜
       /    ` ー-`、ー_`、 ,!'``'┴┴ヘ,|/.-'_´.-'  `ヽ
       l         r-ィヽ.}ヽ、__  _,.-ヘ´‐'r-ィ     |
      ノ 、        ヽ_ソ≠====:三===キヲ_ノ     |
      〉、 丶、 _    __,. ゝシ``ー---ll--‐‐ヘゞ‐′    ,. ヽ、
      !、 `丶--'丶、__,ノ  <^^>  ||    ヽ,--、 -‐',. イ´
.      }、`_ー_'二フ7'、_}ヽュ__,. Ⅴ ´ ̄`丶、_,ッ}:::ゝ-二._,.イ
.       〉、_ 二 -ィ′八ヽ ゙´Y          }リ::::::::{'ー--〈
     /ー--‐''´::::::/;;;;ヽヽ、_>、  ,. -─‐- 、ノレi:::::::::ゝ、ーイ
.     l::::::::::::::::::::::/;;;;;;;;;; 〉}  Y´       l |;;|:::::::::::::: ̄l  ザッザッザッ
     ゝ:::::::::::::::ノ;;;;;;;;;;; く ノ   }        { l,;|::::::::::::::::丿
     ,〉:::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;/ `ヾ丶ゝ、      ゝ'〈;;;ヽ、::::::::::`ヽ、
    {:::::::::::::::::く;;;;;;;;;;;;;r'、   ,.、`丶` =--=''´'´ ,..ヽ、|::::::::::::::::::|


351 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:58:15 ID:VkRf532r
九196.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   それから記念に新しい記章、貰っていく。

   じゃあ―――いつかまた会おう。

                                           やらない夫=D=ビップ



   ―――追伸。

   ウェンリー=ヤンって凄い人がカーディナルに来るはずだ。
   良ければ大臣にしてやってくれ、活躍してくれると思う。

┗──────────────────────────────────────────────┛



            /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
        _ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::\   ,
       ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::、:.:.:.:/ //
         >:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:レ:.:.:/
         /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´
        ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
          レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ
            ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
     ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|        「………以上、です」
    /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./
  //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―
 .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
../: : : : : : : : :\: : |: : V: ∨: V: 入
/: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : \//: :/ヽ



ぽつりと呟いて部屋を見回してみるも、誰も口を開こうとしない。

355 ◆FrtuoSIf66 10/11/27 23:59:12 ID:VkRf532r
九197.



                   廴::::.:::.::.:::::.::.:::/   /          `‐-‐、::.::.::.::.::::.::.::', : : :
                    _):::::.:::::.::::::/     i     i    |   〉:::.:::.:::.:::.:::.::!: : :
                    L_::::::.:::::.::/     |   ,' |     |  {::.::::::.::::.:::.:::::.} : : :
                       ̄l:::::::i    l |    i  |     !  ト、:::::::::::::::::::::|: : :
     「うっ、ううっ………       \_| i     l |  i | l|  | ,.ゝ/ -‐' -:::::::::::::j,ェ、
      やらない夫………」        | |    l |  | ! l =ー|''  // (::::::::::::::::ハ{{
                         | |i     i i _」 ト、|| / ___  .  ト、::::::::::代`
                         |l|    X´i l\l  レ'  ,zニ三(つ〉 | ト‐-,:::|:.`:
                          ヽ!ヽ、 ト、と)=ミ、      ::::::::    l i| 〈::::}: : :
                           `  \| k' ::::::: ,          //.| 〉,': : :
                                    ハ    ._. = 、     // | |: ;/
                               | ヽ.  V_:.::._}    .// __| |_:::::::
                               |   | i ー-_、 __ , ィ' //: ̄ ::| |:|-;:::
                               /  / lヘf{ハ l´: : ://: : : : : | |:|. L



真紅は今こそ知った。
やらない夫が時々見せていた、遙か彼方を見つめる眼差しの意味を。

彼が夕べ何を言いそびれて、部屋から立ち去ったかを―――



                ̄   、
            ´        \
     /              ヽ
      /                ノヾ
    '            ー ´  ヽ
    l              / .,.....、ヽ
.   l              l {::::::} l
.    l              冫.ー く    「竜魂石は誰でも所持できる石じゃない、
   l               l    ノ!    持ち主を認めなければ光を湛えないんだ。
   l               `ー‐ f r'
   l                  ノ'     だから君が持つ事が正しいはずだし、
   !                     /      俺も君に持っていて欲しいんだ。
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /       俺は―――」
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /         (俺はもう、君の側には居られないから)
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./


356 ◆FrtuoSIf66 10/11/28 00:00:14 ID:R1KgvJoz
九198.
こみ上げる想いを堪える事が出来ず、席を立った王女は部屋から飛び出していった。



   \       \ \     | ,,,--''''' ̄ | // _,,,,--┐   | /  _,,,...---
.       || ̄ /l‐|、-/l \┌' ̄|    _,,,,-ゥ/i`ヽ、  .ィ-ァ| | 「 ̄'   |
.       ||  ./,' | | |、| ̄''''ー-____,,--''''',,,-'''~/  \|.. .// | | |    |
.       || //==| |=|/ー-< ̄__,--''  ̄   /.     //.|  | | |    |
―--,,,___||_// ┌| |‐---,,,,__ ̄| | |    .     //  |  | | |    |
___ .||l /| | 'l |     | | |         /'''~.     |  | | |_,,,,--|--''''
====┐ .||/. | | |l.      | | |               |  | | |    |
    ||  ||/ .| | '!      .| | |               |  | | |    |
    ||  ||  | |         | | |               |  | | |    |
――||―||  | |         | | |               |'.―|‐.| |-,,,,,__ |_,,,,
    ||  ||  | |         | | |               |  | | |--'''' ̄|'''''--
    ||  ||  | |         | | |               |  | | |‐-,_____|
    ||  ロ(()==|         | | |             \|  | | |    |`''--
    ||  ||  | |.      / .| | |               |\..| | |    |
    ||  ||  | |./  /.   | | |             \|  \ |,,,,....--- |----
    ||  ||  |/  /..   .| | |               |\..|..\... ___|,,,,,,,,,,



                          ヽ、_,人_,ノ、_,从,人.ィj、ノv1人.ィj、ノv
                           )
                        ‐=、´   うぁぁああああああ!
                          )
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   |:::::」  |:::| |::/_   |::::::|    |    ,'       /ー- 、. -=― .、ヽ
   |/   L:ノ /:::|  |::::::|     l.    ,′     /       ,: ゙i|
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               .|:::/     ,'   |`ー--‐"'''´    ̄i`- '" l
             |/,-┐ /     |             l     ,!
               |::::|  r'´ ̄`ヽ、!           ゙、   /
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                 ,'     ,:'
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        ,:''⌒``'''<゙ヽ、、    '{
          !,. - 、    \ヽ、` 、.,!
        ゙ヽ、  ` ‐ 、...ヽ、_``'く
          ``''‐- 、_ `` ``r'′
               `丶、ノ

358 ◆FrtuoSIf66 10/11/28 00:01:11 ID:R1KgvJoz
九199.
廊下を遠ざかっていく嗚咽。

王女の涙に胸が痛くなったジュンは嫉妬ともう一つ、
明確には分からないやるせなさを感じて力任せに床を蹴った。



            /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
        _ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::\   ,
       ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::、:.:.:.:/ //
         >:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:レ:.:.:/
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        ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
          レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ
            ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
     ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|
    /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./    「国王様が亡くなられた時にも、
  //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―           涙は見せなかったのに………」
 .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
../: : : : : : : : :\: : |: : V: ∨: V: 入
/: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : \//: :/ヽ



                               //  ィうヾ        \ヽ
                               | j     >=彳       ::::l |
                               | l  ___|   |__     ::::l|
                                /l | |        |   .::::l l::\
                              | .| | └─┐ ┌─┘  .:::::l l:::::::.\
                               l ! |    :::|  |     .::::::j ,'::::::::::. l
                              | l|  ::└ー┘    .::::::::j ,'::::::::::: ,'
                                ', ', l _,;:ァ-rーヾー 、_.:::::::://::::::::::: ,'
                               vイ´:/   !: : :!: : : :ヽ、`:x'/::::::::::: /
                               | l,'/> 、ヽ,: '、:ト、\:丶、:`l: 、: /
 「それだけ、想いが強かったのですよ」       | ! i彳tぅミ ヽ!斗≦毛zミl: ! : ヾ
                                l: ;イ}ゝ辷;j.    ´ トィ':::j"|: l: : : !
                        .       j : 八 ,,,,  ,   ┴ー"'ォ ,': : : l
                        .       ,'/ィ : : `..、  -   """ィ|:!/l : : :l
                              //j : : : : : _´>┬_,≦ノ|㍉_: : :!
                              ノ /: : : ァ´ {{:::{{ヾ-  〃:::〃ヾ,l
                        .       /: : :/  〃;;::::ゞ=三 彡':::〃  .}
                        .    , ': : : :イ  /'  ::/  /  ''〃/   j
                            /イ: : : {  {  .::/ ./  .:!l/   ./l
                        .     l,': : : :i   l、;;;;;/  /;;;;;;;;;;;j'   ./: :!
                             {,ヘ: : : ',   l ̄    ̄ ̄/   /: : :l
                              i| ', : : |  'r┐ ┌--/   /: :l: :j
                        .     ヽ ヾ\!.  'v  |:::::/   /ノ丿ソ
                                 l  |  !:::/   / \



アリアの呟きが集会所の雰囲気をますます重いものとした。
ロイは何を言えば良いのか分からなかったのでただ、黙っている。


363 ◆FrtuoSIf66 10/11/28 00:03:12 ID:R1KgvJoz
九200.



          |\     /\     / |   //  /
        _|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
        \                     /
        ∠    あの、鈍感野郎が!    >
        /_                 _ \
         ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄
          //   |/     \/     \|
                                  .,-イ .,,,、、 ,,,,、
       /// // ///   ///              .,l゙ .゙‐'` ゙l |,,,|^|
      //// // ////   ///            ./'゙_,、.r‐',i´.l゙ ゙ .""
     //// // ////   ///             .ト'",l゙ l゙ l゙ │
     / ̄ ̄´`ヽ _  // // //              l゙ ,l゙ .l゙‐'"
     (  ゝ/ ̄ ,   ̄ ̄ ̄ ̄             .レ'"  _,,、,,r、,ーjl'
     (`ー‐|  /!                          {-!ト''゙l゙,i´
     (`ー‐し'ゝL _                             ,レ"
     (--‐‐'´}    ;ー------                     l"
      `ヾ-‐' ーr‐'"
     )     て
    /^⌒`Y´^\
      レY^V^ヽ



             ⌒ヽ、
          _ ,-─ 、,〉ゝ--::... 、
        ,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`\_
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
     , ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     /::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   ,/:::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.l
    l::::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    |/|:::::::::::::::::::::::::::::::: ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    |:::::::::::::::::::::::::::::/ l:::::::::::::::::::|\:::::::::::::::::::::::::::::::::::|
    |::::::::::::::::::::::ゝ/L  l:::::::::::::::::|   \斗‐:::::::::::::::::::::|
    |:::::::::::::::::::/l /  `メ::::::|\::::lィ´  \:::::::::::::::::|
    |::::::::/|::::/ リ  ,__、 ヽl  \l;,__   |l |人::::::::|∨   「姫様の気持ちも知らねぇで!」
.    |::::/ |:::fzll ^`=='´     ^===‐'´ljlノ::::::::/
     |/  ヽ.;;;|ヘ              /ィ<"l/
         ゝ;八      ;       /イ
           _> 、  ゝニ ア   イゝ:::`>-、
         〆y´ 'l‐<` 、   , <´/  l):::}:::::::::::::::` 、
        /´ /   〈   lヽ、 `‘´.   /  /::::7::::::::::::::::::::ハヽ
       γ  ノ      { `xl    /  ,/::::/::::::::::::::::::::::/::::l
      八j      :;  ^  ノ   /∧ /::::/::::::::::::::::::::::/:::::: |

365 ◆FrtuoSIf66 10/11/28 00:04:12 ID:R1KgvJoz
九201.



         /::::::::::::::::::::::::| |::|  !::::ト:::::::::| ヽ.∧::::::::::::::::::ヽ
           i:::::::::::::::i::::::::::l .l::|  |::::| ヽ:::::l    ',::::,::::::::::::::::',
            l:::::::::::::::l:::::::l:::! l::|   |:::| ヽ:::l    l:::|!::::::::::::::::
            !::::::::::::::l::::::::l:::l-l:|--‐'l::|  ヽ::ト-- |:::||:::::::::::::::::}
        |::::::::::::l::::::::,ヘ:l !|,__ l:|  ヽl __ |::|i:::::::::::::::l:|
         |::::::::::::::l::::::::{ l!,xf=≠ミl|   ,x=≠ミi、l::::::i::::::/l|
          |::::::::l::::::l:::::::ヽ, "つ;;;ri|     つ;;ri} ゙'|:::::ハ:::/ |!
           |::::::::l:::::::l::::::lヾ:、弋_沙      弋少 /::/:|.}/
        i|::::::::l::::::::ヽ:::',           i)    //:::|/         「知っていましたよ。
          i|:::::::::!::::::::i::::ヾゝ               /::::::::ト、         知っていたに決まっているでしょう。
        i.|:::::::::l::::::::::l:::::::|ヽ      ´ `   /:::::::::::|  \
       i. |::::::::::!::::::::::l::::::|  ` 、     , ':::::::::::::::::::|    \      それでも、やらない夫君は
       i |:::::::::::l:::::::::::l:::::|    ` 'tー ´:::::::l:::::::i::::::::::|     ヽ     この答えを選んだのです」
       i  |::::::::::::l::::::::::::l::::|      |、:::::::::::::l:::::::::l::::::::|
       i.  |::::::::::::,l::::::::::::::l::|      ト,`ヽ、:::::l::::::::::l:::::::|      }
     i  |:::::::/ l:::::::::::::::l:|\      i   ` l:::::::::::l:::::|      /
      i   |::/   !:::::::::::::::l|  \_ , -i    |:::::::::::l::::|     /



テーブルを乱暴に叩いたマコトは、冷静な言葉の態度がしゃくに障って怒鳴り返した。



:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ト、:::::l
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::! ';:::::i
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::/ヘ|::::::::::::::::::::::::::! ';:::l
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ |::::://IIj:|:::::::::::::::::ト::::/   !:!
::::::::::{:/:::::::::/::::::/   !::/ ヽ |;ij |::::/レ:::::/ |/    リ
:::::::::::i:::::::::/ |:::/   i/    ヽ7 |:∧ |:/ ′
:::::::::::::::::::/  |/          ゙  ヽソ
:::::::::::::::::∧               \   「じゃあどうして!
:::::::∧:::/ `ー             /    あいつだって、姫様の事が好きだったんじゃないのか!?」
:::::/ ∨            (  ̄ 7 /
/ヘ                ̄ , '
\  \      _        /
  \  \    /  ` ー - ′
   \  \__ /
      ̄\ \



368 ◆FrtuoSIf66 10/11/28 00:05:12 ID:R1KgvJoz
九202.



                 __,,.、 -- 、、_
              _,.ィ'"´        `'ト、
.            /              \
.           /     ..:    ..::  ..i   ..:.\
          /    ..:.:.:   ..:.:.:  .:.|   .::.:.:∧
.          j    ..:.:  .: ../::  .:.::ト、  .:.:.:.:.:.:ヘ
..         |    / .:.:.:.:/ .:,イ.:./!:..| i  :.:.:.:.:.:.: i,
          |  .:.:./.:.:. // .://.:./ |:./ } :.:.:.:.:.:.:.:.::|
          | .:.:.:/.: /--─‐‐ ''/" l/\ | :.:.:.:.|.:.:.:.:: |
           | :.:./:.:/ ,ィ==rァ / /_,_ `ト、:.:.|::.:.::.|::|
.         | :.:.:j:.:.:.:.l'"トz::゚リ      ィテラト| .:.:. |:.:.:.:.|.:|    「やらない夫君が理由もなく、
.          | ..:.:|:.:.:.:.{ `-‐'     ヒ::,゚ソ /}:.:.: l\:.//     私達に別れも告げず言ってしまうと思いますか?
         | :.:.:| :.:.:.ヘ、          ~ /,ノ:.:.::.∧ \
           | :.:.:| :.:.:.::}へ、    __ '  _ イ : /二二^  \    彼が出て行かざるを得なかった理由の少しは、
.         | :.:.:| .:.:.:.:.lト、 >、_  _,. <:.:..:..〈 ー‐-、    ヘ   面と向かって挨拶をしてもらえなかった
        / :.:.:.| :.:.:.:..|  \ 了\__:.:.:.:.:.:.:`l斤\     |   私達にあるかもしれないんですよ?」
.       / :.:/|:.:.:.:.:.:|ヘ  rー--ヘ、 \:.:.:.::.:..|  ト---‐┴、
       /../::::::|:.:.:.:.:.:| \{ ー-<⌒)'二\::.| {::::::::::::::::::::::}



                            ̄ヽ、
                        _ ,-─ 、,〉ゝ--::... 、
                      ,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`\_
                    /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
                   , ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                   /:::./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                 ,/:::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.l
 「なんだよ!          l::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
  その理由って!」      |/|:::::::::::::/::::::::::::::::: ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
                  |::::::::::::::::::::::::_:::/ l:::::::::::::::::::|\:::::::::::::::::::::::::::l:::::::::|
                  |:::::::::::::::::::::::::/≧、 l::::::::::::::::::|  \斗::::::::::::::::l:::::::::l
                  |:::::::::|:::::::::/l::/イ⌒゙`メ::::::|\::lィ千代`:::::|:::::::::l:::::l〉リ
                  |::::::::/|:: / リ弋、 _ノl ヽ|  ヽレ; __ソ l j|人:::::::l:::::|
              .    |::::/ |:::fzll ^ー‐'´     ^ ‐-'´ jlノ:::::l::l::て
                   |/  ヽ.:::|ヘ              /ィ<"j メ_/
                       ゝ;八      ;      /イ
                         x > 、   ー ー    イゝ:::`>-、
                       〆::::;//ハ` 、     <´/  l):::}:::::::::::::::` 、
                      //::::://  \  `‘´   /  /::::7::::::::::::::::::::ハ::l
                     ノ::::/::::::《〈 ヽ/ヘヽ    /  /::::/::::::::::::::::::::::/::::l


369 ◆FrtuoSIf66 10/11/28 00:06:12 ID:R1KgvJoz
九203.
大声を出さないでください、と眉をしかめた言葉だって納得がいっているわけではない。
ただ、思うところがあった。



   ,'.:.:.:.:./.:.:.:.:/.:/.:.:.:/./; ,/:.:.:/ /i.i,vy',.:.:,.:.:.:.::ヽ:.ヽ
  ,'.:.:.:.:/,.:´/.:.:.::/.:.:/ /./.:.:.:.:.:.: /:.:/ i i   i.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト,:ヽ
  .i.:.:.:.:/.:.:./..:.:.:/.:.://.:.:/.:.:.:..::.://./ //   ',.:.:.:.:.:.:.:..:i.ヽ.',
  ,'.:.:.:/.:.:/.:.:.:.:/.:.:/.:.:.:/.:.:.:.:/ /./ //    i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i i.:i
 .i.:.:.:,'.:.:,'.:.:.:.:,´.: ,'.:.:.:/:.:.:/  /./ //     |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| i.:i
 ,'.:.: i:.:.:i.:.:.:.:i.:.:.:.:|.:.://ァィ--=イ'  // 丶、,__, |.:.:.:.:.:..:.:.: |.| i.i
 i.:.:.:|..:.:|.:.:.:.:|.:.:.:f..:|´/ _,/  //   ___ |/|.:.:.:..:.:./|.i |.i
 |.:.:.:|:.:.:|.:.:.:.:|.:.:.:| i.ナァ==,=,` //   ィ==ャェ,, |.:.:..:.:.:| i:i |i
 |.:.:.:ヽ.: |.: :.:ヽ.:.:rケ:::::::`::i  /     i::::`.:i '|.:.:.:.:.:.:レ'
.λ.:.:.::ヽ.|.:.:.:.:.ヽ..ト .5:::::::::i       .5:::::| /.:.:.:.:.:.:|      「それは、分かりませんけど。
/ |.:.:.:i:.:.:ト.:、:.:.:.ト.:i '--''         '^-'' /|:.:.:.:.:.:.:|
 i.:.:.:.i.:..:|.:|.::.:.:’ト.:,_ヽ         j.    ' ,'::.:.:.:.:.:.::|      もし彼にその気があったなら、
 i.:.:.::i..:.:|.:|..:.:.:.:.:.:|、~'       ,, _     /.:.:.:.:.:.:.:.:|      王女様と結婚して、行く行くは国王になる事だって
.,'.:.:.::i.:..:.:|.:|:.:.:.:.:.:.:|丶、           /.:.i:.:.:.:.:.:.:.:|       出来たかも知れません。
i.:.:.:.:i.:.:.:.|.:.:|.:.:.:.:.::.:|. | ` 、        r.:´|.:i.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.|
i:.:.:.:i.:.:.:.:|.:.:.:|.:.:.:.:.:.:| |    `  -ィ.:´.:.:.:.:.:|.:i.:.:i.:.:.:.:.:.::.:|       でも、それをしなかったと言う事は―――」
i:.:.:.:i.:.:.:.::|.:.:..:|:.::.:.:.:.:||       ト、.:.:.:.:.:|.:i.:.:i.:.:.:.:.:.:.:|

370 ◆FrtuoSIf66 10/11/28 00:07:13 ID:R1KgvJoz
九204.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   ローゼンは、やらない夫君にとって狭すぎたのかも知れません。

┗──────────────────────────────────────────────┛



              / ̄ ̄\
            ../      \
             |      : :::::::|
.              |     :::::::::::::|
.             |      :::::::::::::|
              {      :::::::::::::::|
              {    ____/
             (, ./_.,r'ニニ'r
             ン:`三ー`_:ニニ:'r
          <:::::::::::、ニ,´::::::::::::::::\
          ,.-''´::;:、::-;::::::::::::::::::::::::rlッ
.         r{:::⊂-='"::::::::::::::::::::::::::::fァ
          r!:::::r:::{ロ}::っ:::::::::::::::::::::/
           l::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::l
          /::::::::::::/::::::::::::::::::::::::;::l
         /:::::::::::/::::::::::::::::::::::::;::::l
         /:::::::::::/:::::::::::::::::::::::::;:::::!
        /:::::::::::/::::::::::::::::::::::::::j:::::!
        f::::::::::::/_,. -――''"T::::::;'
        /:::::::::::/__,,,..、-r‐''´';:::::;'
      /::::::::::::/::::::::::::::::::::l:::::::::';::;' .
.     /::::::::::::/ゝ:::::::::::::::::::l::::::::::Y.



    , -‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;``'' ‐、_
,、‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
 ̄/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;‐、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
‐'/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/イ;イ;;;;;l
./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;メ/ // l;;;;ト;|
イィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;///;;;;イ/ ト/、X, l:イ l
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l '´///'´   ┘ !リ     「狭すぎた―――か」
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト,. Y         '、
 rイ;;;;;;;;;;;/  'ー'           ン     (アレクサンド殿だったか、
ノ ヽ='´'             /       確かその様な事を懸念していたのは)
く   ``ヽ、_   、    -‐‐r<
;;;ヽ、  ,、 ,、 `ヽ、_ヽ.,_   ,イ´  L..
;;;;;;;;;\ヽ ソ `〉 /小ー、` 〉ノにソ `ヽ_
;;;;;;;;;;;;;;`ヽ`ー' / ハ | /、'"   / 、ノ
3 ◆FrtuoSIf66 10/11/28 00:08:13 ID:R1KgvJoz
九205.
そして―――



                   _ ,, ........ ,, _
               ,r ':::´::::::::::::::::::::::::` ヽ
               /::::::::::::::::::::::::::::::::i::::,、:::::\
             /:::::::::::::::::::::::/:::::::::i::l∨v}::::::::::\
             /::::::::::::::::::::::/:::::/|::::|::l`゙ i::::::i:::::::ヽ
              !:::::::::::::::/:::/:::::/ l:::/l::l   !::::::l:::::::::}
            i:::i:::::::::i/:::/l::::/_,.l:/ l::lヽ.,__l:::::::l::::::::l
             l:::l:::i:::::l:::/ l|/´ l/ !/   从::::l:::::i::l
             |:::l::::l::::l/|,xz=ミ /  / ,x=ミ、}::::l::::::l:l
           i|::::l:/l:::::',:flc;;;ri      fc;ri ゛!::/|::::/i!
           /|:::::i::::ヽ::ヽ弋シ     弋シ //:::|:/ l      「それに―――」
           / |:::::::::::i:::\:\    i)    /::::::::|!
            / !:::::::::::l:::::::::>゛~   ‐   /:::i:::::::|i
         /  l::::::::::::l::::::i:::::i > 、. _, ィ'´:::l:::/::i::::|.i
          /  !::::::::::::l:/:::lr'´i       iハヽl/::::l:::::| i
       /   l:::::::::,rl/::::::l    / /   /::::::l::::::| .i
        /   !:::/:::/::::::::l `ヽ. , -‐/ /:::::::/ヽ、:! i
      /    l::/::::://::::/l     / /::::::::::/ /:::::`ヽ !
     /      !::l::::/::::::/ l  /  /::::::::::/ /:::::::::::::ハ i
    /      l:::l:/:/l:r--、 l/,. --、{:::::::::/ /:::::::::::::::::::} i
   /      l:::::}从:::l}    「」     {从:::/ /::::::::::::::::::::::l i
  /      l::::/:::::/ ヽ '´/ |`ヽ,./ヽ ル‐'::::::::::::::::::::::::::l  i




女なら、誰でも心を奪われそうなやらない夫の強さと優しさと在り方に、
自分も少なからず―――否、かなり心を惹かれた言葉は、
きっとアリアも同じなのだろうと直感的に感じていた。



                  :::::ヽ.  '、´::::::::ヽ ヽ:::::::::::::::;ノ,
                  、::::::ヽ  ゙、::::::::::ヽ ヽ:::::::/:;:,.!
                  ヾ、::::::ヽ.  ゙、::::::::::ヽ_ゝ-':;ヽ、:;..゙、
                   ヾ;::::::::''~ ̄:;;;、t:''|ヽ、゙、 ';';-、:.ヽ
                  .  !`!i71!T;´.::i:|、;:iヾ;:ヾ! .:l:.!゙i|::. ヽ
                    { :i l :!ハリl ::リ ゾ`''弋l i:.iソヾ:. ヽ
                    ヽヽ!iノ,__、゙ソ .斗=ミァ! :|:.|ヾ::.ヾ. \
      「……………」      !゙、;゙ハ'⌒`..:::::::::::::::::゚,! l:.i,/ヽヾヾ;:... \
                     l lヾヘ、::` 、;っ ./ |,i:.l  .,l>,-'')ヽ、.\
                      ! !'; .:i::y`>-べ./! :! ././,.イ /:::;-;;;>、\
                      |、.:i:} !-|  ヾ|〈ミ、. i :レ j'" ’ .レ' /,、ヘ`l ::..ヽ
                      i .N j::::l   ハヽ_ ,ィ.:j .,/    .j'´  ヽl゙、::. ゙、
                  .    ,' |/! !、::i`-1 | ヽ ,..l .!"/    〃    !、ヾ;、.゙、
                     /.人','バ;::}:└===:;! ト-{   ,く/     !ヾ_,,ヽ`丶
                    ,'/ '!'j ,ゞ:::::::::::、::::;:::.! :l i,   ヾl .   l  ヽ ヽ,,
                  .  /  |i,' ./::::::::::::::::/::::::i、:!:::l,    .゙〈.    l   ! j


5 ◆FrtuoSIf66 10/11/28 00:09:14 ID:R1KgvJoz
九206.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   やらない夫君の優しさは、好意からではなく―――
   厚意からだったのですから。

   マコト君には、まだ分からないかも知れませんね。

┗──────────────────────────────────────────────┛



                               ̄ ̄   、
                          ´          \
                 .       /              \
                       /                   ヽ
                        i                 丶
                        l       /  ̄           丶
                        |  __           ヽ        丶
                        ヽ/         i イ`丶 l         丶
                         ヽ     ヽ ゝ _            ',
                        丶i イ`丶 l    `ヽ             ヽ
                          ゝ  , ヽ _  丿            \‐、-..、
                          ヽ  ゝ ノ , ‐ ´              ソ:.:.:.:\
                           ヽ  ´                '    /:.:.:.:.:.:/\
                            \            /   /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヽ、
                              \          /  /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
                                ヽ         /  /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
                                   ヽ __  ィ   /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:



それは錯覚だ。
だが、錯覚でも良いと思わせる力があった。

6 ◆FrtuoSIf66 10/11/28 00:10:20 ID:R1KgvJoz
九207.
だから女性の中では一番冷静にやらない夫を計っていた彼女は、
彼が普通の男性とは大きく異なって誰にでも出来うる優しさを与えるのだと見抜いており、
だから一線を越えずに気に入っただけで済んだのだ。



            /    /  ,、 |、|"゙`、    `、
           l    /  / | .|.l|   l  .::::::::::l
            | |   l  /_,. | .| |ト、  | ,  .:::::::::|
           | |   l/l/'´ // /  `メノl /l .:::::::|
           、ヽ   ,ィチ斤、′   ミュ' !.:::l:::|     「ただ単に、
            | \ {b::::::リ    P::::::リ / .:::|:::ト、     やらない夫君に振られるのが怖い言い訳なのは、
            ト、  `ド-‐'   ,  `‐-'/l.::  |:::| ヽ    自分でも分かってるんですけどね………」
            |::|   ヘ         /:::|.::. |::::| `、
             |:::|  ::::「` 、   ´`  イ `|.:::. |:::::|  \
              |;:イ  ::::|  l ` ー ' ´  !  |.::  ト、:::|
           /';:::|   :::|.  |‐- 、 , -‐/   !.::. |:::ヽ、
          /::::::::';::|  :::|   ヽ   /   |.::  |:::::;'::::::ヽ
            l::::::::::::';:|  :::|  __\/__  |.:::. |::::;'::::::::::::l



そう考える事で心を抑え込み、
姉役に徹した自覚もある言葉は自嘲して呟いたのだが―――
幸いにして誰にも聞かれなかったようだ。

7 ◆FrtuoSIf66 10/11/28 00:11:12 ID:R1KgvJoz
九208.



          > -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
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  ` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}     「騎士団長の栄誉、
      /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|      英雄の栄光、姫様の想いを捨ててか!?
      フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V
      ´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|       答えろやらない夫!
          ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /          一体どんな未来を秤にかけて、
           /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./          冒険者の道を選んだと言うんだ!」
      /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
     /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´
   ノ |      }ヽ::::    /_
 ̄ ̄  .|       \   { ヽ
     .|      / ` ー='´  \



重苦しい空気の中、床を蹴り続けるジュンの叫びだけが空しく響く。

9 ◆FrtuoSIf66 10/11/28 00:12:12 ID:R1KgvJoz
九209.
問いに答えはなく、



                                     |\     /\     / |   //  /
                                   _|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
                                   \                     /
                          。          ∠  答えろ!やらない夫ぉぉぉ!  >
                     。  。     |     。  。    /_                 _ \
                      |.  |     |:|    |.  |     ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄
                   ||  ||    |.:.|    ||  ||      //   |/     \/     \|
                     |:|. |:|   l∧l   |:|. |:|
              。     |.:.|. |.:.|   ,.傘.,   |.:.|. |.:.|      。
               |       .|∧||∧| ,傘傘傘, |∧||∧|       |
     。  。       ||.     (VVVV).傘傘傘.(VVVV)       ||      。  。
     |.  |      |:|      {∽}{∽}}}傘傘傘{{{∽}{∽}      |:|      |.  |
    . ||  ||     |:.:|    ,傘|l~~|l~~|}}个个个{{|l~~|l~~|傘,    |:.:|     ||  ||
    |:|. |:|    lvvl .,.,傘傘|∩||∩|}::::/⌒ヽ :{|∩||∩|傘傘,.,. lvvl    |:|. |:|
    .|.:.|. |.:.|.     |∩|傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘|∩|     .|.:.|. |.:.|
   |∧||∧| ,.,.,傘||"||傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘||"||傘,.,., |∧||∧|
   (vVVVV)傘傘{∽}个个个{∽}{∽}}:|三ニ三|:{{∽}{∽}个个个{∽}傘傘 (VVVVv)        |
   山i!山i山傘傘|三|!|/⌒ヽ!|l~~|l~~|}:/个\ {|l~~|l~~|!/⌒ヽ|!|三|傘傘山i!山i山          ∧
   ||^^||^^|个l个{∽}!||:.  ||{∽}{∽}}:{ニi二iニ}:{{∽}{∽}||:.  ||!{∽}个l个||^^||^^|       /;;;;;ヽ
   || l|| l|::::::::::::|三|!|iニニニi||l~~|l~~|}::::/\::::{|l~~|l~~||iニニニi|!|三|::::::::::::|| l|| l|        | ∩ |
   || l|| l|/l\||: ||!|/l\||| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l||/l\|!||: ||/l\|| l|| l|  /\  |ニニ|
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   || l|| l|鬥l鬥||: ||!|鬥l鬥||| l|| l|}|鬥轟鬥|{|| l|| l||鬥l鬥|!||: ||鬥l鬥|| l|| l|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
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   |凶||凶|iニニニi|凶|!|iニニニi||凶||凶|}|二二二|{|凶||凶||iニニニi|!|凶|iニニニi|凶||凶|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



ただ、空しく響き続けるだけだった―――
















  ─────━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
        第九章  英雄と言う名の猛毒
                              END
    ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────






















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