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【やらない夫は約束を守るようです】 Episode.二人の騎士 第七章 成そうとする者達-2 2018年10月26日 【やらない夫は約束を守るようです】 トラックバック:0コメント:0




372 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:00:31 ID:zIOMxbYM
七100.
━━━━━━━━━━……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

王都まで残り数キロ。
すでに日が暮れており、近づいてくる気配や明かりも無いとあって、
城塞近くまではこのまま無事にたどり着けるだろうと
四人は街道を進んでいた。



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   ゚       .   ゚    ::    .   ゚    ::       +
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: : : : : : : :       `゙'-、
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      ::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:゙゙゙゙'''''''‐- 、 ,,,,,_
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..:ヾ:ヾ.ヽ.:ヾ:  ヾヾヽ.:ヾ ...ヾ.,. .ヽ.:,,,,-‐'゛,,,,-‐'゛ヾ:.,..ヽ.:ヾ .. ヾヾヽヾ. ヾ .. ヾヾヾ``'‐.``'‐.、ヾヽ..ヽ.:ヾ .
  ヾヾ      ヽ.:     ,,,,-‐'゛,,,,-‐'゛  ヾ ..    .,.ヾ.,.   .ヽ    .:ヾ:. ..ヽ``'‐.、``'‐.、    .:
  ヾヾヽ ヾ      ,,,,-‐'゛,,,,-‐'゛ :.,..ヽ.:ヾ .. ヾ      ヾヾヽ ヾ       ヾ.,. .ヽ.:ヾ:
     ヾヾヽ ヾ,,,,-‐'゛,,,,-‐'゛      ヾヾヽ ヾ         ヾ::.ヾヾ













373 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:01:10 ID:zIOMxbYM
七101.



           | ┌''´       ゞ=ノ        〉. 〉
           /l !        「 ̄|        / ./\
           { ',. ',.   __,,、-ー┘ └ー--、,,   j / /
.           l l |  「      _,   __    `i | .,'  |
           l | | └ー'''´ ̄ |  |   ̄`''ー┘j j /
            | ', ',      └ー┘      / / ,'
            |,.-l }  __,,.、r─ー─tーァ-、,,_ | ト、.|   「………いえ、宮廷魔術師の方々は
             ! |,.ゝ''´ ://´|: :l : : :/: /``lヽ:j``、j、 !   今は城から出て学院につめているはずです」、
            }'´l: : ! :V,z=ニ.ヽ:! : /: /=z、リ: : ,' i `i
               ,'1: l: |:vイィぅ`ヽ ` Vリ' ;ぅ`ヽj:/:/ :| : }
           / j: :| :|':!{ {c::::::j       !c::: リ.}|/l: :|: : !
          ,.' ,': :}: :',:`:, ゞ-''    .  ゞ-'' ./: l : :l: : |
         ノ. /: : :ハ: \ト、    ,..、    ./|:/i: : |: : !
.             /: : /: :ヽ: `、: :> ,-,` ' ,. ィ ': :!':: l: ::! : :l
.          ,.': : :/ :/ : ヽ: ,、 ;_/ / `´.┤:l : : : l : ',: l: : :',
.         ,/ : : / :/:ヘヽ ̄ゞ./ `ニヽ.  `〃` ̄〃 : ', : : ',
       /ィ : : /: /,'  ヾ、  j   ニヽ彡’   〃 ヽ: :`、: : `、
   __,. ''´: :,.':: : : /:/ :{   ,. 》./    ィン┐   《、  }:',: `、 : :\
 _='-ー''´,'/: : : :, ' /: : }  ,' 〃'. `ー /.  !     l|ヽ ,': :`、: : ヽ : :ヽ,
´    // : : /: /: : :, 'l  { /.   /|   |     .||. }/: : : `、 : : :\: 丶,
   /: ;/: : :/: /: : :ィ: : ! ,〈.    j┘ .└─┐ .l.|.ノ/: : ',: : :ヽ: : : `、: : ヽ
 /: , ' {: : /{: /: : :,'{ : l ' \_丿     |.〃 /:,i: : i: : : : ',: : l',: ト、: :`、
,´: : /  '、 { l ,' : : ハ: : \   ノ―┐. ┌ー┘〃 イノ }:/}: : : : :}: : l }: j ',: : :}



その最中も、アリアから城や町の情報を聞き取っていたやらない夫は
ふとペンを止めて腕を組み、



                                 / ̄ ̄\
                               /  ヽ、_  \
                              (ー)(ー )   |
                              (__人__)     |
(マスタング殿の薫陶の賜物かな?        (          |
 なら万が一の為に―――)         .    {          |
                              ⊂ ヽ∩     く
                               | '、_ \ /  )
                               |  |_\  “ ./
                               ヽ、 __\_/



戦力的には騎士よりも怖い存在、
魔法使い達が敵に回らない可能性が高まって人知れず息を吐く。

それらに対する対抗手段はいくつかあるものの、
先の戦いのように手を緩める事が出来なくなるのだ。

375 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:02:09 ID:zIOMxbYM
七102.
また、忙しく情報のやり取りを行う二人の後ろで黙っているのは真紅とジュンだ。



        /.::/       ``ヽ\
       /.::/          \\.
     /.::::/   ,.-──‐‐- 、.   〉::ヽ
      〈.:.:.::::.ヽ /         \ /.:.::::〉
     \.:;:ィ7, ィ´.:: ̄ ̄ ̄``ゝ-</^V/    (えっと、やらない夫に
      ,.イ:! i. .:.十ム、トト、 _ノ_ノj_j!:  N      聞きたい事があったような………)
      //|:|トト:::ヽ!r=ュ ヾ:.ノ´,r=ミ、リ:.:./ ト、
     .〃 l|:|`7^Y´辷ソ    辷シ,ィイ〈 l ヽ
       |1| | l 人    _'_    /1 .i |   !
      i  1lノノ> ─-、  ,. -‐< | 1:| | i |
      |  ||l 1.:.:.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.:.:.ヽ! |::| | | |
      |  || _>.-‐::「o´こ`ol;i:.:.:.:l |::| | | |
      | /二ニ7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l;|.:.:丿ニ二7! 1
      |/<孑<.:.:.:o.:.:.:.:.:.:o|;|.:.:孑-、.:.\ゝ
      /.:.:.:孑.:.:.:.:.:.o.:.:.:.:.:.:ol;;l.:.:.孑´:::.:.:.:.`ヽ、
     ,/.:.:.:.:.:.:.::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//.:.:.:.:)::::::::.::.:.:.:.:.:.\
     /.:.:.:.:.:.::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.//.:.:.:.:.::::::::::::::::::.:.;:ィ⌒ハ
    ,/.:.:.:.:.::::::::::::::::::::.:.:.:.::::/人_.:.:_.:.:.:.:.:.:.:., ィ7:.::::::::::.:.〉
   〈r─y──-、::__.:./    ̄`T´ ̄_ノ.:.:.::::::::.:./
    \/``7.:::i     .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.L _/.:.:.:::::::::::::::/
    / .:::::.::/    .:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::i `ヽ:::.:.:.:.:./
   ,/ .:.:.::::::/.:.:.:::::.:.:.:.:.  .:.:.:.:.:.::::.:::::人_ノ.:.::::::〈



何か聞きたい事があったのでは、と頭の中をひっくり返しているのだが、
戦いの衝撃や間もなく王都である事などから、上手く整理が出来ていない。



        /l
     Λ/ 〈 へ、
   ヘ|        ,>
 ∠  /   〉ヽ   ̄\
 / ノ〈 |^^| /\ト、  ト、l    (なんだっけ。
 |/| .ハ|__ |/___ ヽ  ヽ     なんか大事な事を忘れてる気がする)
   l/  |‐|   |―ヽ_|
    |  ̄ c  ̄   6 l
.   ヽ (____  ,-′
     ヽ ___ /ヽ
     / \∨/ l ^ヽ
     | |      |  |


376 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:03:11 ID:zIOMxbYM
七103.
そんな中、とにかく役に立ちたくて仕方が無いアリアが拳を握りしめて提案するも、



          r'ニニニ二二二ニニニヽ
          | |      @     | |
        r ┤|           |├、
          |  | |     Π      | | .|
        l  l l    lニ  コ    | | .|    「あの、私なら城に入っても
          |  l l     |_|     | | .|    怪しまれないと思うのです!
           l_l_l_______|_|_|
          / ィ ,イ /   } !、 ヽ   ヽ    何か情報を手に入れて来ましょうか?」
.          / ./| / l/x'   l.ハ`x ヽ ! }
        { /| N レ;行ミ   ≠ミト、!、ト、!
        V |/ .!イ {r、::}    トィ,.:} 〉! l |
.            l | .| ゞー'    弋ツ ハ ! |
         | ! ト、''''' { ̄j ''''' ィ'|l .| .l
          j l !_|_l ` r - ャ<_j_| ハ.|
        r'ニニYヽ ゞ、_,〃 /yニニヽ
        }、 ニニ! ヾ  ,ニ,  //ニニン



冷静に考えを巡らせるやらない夫に却下され―――



                                           / ̄ ̄\
                                        /  ヽ、_  \
   「いや、エスメラルダに向かったはずのアリアさんが     (●)(● )   |
   城に戻ったらおかしいでしょう。                 (__人__)     |
                                        (`⌒ ´     |
   今夜中にはさっきの生き残りが             .      {          |
   情報をもたらすでしょうし」                      {         ノ
                                     mm   ヽ      ノ
                                    (⊂  ̄ ̄ ̄   ヽ
                                        ̄ ̄ ̄|    |


377 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:04:10 ID:zIOMxbYM
七104.
こう言うのは苦手な彼女は、
顔を赤らめると考えが足りませんでしたと俯いてしまう。



         r'ニニニ二二二ニニニ、ヽ
         | |     .@     | |
      rー┤|           |├、
      |   | |       Π    | | |         「あっ。
      l    l l     lニ  コ  .| | |          そ、そうですね………」
     |    l l      |_|    | | |
       l__l_l______|_|__|   っ
       | /  ,イ,へ 丶、       ヘ
       | ,' / //  \| \ ト、 ヽ ',   つ
      !j./l /        ` ヽト、ヽ }
.     | | .!/.!  ○    ○ l l |ヽ,'    ⊃
       l | | .l/////////////! | !.|
       .| ! | ト、  ,-ー¬   .ィ| .| l
        | l ! l l` r --.' <j ,' | |
        | .l ', l |ャ-ミ≡彳ァトイ ,'! !
      .| | ヽ| | l r´ )/ハy / | ',



対して、こういう荒事を数多くこなしてきたやらない夫は
経験、知識、知恵、父親からの教えなどを駆使して
これからの事を綿密に考えていた。

城に住んでいた期間に一通り調べたが、
抜け道や侵入に使えそうな隠し通路の類は無いように思える。

エスメラルダに居る最中に真紅に尋ねてもみたが
ローゼン王国がバーズ連邦から独立した際に作られた物とあって、
余計な仕掛けは殆どないようだ。



                                        / ̄ ̄\
                                       / ヽ、_   \
                                     . ( (● )    |
                                     . (人__)      |
                                        r-ヽ         |
                                       (三) |        |
   (言葉さんやランサーの情報も欲しい、           > ノ       /
   一度は城に潜入する必要が_/\/\/\/|_      /  / ヽ     /
                    \          /    /  / へ>    <
                    < 思い出した! >    |___ヽ  \/  )
                    /          \          |\   /|
                      ̄|/\/\/\/ ̄         |  \_/ |



だから余計に葬儀の日の賊の侵入経路が気になる彼が、
未だ安否が不明な二人の事を考えた時だった。

378 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:05:09 ID:zIOMxbYM
七105.
ようやく思い出した真紅とジュンが大声で思考に割り込んで来たので、



   \:::::::::::::::::::::}_ヾ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::゙::ヽ、 /
     ヾ::::;.'"´,'  `ヾ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
     ,ィ!:!i   ! /   `ー---‐r ――― ‐r --- -- ニ___j
    〃〃.ト、 .! { __ム_i!_  i!ハ     ハl  ', 、  ハ
   /:/,'::| | ヽ } !、  !_ヾ!、`ヾ ! l!   ィ/‐ナ!¬! .| i  i
  ./:/ .!:::! ∧. y | !、 くf´ニ>≧、 }/} /;ィ=ァ、} /} /! / /!|    「ちょっとやらない夫!
 /::{  !:::i.リ ヽ ,' ,'l !゙\ {弋zソ   "´  {zソ /ィ /ィ }/ / }.}    あなた理力魔法が使えるなんて、
. ト、!  |::::|!   } ∧!l  `゙        ,     {kイ K、ノ リ     一言も言ってなかったじゃない!」
/   /〉」  / 人_!ト.、         /    ,'l ! !::|ヾ}
   //   ./ /  !|`¨iヽ      fフ   /!l ∨::! .ハ
  .//   ./ /  「!| ̄ ̄ ̄ ̄\ __r―<、/∧ ヾ:! .ハ、
  { { ./ /   ヾヽ::::::::::::::::::::::ヽ/::::::::/// ヽ ゙、   ハ
  | | ム く  ,.‐’:} }::::::::::::::::::::::У:::∠::フ/ヽ   ト、\  ヽ
  | |__>‐≧‐≦―'ァ::::::「 ̄ ̄ ̄ ´{/イ::::::\. !. \\ }}



    >'´ /   ∧    |    i| ヽ.      \
  /   /     /::::ヽ _,斗:.:.:.: :   |   !  :...   \
  〉   |     ::ー‐^´¨ |:.: : !:.:.. ト、  |   :.:.:... : :..`ー-、
  |   |  il  ::|       ! ::∧:. :.  ,=‐i   :.:.:.:.:...:.:.:..:.:./
  / .:.:.:.:|  i|   ::|       | / ,ィ|,.イ´__ ∧  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/    「そうだよ!
. / :::/イl|  l|  ::|r=<‐モミ、′|r;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ.:.:./      僕達には教えてくれても
/::/  /   |  |l    ̄ リーh ` ー‐‐' .l-''´冫)'./:.:.::\      良かったんじゃないか!?」
レ'゜   / /  iヾヽ!゙iー- イ'__ ヽ、..___.ノ トr‐':.:.:.:r-‐'´
    レ' レ'〉 !  l   `___,.、     u ./│;;;;;:;;;>
          ̄ヾ  ヽ.  }z‐r--|     /  ト
             >、`ー-- '  ./  / |ヽ
           _,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´   ./  \、
     -‐ '''"  ̄ /  :|   ,ゝ=<      /    | `'''‐- 、.._
          /   !./l;';';';';';';\    ./    │   _
          _,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\  ./|._ , --、 | i´!⌒!l  r:,=i
  .       |     |:.l. /';';';';';|=  ヽ/:.| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」
          l.    |:.:.l./';';';';';';'!    /:.:.| i´|.ー‐' | / |    |. !   l
     .    l.   |:.:.:.!';';';';';';';'|  /:.:.:.:!.|"'|.   l'  │-==:|. ! ==l   ,. -‐;


379 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:06:08 ID:zIOMxbYM
七106.



          / ̄ ̄\
        / _ノ  ヽ、.\
          |  (●)(●) .|    「別に、聞かれなかったし」
        !  (__人__)  |
          , っ  `⌒´   |
       / ミ)      /
      ./ ノゝ     /
      i レ'´      ヽ
      | |/|     | |



やっぱり突っ込まれるよな、と出来れば忘れたままでいて欲しかった彼は
少しだけ言い訳めいた事を言ってみるが、



        /.::/       ``ヽ\
       /.::/          \\
     /.::::/   ,.-──‐‐- 、.   〉::ヽ
      〈.:.:.::::.ヽ /         \ /.:.::::〉
     \.:;:ィ7, ィ´.:: ̄ ̄ ̄``ゝ-</^V/    「聞かれなくても教えて!」
      ,.イ:! i. .:.十ム、トト、 _ノ_ノj_j!:  N
      //|:|トト:::ヽ!r=ュ ヾ:.ノ´,r=ミ、リ:.:./ ト、
     .〃 l|:|`7^Y´辷ソ    辷シ,ィイ〈 l ヽ   (何で、こんなに腹が立つのかしら………)
       |1| | l 人     ,.、    /1 .i |   !
      i  1lノノ> ─-、  ,. -‐< | 1:| | i |
      |  ||l 1.:.:.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.:.:.ヽ! |::| | | |
      |  || _>.-‐::「o´こ`ol;i:.:.:.:l |::| | | |
      | /二ニ7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l;|.:.:丿ニ二7! 1
      |/<孑<.:.:.:o.:.:.:.:.:.:o|;|.:.:孑-、.:.\ゝ
      /.:.:.:孑.:.:.:.:.:.o.:.:.:.:.:.:ol;;l.:.:.孑´:::.:.:.:.`ヽ、
     ,/.:.:.:.:.:.:.::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//.:.:.:.:)::::::::.::.:.:.:.:.:.\
     /.:.:.:.:.:.::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.//.:.:.:.:.::::::::::::::::::.:.;:ィ⌒ハ
    ,/.:.:.:.:.::::::::::::::::::::.:.:.:.::::/人_.:.:_.:.:.:.:.:.:.:., ィ7:.::::::::::.:.〉
   〈r─y──-、::__.:./    ̄`T´ ̄_ノ.:.:.::::::::.:./
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   ,/ .:.:.::::::/.:.:.:::::.:.:.:.:.  .:.:.:.:.:.::::.:::::人_ノ.:.::::::〈



やらない夫にだけは隠し事をして欲しくなかった彼女は
珍しく口をへの字に曲げて不満げなご様子。

380 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:07:13 ID:zIOMxbYM
七107.
そんな王女の内心には気づかなかったやらない夫は
いつもの調子で微笑み、



              ̄ ̄   、
         ´          \
.       /              \
      /                   ヽ            「切り札は取っておくものだ。
       i                 丶           それに―――」
       l       /  ̄           丶
       |  __         _ ヽ        丶
       ヽ/       i イ::::ヽ l        丶
        ヽ       ヽ ゝ_ゞ::ノ '           ',
       丶i イ`丶 l    `ヽ             ヽ
         ゝ  , ヽ _  丿            \‐、-..、
         ヽ  ゝ ノ , ‐ ´              ソ:.:.:.:\
          ヽ  ´                '    /:.:.:.:.:.:/\
           \            /   /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヽ、
             \          /  /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
               ヽ         /  /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
                  ヽ __  ィ   /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:



381 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:08:08 ID:zIOMxbYM
七108.
続いて、拳を握りしめながら力説する。



            ,. ‐―――――‐ - 、
           /            \
          /                    \
       /    \         ノ      .',
        /     ,  ゞ.._,, ー "   、    ',
        l     l {::::::::} l  l {::::::::} l     l
      . l     ` ー ' '  ` ー ' '      l
        l      /    .!    ヽ       l   「秘密は男の財産だからなっ!」
        l      ヽ__/ \__/.       l
        . l      〈        〉       l
       .l        `ー――― '         l
        l                   l
       . l                   l
         . l                    l
        !                     !
        /!                    ,'^ヽ
       /{ |ヽ                 /| / \
     /  ∨| ヽ            / | /
   / ヽ  \  `ー――――― ´ ̄ ̄  /
 /\   \  \        /   _ /
"ヽ  . \  ヽ  ` ー──一'   /
  \  \  \        //                   ,.、                   ,.、
  ,  ‐┬─‐'フ⌒ヽ` ー── ´ /                   (`ヽ ! ヽ()()          ,.-- 、   i i
/    ̄ ̄     }  \     /                  |  } ヽ ヽ  _,,.. -―-、  ヽ、_ ヽ / /
  /  ̄`ヽ/ ̄ ヽ   \                     / /   i  i ヽ、__,.、_〉  //`'ノ /
 /     /     | ̄`ヽ ̄ ̄/                 r'   !  へ!  !           {  '-'  /
./     . /      |    | ̄ヽ                   `ー'  `ヽ、ノ           `ヽ、_ノ
      /     |   |   }



383 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:09:11 ID:zIOMxbYM
七109.
相変わらずの気障ったらしい台詞がどうやら本気らしいので、
少しだけ気持ちの分かるジュンがどんな偉人の言葉かと尋ねてみれば、



             >'´ /   ∧    |    i| ヽ.      \
           /   /     /::::ヽ _,斗:.:.:.: :   |   !  :...   \
            〉       ::ー‐^´¨ |:.: : !:.:.. ト、  |   :.:.:... : :..`ー-、
              |   |  il  ::|       ! ::∧:. :.  ,=‐i   :.:.:.:.:...:.:.:..:.:./
             / .:.:.:.:|  i|   ::|       | / ,ィ|,.イ´__ ∧  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
         / :::/イl|  l|  ::|=、>ー=、 i′|:rレ弍¨ヽ ト :.:.:.:.:.:.:.:.:./       「誰の言葉だい?」
        ./::/  /   |  |´戈¨T |ト==、|| 弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
        レ'゜   / /  iヾヽ! 辷_ソ」|   ヽ=====' マヽ.:.:r-‐'´
 rr‐、           レ' レ'〉 ! ヾニ=== ′〈           'ノ::;;;>
 ト' |                  ̄ヾヌ、      `       ,/‐'´
 |  |                 ̄ヽ       ー‐      /
..ノ  l'⌒!                \           _, ィ´
´ ノ^ヽ '、                  `¨ニt-  -‐' ト-┐
  /`ヽ.ヽ、          _   /´iイ      |/ ヽ―-- 、__
   ‐'´`ヽ. i、          /i  ゞ7″ | ′    /    |     `ヽ、
\   イ-'  ヽ       /  i  / ,ヘ |____,_/ |―、  |    /  ヽ.
  ヽ.  ″    l     /-‐'´ | ./// ヽト-―/ニ,ノ  \|     /   \'、
   \      l. ,.-‐'     : レ' ′  く !  //          /       ヾ、
      |    .ト''      ! .| r―┐  | ,//      :. l  /       `ヽ、
     l      l、__       レ'  |  |  i/o’        :.:. ! |           ヽ、
      |     |/\     |    ̄´  / /         :.:.:.ヽ⊥_        ,.-<}
     ノ    |   ヽ.   l      {i∧         :.:.:.:.:.:.:.|\      /    \



      / ̄ ̄\
     / _ノ  ヽ、_ \
   . | ( ●)(● ) |
   . |  (__人__)  │    「やらない夫=D=ビップ氏」
     |   `⌒ ´   |
   .  |           |
   .  ヽ       /
      ヽ      /
      >     <
      |      |
       |      |



しれっと出てきたのはよく知る名前ではないか。

384 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:10:11 ID:zIOMxbYM
七110.



                ,..-:‐:-、
               ,イ: : : : : :`ヽ、
               /:| : : : : : : : : `ヽ、
             _,{:⊥_:_:_: : : : : : : : _込
            く_,ィ7フ^ ー-ミヽ、: : :/:.:.:.:ヽ、
            //_//_    `ヽ ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:l
      ,. --―‐ヘ厂 ̄ヽ\__, >}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
 ___/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、_::ヽ V ̄`/ l||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|    「あなたじゃないのよぅ………」
'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_;.:.:.:.:.:.:.:`‐|_」  / l||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\|  l| ト、:.:.:.:.:.:.:ノ
、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |  ||_l|个ー‐'′
、ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |  |/ ! |
: \\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| 、 |ノレ'
、:ヽ::}: :`==、 ___:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| l ト、__
::ヾ! :|: : : : : :rヘ: : : :ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._| | |>‐く
: : /: : : : : :`ぅ`‐rr-ヘミ===〒 7| l k'´ ̄
イ : : : : : : : :[_=彡'  〉: : : : : :::| /ハ `ヽ>
:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.〔∠_   /: : : : : : :::| | ! ヽ. ヽ、
、: :ヽ: : : : : : : : ::〉  /: : : : : : : :::| | |   \ \



突っ込む気力も萎えた真紅はやってられないわと尋問から離脱するが、
この際だから洗いざらい聞いてやれ、とジュンが問い詰め―――



: : : : :: : :、: : : ::::::,lll,,,,,,,,,,,,,__
: : ::_、,,、‐,l,: : : :,,ll,i,_゙゙゙llllllil,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__
,,llll,,,lll,,i´,ll,゙l,、:,illilllllli,l,: ,lliill゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゚” ̄
lllil!llil゙゜:lllllllilll,.:llllllllllllllll::llllll!llii,,l,i、
l!lilll゙ιllllllllllllllillllll!lllllllll!,lll゙!liill!llllil,i、
illll!`lll:,lllllll!゙゙l゙!!゙lllll゙!lllllll,llll,,゙!lli゙llll!llil,i、
!l】l::lll゙llllllll:: : : : : : :|llllllllllllil,,゙lli、゙゙lllll,,、
il゚,ll:lll|llllllll: .: : : : :.::|'lllllllllll!lili,゙lll  ゙゙゙!l,,、
l゙,lllllll|llllllll:.、:::x,、:、:|'llllllllll.lllllli,lli,    ゚゙=:
,,llll!,lllllllllll: : : : ゙'N,,,.,lllllilll|:l!ll!lli,li,        「もう他に隠し事はないよね?」
illlilil!llllllllll、::::::::.,,.::_ll!,l゙'llli,"ll` .'!li,,
llilllll:゙llllllllll、、:、:ハ::゙i!゙,l`|lli"ll
lllllll:_,゙llllllll〆":'│::.゙.:`、.=,「
!|llll'`::'!llll゙li、丶'|,!::::::::::::::i!l゙,!
::)ll′: :゙!ll゙゙l: : ::|:.: : : : :`|::l、
、'l、:: : :゙!!::`::、U,、,:、..,i,|、゙i,、
、::`::: 丶丶丶:::゙!i{h,、_,シ`::::::.|
: : : : : : : : : : : : : : : : `: : : : :l゙
: : :`: : : ::`: : : : : : : : : : : : :/
: : : : : : : : : : : : : : : : :: : :: ,″
: : : : : : : : : : : : : : : : : △:′
、、: : : ::::::::`:::::::::::::::::: ,,-`
: `"'ヽ,,: : : : : : :`:_,,r,i´
: : : : : :゙・: : : ::‐'''~`





385 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:11:08 ID:zIOMxbYM
七111.



                               / ̄ ̄\
                             /  ヽ、_  \
                            (●)(● )   |
                            (__人__)     |
     「うーん?                 (          |
      武器は一通り使えるとか?」  .    {          |
                            ⊂ ヽ∩     く
                             | '、_ \ /  )
                             |  |_\  “ ./
                             ヽ、 __\_/



顎に手をやって、考え込むフリをしたやらない夫から
これまたとんでもない回答がさらりと飛び出してくる。

けど、そのぐらいじゃ驚かないもんねと口を尖らせ、
負けじと適当な予想を言ってみるも、



        /l
     Λ/ 〈 へ、
   ヘ|        ,>
 ∠  /   〉ヽ   ̄\
 / ノ〈 |^^| /\ト、  ト、l    「聞いた僕が馬鹿だったですよーだ。
 |/| .ハ|__ |/___ ヽ  ヽ    どうせ槍技弓技斧技その他諸々使えるんでしょ?」
   l/  |‐|   |―ヽ_|
    |  ̄ c  ̄   6 l
.   ヽ (____  ,-′
     ヽ ___ /ヽ
     / \∨/ l ^ヽ
     | |      |  |

387 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:12:09 ID:zIOMxbYM
七112.
それすらもあっさり肯定され―――



                                             / ̄ ̄\
                                        rヽ  / ノ  \ \
                                        i !  |  (●)(●) |
    「そうだよ。                           r;r‐r/ |.  |  (__人__)  |
     ほらな、わざわざ言う必要ないだろ?」          〈_L (`ヽ .}  |   ` ⌒´  |
                                    l` ( ``/ .  |        }
                                    ヽ   l  .  ヽ       }
                                     |,.   l   /⌒   ー‐  ィ ヽ



                、    ___
        、_二ニ=-ヽ`¨Y´::::∠__
            >:::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
       ∠ ィ´ ̄/´フ;イ::l:::::; 、::::::\
        /こヽ   , ─-、ハ/  \::::rヽ
         ゝン' ̄ ̄{ / / ト/´ ̄ヽ| `′
         / `     ` ー‐' ヽ/ / ノl    「駄目だこりゃ。
      /         ‘ ' `¨´      ………魔法は他には?」
.       {           l    ′
     ,.∧           |  /
    /〈  、     , -- 、」   /  
. /   \ \   └‐-、   '  , ァr‐、
.(        \ `     ′ ∠ ィ ( (, ニ ノ



こうなりゃ精霊魔法、神聖魔法に召喚術、白魔術に遺失である風水術、
果ては暗黒魔法に黒魔術まで使えたってもう驚かないぞ、とやけくそになった所で、

388 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:13:08 ID:zIOMxbYM
七113.
やっと否定的な言葉が返ってきた。



                                           / ̄ ̄\
   「理力魔法以外は使えないぞ。                  /  ヽ、_  \
    知識としてはあるけどな。                    (●)(● )   |
                                       (__人__)     |
    理力魔法自体も、                          (`⌒ ´     |
    剣に比べて手つかずも良いところだ。         .     {           |
                                        {        ノ
    冒険者の日常生活に便利なものばかり―――          ヽ     ノ
    明かりの魔法とか着火の魔法とかが中心だよ」         ノ     ヽ
                                          /      |



        /l
     Λ/ 〈 へ、
   ヘ|        ,>
 ∠  /   〉ヽ   ̄\
 / ノ〈 |^^| /\ト、  ト、l     「まぁ………
 |/| .ハ|__ |/___ ヽ  ヽ     あれだけ剣の修行に没頭していれば、
   l/  |‐|   |―ヽ_|     他の修行はなかなか追っつかないんだろうけどさ」
    |  ̄ c  ̄   6 l
.   ヽ (____  ,-′
     ヽ ___ /ヽ
     / \∨/ l ^ヽ
     | |      |  |



それで少し冷静になったジュンは、あらゆる時間を惜しんで
剣を振り続ける彼を知っているからこそ、その言葉に納得するが。


実はやらない夫は、武器や魔法など技術的な部分のみを答え、
父から教わった特殊な技能などについては触れてはいない。

ラオウは事ある事に言っていた。
切り札の次には奥の手を。
奥の手の後には裏技を。
裏技の後には―――

389 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:14:09 ID:zIOMxbYM
七114.
┏──────────────────────────────────────────────┓


                      ノヽ)) ヽ,,rーrヽ,, ,,ノi
                  ,ノ~'tiii"(t i}}|j     " "ツヽ|t
               iヽ/ツii|}}从、}iii)''ijリリ}  、      ノツリ、
               ii}}y"}!、iii、'';/r"t}}}(iij,yiiヽ-リヽii}j、,, "リ   「良いか息子よ。
              t,`、i、}ヽ''ii);;|iMtヽ''" `" ノ ""ノノノjjり ''フ   切り札は容易に見せてはならぬ。
              、)" ミ;;,,t、ti;i、 t;;、、))リiノツノ/""''彡"彡 ョ   切り札を見せる時は奥の手を持て。
              i、`''i ;;;;:::ijj}、`';;;;;;'"":::;;;'" ,,,,   廴r''ツ r'   奥の手を全て出し尽くしたならば裏技を用いよ」
              't、 ;;;、 t;; ::;;;`;;;;;;;;;;|}:::'"::;;'"ii"  、迄 彡ノツ
              ヽ, ;) (|;;ヽ;;、;;;;;;;;;ノ':::i:::;'":::';;"  ::'≡ " ノ
               'i ,;i,,、;;、、,;; ;;;;、;;;i'i},,ir')ノ,,,,,,,,___ :::ミ≡:r'i
               t ;t;;iitーミゥテ;;、刈シ='r'-ミュォヲヲ  ')'''/'|:|
                '',、,i'"` ̄"::::了 j''"` ̄:::::"   ;;リ/)リ/i       ,,
.                t、i'::::  :::::::| ,'  j""     :::リ'、/イ'(,, 、、 -ー '",、 ~ヽ
                 ヽt::::::: :::::t,,ハ ,、)    ;;;;:::i-ー'"t))::::: ..;、-'",, "  ヽ
                  i;t :::::::::::~'- '":"    了 ,i;;;;:::  t:::;、-'" '"     /
              ,,, 、 - ーt;ヽ ::::::::;;、、、:::,,,   ;;'" /;;;;::: ,、'":::::彡
          ,,、- ''":::::::::::::::::::t:;ヽ :::::":::::::::::::`'  / , ';;;;;;;r''":::::::...
       ,,、-'"::::::::::::::::::::::::::::::::::t::;;ヽ ;;;:::::::::    "/;;;;/::::::::::
   ,,、- '"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;ヽ ::::::::::::  、';;;;;r'"::::::::
.  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;;;;'、;;;;;;;;;,、 -';、-'":::::
 / ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ソ:::;;;、 - ーー'''"::::::::::: ....::''"
./  ;;;;;;;;;;、 -ーー ''''' """ '''' ー,-ー''''::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::
"""           ー ニ"、,,,,,,,,_:::,,,,,,,,,:::__,,,、 -ー'"



                                        .ノ 、 、
                                         ● ●) l
               「それでも駄目だったら?」         (人__) |
                                      ヽ    ノ

390 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:15:10 ID:zIOMxbYM
七115.



       ヾ
        ゞゝソ<ゞゝヽ ソ ソゞ〆/丿ノ
      ゞ 、                ν
      ヾヽゝゞ〃γゞγゞγゞγゞλ   ν
      ゞ〃 ミ ヾヾソ/ ミ ミ ミ〃ν   ν
      ヾι  ミヽミ ミ ミ ミ Zミ  ζ   ν      「お前の得意な合わせ技をやってみるが良い。
      ゞζ ミヽ ミZミΞ/Ξ/ ζ  ヽ τ      切り札を同時に二枚、三枚、
      ヾ/ ヽZミくミヾミ/ミνミ´ミνミνζ  ν      奥の手を絡めた想像も付かない手、
      |ヾ:: ー::;\ν.ゞー‐::;‐`゛  \  ζ      常識に囚われぬ発想でな」
      ゝ ´ ̄7 /.λ ´ ̄ Z7`´ ヾ\ τ
      ..|ヽ /   彡    ミZ   .| | τ
       | | Z ´ ν     Z  | | ν
       | |   ゞつ   ヽ . ミ   |/ ν
       |.ゝ ヽ―――― 、..ミミ.. ヽ τ
       | |ミ ´ `― ―イ´    /  τ
       | ヽ    Z      〃.彡 ヽ
       |  |   /、    〃  彡  \
       |ミ ヽゞ___  /   ミ    \
       |ミヾ  ミ ヾ    |   ミ
       |ミ    ミ    /    ミ



                            .、 ノ 、
                            ● ●) l
           「分かった、頑張ってみる!」  (人__) |
                              ヽ    ノ


┗──────────────────────────────────────────────┛


391 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:16:09 ID:zIOMxbYM
七116.
   マジック・ユーザー
また、魔術師同士は対抗魔法や対抗手段の兼ね合いもあり、
他体系の物でもある程度の知識を持っている。

光側の神々より直接魔法を啓示される司祭とは異なり
勉学による修得のみの理力魔法とは言え、
少なくとも魔導師級の実力はありそうなやらない夫が
手つかずなどと言うのでアリアは絶句せざるを得ない。



    |┌───―┐ L.__
    ||.:.:.○:.:.:.:.:.:.:| |.:.:.:.|
    ||:__厂l_.:.:.:.| |.:.:.:.|
    ||l__  _」.:.:.:| |.:.:.:.|
    ||.:.:| |.:.:.:.:.:.:.| |.:.:.:.|    (嵐系の魔法を行使出来る実力が有りながら?
    ||.:.:L.」.:.:.:.:.:.:.| |.:.:.:.|     使わないように封印でもしていたのかしら)
    lΤ{ア¨Τl丁{Τ|Τi|
    | レヘ、 _>'⌒ヽ! |i|
    |ハ__゚.:::::::.゚_,.||i|
    | {u  '_   u||i |
    | l> ‘__┘,.イ||i |
    | |i | ,ィr┴―j ! ト.i |
    | |i /|,!:ー―ヘ.| |.:}|
    | |i レ'厂l_.:./.| |イ |
.   丿jj{__  _l/.:ノ川 i|
       }:| |.:./.: /.:.|  i|


392 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:17:09 ID:zIOMxbYM
七117.
が、見ている高みが根本的に違うと気づいてすぐ考えを改めた。



       l l::::::::::└┐┌┘:::::::::::::::::| |::::::::::::::::::ヽ
        | |::::::::::::::::| |:::::::::::::::::::::::| |::::::::::::::::::::::!
        | |:::::::::::::└┘::::::::__|_|::::::::::::::::::::::|
        | |::::::::_;;;-ー''´ ̄: : ハ: : :``丶、::::::::|
        〉-'7:/: :/, : : /: / _l,.ム : : : : : ヽ/
        /: :/:/: /: /: : :/: ;ィ'´ノ !ハ: : : : : : !
       /: :,' / /: :/: : :/ /,ィ行气刊;=、: : : :l       (余りに強すぎるから?
       ! : l: :!/丁クト!/レ'  V::::::リ"!lうリ : l : !       今まで見た事がない、
        { : l: :l: !汽示     ゞ-'' !l1": : :!: :',       異質な存在に思えるのは………)
       | : l:ヽl: l` V:ハ  ,       从! : : : l : ヽ
         |: :゙、: ヽ:ト、.゙~’   _    / l : : : : ! : ヽ
          '、: :ヽ : : へ.. ___ ./__!_: : : : !: : `、
.         ヽ: : l ヽ: : : : : : : :「      {_ _,. ┴-、:ヽ
         ヽ: l : : >ー-'ヽ\   ̄ ̄ヽヽ`、   \ヽ
          l: :!: xヽ.\\: \\__ ノ丿:::\  ^ヽ
          l;イ  ヽヽ \\:::`ー--ー彡:::::::::::\  \
         / j    ヾ、 \\::::::::::::rー'ヽ;: - 、:ヽ  ヽ
         /{/     ヾ、. \\::::::::::ゝ      〉::j  /
         /∧        }}ヽ. ヽヽ::::<     r:'::::,'  /
.       /: X       〃ヽ  } }::::::〉 ┐ l:::::::/ ィ'
       /: :/ |       〃  〉/ /:::::::::::::::!  !:::::::::!.  〉
.      /: :/ /:\    〃  .{l |:::::::::::::::|  |:::::::::!.  ハ
      /: :/. /: /: :\_. {i    !l |:::::::_;レ┴ー┴ー< `、
    /: :/  /: / : :l: : :ヽ.{{.    廴レ'´          `ト-!、
 .   /: :/  /: /!: : :l : : : ヘ)}  -〃                〉 `ヽヽ
   /: :/  /: / ',: : ', : : :/,ヘ                 /  p 〉


だがそれは、神殿勤めの際に冒険者とも多く接した事のある
彼女にとっても未体験、未知の領域。

少年の大きさが測れずに腕組みをしたアリアは、
この場に居ながらも、自分達の空気に溶け込んでいない彼を不思議そうに見つめた―――

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━……

393 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:18:09 ID:zIOMxbYM
七118.
━━━━━━━━━━……
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
やがて夜闇の中、城塞の影がはっきりと見え始める。



                           。 ゜・。゜゜. .       ’
                      。☆ ・゜゜゜。.       ;
       .゜。 ゜・。゜゜. . ★ ・゜゜゜ .                  ,.
                                           ,.;'"~⌒'
                                     ノ⌒ヾ`'"~
___                        _ _,.,_,人⌒`'"~       (⌒'"~
  ::::/|`⌒',=-   ,_ _,. .、-ー'"~⌒ヽ⌒';ζ      ~"`'ー- 'ヘ.,_,.ソ^ヽ.,ヾ、.,__ソ^`
 ̄ ̄| :|`'"~       ~"'^(.,_,.ノ'"~`ヾ.,_ソ'
: : : : | :|                                     
: : : : | :|n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n
: : : : | n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n
: : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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: : : : |;|コニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ
 ̄ ̄.: ̄7  ; ;.:,   ::;.:,;..,. ,.: ,:;, ;.:,  ;.:,;..,. :.,;.,;.;,,:.  .. ,.;:,:;.:,.;:,;: ,.,;:.,:.;.:. 
 ̄7. :―.   ; ;.:,   ::;.:,;..,. ,.: ,:;, ;.:,  ;.:,;..,. :.,;.,;.;,,:.  .. ,.;:,:;.:,.;:,;: ,.,;:.,:.;.:. 
 ̄ ̄ ̄ ̄; ;.:,   ::;.:,;..,. ,.: ,:;, ;.:,  ;.:,;..,. :.,;.,;.;,,:.  .. ,.;:,:;.:,.;:,;: ,.,;:.,:.;.:. 
 ̄ ̄ ̄ ̄

394 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:19:09 ID:zIOMxbYM
七119.
ふと、生まれ故郷に戻ってきたジュンの脳裏に浮かぶ不安。
今自分に出来る事は無い、それを考えて心をかき乱されている場合ではないと思うが、
どうして大切な者達の安否を気遣わずに居られるだろうか。



            /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
        _ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::\   ,
       ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::、:.:.:.:/ //
         >:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:レ:.:.:/    (琥珀は第一騎士団の生き残りと共に居るはずだけど、
         /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´     ヒナや姉さん、館の者は本当に無事なんだろうか?)
        ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
          レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ
            ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
     ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|
    /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./
  //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―
 .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
../: : : : : : : : :\: : |: : V: ∨: V: 入
/: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : \//: :/ヽ
            o

             O

   r'⌒'~'⌒'~'⌒'~'○'~'⌒'~'⌒'~'⌒'ヽ
  (                         )
    )  翡翠、その―――          (
  (   琥珀は無事、なのか?        )
    )                       (
   丶~'⌒'~'⌒'~'⌒'~'⌒'~'⌒'~'⌒'~'´


395 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:20:09 ID:zIOMxbYM
七120.
┏──────────────────────────────────────────────┓


\\ _, ゝ‐  ̄ ゙ - 、/    ゝ
  >‐´ _, - - - - 、\::.....::::r
../ / ´     . / / l i゙ヽ ヾ彡 ゙ゝ
レ ´l .::  ./  . / // ll ::l lヽヽ__:::::ろ
.:: ::l.:: .:: ::/ .:/./ .// .:/.l.::l: .:l 丶i  ,ソ
:: ::l: .: .:/ .// ./:/ .:/ l.::l: :::l :lヽ l´        「アンデルセン様お付きのユミコ、
: ::l: .////::/://::/  l.::ll::.:::l: :l:l: l         アームストロング様お付きのマリアは
‐:t/‐//∠//:/  l::/.l::::l::::l/ :l         人質に取られてしまい、今も城に居ると思います。
,,-‐7卞 ト、´゙//    f ̄f゙7トl/ :l
ヽl .lっ:::C ゙     r7゙勹ゝl/::  :l         イトウ様を始めとしたお三方のおかげで私と琥珀、
.::l ゙ ー‐‐        /:ヽ /::l:::  i l         イトウ様お付きのオトメ、
l::l  ´´´        ゞ-´ /::::l::: : .l: l         桂様お付きのミサコは無事脱出できました」
l::l         ゝ ´´´/:::l::l:::: :::l: l
l::l 、    ―‐    イ:::::l::l:::: :: l: l
:l:l ヽ、       イ:::l:l::::::l:::l::: :: ll::l
:l::l   ゝ _  イ:::::l::::l::l:::::l:::ll::: : l.l:l
::lll___  ___,,lヽl:::::l::l::::ll::l l::::: l l:l
::l:l::://l /ヽヽ::::::ヽ-ノlノ::/l::l l:::::l ll _、、、
ヽ:://::::l/::::l l::: ..:::::::)----レt‐‐ ´:::::::::::::::ヽ、



::::::::::::::::::::::::::ハ::::::::::::::/i// i:::::::::::::::::::::::::|::::::|:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::\
::::::::::::::::::::::::::::ハ;;;;;;;;;/-'´   .|::::::::::::::::::::::::ト::::: ト::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::ハ ̄       |::::::ハ::::::::::::::| \i \::::::::::::|:::::::::::::::::::::ハ
::::::::::::::::::::::::::::;:::ハ        |:::/ V::::::::::リ    ィ=ハ:::: |::::::::::::::::::::::::\
:::::::::::::::::::::::::::::iヽ:ヘ      |:/   V::::::/   /イ=フi}ヾ─────'`  「ランサーの世話をしていた
ヽ:::::::::::::::::::::::::| \ヽ     |i!    }::/   r''´ゞハi l:ヽ           サツキは………?」
::::\::::::::::::::::::::|   \   __ニ三イ   ||r j}i| .i lヾ}
::::::::::\::::::::::::: |   /::::_,,,ィ彡=''´i/il_,==|.しソハ ノノ-、
:::::::::::/ \::::::::::ヾ /:- ''´>''´ -=イ`  ||r'´` ハ彡 y/: : : :\ニニミ-、
::::::::/   `ー- xゝ rィ彡''´イッ:::リ  /i   ミー=´i: : : : : : :`:-:、: : :}ソヽ
:::::/::ハ_____/ /  / ヒ:::..ソノ {.リ    }.  l-、: : : : : : : : i: ://: :ハ
 ̄ヽ──────、ハ ヾ  ゞ''´  ノノ    ./  ./: :ノ: : : : : : : : l: i l: : : ハ
i ヽ ` -ゝ      ヽヽ ミ=''´ //       /: : i: : : : : : : : : l: i l: : : : :ヽ、
{  ハ         \\__//    , ィ /: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : \
 `   廴     し   ー─''´    ir'_´'´ ./: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : /
>、_   ー                     /: : :/: : : : : : : : ::/: : : : : : : : : : :/
: : : : : >-、_ハ、               ハ/: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : :/ハ



しかし、アレクサンドとアレックスの命を天秤にかけても
全員は救われていないと翡翠は言った。


396 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:21:09 ID:zIOMxbYM
七121.



           _,,_,,,__,r.、,,_
        ,r-、,f   i i   `7-、
       _,f,   ヽ,r―-..,,_ ,/  `;
.      f  `>' ´_,,,,,,,,,,,,,,,,_ ` 、 ノ `;
      ,f.、_,/,r':´:,' :,' /! i: : :`i.、ヽ,__,フ    「残念ですが、
      i,___i/i : i:,i: ;i: i .i: i、: : :'i; `.i,__,!    彼女の死体を見つけたと
       !:i ;!: :i:,!!:.ii ;! 'i;'iヽ,: :.'i,: :i: :i    アンデルセン様が仰ってました………」
.      !:i:.ト、;ii;!i,;,!_`  ヽ!,ゝ,;,;i!:.i :.i
      i i`'i ` i i::i i`  ´i i::i i `!´: :i
      i:.i: :'i. 」 `' ,!   .」 `' ,! .i: : :i
      i,:i : i:、  ̄      ̄ /i : :.,!
.      i.ト、:i;::`.、  ―   /:;i: :N
       ` ヽト、i;;;;i` ー‐ イ;;;iレレi/
       _,,,,,,,,ノ:.`ー、 f'''''':.ヽ.___
    f''''''´::i---'---i-'-':、,---'-.v'''''''ー、
   /:::::::::::::ト:.:.r''フ'´ ̄ゝ;i_:.:.:.:.::.:.,!:::::::::::::::i
.  /::::::::::::::::i、,;,;i i     .i,;,;____,;!i;;:::::::::::::'i,
  /:::::::::::::::::::i<;.:fヽ、   ,i,丿:.:`、 .,!;;;::::::::::::::i
  `、------、i `i;;::`ー ̄-;!'i,;r‐'''´ ,!;;;;r‐'''''ヾ;i
   `ヾ;;;;;;;;;;;;;`、f`::::::::;;;;;/    /;;::-:::、::::/
    `、`:::::::;;;;i::::::;;;;;;;:/    ,f´::::::::;;;;:::i'



                ―― 、
             / 〉 ´      \
            / /'  __ ノ   ゝ.__ ヽ
         / //〉  ( ー) (ー )  l       「そうか………」
          l  ´ イl   (___人___)  l
.        l    iYl    ` ⌒ ´   l        (やはりランサーの動きが鍵、か)
.       /   ハ !.!          !
.        /  /  ' ヽ           /
       l   // 、ゝ       / ヽ_
      ´` ー‐ '`./  `ー、  ,-´  /   \
.     i      ii   / `:.i   i´ヽ.  /     `  、
.     , 'l     l.!  /   l   ! ハ /        \
    / ,:|     | ヽ/   !_'   V       ,  ,    ヽ
.  / / l     |     /:.:.:.:ヽ       / /  /  i
.  !/  !      l\.   i:.:.:.:.:.:.i      / /  /   l
  /        !  ヽ.  !:.:.:.:.:. !      ´   !  /     !



┗──────────────────────────────────────────────┛

おつきのメイド七人中、無事なのは四人のみ。
二人は未だ囚われて安否不明、一人はすでに殺されていた事実に
ジュンもやらない夫もどう反応していいか分からない。

だが、生きているのなら助けたい。
それがアレクサンドとアレックスに対する手向けだと彼らは思う。



                  ●

                  ●

                  ●

397 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:22:09 ID:zIOMxbYM
七121.
街道から外れて草原を動く一行は注意深く町の入り口に近づいた。

驚異的な視力を持ち、夜目も利くやらない夫が
かなり距離がありながらも確認して見ればやはり門番が立っている。

そこに居るのは怠そうな二人のみだが、
奥の待機所にはそれなりの人数が詰めているに違いない。



         ,,.、_,.,、_ \        ∧[† ̄] /__|   :|             ::;|
           ,.:::;,:..\    <`∀´r >  ||  ::;;|          .:;;;;|
'""```''''             \  <⌒iーi⌒>.||  ::;;|          ::;;;;;;|
  .,;:. .:;. ..: :..    vjiijww \ :| i   ヽ ヽ.||  ::;;|          |\ ̄"二二二二二.\
               .;; :..  ヽ| |    \(ミ)  :;|       .| ::\ \       |\\
    "~''''  ,,.、_,、        (,,|    イ  ||  :;|       ::;|  ::;;\ \___|:: \\
                    |  |  |  ||  ::;;|       ::;;;|   ::;;;;\_二\  \::  \
,,vWWwjjw   ,;::.::..:.  ''"'"~''''  |  |  |  ||  ::;;|       ::;;;;;|      ::;;;;|  l\\  \::
                    |  |  |  ||  ::;;|       ::;;;;;;;|      ::;;|  |  \\  \
 ''"´''"""'''''"""''""``'‐.、      |  |  |\||  :;|    ::;;;;;;;;;;| .∧   ::;|  |   \\
   ,;:,.:;..:.       wiijijjyyv (_(__) 〈:〉、 :;|    :∧[† ̄]/__|     |  |    ::\\
                              ,\|____.<`∀´r > ||    ::;|  |     ::;;\
                                  <´iーi⌒>||    ::;|  |       ::;;;;
                                   |i  ヽ^ヽ||    ::;|  |       ::
                                   ||    \(ミ)   :;|  |
                                    (|    イ ||    ::;|  |
                                    | |  |  ||    ::;|  |
                                    | |  |  ||    ::;|  |
                                    | |  |  ||    ::;|  |
          ,,::;;.,,;.       "'''''"""'''"        | |  |  ||、  ::;;|  |
 '"'"~'"'"~'"'"~     ,,.、_,,、_    ,,::.       wwiiw (_(___).〈:〉.\ :;|  |

398 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:23:09 ID:zIOMxbYM
七122.



       //  ィうヾ        \ヽ
       | j     >=彳       ::::l |
       | l  ___|   |__     ::::l|
        /l | |        |   .::::l l::\
      | .| | └─┐ ┌─┘  .:::::l l:::::::.\
       l ! |    :::|  |     .::::::j ,'::::::::::. l
      | l|  ::└ー┘    .::::::::j ,'::::::::::: ,'
        ', ', l _,;:ァ-rーヾー 、_.:::::::://::::::::::: ,'   「戒厳令が敷かれている為、
       vイ´:/   !: : :!: : : :ヽ、`:x'/::::::::::: /    一般人は外出していないはずです」
       | l,'/> 、ヽ,: '、:ト、\:丶、:`l: 、: /
       | ! i彳tぅミ ヽ!斗≦毛zミl: ! : ヾ
        l: ;イ}ゝ辷;j.    ´ トィ':::j"|: l: : : !
.       j : 八 ,,,,  ,   ┴ー"'ォ ,': : : l
.       ,'/ィ : : `..、  -   """ィ|:!/l : : :l
      //j : : : : : _´>┬_,≦ノ|㍉_: : :!
      ノ /: : : ァ´ {{:::{{ヾ-  〃:::〃ヾ,l
.       /: : :/  〃;;::::ゞ=三 彡':::〃  .}
.    , ': : : :イ  /'  ::/  /  ''〃/   j
    /イ: : : {  {  .::/ ./  .:!l/   ./l
.     l,': : : :i   l、;;;;;/  /;;;;;;;;;;;j'   ./: :!
     {,ヘ: : : ',   l ̄    ̄ ̄/   /: : :l
      i| ', : : |  'r┐ ┌--/   /: :l: :j
.     ヽ ヾ\!.  'v  |:::::/   /ノ丿ソ
         l  |  !:::/   / \



アリアに頷いたやらない夫は星を見上げて方位を確認すると、
西門を指した指をそのまま北へ動かした。



                   ,, -‐ 、
                  /'    ヽ
       / ̄ ̄\      ./      i
     / ._ノ  ヽ、\    /    ...........i
     |  (●)(●) |  /   ..:::::::::::::::|    「町の北西、ホーリエ通りの奥にある
     |  (__人__)  |  /  ..::::::::::::::::::l     『花屋マイロード』が目的地だ。
     .|   ` ⌒´  .} ./  ..::::::::::::::::::::!
      |         }/  .::::::::::::::::::::/      裏口を三三七でノックして、
      ヽ       ./   .:::::::::::::::::::/      合い言葉は『野バラが欲しい』な」
      .ヽ    . ./  .:::::::::::::::::::/
   ,. ‐'"´  `'‐,r''"~   .:::::::::::::::::/
..:./,. -‐‐- 、 l′     ..:::::::::::::/|
:,'      /       !.:::::::/:i..:..l
r   、  /           !::::::::::: i..:..i
l  .......`:i    i         !:::::::::: ゙、:.i
!  ::::::::::/    i       i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/     i      .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::|  `、   `、  .....::::::::::::l::::::::::::  `,
/ \:::l.   `、   ヽ::::::::::::::::::::l:::::::::::  /'''ー─----、
   `ヽ   `、  .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,,   ,. ‐;''




399 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:24:09 ID:zIOMxbYM
七123.



   \:::::::::::::::::::::}_ヾ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::゙::ヽ、 /
     ヾ::::;.'"´,'  `ヾ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
     ,ィ!:!i   ! /   `ー---‐r ――― ‐r --- -- ニ___j
    〃〃.ト、 .! { __ム_i!_  i!ハ     ハl  ', 、  ハ
   /:/,'::| | ヽ } !、  !_ヾ!、`ヾ ! l!   ィ/‐ナ!¬! .| i  i   「で、どうやって町の入り口を抜けるの?
  ./:/ .!:::! ∧. y | !、 くf´ニ>≧、 }/} /;ィ=ァ、} /} /! / /!|   やらない夫が魔法でちょちょっと
 /::{  !:::i.リ ヽ ,' ,'l !゙\ {弋zソ   "´  {zソ /ィ /ィ }/ / }.}   何とかしてくれるのかしら」
. ト、!  |::::|!   } ∧!l  `゙        ,     {kイ K、ノ リ
/   /〉」  / 人_!ト.、         /    ,'l ! !::|ヾ}
   //   ./ /  !|`¨iヽ      fフ   /!l ∨::! .ハ
  .//   ./ /  「!| ̄ ̄ ̄ ̄\ __r―<、/∧ ヾ:! .ハ、
  { { ./ /   ヾヽ::::::::::::::::::::::ヽ/::::::::/// ヽ ゙、   ハ
  | | ム く  ,.‐’:} }::::::::::::::::::::::У:::∠::フ/ヽ   ト、\  ヽ
  | |__>‐≧‐≦―'ァ::::::「 ̄ ̄ ̄ ´{/イ::::::\. !. \\ }}



目的地は分かったが、
肝心の侵入方法についてまだ説明を受けていなかった真紅とジュンが
理力魔法をあてにして言うので、



 /::::::::::::::::::::::::::::/::::\:::::|::::::ヽ:::::::::::::::::\::::::::-──
_,,- -ィ::::::::::::::::::::/::::::::::i:::V::::::::::::>:::::::::::::::::: \:::::\
 /::::::::::::::::::::/::::::: : :|:::::V/ ̄ V:::::::::::::::::::::::\::::ヽ
/::::::ィ:::::::::::::::{:::::::::::::::i: | ̄     V::ト:::::::::::ハヽ;;::ゞ:::ヘ
:::/:::::::::::::::::::|::::::::::::::ハ:|        |::i \:::::::}:::::ト-;;::::ハ
/:::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::| リ───''  i:リ ニ彡:::iト、;ヽ \::i
:::::::::::::::::::::::::::::|::::::: :: |_,,,-===ヽ/ _||=__メ:| ||   ヾ   「良く聞く、眠りの雲ってやつ?」
::::::::::::::::::::::::::::ハ:::::-::|>'' ̄=.ィ-  ||=||{t..:jア ||
::::::::::::::::::::::::::::i>\:: |||マハ廴ソ  ..川 ハ ̄ iノノ
:::::::::::::::::::::::r-、}''´ \||  ̄    //  ノ ` ̄ |´
::::/i:::::::::::::::| /ヽ    ヾ==─''´´      /
:/ |::;;::::::::::ヽ  >        `ー -  /
  レハ:::::/i::::::≧::-:、          /
     レ'  ̄ ̄ ̄Yi      ____./ _
     _...-:::'´ ̄ ̄`:-..、    |ー- ∧ }、_
    i: : : : : : : : : : : : : : : : `::-.┴..、: /: :}: :}: : : ヽ
   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : ヽ /::/: : : : ∧

401 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:25:08 ID:zIOMxbYM
七124.
魔法は決して万能じゃない、と過剰な期待を防ぐように彼は手を挙げる。



                                                  / ̄ ̄\
                                               /  ヽ、_  \
                                              (●)(● )   |
 「今回は何とか出来そうだけどな。                         (__人__)     |
  そもそも、吸い込まなければ効果が現れない雲系の魔法ってのは      (`⌒ ´     |
  知能の低い怪物か、人相手なら不意打ちじゃないと                 {          |
  効果が得られにくい。                                 {         ノ
                                            mm   ヽ      ノ
  『遺失カタリ』のあだ名を持つ魔法使い、ヒースグリフも         (⊂  ̄ ̄ ̄   ヽ
  意外に使いどころが難しいと言っていたぐらいにな」               ̄ ̄ ̄|    |



効果時間は当然、対象も単体、複数、範囲とまちまちであるし、
発動距離も接触、近距離から超遠距離まで様々だ。

条件が合えば恐るべき威力や劇的な効果を発揮するが
そうはなかなか行かないもんだ、と難しい顔の説明に
ジュンはなるほどなと腕を組む。



        /l
     Λ/ 〈 へ、
   ヘ|        ,>
 ∠  /   〉ヽ   ̄\   「そうなんだ。
 / ノ〈 |^^| /\ト、  ト、l   魔法って万能なもんだと思ってたけど
 |/| .ハ|__ |/___ ヽ  ヽ   結構面倒なんだね」
   l/  |‐|   |―ヽ_|
    |  ̄ c  ̄   6 l
.   ヽ (____  ,-′
     ヽ ___ /ヽ
     / \∨/ l ^ヽ
     | |      |  |

402 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:26:09 ID:zIOMxbYM
七125.



                                                 / ̄ ̄\
                                               /  ヽ、_  \
                                              (●)(● )   |
 「剣と比べたって一長一短だよ。                             (__人__)     |
 眠りの雲は精神に作用する精霊魔法の眠りとは違って、           (          |
 周辺の大気に催眠効果を与えるだけだし、               .    {          |
 寝たとしても蹴っ飛ばしたら起きてしまう程度のものだしな」          ⊂ ヽ∩     く
                                               | '、_ \ /  )
                                               |  |_\  “ ./
                                               ヽ、 __\_/



どんな技術だって長所と短所があるんだ、と一般的な話をしたやらない夫自身は、
それらを補える多技術使いである。

時にはこの状況を覆す戦略の基軸として己を捉え、
局面ごとに適切な戦術を導き出せる彼だからこそ、
王女復権への算段を付けられると言っても過言では無いだろう。



           | ┌''´       ゞ=ノ        〉. 〉
           /l !        「 ̄|        / ./\
           { ',. ',.   __,,、-ー┘ └ー--、,,   j / /
.           l l |  「      _,   __    `i | .,'  |    「なるほど、見張りを何とかする程度に
           l | | └ー'''´ ̄ |  |   ̄`''ー┘j j /     麻痺や昏倒を使うわけにもいかないです」
            | ', ',      └ー┘      / / ,'
            |,.-l }  __,,.、r─ー─tーァ-、,,_ | ト、.|
             ! |,.ゝ''´ ://´|: :l : : :/: /``lヽ:j``、j、 !     (その場その場で、
            }'´l: : ! :V,z=ニ.ヽ:! : /: /=z、リ: : ,' i `i'      常に最適な手段を模索しているのですね)
               ,'1: l: |:vイィぅ`ヽ ` Vリ' ;ぅ`ヽj:/:/ :| : }
           / j: :| :|':!{ {c::::::j       !c::: リ.}|/l: :|: : !
          ,.' ,': :}: :',:`:, ゞ-''    .  ゞ-'' ./: l : :l: : |
         ノ. /: : :ハ: \ト、    ,..、    ./|:/i: : |: : !
.             /: : /: :ヽ: `、: :> ,-,` ' ,. ィ ': :!':: l: ::! : :l
.          ,.': : :/ :/ : ヽ: ,、 ;_/ / `´.┤:l : : : l : ',: l: : :',
.         ,/ : : / :/:ヘヽ ̄ゞ./ `ニヽ.  `〃` ̄〃 : ', : : ',
       /ィ : : /: /,'  ヾ、  j   ニヽ彡’   〃 ヽ: :`、: : `、
   __,. ''´: :,.':: : : /:/ :{   ,. 》./    ィン┐   《、  }:',: `、 : :\
 _='-ー''´,'/: : : :, ' /: : }  ,' 〃'. `ー /.  !     l|ヽ ,': :`、: : ヽ : :ヽ,
´    // : : /: /: : :, 'l  { /.   /|   |     .||. }/: : : `、 : : :\: 丶,
   /: ;/: : :/: /: : :ィ: : ! ,〈.    j┘ .└─┐ .l.|.ノ/: : ',: : :ヽ: : : `、: : ヽ
 /: , ' {: : /{: /: : :,'{ : l ' \_丿     |.〃 /:,i: : i: : : : ',: : l',: ト、: :`、
,´: : /  '、 { l ,' : : ハ: : \   ノ―┐. ┌ー┘〃 イノ }:/}: : : : :}: : l }: j ',: : :}



少しだけアリアにも分かってきた。
やらない夫は無数の選択肢の中から、
常により良い手札を切ろうと常に思考を巡らせている。

彼が戦う事を、殺す事を選んだのなら他に手がない、
そう思わせる程に―――


403 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:27:09 ID:zIOMxbYM
七126.
あとはリスクをどの程度享受出来るかだ。

先の戦闘では真紅やアリアに危険確率が発生した為に
強硬手段に訴えざるを得なかった彼は、
この場では最悪発見されても構わないと腕を組んだ。



           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●
.         |      (__人__)      「これまで見てきた非正規騎士団の連中から考えると、
           |,      ` ⌒´ノ       居眠りしてても不自然じゃないでしょう。
          │         }
           ヽ、      ソ       マナの動きを感知できる者が
          イ斗┴r┐` .;         近辺に居ない事を願いながらですが」
    / ̄`ーゞ、  / |__ 〈ー─r、
   /     \ ∨\  |,ベ._ / |
   {    . : : : . ヽ>ー\[ ̄{ 〉\|、_
   |        `丶}\  __\_]~∨'\`ヽ
   :|   ._    \_}/r‐-}\ ゙,`''く l ゙,
    ト、: :./ / ̄`` ぐ└f'二)::{  ',  | !,ゞ┐
    `、∨ ´ ,.、-''"~ ̄}_{‐''く:::{_  ', _|_|_,rー'、_
     }{ / _、-'''"~ ̄{_\;;;;;j;><;:::::\:::ヘ}\
      }∨: /  _、-''゙~ ̄ ̄     \::::},之_ ヽ
       〉∨   /           ,.、イ;;ノ_   `ヽ}
     {: \,/\  -‐ '"   /` ̄      :.:}



理力魔法が行使される際に起こるマナの動きは、
距離の程度はあれど魔力を有する者同士であれば感知出来るものである。

戦闘の際には魔法の読み合いになるし、隠密行動にも最適とは言い難い。
そればかりは如何ともしがたいと言ったやらない夫はジュンの問いに、



        /l
     Λ/ 〈 へ、
   ヘ|        ,>
 ∠  /   〉ヽ   ̄\    「もし居たら?」
 / ノ〈 |^^| /\ト、  ト、l
 |/| .ハ|__ |/___ ヽ  ヽ
   l/  |‐|   |―ヽ_|
    |  ̄ c  ̄   6 l
.   ヽ (____  ,-′
     ヽ ___ /ヽ
     / \∨/ l ^ヽ
     | |      |  |


404 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:28:09 ID:zIOMxbYM
七127.
フードを上げて単独行動に出ると答え、



                   ___
                  /;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、  バサッ
                 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
                     i;;;;;;;;;;;;;;;;;,イ´:::ト、;;;;ヽ             /勹
                     i;;;;;;;;;/:::::::::::::::ヘl ;;;〉           ./ヾ/
                    i;;;;;;;;| |:::::::::::::::::::::};|         ./ヾ/
                 i;;;;;;;| |:::::::::::::::::::::};| .,_   ∠ヾ/
                      i;;;;;;;| |:::::::::::::::::::::};|  llコ~○/      「先に目的地へ向かってくれ、
                λ;;;;;;;ゞ\ゝ:::::::::/У /`弋ll         あちこちでかく乱してから合流する。
             _//弋;;;;;;;ー;;;=─ヤ彡ヽδ/ `弋l、
        ,r‐< ̄´、ヽ、 `ト-====ハ|   ,` v-, 、__  ゜      場所と合い言葉は覚えたな?」
        /    ` ー-`、ー_`、 ,!'``'┴┴ヘ,|/.-'_´.-'  `ヽ
       l         r-ィヽ.}ヽ、__  _,.-ヘ´‐'r-ィ     |
       ノ 、        ヽ_ソ≠====:三===キヲ_ノ     |
       〉、 丶、 _    __,. ゝシ``ー---ll--‐‐ヘゞ‐′    ,. ヽ、
       !、 `丶--'丶、__,ノ  <^^>  ||    ヽ,--、 -‐',. イ´
.      }、`_ー_'二フ7'、_}ヽュ__,. Ⅴ ´ ̄`丶、_,ッ}:::ゝ-二._,.イ
.       〉、_ 二 -ィ′八ヽ ゙´Y          }リ::::::::{'ー--〈
     /ー--‐''´::::::/;;;;ヽヽ、_>、  ,. -─‐- 、ノレi:::::::::ゝ、ーイ
.     l::::::::::::::::::::::/;;;;;;;;;; 〉}  Y´       l |;;|:::::::::::::: ̄l
      ゝ:::::::::::::::ノ;;;;;;;;;;; く ノ   }        { l,;|::::::::::::::::丿
     ,〉:::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;/ `ヾ丶ゝ、      ゝ'〈;;;ヽ、::::::::::`ヽ、
    {:::::::::::::::::く;;;;;;;;;;;;;r'、   ,.、`丶` =--=''´'´ ,..ヽ、|::::::::::::::::::|



同じくフードを上げたジュンも、いざと言う時は自分が先頭に立つ覚悟で大きく頷いた。



              ,.=三三三三: \  バサッ
         /三三三三三三三 ヽ
.         //三三三三三三三三:ヽ\、
        //三三三三三三三三三:ヾ三ト、
       ハ三三三三三三三三三三三三:ヾ:、
       ハ三三三三三三三三三三三三三ツリ   「うん、大丈夫」
        i三三三三三三三三三三三三三/:/
        |:三三三三三三三三三三三三:/:/
        !:三三三三三三三三三三三:/:/
      ,!三三三三三三三三三三;:< :三{
      /l:三三三三三三三三:/   / 三!
     ハ三三三三三i三三三/   ァ' :三:!
     ハ三三l!三三三l!三三ハ>- ' :三:シ
    //:三://l:三三三:!l三三三ヾ/三/
   ハ三三/::i!:三三三:、ヾ三三三l三{
   .ハ三三'三!三三三ヾヽ:\三三ト、:i
   ハ:三:/:三三三三三:\ヾミ、 三三`ヽ
.   ハ三:/:三三三三三三:`ヽヾト、\三/
  ハ三/:三三三三三三三三三三:∨{:i


406 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:29:17 ID:zIOMxbYM
七128.
作戦は決まった。
やらない夫が再び確認すれば、
門番はやる気がなさそうにあくびを繰り返している。



              γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
              l   見張りなんて退屈なだけダ………
              ヽ、___  ____________
                     ∨
         ,,.、_,.,、_ \        ∧[† ̄] /__|   :|             ::;|
           ,.:::;,:..\    <`∀´r >  ||  ::;;|          .:;;;;|
'""```''''             \  <⌒iーi⌒>.||  ::;;|          ::;;;;;;|
  .,;:. .:;. ..: :..    vjiijww \ :| i   ヽ ヽ.||  ::;;|          |\ ̄"二二二二二.\
               .;; :..  ヽ| |    \(ミ)  :;|       .| ::\ \       |\\
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,,vWWwjjw   ,;::.::..:.  ''"'"~''''  |  |  |  ||  ::;;|       ::;;;;;|      ::;;;;|  l\\  \::
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          ,,::;;.,,;.       "'''''"""'''"        | |  |  ||、  ::;;|  |
 '"'"~'"'"~'"'"~     ,,.、_,,、_    ,,::.       wwiiw (_(___).〈:〉.\ :;|  |

                           _____∧______
                         /                  \
                             ふぁ~……………


407 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:30:11 ID:zIOMxbYM
七129.



          //       ◎     \\
        //        / 7      .\\
.        | |    ┌─ー─' /_       \\
.       /| |   └─-ァ _   ̄7      / /
.       |  | | __ ,. rーy-/ /    ̄`''      / /
        |  |/: : : : :/: : :∨\へ        / /\
       |/:/: : :/: : : : : : :ヽ:\ \    ./ /  ./
      /: / : : : / : : : /ヽリ:',: ', : : : : ヽ //  ./
     /: :/ / : / /: : : :/   j ハ: ',: ', : : : ヽ/   /    (随分距離がありますが………)
.    //:/ : / : /,./ム--/  //_} : l: :! : : : :ヽ  /
    ハ!/: : ,' : ,ィ{ N: : :|  .// /`メ、:l: : ', : :ヘ/
.    !: : : l : :!|:,ィ云示  // /_:/|: :ハ: : ! : :ハ
.    l: : : :l : :l,ハz:::::リ     え圷ミ :! : :j: : : :!
     l: : : :', } ゞニニ´    弋z::::リ〉,': :,': :l : !
     ',: :,.A ハ ::::   .  ゝニン./: :/ : j : :l
      ∨. ヽ ゝ、.  ‘ '  :::: ノハ/: : :,': : :! ヒソヒソ
     /    { {  >、._,. <///`ヽ/: : : :|
    ヾ、    ヽヽ 、_   ,.-' //   ヘ : : !
     /ヾ、 i   ヽヽ      ノノ     ヘ: : l
    ,'  ∨    ゞニニニニニ彡    /  /〉 : |
    |  /               l  // : : :l
    l  {      ┌┐      .,'/. ',: : : :l
    l  .ゝ. ┌---┘└---┐  ノ   l: : : :!



しかし、雲系の魔法を行使するには距離がありすぎるのでは、と囁くアリアに
力業ですと答え、



                   ___
                  /;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
                 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
                     i;;;;;;;;;;;;;;;;;,イ´:::ト、;;;;ヽ             /勹
                     i;;;;;;;;;/:::::::::::::::ヘl ;;;〉           ./ヾ/
                    i;;;;;;;;| |:::::::::::::::::::::};|         ./ヾ/
                 i;;;;;;;| |:::::::::::::::::::::};| .,_   ∠ヾ/
                      i;;;;;;;| |:::::::::::::::::::::};|  llコ~○/     (その辺は魔石で無理矢理です)
                λ;;;;;;;ゞ\ゝ:::::::::/У /`弋ll
             _//弋;;;;;;;ー;;;=─ヤ彡ヽδ/ `弋l、
        ,r‐< ̄´、ヽ、 `ト-====ハ|   ,` v-, 、__  ゜
        /    ` ー-`、ー_`、 ,!'``'┴┴ヘ,|/.-'_´.-'  `ヽ
       l         r-ィヽ.}ヽ、__  _,.-ヘ´‐'r-ィ     |
       ノ 、        ヽ_ソ≠====:三===キヲ_ノ     |
       〉、 丶、 _    __,. ゝシ``ー---ll--‐‐ヘゞ‐′    ,. ヽ、
       !、 `丶--'丶、__,ノ  <^^>  ||    ヽ,--、 -‐',. イ´
.      }、`_ー_'二フ7'、_}ヽュ__,. Ⅴ ´ ̄`丶、_,ッ}:::ゝ-二._,.イ
.       〉、_ 二 -ィ′八ヽ ゙´Y          }リ::::::::{'ー--〈
     /ー--‐''´::::::/;;;;ヽヽ、_>、  ,. -─‐- 、ノレi:::::::::ゝ、ーイ
.     l::::::::::::::::::::::/;;;;;;;;;; 〉}  Y´       l |;;|:::::::::::::: ̄l
      ゝ:::::::::::::::ノ;;;;;;;;;;; く ノ   }        { l,;|::::::::::::::::丿
     ,〉:::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;/ `ヾ丶ゝ、      ゝ'〈;;;ヽ、::::::::::`ヽ、
    {:::::::::::::::::く;;;;;;;;;;;;;r'、   ,.、`丶` =--=''´'´ ,..ヽ、|::::::::::::::::::|

408 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:31:09 ID:zIOMxbYM
七130.
彼が無限の財布を持っている事を知らないで、目を丸くする彼女に
だんだん慣れてきた真紅が囁いた。



         r'ニニニ二二二ニニニ、ヽ
         | |     .@     | |
      rー┤|           |├、
      |   | |       Π    | | |
      l    l l     lニ  コ  .| | |        (決して安価ではない魔石を
     |    l l      |_|    | | |         惜しげもなく………)
       l__l_l______|_|__|   っ
       | /  ,イ,へ 丶、       ヘ
       | ,' / //  \| \ ト、 ヽ ',   つ
      !j./l /        ` ヽト、ヽ }
.     | | .!/.!  ○    ○ l l |ヽ,'    ⊃
       l | | .l/////////////! | !.|
       .| ! | ト、  ,-ー¬   .ィ| .| l
        | l ! l l` r --.' <j ,' | |
        | .l ', l |ャ-ミ≡彳ァトイ ,'! !
      .| | ヽ| | l r´ )/ハy / | ',



                                          /   ...:::::     \
                                        /  .::::::::       \
                                        /   .:::::::::           }
                                          /  ._,.:::::::::::          i
   (アリア。                                  /_,,..ィil.Aヘ::::::        .: .i
    やらない夫は私よりもお金持ちだから               ヾ:: :::::リ!7>\:       .::::: ヽ
    今は気にしなくて良いのよ)                 /!、 :i ト、   ヽ      .:::: /
                                        /  \〈/,ベ、   >、.....:::::::::..::ノ
                                    i  .:: : 〈\;;;`ー=イ .∧:::::::::;イ
                                     |  ::  ヾ-ヽ.,__/ /___i:::/:ノ:}`ー 、
                                      |  :   くフ‐、 二 ̄// /    ヽ
                                       |       >,、/...           i
                                        |       {..i               i
                                      ,|      |::|       .:         .}
                                   /:       i::|     .:::       .:/
                                     / ::       ノ./:_|_    .:::       ..::/
                                 / :   .:  /:::レ′   .:::     ..::::::::i
                                   /     .::  ./:::::ノ      ::::      :::: i
                                     / .:    .::   /::::::{      :::        :: |
                              / .:    .:: .. /:::::::::i     :::         !


409 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:32:09 ID:zIOMxbYM
七131.
もちろん、目を見開いた司祭は理解できなかったようであるが―――



           | ┌''´       ゞ=ノ        〉. 〉
           /l !        「 ̄|        / ./\
           { ',. ',.   __,,、-ー┘ └ー--、,,   j / /
.           l l |  「      _,   __    `i | .,'  |
           l | | └ー'''´ ̄ |  |   ̄`''ー┘j j /
            | ', ',      └ー┘      / / ,'
            |,.-l }  __,,.、r─ー─tーァ-、,,_ | ト、.|     (申し訳ありません王女様、
             ! |,.ゝ''´ ://´|: :l : : :/: /``lヽ:j``、j、 !     仰っている意味が分かりません)
            }'´l: : ! :V,z=ニ.ヽ:! : /: /=z、リ: : ,' i `i'
               ,'1: l: |:vイィぅ`ヽ ` Vリ' ;ぅ`ヽj:/:/ :| : }
           / j: :| :|':!{ {c::::::j       !c::: リ.}|/l: :|: : !
          ,.' ,': :}: :',:`:, ゞ-''    .  ゞ-'' ./: l : :l: : |
         ノ. /: : :ハ: \ト、    ,..、    ./|:/i: : |: : !
.             /: : /: :ヽ: `、: :> ,-,` ' ,. ィ ': :!':: l: ::! : :l
.          ,.': : :/ :/ : ヽ: ,、 ;_/ / `´.┤:l : : : l : ',: l: : :',
.         ,/ : : / :/:ヘヽ ̄ゞ./ `ニヽ.  `〃` ̄〃 : ', : : ',
       /ィ : : /: /,'  ヾ、  j   ニヽ彡’   〃 ヽ: :`、: : `、
   __,. ''´: :,.':: : : /:/ :{   ,. 》./    ィン┐   《、  }:',: `、 : :\
 _='-ー''´,'/: : : :, ' /: : }  ,' 〃'. `ー /.  !     l|ヽ ,': :`、: : ヽ : :ヽ,
´    // : : /: /: : :, 'l  { /.   /|   |     .||. }/: : : `、 : : :\: 丶,
   /: ;/: : :/: /: : :ィ: : ! ,〈.    j┘ .└─┐ .l.|.ノ/: : ',: : :ヽ: : : `、: : ヽ

                                         /!
                                           //
                                       /::l _,  - ア
                                      _ /:::::!「::::::::::::/─‐…ァ
                                、___∠::::::〈:::::::|::::::::::::::::::::::::<´
                                 /::::::::::::::: 〉、::ヽ-..、::::::::::::::::::::\
                                ∠ ァ¨´::::;:ィ::::;、ヽ::∧::\:::::::::::ト、::;;>
    (彼女も次第に汚れ………            /::::::::::/:::|::::{┴'┴l:!::::::}i::::::::::::::\
     いやいや、慣れていくんだろうなぁ) .     /::::::::::∧::下仁、 イル二ハ::::::::l:::::::::ヽ
                               /::::;イ:::/;;:ハ:{廴__j「¨f廴__j}ハ::::::ト、::::::::',
                              .厶イ/::/::{ (Y ` ̄´ } ` ̄´ Yヘ::::l/:\::::!
                                 ⌒ヽヘ ト-‐ トLr┘ ー-1 /∧:: ハ:|
                                   Vヾ{ ',ト、 __ ィ1' };イ/ ∨  ′
                                   V:::ト、 }ヽ`二´ '{ /::/
                                       ヽ:} ヽ . - 、 /|:/
                                       /! iハ、___ イ i|\
                                   _/ {〈 l   {    ト、∧
                               / ̄ |   ヽ._  ゝ    _!イ〉 「 ̄\
                          _  - ´ ̄ヽ  ト、   \二二二 / /    ` - 、_



落ち着いたら話すよ、とジュンは慣れてしまった自分の身を寂しく思うのであった。


410 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:33:09 ID:zIOMxbYM
七132.
そんな彼らの様子に肩をすくめつつ、
呪文を唱えたやらない夫が最後に鍵となる言葉を呟けば、
解放された魔力が呪文の詠唱に因って集まってきたマナと結合、反応し―――



              .....:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;...
          .....:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:..;:.:..:.:.:... .. .. . . ..  :;:;:;:;:;:;:;:.....
        . .:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:;:..;:.:..             ..:;:.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:. .
       ,:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.. .:. .:. .       __      .:. ..:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;:.
     .:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:... .. .. . . ..      / |     .. .. .. ...:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:.
    .:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:... ..     __       .i |        .. ...:.:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;:.
    .:;:;:;:;:;:.:.:.:.. ..      ( \.     | |           .. ..:.:.:.:;:;:;:;:;.
   .:;:;:;:;:.:.:.:... . .       \ \  | !            . ..:.:.:.:;:;:;:;:.    (スリープ・クラウド!)
   .:;:;:;:;.:.:.:.. .          \ \_ノ  '.              . ..:.:.:;:;:.
   .:;:;:;:;.:.:.:.. .            \       \            . ..:.:.:;:;:.
   .:;:;:;:;:.:.:.:... .     ( ̄ ̄ ̄ ̄     /   ` ̄)          . ..:.:.:;:;:.
   .:;:;:;:;.:.:.:.. .       ` ー―― 、   ノ ./ア´ ̄ \        . ..:.:.:;:;:
   .:;:;:;:;.:.:.:.. .             / |く_ノ//       ヽ--、    .:.:.:.:;:;:;:;:.
    .:;:;:;:;:;:.:.:.:..           / .人__//         \ \: .... ..:.:.::;:;:;;:;.
    .:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:... ..       ` ̄ ヾニ´<_            . ...:.:.:.:.:.:.:;:;:;:;
     .:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:... .. .. . .            `丶、       ...:.:.:.:.:.:;:;:;:;:
       ,:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.. .:. .:. .:. ..            \     .:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;:\ \
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          .....:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:..:;:.:  .:. ..     .. .. .. ...:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:.
           ..... ;:;:;:;:.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:..   .:. ..  . .:. ..:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;:.\
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3 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:34:09 ID:zIOMxbYM
七133.
狙い通り、見張りは催眠効果のある気体に包まれる。



         ,,.、_,.,、_ \        ∧[† ̄] /__|   :|             ::;|
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               .;; :..  ヽ| |    \(ミ) ''''''''';;;;;;;;,,,,   ;   \ \       |\\
    "~''''  ,,.、_,、''''';;;;;;;,,,,,,,                  ''';;,    ::;;\ \___|:: \\
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,,vWWwjjw   ,;::.::..:.  ''"',,,,,,;;;;;;;;;''''';;;;;;;;,,,,,,;;;'''''  ''''';;;;;;;,,,,,        ::;;;;|  l\\  \::
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                ボワワワワン             ||    \(ミ)   :;|  |
                                     (|    イ ||    ::;|  |
                ,;,,    ,,,,,,,;;;;;;;''''''';;;,,,,,;'               |    ::;|  |
            ,,,,;;;;'''''';;;;;,,,,;;;;'''''',,,,;;''                       ::;|  |
            ;;;;;''  ''';;;;;''';,,,,;;;''';                        ::;|  |
          ,,::;;.,,;.     ;;;'';                      、  ::;;|  |
 '"'"~'"'"~'"'"~     ,,.、_,,、_    ,,::.       wwiiw (_(___).〈:〉.\ :;|  |


4 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:35:09 ID:zIOMxbYM
七134.
程なくして、座り込むように眠ってしまった二人に起きる様子が見られないので、



  ∧_∧
 <=∀=r >
 (    )
  | | │  zzzzz
 <__<__〉


             ∧_∧
            <=∀=r >
            (    )
             | | │ zzzzz
            <__<__〉




   __i,,,,__i,,;;;;;`,____i,,,,__i,,___,.i;.. __i,,,,__i,,___,_i,,,,__i,,____i,,,,_゙l__i,,,,__i,,
   ,,,,__i,,____i,,,,__i,,___i,_.「フ. .l _i,,,,__i,,__, 、,_i,,,,__i,,____i,,,,_゙l__i,,,,__i,,
  ... ,,__i,,,___i__i,,,___i_ ` . ,.| __i,,,,__i,,___,_i,,,,__i,,____i,,,,___i,,,__
   __i,,,,__i,,___.,,__i,,____ .l_ . ノ」: _i,,,,__i,,__人_i,,,,__i,,____i,,,,_゙l__i,,,,__i,
   ,,__i,,,___i_,/::::`、,___i___i,,,,__i,,___,_i,,,__i,,____i,,,,_:._i,,,___ ,,,
   __i,,,,__i,,____i,,,,__i,,___,_i,,,,__i,,__/__i,,,,__i,,__.:.:.:.:.:. ゙l__i,,,,__i,,__
   ,,__i,,,___i_ _i___i___i,,,,__i,,___,_i,,,,__i,,____i,,,,_ ゙l,,__i,,,___
   コニiニニiニニiニニiニニiニニiニニiニニニニiニニiニニニiニニiニニiニニiニニiニニiニニiニニiニ

        .,,.、,、,,,从仆ミ           Wiiw      '~'~`    `"'~
                   ,,、,,、     ,,、,,、      Wiiw
     ,,::::,,::::::::::::::::::;;;,,::::,,:::::::::::::.........       ,.、,.、          ,.、,.、
   "゙゙~  ~゙゙"''''''"゙゙~  ~゙゙"''''''::;;、,,::::.
    ゙~     ::    ::   ゙~   ゙':;::::    Wiiw         ~`"''~
    ―― [] []
   | l ̄ | |     / ̄ ̄\
   |_| 匚. |   /   _ノ  \
      | |   |    ( ●)(●)
       |_|   |     (__人__)
           |     ` ⌒´ノ             (俺、真紅、アリアさん、ジュンで進めっ)
 [] [] ,-,     |         }
   //     ヽ        }
 匚/    / ̄ヽヽ     ノ      ,.r-、
       /           ⌒\  P{三)
      /ヽ/^y       /\  \/\ノ
     (、、J /       /  ヽ /  /
        /      /    \___/
从从    (       /
Σ  ヽ、 __へ     \
Σ  /  ̄   \    \
Σ_ノ \、__ / \    ヽ
            \    〉
            /   /
            /   /
           /  /
           \二フ



周辺の気配や音を聞き漏らさないよう、フードを跳ね上げたやらない夫の号令で
四人は町へと滑り込んだ。

5 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:36:09 ID:zIOMxbYM
七135.
音を立てないよう、頭を低くしながら待機所の隣を駆け抜け、
周辺に誰も居ない事を確認したやらない夫の先導で彼らは北へと向かい―――


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  ________         ________  . |:.:.:.:.:.:.:|
 ::|i::,        ,|      ::|i::,        ,|.'  |:.:.:.:.:.:.:|     r==ニ==:、
 ::|| ̄|| ̄||| ̄|| ̄||!       ::|| ̄|| ̄||| ̄|| ̄||!   |::.:.:.:.:.:.| .   . |!_|_|_i|
 ::|| ̄|| ̄||| ̄|| ̄||!       ::|| ̄|| ̄||| ̄|| ̄||!   |..:.::..:::.:|     |!_|_|_i|
 ::|| ̄|| ̄||| ̄|| ̄||!       ::|| ̄|| ̄||| ̄|| ̄||!   |.:..::.:.:.:.|     |!_|_|_i|
 ::|| ̄|| ̄||| ̄|| ̄||!       ::|| ̄|| ̄||| ̄|| ̄||!   |.:.:.:.:.:.:.|     |!_|_|_i|
 .:|i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,l .      .:|i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,| .   |、.:.:. :.:.|  '   .|!_|_|_i|
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~'  .l、\:.: :| .      ̄ ̄ ̄ ̄
                                !:.\\|
                                 |.:.:.. \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



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――――――――――――――――――――────────────
;           '      .   :    ,  ' :  ,    :    ;       '

                        ,ィ~ir、
                      ん-─-ヽ
          __          ,@i((ノ)))))
        「~| † |         lj リ.゚ -゚ノiリ                           , ,ノ 、
        ! .ノリノ)リ)〉  一二三  /ノζ介 〉l)                             l (● ●
       ノ!リ!゚ ヮ゚ノl!        (( ,f//__ 〉ヽ)〉                            |  (__人)
       (.リ⊂i十iつ        ζ ~~じソ~~ζ タタタタ                        ヽ    ノ
一二三     く/_|j〉                                           ,イ ⊂ 二〕
         し'ノ                                               /     /
      トテテテテテ                                              (J  /ヽ \
                                                          Lノ  \__)

                                              (次の街路も大丈夫だな、
                                               行くぞ)



6 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:37:09 ID:zIOMxbYM
七136.
たどり着いたとある花屋の裏口で、翡翠に教わったとおりにノックを繰り返す。



  /    |                                                 . |     (初め三回、
/      |==================================================================~|      次に三回、
        |                                             _    .|      最後に七回ノックすれば………)
        | ___  ___  ___  ___  ___ ___  ___  ___   |
        | ||  |  || ||  |  || ||  |  || ||  |  || ||  |  || ||  |  || ||  |  || ||  |  || _ _ |      /|   .ノ 、 、
        | || ̄| ̄|| || ̄| ̄|| || ̄| ̄|| || ̄| ̄|| || ̄| ̄|| || ̄| ̄|| || ̄| ̄|| || ̄| ̄||  _ _|    /  |.... ● ●) l
        | . ̄ ̄ ̄ . ̄ ̄ ̄ . ̄ ̄ ̄ . ̄ ̄ ̄ . ̄ ̄ ̄ . ̄ ̄ ̄  . ̄ ̄ ̄ . ̄ ̄ ̄   _ .|    |  ......|  .(人__) |
        |    _____                                            _      ..|    |  ......|(^ヽ     ノ
        |    |         .|        __         __                 ...|    |  ......| .\     .ヽ
        |    | | ̄ ̄ ̄| |      ||  |  ||     ||  |  ||                     .|    |  ......|  .|   | |
        |    | |___| |      || ̄| ̄||     || ̄| ̄||                  _ .. .|    |  ......|   ゝl  し'
        |    |         .|         ̄ ̄         ̄ ̄                     ..|    |  /   `(_ノ
    ...../|    ....|[]       .|                                    .....|    |/  コンコンコン
    /:.:.:|    ....|         .|                                .~     |   /    コンコンコン
 ../:.:.:.:.:.|    ....|         .|                                       _~| /      コンコンコンコンコンコンコン
/.:.:.:.:.:.:.:.:| ~圓圓|         .|.圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓|/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




___________________________________

7 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:38:09 ID:zIOMxbYM
七137.
しばらくの沈黙。
ゴトゴトと中から何かを動かす音が聞こえてきた後、
男性の声が返ってきたので合い言葉を告げると、



       ______________
     | | ̄ ̄ ̄||  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄|_|
     | |      ||           |l    | :|
     | |      ||           |l    |_,|
     | |      ||           ||    | |
     | |      ||     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     | |      ||:   <  現在、戒厳令下で店は開けておりません。
     | |      ||     | 解除されてから市場の方に来てください。
     | |      ||     \____________________
     | |      ||           ||    | |
     | |      ||           ||    |_|
     | | l| ̄l ||           |l    | :|
     | | l|  l ||           |l    |_,|
     | | l|(,0 ||           ||    | |
     | |   ̄  ||  _,.. -‐''"|  ||    | |             / ̄ ̄\
     | |      ||   |_,.. -‐''" .:||    | |          /  ヽ、_  \
     | |      ||           ||    | |         (●)(● )   |
     | |      ||           ||    |_|         (__人__)     |   「そこを何とか。
     | |      ||           |l    | :|          (`⌒ ´     |   『野バラが欲しい』んです」
     | |      ||           |l    |_,| _,.. -‐''".       {           |
     | |      ||           ||_,.. -‐''"          {        ノ
     | |      ||     _,.. -‐''"                    ヽ     ノ
     | |     _||,.. -‐''"                    ノ     ヽ
     |_|,. -‐''"                           /      |
 _,.. -‐''"



果たして扉は開かれ、



           ギギー
            /|
          /  |
         |   | ̄ ̄ ̄ ̄|
         |   |        |
         | 。 |        |  「………どうぞ」
         |   |        |
         |   |        |
         |   |        |
         |   |        |
         |   |        |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
            \|


8 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:39:09 ID:zIOMxbYM

七138.
燭台を手に持ち、来訪者を招き入れたのはまだ二十代の青年だった。
しっかりと扉と鍵を閉め、動かした机を戻した店主は改めて所属を問い、



     ,. - ーー-、,... _
   , ''"         `丶、
 /          、   丶
/            、    .ヽ
              、    ヽ
        , /  l ,  il     .ヽ   「どこの小隊の方ですか?」
      , / ノ' / / ll     l
     , ,.-=';;ノノ'_ ノ/ / /  / l
   , ' l  'tィ)ヾ=="-ノ;;:=/  ノ
  ,   l   ̄ ~ '  /{;ラ7/.. -''"
 l   l     、 i l::  ̄/l
,;l   l      ヽ !:ノ: / /
  lヽヽ 、   `'''_.‐ //           ┌─────────────┐
..、 .l    丶、   /!            │  花屋マイロード店主     │
ヽ `丶、    ''7ー ' /~丶、.           │  (第一騎士団協力者)   ...│
 ヽ  ヽ   /l l ノ `丶、 ヽ.          │  ダバ=マイロード      ..│
  ヽ  \  ヽ ̄`ヽ、  \ ヽ         └─────────────┘



                                         / ̄ ̄\
                                      /  ヽ、_  \
                                     (●)(● )   |
                                     (__人__)     |
                                      (`⌒ ´     |
   「いや、俺達は第一騎士団じゃない。        .      {          |
   親衛騎士のビップ、サクラダ、そして―――」        {         ノ
                                   mm   ヽ      ノ
                                  (⊂  ̄ ̄ ̄   ヽ
                                      ̄ ̄ ̄|    |



てっきり第一騎士団の生き残りか、他の隠れ家からの連絡と思っていた彼に
手を振って名乗ったやらない夫とフードを降ろした王女。



            _ {   /--t一-. 、
     .    /X/`ーァ'X X,}!工エエト、  バサッ
     .   /'゙\/ー‐'/ ヽX}! ┼┼:十:ヘ.
       /\/\/\/ヽ}!-┼┼┼ 十ヘ
      〃/\/\/\/}!-┼┼┼ ┼:|ハ
      'iく\/\/\/ヽ,j|_|___|__|__ _|__|_1
      'ヽ/\/\/\/}!_|___|__|__ _|__|__i     「私、真紅です。
     . /\/―/--/:ヽj|土土⊥⊥. _|__| |     こちらは協力者のアリア」
     . ト- 'rf"下丁iー---个ドミ ̄T冖t-- ニ ユ,
.       ゙√ミf⌒! l/, f´Yミ-ァ`lヾ''ドミt,ミ X X XXXヘ.
      /ヽヽヘ  〃l ヘ ゝ-'     'r'::メ` ドミ X X Xヘ.
     l! |-l\'ヘ::ソ  ハ!       t_ク/ |/,_`ドミ XXヘ
  .__ ||、 |:! 'rゞ:|! | ヾ      ,  /if |  f ルヘ` ̄´
  \`|| ヽ|:! ,f三::|! ト___i|  -、  /ヘ`ヽ | /∧ \
    | レ  ´`!、三.|! '\.|!   , r ´=ー、j-,. ヽ// f'|`ー,i
    ヽ  l  Vゝミ\  \-r ',== / ヾ'∧  |  l |
    l  l   |八,j- .\ _ヽ\く三= (  v'/ ヽ_ノ  l j
    l    l <´_    ̄ \三  \ レヽ\ \ `
  /⌒l    |` 三三⌒'ー - 、 \   へl |,r--ォ


9 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:40:10 ID:zIOMxbYM
七139.



        !                              |
        l                             l
           l             从iヘ ヽ           }
         !             / ! |l  !  l li | l l|     l
         l     ||!||| l | /l j  lト、 ! _l」Ll_l」|     /        「これは王女様!
          !    Ll」-Ll」_l_j/ノノ川 l ヽl≧=''" /       |         では、イトウ様達と?」
           {     l l l、ゞ=ソ`>ミ、ノルr元ゞゾ > /      |
         !     l、l r‐ ̄´ヽ _ i V´  ̄   /        |/ ̄ ̄「!ヽ
__ -‐'フ ‐-、__ j|     | l !   〃 | 〉     /      ノ¬   ll
 ___∠_  /  ∧     l、l |  {i´l|  | ,     /      / | |  r介--、
ニ -‐-、 _」  | ヽ    l ト、ヽ   .___'___,    /!     / || //l ̄`
'´ ̄「l\]_  |   \,、 ∧!ヽ l / `=´   /l  , ┬'     |  レ'/ l厂`
   l l   `!   |     lV  \ \゙、       //レ゙i l      |  r'  ll
   l l  |  |     | l   \ ヽ --- '"/   / |     / /   ll
   l l  |   !    ヽ\    ー--─    / /    / /  〃
   ヾ.、  !   l     ヽ \         /  /     / /   /



第一騎士団ではない、しかし最重要人物らの来訪に顔を厳しくした店主は
それで何が目的かを察し、



                            / ̄ ̄\
                         /  ヽ、_  \
                        (●)(● )   |
   「そう言う事です。           (__人__)     |
   マコトは居ますか?」          (`⌒ ´     |
                    .     {           |
                         {        ノ
                          ヽ     ノ
                          ノ     ヽ
                           /      |



                       __.................__
                     ..ィ:::::::::::::::::::::::::::::`:.、、
                /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                    ,.イ:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.ヘ.
                 /::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ.
                 .':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'.    「ええ、地下に。
              i::::::i:::::::::::::::::: : i::::::::::::i:::::::::::::::::::: i:::::::::.    ご案内します、こちらへどうぞ」
              | ::::|::!:::|:: |:::: : :|:::|:ハ:|: |:::i::::: |: : |::::i::::i
              |:::::乂ハ::乂::::::|:::|:! !|: |:::|:::::ノ::::ノ:ノ:::::!
                乂::::::jヾー=≧ゞ八 八ノノ≦≠イリ::::: !
              |::::::ハ  込以`ヾ /"´込以   ハ::: ;′
              i:::::::ハ. ` ̄     | :.   ̄´   ハ:::: /
              ∨: ハ         | :.       ハ:::: /
              ヾj:::::ヘ.     `"     ハ::::/
                  | ::::::∧    ー‐_一   /::::::V
                  |::: |:i :::\          /! :::::::j
                 _ 乂ハ乂j  \    / |j乂У
       r=ニ二 ̄:::___::::ノ       ̄´   | ̄`ヽ、
        __}___::::::::::::::::::::::::::`ヽ、         |\::::::::\、、__



頷いた彼らを店の奥、隠し階段へと案内した。

11 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:41:09 ID:zIOMxbYM
七140.



          ` 、______/   | |            /
            . :;|        /    | |              /
           、|        _/ .    | |            /
             ||         |     | |         /
             ||_______________|     | |        /
            ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、       | |_____/
           ;≡≡≡≡≡≡_      | |          |
          ,;三三三三三三三、    i i        |
   : :     ;三三三三三三三三;_   `| ̄|        |
  : :      ,ニニニニニニニニニニニニニニニ、    |  |____|
  ::     ,ニニニニニニニニニニニ、   |  |        \
  :    ,─‐─────────‐‐、  |  |______\
    , 二二二二二二二二二二二二二L |  |三三三三三三三ヨュ
    |                       | |  |ΞΞΞΞΞΞΞΞ三ヨュ
  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 、|_| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/                                                \



頑強な石造りの、大がかりな階段を覗き込んでジュンは驚いた。
てっきり地下一階までかと思ったら更に奥へ続く階段があるし、
伸びる廊下も距離があり、扉がいくつも確認できるのだ。



: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : |: : : : ヽ: : ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : :./\: : : : : ト、: : : : ト、: : /: :∨ :.l
: : : : : :∧: : /──{/、.  \ : : |.-\: : |ー∨、: : : : : |
: : : : :./ 1/     .i   l\:|   \|   |: : |\;!
: : ,、: :{           |-‐‐-|         .|:ヽi     「建物の外観からは想像出来ないぐらい、
: :{ ヽ'           !   |         ハ:_}      深くて広いなぁ」
ハヽ ヽ_____,ノ   ヽ_______ノ }
ハ: :`-',  ! | |  ! !      ' ! |' | | 川/ ノ
  〉: :.:∧   〃'ー──-----、    ,イ"´
   ̄  \  ヽ______丿  /
        >、         ,イ´
 ,────、__` ,‐──┬'"´ __
/        |   !     | ̄l ̄    `ヽ
.         |  ー──'  リ      }


12 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:42:09 ID:zIOMxbYM
七141.



             .|:;.,;.:;,.;:;:.,;.:,;.:.;,.;,:;.,:.;:,.;:,;:,|
             .|.,.:;,:.;:,;.,;.,;.:,.;,:.;:.;,:.;.:;:.;.:,,;|
             .|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;;;:;;;:;::;;:;:| |\
             .|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |  \
   / |        ..|'"'"'""""""""'"'""''".| |   .\
 /  |         |.;:,.,.,.,.,;.,.;.,.,.,.,;.,:;:;.:,;:;:,.;:;.| |    |
/   |         |.;:,;.,:.;:,:;.,:.;,.:;,;.,.;,:.;,:.,;:,:::;,| |\   |
     |         |;:,.;:,.;:;.,.:,;.,:;:;;,.;,:;;:.;,.:;.:,.;.,|. .|  \ |
     |         |_________.|. |   \
   ./.|        /            \|    |
 ././|      /               \   .|
//  |     ./                  .\ .|
/   |   /                     \
     |  /     .,..,.,;:,;:,.:               \
     |/       .;::,..;,:.;:.;::""'              .\
   /                              .\
  /                                  \
/                                     \
                          ;:.;.,:;.,:;.;:,.;,:.,...       \
                                "".;:,.;:,.      \
                                          .\



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)    「これは凄いな………
  |     ` ⌒´ノ    真紅はここの事を知っていたか?」
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <
   |     |
    |      |



まさか町の下にこのような地下建造物があるとは思いもしなかった。

一朝一夕では作れないはずの隠れ家に、
さすがのやらない夫も驚いて真紅に尋ねるが、

13 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:43:09 ID:zIOMxbYM
七142.
彼女もどうやらここの存在は全く知らなかったらしい。



        /.::/       ``ヽ\
       /.::/          \\
     /.::::/   ,.-──‐‐- 、.   〉::ヽ
      〈.:.:.::::.ヽ /         \ /.:.::::〉
     \.:;:ィ7, ィ´.:: ̄ ̄ ̄``ゝ-</^V/
      ,.イ:! i. .:.十ム、トト、 _ノ_ノj_j!:  N
      //|:|トト:::ヽ!r=ュ ヾ:.ノ´,r=ミ、リ:.:./ ト、
     .〃 l|:|`7^Y´辷ソ    辷シ,ィイ〈 l ヽ   「いいえ。
       |1| | l 人    _'_    /1 .i |   !    お父様は把握していたとは思うけど………」
      i  1lノノ> ─-、  ,. -‐< | 1:| | i |
      |  ||l 1.:.:.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.:.:.ヽ! |::| | | |
      |  || _>.-‐::「o´こ`ol;i:.:.:.:l |::| | | |
      | /二ニ7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l;|.:.:丿ニ二7! 1
      |/<孑<.:.:.:o.:.:.:.:.:.:o|;|.:.:孑-、.:.\ゝ
      /.:.:.:孑.:.:.:.:.:.o.:.:.:.:.:.:ol;;l.:.:.孑´:::.:.:.:.`ヽ、
     ,/.:.:.:.:.:.:.::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//.:.:.:.:)::::::::.::.:.:.:.:.:.\
     /.:.:.:.:.:.::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.//.:.:.:.:.::::::::::::::::::.:.;:ィ⌒ハ
    ,/.:.:.:.:.::::::::::::::::::::.:.:.:.::::/人_.:.:_.:.:.:.:.:.:.:., ィ7:.::::::::::.:.〉
   〈r─y──-、::__.:./    ̄`T´ ̄_ノ.:.:.::::::::.:./
    \/``7.:::i     .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.L _/.:.:.:::::::::::::::/
    / .:::::.::/    .:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::i `ヽ:::.:.:.:.:./
   ,/ .:.:.::::::/.:.:.:::::.:.:.:.:.  .:.:.:.:.:.::::.:::::人_ノ.:.::::::〈



                                         ,. - ーー-、,... _
                                       , ''"         `丶、
                                     /          、   丶
                                    /            、    .ヽ
                                                  、    ヽ
                                            , /  l ,  il     .ヽ
   「長い間をかけて少しずつ拡張してきたんです。           , / ノ' / / ll     l
   歴代の第一騎士団長による                     , ,.-=';;ノノ'_ ノ/ / /  / l
   王都防衛計画の一環として。                  , ' l  'tィ)ヾ=="-ノ;;:=/  ノ
                                      ,   l   ̄ ~ '  /{;ラ7/.. -''"
   あなたのお父上もです、サクラダ様」            l   l     、 i l::  ̄/l
                                    ,;l   l      ヽ !:ノ: / /
                                      lヽヽ 、   `'''_.‐ //
                                    ..、 .l    丶、   /!
                                    ヽ `丶、    ''7ー ' /~丶、
                                     ヽ  ヽ   /l l ノ `丶、 ヽ
                                      ヽ  \  ヽ ̄`ヽ、  \ ヽ



サクラダの姓で察していたダバに立派な方でしたと言われ、

14 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:44:09 ID:zIOMxbYM
七143.
ジュンは鼻の奥で涙を堪えなければならなかった。



          > -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
          >:.-:.-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´:.:./
        r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:./::|:.:.:.:.:.:.:/
      /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| ̄`''- 、;i:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ヽ
       /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.|      |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_    //:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ、=、_,, ,/ |:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|   「父さんは………
  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´\-;/ ̄ V ̄ | |イ≧ミ=、/   |:.:.:/:.:.:<´ヾ|   僕の、誇りです!」
  ` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}
      /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|
      フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V
      ´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|
          ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /
           /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./
      /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
     /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´
   ノ |      }ヽ::::    /_
 ̄ ̄  .|       \   { ヽ
     .|      / ` ー='´  \



今更ながらに知らされる父親の偉大さに上手く言葉が出てこない。
これほどまでに彼の残したものは多く、大きかったのだ。

15 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:45:09 ID:zIOMxbYM
七144.



                   | ̄ |
                   |__|、
                     ,ニニニ, |\
                  _,ニニニニ, | ::\
       | |   /|      _,ニニニニニ,_ |  :; :;|
  .       | | /;::|   _,ニニニニニニニ,_|:;:|→||
     / )' |;:;: |   _,ニニニニニニニニニ| ; :;: |
  .  / ) .,i. ..|:;;; | _,ニニニニニニニニニニ|  ; :;:|
.  / /|. |; :;|.;;: |/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\.; :;;|
/`/  | ,|.;: |::..'             \:|
_/    .| .|.; ;|                .\
.       | ,|  /                 ...\
.    (( |. | ,/                     \
.       | ,|/                       .\
     i__,,i                         \
     /



                        __.................__
                      ..ィ:::::::::::::::::::::::::::::`:.、、
                 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                     ,.イ:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.ヘ.
                  /::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ.
                  .':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'.   「こちらの大部屋に
               i::::::i:::::::::::::::::: : i::::::::::::i:::::::::::::::::::: i:::::::::.   いらっしゃるはずです。
               | ::::|::!:::|:: |:::: : :|:::|:ハ:|: |:::i::::: |: : |::::i::::i
               |:::::乂ハ::乂::::::|:::|:! !|: |:::|:::::ノ::::ノ:ノ:::::!   私は上に戻ります、
                 乂::::::jヾー=≧ゞ八 八ノノ≦≠イリ::::: !   何かありましたらお呼びください」
               |::::::ハ  込以`ヾ /"´込以   ハ::: ;′
               i:::::::ハ. ` ̄     | :.   ̄´   ハ:::: /
               ∨: ハ         | :.       ハ:::: /
               ヾj:::::ヘ.     `"     ハ::::/
                   | ::::::∧    ー‐_一   /::::::V
                   |::: |:i :::\          /! :::::::j
                  _ 乂ハ乂j  \    / |j乂У
        r=ニ二 ̄:::___::::ノ       ̄´   | ̄`ヽ、
          __}___::::::::::::::::::::::::::`ヽ、         |\::::::::\、、__


16 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:46:09 ID:zIOMxbYM
七145.
地下二階の一番奥の扉、大部屋の前で立ち止まった店主に言われ、



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)   「ありがとうございました」
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <
   |     |
    |     |



会釈したやらない夫は後ろの三人に頷いてから、
勢いよく扉を開けて中を覗き込む。



    /||ミ
   / ::::||
 /:::::::::::||____
 |:::::::::::::::||/ ̄ ̄\|| ガチャ
 |:::::::::::::::|| _ノ  \\
 |:::::::::::::::||( ●) (●)|     
 |:::::::::::::::||  (__人__)  |     「マコト、無事か?」
 |:::::::::::::::||  ` ⌒´  |
 |:::::::::::::::||       }
 |:::::::::::::::||        }
 |:::::::::::::::||ヽ___  ノ
 |::::::::::::::(_____ノ´||
 |::::::::::::::(_ノ / . . . ||
 |:::::::::::::::||/    ||
 |:::::::::::::::||      ||
 |:::::::::::::::||      ||
 \:::::::::::||      ||
   \ ::::|| ̄ ̄ ̄ ̄
    \||

18 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:47:13 ID:zIOMxbYM
七146.
当然驚いたのは、中で難しい顔を付き合わせていた者達だ。



     /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
   /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
   |: : |: : : : : |: /  \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|   「ちょ!?
   |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V    おま、なんでここに!?」
  < : _: : : / 〈 ○ |/  レ ○ }|:./ヽ: : | ━━┓┃┃
  <:: |. 小{   _,,.. -    、-.,_  レ{: :.|ヽ:|     ┃   ━━━━━━━━
   厶ヘ ハ ##     、     {ハ,;' ((    ┃               ┃┃┃
      \_!  ;;;;;l,. ‘-,,'   ≦#三        。                  ┛
        ヽ┃  ゝ'゚       ≦ 三 ゚。 ゚
      ___,r| \。≧         三 ==-
    /:/::::| \  -ァ,          ≧=- 。
  /::::::/::::::|  \ イレ,、         >三  。゚ ・ ゚
/:::::::::::/::::::::|     ≦`Vヾ        ヾ ≧
               。゚ /。・イハ 、、     `ミ 。 ゚ 。 ・



有り得ないはずの来訪者に吹き出し、
これは幻覚かと己の正気を疑い始める始末。



  ///     / /〃 u| ト、 \ \        ヽ
/ ////    / / !  ヽ l \ヽ\ \       ヽ
  〃 // / //|/      iヽ!  ヽ! \|\    人  ',
   |/ i/  ル' j ,. --'  ヾ`ー==--ヽ ヽ       i
   | ||   | /, -=ミ       '´,.‐、ヾ `  ヽ      |  「ビップ殿!?
      ||   } 〈  (_)ノ:::   :::::`┴┴ '″   i     |   私は幻覚を見ているのか?」
      ||  j   ´  ̄´    u          レ'ヽ   |
      lハ||   u゚   ,     ###    /| |  j
      !   |  u    〈 -       /    〉j / ル′
         ', ##    ___   /     l//  |
       ヽ      ィ_´_    __ヾi 、 ;;;;;;;; rイ   リ!
        ヽ    └─ '"¨¨ヾソ 〉'    j ||  /
         \  `     ,r┬‐ 、  / ! /
        r-仄iヽ ┃   / | |  ``く   ||/
       / //| | ヽ、 __  / /i |       ``┴- ._
      / // | |     i __| ハ |          |


19 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:48:09 ID:zIOMxbYM
七147.
続いて中を覗き込んだジュンは、噎せ返るような血と汗の臭いに驚いた。

中には十五人を超える騎士、衛兵達が居たのだが、
誰もが決して浅くない傷を負っており、血や泥で汚れた顔をしていたのだ。



: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : |: : : : ヽ: : ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : :./\: : : : : ト、: : : : ト、: : /: :∨ :.l
: : : : : :∧: : /──{/、.  \ : : |.-\: : |ー∨、: : : : : |
: : : : :./ 1/     .i   l\:|   \|   |: : |\;!
: : ,、: :{           |-‐‐-|         .|:ヽi     「僕も居ますよ………
: :{ ヽ'           !   |         ハ:_}      うわっ、凄い血の臭いだ」
ハヽ ヽ_____,ノ   ヽ_______ノ }
ハ: :`-',  ! | |  ! !      ' ! |' | | 川/ ノ
  〉: :.:∧   〃'ー──-----、    ,イ"´
   ̄  \  ヽ______丿  /
        >、         ,イ´
 ,────、__` ,‐──┬'"´ __
/        |   !     | ̄l ̄    `ヽ
.         |  ー──'  リ      }



        /.::/       ``ヽ\
       /.::/          \\
     /.::::/   ,.-──‐‐- 、.   〉::ヽ
      〈.:.:.::::.ヽ /         \ /.:.::::〉
     \.:;:ィ7, ィ´.:: ̄ ̄ ̄``ゝ-</^V/
      ,.イ:! i. .:.十ム、トト、 _ノ_ノj_j!:  N     「マコト、ロイ!
      //|:|トト:::ヽ!r=ュ ヾ:.ノ´,r=ミ、リ:.:./ ト、    良く無事で………!」
     .〃 l|:|`7^Y´辷ソ    辷シ,ィイ〈 l ヽ
       |1| | l 人    _'_    /1 .i |   !
      i  1lノノ> ─-、  ,. -‐< | 1:| | i |
      |  ||l 1.:.:.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.:.:.ヽ! |::| | | |
      |  || _>.-‐::「o´こ`ol;i:.:.:.:l |::| | | |
      | /二ニ7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l;|.:.:丿ニ二7! 1
      |/<孑<.:.:.:o.:.:.:.:.:.:o|;|.:.:孑-、.:.\ゝ
      /.:.:.:孑.:.:.:.:.:.o.:.:.:.:.:.:ol;;l.:.:.孑´:::.:.:.:.`ヽ、
     ,/.:.:.:.:.:.:.::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//.:.:.:.:)::::::::.::.:.:.:.:.:.\
     /.:.:.:.:.:.::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.//.:.:.:.:.::::::::::::::::::.:.;:ィ⌒ハ
    ,/.:.:.:.:.::::::::::::::::::::.:.:.:.::::/人_.:.:_.:.:.:.:.:.:.:., ィ7:.::::::::::.:.〉
   〈r─y──-、::__.:./    ̄`T´ ̄_ノ.:.:.::::::::.:./
    \/``7.:::i     .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.L _/.:.:.:::::::::::::::/
    / .:::::.::/    .:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::i `ヽ:::.:.:.:.:./
   ,/ .:.:.::::::/.:.:.:::::.:.:.:.:.  .:.:.:.:.:.::::.:::::人_ノ.:.::::::〈

20 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:49:09 ID:zIOMxbYM
七148.
三人目、ここに来てはならぬと伝えたはずの王女が入ってきたので、
希望を託したはずの翡翠が上手くやれなかったのか、とマコトは顔を青ざめさせるも、



.     /: : : :u: : : : : : : : : : : : : : : : : : \
     /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : :u: : : ヽ
.    /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
   /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
   |: : |: : : : : |: /  \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|   「王女様まで!?
   |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V    なんてこった、翡翠の伝言は届かなかったのか?」
  < : 」_: : / 〈 (・) |/:::::::レ(・) }|:./ヽ : |
  <:: |. 小{   _,,.. - :::::::::::、-.,_  レ{: :.|ヽ:|
   厶ヘ ハ   ::::::::::::::::::::、::::::::::::::: {ハ/ V
      \_! u ## _ '  ::::::: !
        ヽ  ┃ /   `t u /
      ___,r| \  {    / /
    /:/::::| \  ヽ `_⌒ ィ ´
  /::::::/::::::|  \u  ´ ∧>、
/:::::::::::/::::::::|    \  /  !\::`ー- 、
::::::::::::::/:::::::::∧    /二\ |::::::ヽ::::::::::::\
::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ  /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::!



手を挙げたやらない夫はそれを否定する。



                                       / ̄ ̄\
                                    /  ヽ、_  \
                                   (●)(● )   |
                                   (__人__)     |
   「いや、確かにエスメラルダで合流できた。        (`⌒ ´     |
    マコトの伝言、記章と共に受け取ったぞ」   .      {          |
                                    {         ノ
                                 mm   ヽ      ノ
                                (⊂  ̄ ̄ ̄   ヽ
                                    ̄ ̄ ̄|    |


21 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:50:09 ID:zIOMxbYM
七149.



    /:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..:............  ヽ
   /  /::::::::::::::::::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:!
     / /:::::::::::::::::::/::l:: ト;::',\:::':、:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    / /イ:::::::::/::/l::ハ \. ヽ、\:::ヽ、::::::::::::::::::::ト    「では何故!
    l / |:l::::::/l:/ |  ',  ヽ,  ,\ニヽ、ヽ:<ヘ::::::l     こんな危険な場所へ
     ! |ハ:::/ たヵ|、  'r 、 イ ゞ‐'-' ヽ! (丶'}:::l!     真紅様をお連れした!?」
       | l::ハ `  ヽ    ``      rク/:;リ
        |  ', ┃        ;;;; ;;   l-イ:/
            ', ##:l   ## /   l lリ
           '、. .::ヽ    ;;;;;; ┃  ノ  l_
            ヽ、:::::::'、--‐=ヽ  /   l;;;;;>`:i
           r r;;>、.  ̄ ̄ `∠..-‐ ''"´::::::::::::::l
           /7::::i´`i「;;ー― 「 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
          //:::::l 「 | /! 「 | | l::::::::::::::::::::::::::::::::::::L
        ,--ノV:::::l |. |/ リ| ! | |:::::::::::::::::::::::::::::::;、久
    __rァ‐'"´:(ヽ、_」 l::', | ノ lノ /! l::::::::::::;::、-‐'''´‐^`ヽ
  /;ヲ 'フ;;::::::::::::``ヽ、」ヾ V//::L ―''´-‐'''::´:::::::::::::::



方向性は少し違うが、だんだん彼らにも元気が戻ってきたようだ。

興奮で血色すら戻りつつあるロイに首を振り、
飽くまでも自分の意思である事を告げた王女に、


   \:::::::::::::::::::::}_ヾ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::゙::ヽ、 /
     ヾ::::;.'"´,'  `ヾ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
     ,ィ!:!i   ! /   `ー---‐r ――― ‐r --- -- ニ___j
    〃〃.ト、 .! { __ム_i!_  i!ハ     ハl  ', 、  ハ   「落ち着いてロイ。
   /:/,'::| | ヽ } !、  !_ヾ!、`ヾ ! l!   ィ/‐ナ!¬! .| i  i   私が王都へ戻りたいと願ったのです」
  ./:/ .!:::! ∧. y | !、 くf´ニ>≧、 }/} /;ィ=ァ、} /} /! / /!|
 /::{  !:::i.リ ヽ ,' ,'l !゙\ {弋zソ   "´  {zソ /ィ /ィ }/ / }.}
. ト、!  |::::|!   } ∧!l  `゙        ,     {kイ K、ノ リ
/   /〉」  / 人_!ト.、         /    ,'l ! !::|ヾ}
   //   ./ /  !|`¨iヽ      fフ   /!l ∨::! .ハ
  .//   ./ /  「!| ̄ ̄ ̄ ̄\ __r―<、/∧ ヾ:! .ハ、
  { { ./ /   ヾヽ::::::::::::::::::::::ヽ/::::::::/// ヽ ゙、   ハ
  | | ム く  ,.‐’:} }::::::::::::::::::::::У:::∠::フ/ヽ   ト、\  ヽ
  | |__>‐≧‐≦―'ァ::::::「 ̄ ̄ ̄ ´{/イ::::::\. !. \\ }}

22 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:51:08 ID:zIOMxbYM
七150.
疲れた表情のマコトは理解できない、という風に頭を抱え込む。



                /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
                 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
              /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
              /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
              |: : |: : : : : |: /  \: : /|: : r 、 : : :.|.: : : ト、:|   「自殺行為だ―――!
              |: : |: : : : /!/    | :/ |:.:(ヽ、`\:|.: : : | V    こっちは負傷者だらけで
             < : 」_: : /  _   _|/   レ. \ \ \ : |     まともに戦える奴なんか
             <:: |. 小{  `゙''''''        ‐-\ \ \_     残っちゃ居ないってのに!」
              厶ヘ ハ U###  、 r--‐-、 >、    `ヽ
                \_!  # ::::     ' ` ‐-、 ``      `、
            _, r´:/ : :| ヽ ┃  r‐--っ #;/\         `、
        _, r ´:.:.:.:./:.:.:.:.::| | \    ̄   /ヽ :`ヽ         ヽ
     _, r'´:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:|  \ ヽ _ , ィ ´ |::.:.:ヽ: : `、        `、
  _, r ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|    >-、ー_'/   !::.:.:.:.:ヽ: : ` 、 __ ___i__
 /゙: : : : : : : : : : : : ヽ:.:.:.:.:.:./i!  /ヘ i. / 入  |\.:.:.:.:.ヽ;,r'`‐´_,,..---┴‐,
l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\/:.:.:.:!'! /ヽ、ヽrk'´:_,r、 イ:.:.:\/ _>-‐'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l



その頃になってようやく、ぐったりと部屋の隅で座り込んでいた者や
眠っていた者達が王女の帰還に気がつき始め―――



         | /
      ∧_∧  /
      ((#)_>`;;)   「………王女様?」
     /ヾ┰/九
    /   /ゝ |
   | | :|/ :| |
   | | :|°.::| |
    | | :|°.::| |


24 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:52:09 ID:zIOMxbYM
七151.



      N./"ィ,           `ヽ.、 __
     N、( (             '"´、´
    N、ヽ、ヽ          ,.    ヽ
   ヾミ、ヾヽ         ,.ノハ.     ゙i   「真紅様?
    ゞミ、`        .::ノノj' ヾ、   .i   お戻りに?」
    `ミ:.、._ ___、. __.::,:彡ノノ_,.. _ゞ:、  !
      r゙t=' <(;`)ヽ}={'"  /  ==tr '、
      }'^ ヽ  .:: ソ; ゝ'、 人丿 ' ^゛}
        ! (、 ` ̄´ 〈r;、   ̄´ u  ) .!
        ゝ┤ u   __ __  /  '_ノ
        ト ## ´ー一'`┃   |
        | \   ..::~"     .イ .|
      _,....j  : \ #    ./ .:! .|
     _/ {:.:.:.\:.. \.___./  ;i ト、
  ,..ィ´/  ヽ:.:.:.:.:.\  .:::.      ノi ヽ
/ / i'    ヽ:.:.:.:.:.:.:.\     / .:.|  ヽ、
.  /        ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`>-< .:.:.:.:|    、\
_../          ヾ:.:.:.:.:.:.:.:./   \:.:.:.|
./            ヾ:.:.:.:/ヽ     /:\|
,'         /.ヾ、':.:.:.:.:.ヽィ^i゙!Y:.:.:.:.:.|ヽ、



絶望の二文字に満たされていた地下の空気が、少しずつ払拭されていく。



            ,. -─- 、._
            ,. ‐'´      `‐、
       /           ヽ、_/)ノ
      /     / ̄~`'''‐- 、.._   ノ
      i.    /          ̄l 7
      ,!ヘ. / ‐- 、._  ―――  |/
.      |〃、!ミ:   -─ゝ、┃   __.l   「おいみんな!
      !_ヒ;    L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /    王女様だ!王女様が戻られたぞ!」
      /`゙i         ´    ヽ  !
    _/:::::::! ####         ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、#"## r'´~`''‐、  /
 !    \::::::::::::::ヽ   `ー─ ' /
 i、     \:::::::::::::::..、  ~" /
 .! \     `‐、.    `ー;--'´
  ヽ \     \   /


25 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:53:11 ID:zIOMxbYM
七152.



           .ィ
          //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
        .へ}  ′          ヽ
       /  `              ヽ
       ノ                   .i   「王女様!よくぞご無事で!」
     / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
    ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l
     | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ
     |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .     レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
        `ヽ::::l, :::::〈      ##レ‐'ノ::::/
         `'ーヽ  ー ― ;;;;;;; イT":::;∠-ッ'
         `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
      _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
      \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈



    /⌒ ⌒\
   / ノ|_|^|_|_|_|   「王女様!
   | i(||ll-‐ ー!|    ご心配しておりました!」
   | | !!、 )д(#ノ!
   | !_メ 了 入!



今もなお―――



            ' ,    , '   /:.:/: : : : : : : : : : : : : : :\:.:.\
             ' ' ' '   〈:.:.:.:.ll : : : : : : : : : : : : : : : : : ll:.:.:.:.:〉     , , , ,
      \|/           \:.:.ll_,,,... --───-- ..,,,_ll:.:.:/   , '    ' ,
      /|\, , ,      // l、__________ ,lヽ\  ',       '
         , '   ' ,   /// l l l  __      _   ヽ lヽ\ ' ,     , '
        ' ,   , '  </// .::| | ,! l l _l_从   从_l_`ノノ ノ: | l\,>  ' ' ' '
.            ' ' '     !~: : :lリlハlヽrイ_テ`!ヽノノ'イ_テ`! j/::. l┘
               l : : / ! l  ヽ-'   ,   ヽ-' / ! |::.. l         「皆………
               l : : ! ,| ト' 、""  __  ""ノ: : !. l: : |         心配をかけました」
               / : :! ,/ ! l _>ヘ __ , < l:ハ: l l: : l
              ,/ : / /,/,! l >.:.:.:_\/:.:/l:! l: l  l: : l
             /,! : / // ヽ、ヽ:.:.:.:(o__o):くく_ヽヽ、!: : !
.              / /: / // /´:_:ヽ ヽ:.:.:.:.__:.:.:.:.:.:ll:.:、─-ゝゝ l: : !
           / /: :/ 、─´ニ < ̄:.:.:__(/ニヽ^l:.:.` ̄>ニ>:  ト
            / /: :/  `テ ̄>/:.:.:.(ヽ!  ,ニ,'|;;;フ`,:<<´:!  l: : lヾ 、
          / //: :/    /:.:.://:.:.:./;;;|_.ィ_!ヽl ゝ<:.:.:.:.:)):.:l   l: : !,ヽヽ
        / //: :/    /:.:.:ヾ _.-´/..:::::;;;;;;;;;;;);;;;;;:::...lー、:.:.:.:.:.l   l: : !, ヽヽ
.      / / /: :/    ヾ_. - ´l/...:::::;;;;;;;;;;ノ;;;;;;;;;;::...ヽ l `'ー、l  l: : l  ヽヽ
    / /::l ,/: /       `ー ヽ、...:::;;;;;/;;;\;;;;;;::::.. ,/_,. -'´  ヽ: : ヽ  ヽヽ、
.  / /::::::::/: : :/         _  _〉、_/;;;;;;;;;;;;;;;\__ノ_       ヽ: : \. ヽヽ、



今もなお、心から自分を王女と呼んでくれる者達が居る事に、真紅は感動して目を潤ませた。

名ばかりの騎士を見てしまった後だから。

見せかけだけの忠誠心ではない、苦境に立っても信じる者のために、
成すべき事を成そうとする男達の表情こそ騎士そのものなのだと、
彼女は信じる事が出来るから。

26 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:54:09 ID:zIOMxbYM
七153.
そこへ、ぼろ切れで作った包帯を抱えた琥珀がやってきた。

いきなりの再会に最初、上手く言葉が出てこなかった彼女は
ジュンの頭からつま先までを見回して無事である事を確認し、



               __
           ,.-―'"   `ヽ、
    r、―-- _/         ヽ_
    |  ̄ ̄/            \
    |    ト、  , l // /ハヽヽ 、、ヽ
    L_ー_,. トミ≧| |フ77ナ' メ、!_!| || lノ
    〈    |ニ三| レ',ニ.ヾ   ,ムメトレリ        「………ご、ご主人様!?
     `ーァ | i⌒| l ト._b!}   lq!} ム l |         王女様にやらない夫様も!」
       / |l ヽ_| | |u〃    ,`' r〈 !| |
      /  || l | | | ト、 (`ーァ /〉 !〕l|
      ん~||ハ ノl从| `ーr‐イV / /l ||
        ノ¨^\ヽ、  ハー{ /  !レリ
     ,r'´¨`ヽ、  \\ } | ヽ{  〈ー- 、
    /     \rv~‐、ソノ l ヽ  \ヽ、\
    {    ヽ、 〈 {    !/  !  l\  ヽ\ \
    |`ヽ、_  l ヽ    ノ  l   | | \ノ  `ーへ
    }    \}  _}_   ト、 ,ノ-―| | /     ヽ \
    |      l/ ̄ ̄`ヾ ̄ ̄ ̄| し'      }   〉
    ヽノ    /      \   l\   , ノ /  ,イ



口にこそ出さなかったが、今日まで彼女の事をとても心配していたジュンも
ぱっと表情を明るくさせる。



                               ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
                             /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
                            ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
                               /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
                             ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧
                             |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧
                            イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
     「琥珀!                  /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
      無事だったんだね、良かった!」    !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
                            .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
                            .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
                             レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
                                   i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
                                    、             r彡;〃´
                                    ヽ   ヾニフ       ノレ'´
                                     \          ´ ,L. -‐ 、_
                                       ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
                                        ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
                                      _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
                                    rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"



27 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:55:09 ID:zIOMxbYM
七154.



              , - ―-  、
             , '´        ヽ
          /    ,ハ        ヽ
.           // { { 〃 いヽ ヽ    !\     「そりゃもう!
         ヽl ト iイフメ ヽゝヘトヽ  .!  〉     ご覧の通りぴんっぴんしてます!」
         〉| ヘ!,ィ´ヽ   ィ´ヾ、!  .l ,/
    __    ,.-らi  ハ.っソ ,  っソ/!   k
   フ/  /, '´)', iヘ''''  r- '''' /! .ノヽ
   < {  (、   ")ゝ、', ヽ、 ー'  ィ 7_z=テヌヘ
   ) {   `t  i' ヽN>ラ ` ´ k〃イッヽ ヽヽ}
   ヽ_ゝ  l  トr t"´!i  〃ヽy'  ___ノ
        l  ヒミ! l;.  !i /'   /  /"`}
       /l   lゞ! l;;  ゙y/  〃   /,,,`}
        l l   i ヘ! l;; 〃 .;;/  /、 }
        l l  ノ  |  ̄ ̄ ̄/  / レ'



両の握り拳をぐっと突き出した彼女は殺したって死にゃぁしません、と
やや乱暴に自分が元気である事を証明すると、



                        / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
                          l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄
                        ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l
   「良かった。              /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\|
    翡翠には聞いていたけど      l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV
    心配したよ」              l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l
                         l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.
                             l/ 、__',               / .:.:.
                                 ヽ     r‐‐ッ   /.
                                   入        ,..イ.:.
                               . '´ i.:.\> -- </
                             /     |.:./\    ノ.:

28 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:56:09 ID:zIOMxbYM
七155.
早速、いつもの調子に逆戻り。



              ,.、 r┬‐- 、
                /⌒    ̄ヾ:、
         , ‐;:'7  ,. /,i 、.、 ヽ :仁`ヽ
         l:::::// 〃i ,ハ、ヽ\i .l::::::/
          i::l/|  |,从|  ヽ,.\,! |:::::l
           .L:;j.| k'「`!'   .'i~:i`i |/i'′      「ご主人様の方は少し痩せたみたいですね?
          /:l.l ! ゞ' 、  '=' | l! ト、       駄目ですよ、ちゃんと食べてますか!?
       r:r‐-'、;:!| ト、. fこ;! ,イr‐!、|-゙'てヽ
      r;j. h:‐ 、`i\! ヾ;`ニ゙イ/「jニヽ !'"(`',ム    ピーマンも残してないですよね!?」
      ユ了(rj-、 l l::::::::ヽ. 〃:`l、7 l'て'ヘ∠
      У::::<-j、j ハ::::::::∨:::::/Y  j‐(`::::∨
     /::::::\└rj |::::ヽ::::/:::::/::::::i. ∨:イ::i::',
    /::/:::::::::::\:|  ` ' ー―― ' ´l.  「,ト;::::〉:',
   /:::::i:::::::::::::::::;:'|           /lノ /::l:::|:::::',
  /:::::::::ヽ::::::::/ .!         i‐'./:::::∨:::::::',
 ./:::::::::_:::::ヽr′  l         |゙´:::::::::::::∨::::::',
..〈::::::::::::、二'ーュ.._ .λ         !:::::::::::::::::::::〉i::::::〉
  ヽ:::::::::::::::::::::::::::/;>ト、\      |:::::::::::::::::::::::::::::/
  |:ヽ::::::::::::::::::::// .,′\` `''" /|:::::::::::::::::::::::::::;ノ
  .!:::::`ヽ、:::::::〈 i ,′  ヽ    '、::::::::::::::::::::::/
  .|::::::::::::::::::::::::「!.,'          \:::::::::::::::/
   ヽ:::::::::::::::::::::ヒ;l              \::::::/
    \::::::::::::::::,'              ト:′
       \:::::::/                .|



城に居た頃、甲斐甲斐しいを突き抜けてあれこれと言ってくる琥珀に
やられっぱなしだったジュンは、そうじゃないと回答を試みるも―――



                                /l
                             Λ/ 〈 へ、
                           ヘ|        ,>
                         ∠  /   〉ヽ   ̄\
    「いやこれは、             / ノ〈 |^^| /\ト、  ト、l
     走り通しだったからで………」   |/| .ハ|__ |/___ ヽ  ヽ
                           l/  |‐|   |―ヽ_|
                            |  ̄ c  ̄   6 l
                        .   ヽ (____  ,-′
                             ヽ ___ /ヽ
                             / \∨/ l ^ヽ
                             | |      |  |


29 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:57:09 ID:zIOMxbYM
七156.
案の定聞く耳を持たない彼女はそこでやっと、
現状を思い出して俯いてしまった。



                     _,,,,_
          ,r-:''''" ̄'''ヽ;.'i_,,.-:''''i,
         /: : : : : : : : ::彡ヾ;.--':.:'i,
          /. : : : : :i,: : : : : 彡: i;.:.:.:.:/ヽ
          ,!.,';';'i,':,':,:_;'i; : : r-、〆i;.ヾ;,/    「すぐにお食事の用意を―――
          i;.i,:',',ヽ_,k-'i; : :.i,コ/: : 'i; `'.、     って、城じゃありませんでしたね。
.          ヾト;,'ヽ, ヽ' i,: : i'i":',: : :'i;';.:.:ヽ,
            !i:i :L_," i.i: :,!'i;'i,'i,':, :i,;';、:.:,!    ここは酷い物です。
            !i i; :i; `-i;!:.i!, ヽy''"`''''iヾ'    辛うじて食事は取れますが、
            i;i;i'i; i'i; ';iレ''iレ": : :,;r'''''ヽ、    皆さんを手当てする包帯も不足する有様で………」
          `. >'"::i /: : ,r"::::::::::::::ヽ,
           /i;:;:'::y': : /:::::::::::::;;''::::::::i
             /:::r':/: : /:::::::::;'':;;:''::::;;::-:i
            ,/::::::!i′:/;;;;;:::::::;;!;'';:-:'':;'::::::!
        /:::::::::i!: :/;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::;'::::::::!
        i::::::::::;;::'''i-'==ニニ/::::::::;:'::::::::::i



改めて室内を見回してみれば、確かに酷い有様だった。

負傷者の人数が多すぎるのだろう、
救急道具の備蓄すらも不足しつつある状況を見取ったやらない夫が
回復が最優先だな、と頬を撫でたところで、



          / ̄ ̄\
        / _ノ  ヽ、.\
          |  (●)(●) .|
        !  (__人__)  |   「酷い有様だな、
          , っ  `⌒´   |    まずはみんなを回復させないと………」
       / ミ)      /
      ./ ノゝ     /
      i レ'´      ヽ
      | |/|     | |



彼の後ろに立っていたアリアが出番ですねと気合いを入れる。



          r'ニニニ二二二ニニニヽ
          | |      @     | |
        r ┤|           |├、
          |  | |     Π      | | .|
        l  l l    lニ  コ    | | .|
          |  l l     |_|     | | .|
           l_l_l_______|_|_|   「私にお任せください!」
          / ィ ,イ /   } !、 ヽ   ヽ
.          / ./| / l/x'   l.ハ`x ヽ ! }
        { /| N レ;行ミ   ≠ミト、!、ト、!
        V |/ .!イ {r、::}    トィ,.:} 〉! l |
.            l | .| ゞー'    弋ツ ハ ! |
         | ! ト、''''' { ̄j ''''' ィ'|l .| .l
          j l !_|_l ` r - ャ<_j_| ハ.|
        r'ニニYヽ ゞ、_,〃 /yニニヽ
        }、 ニニ! ヾ  ,ニ,  //ニニン

30 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:58:09 ID:zIOMxbYM
七157.
だが。
神官衣を着た彼女に気づき、マコトが大声を出した。



                  ___
              ..::´::::::::::::::::〃⌒ヽ、
          _ /::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::\
             j/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
          /:::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
          i::::::/::::::i::::::::!:::::::::::::、::::::::::::::::::::::::::',
            |:::/::::::::i::::::∧:::::::::::::ト、::::::::::::::::::i、::l
         、__Ⅳ::::/:::i:::::/__!::::::::::::匕ヽ:::::::::::::ハ:|
.         フ::l::r'l:::/!::/セミl::::::ハ:::尨_ハ::::::i:::ト、`!
          ´ ̄]八!/i」:瓜リ !/ Ⅳ   小ハl
               j、八i ## j〉#:::: 爪i
               jヽ、  t_ア .ィ                   |\     /\     / |   //  /
            __//| ヽ __// |\                _|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
     ,...-',,⌒ゞミ、::/::::| 〈    / .|::::\゙''ー-::、_          \  おい!               /
    /::/.:::::::::::::..ヽ :::::/∧。V ̄\  |:::::::::\:::::::::::::`ヽ,       ∠    なんで司祭が         >
    /:::::::::::::::::::..`ー-、::::|/\丱// ヽ/|:::::::::::::::ゝ::::::::::::::::|::}      /_     ここに居やがる!?_ \
.   |::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ|  |_/    .|―ー<::::::::::::::::::::|::::i      ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄
    |:::::::::::::::::::::::::::::::..`''ヽ、 |;;|    |::::::::_ノ⌒ ー - ,,,__  _    //   |/     \/     \|
.     l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..゙ヽ.、  ,r‐'゙           //   ヽ
     |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf     ヽ        l /    l
.     l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ニ,-'"      \___        /
     ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ./ l          \X=-、,,__/
      ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::| |  ノ     ` 、      ヽ ,ヘ./::::::I
       ヽ、:::::::::::::::::::::::::| l i´       ` 、    ノ ヾ|::::::::丿
        .|`ヽ;::::::::::::::::::::| | |    、     `'rイ  ,ノ:::::::::\
        |:::::::::\∩:::::::::| l\      `=、..__,ノ  厂:::::::::::::::::/
          |::::::::::::::::\∩:/  | ヽ、_    ノ:::::::| /:::::::::::::::::::::/
       |:::::::::::::::::::| \:!`ー、  ,,='' | `、'‐-'゙:::::::::| /:::::::::::::::::::::/
         |:::::::::::::::::::::|  ヽ_;;ァ'~   |:::::::::::::::::::::::::|/:::::::::::::::::::::/



31 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 21:59:09 ID:zIOMxbYM
七158.
知らない間柄ではないはずの彼から貫くように睨め付けられて、
ビクリと身体を震わせたアリアは訳も分からずに立ち尽くしてしまうが―――



           | ┌''´       ゞ=ノ        〉. 〉
           /l !        「 ̄|        / ./\
           { ',. ',.   __,,、-ー┘ └ー--、,,   j / /
.           l l |  「      _,   __    `i | .,'  |
           l | | └ー'''´ ̄ |  |   ̄`''ー┘j j /
            | ', ',      └ー┘      / / ,'
            |,.-l }  __,,.、r─ー─tーァ-、,,_ | ト、.|
             ! |,.ゝ''´ ://´|: :l : : :/: /``lヽ:j``、j、 !     「えっ?」
            }'´l: : ! :V,z=ニ.ヽ:! : /: /=z、リ: : ,' i `i'
               ,'1: l: |:vイィぅ`ヽ ` Vリ' ;ぅ`ヽj:/:/ :| : }
           / j: :| :|':!{ {c::::::j       !c::: リ.}|/l: :|: : !
          ,.' ,': :}: :',:`:, ゞ-''    .  ゞ-'' ./: l : :l: : |
         ノ. /: : :ハ: \ト、    ,..、    ./|:/i: : |: : !
.             /: : /: :ヽ: `、: :> ,-,` ' ,. ィ ': :!':: l: ::! : :l
.          ,.': : :/ :/ : ヽ: ,、 ;_/ / `´.┤:l : : : l : ',: l: : :',
.         ,/ : : / :/:ヘヽ ̄ゞ./ `ニヽ.  `〃` ̄〃 : ', : : ',
       /ィ : : /: /,'  ヾ、  j   ニヽ彡’   〃 ヽ: :`、: : `、
   __,. ''´: :,.':: : : /:/ :{   ,. 》./    ィン┐   《、  }:',: `、 : :\
 _='-ー''´,'/: : : :, ' /: : }  ,' 〃'. `ー /.  !     l|ヽ ,': :`、: : ヽ : :ヽ,
´    // : : /: /: : :, 'l  { /.   /|   |     .||. }/: : : `、 : : :\: 丶,
   /: ;/: : :/: /: : :ィ: : ! ,〈.    j┘ .└─┐ .l.|.ノ/: : ',: : :ヽ: : : `、: : ヽ
 /: , ' {: : /{: /: : :,'{ : l ' \_丿     |.〃 /:,i: : i: : : : ',: : l',: ト、: :`、
,´: : /  '、 { l ,' : : ハ: : \   ノ―┐. ┌ー┘〃 イノ }:/}: : : : :}: : l }: j ',: : :}



32 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:00:10 ID:zIOMxbYM
七159.
その間にも動揺と警戒はどんどん騎士達に広がっていく。



                          _
                      , ‐''´~   `´ ̄`‐、
                    ヽ‐'´            `‐、
                   ≦               ヽ
                   ≦   , ,ヘ 、           i
                    l イ/l/|/ヽlヘト、      │
   「イチジョウの間者か!?  |/ | ! |  | ヾ ヾヘト、    l
    捕らえるんだ!」       ! ‐;-、   、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
                     } ' (:)〉  ´(.:)`i    |//ニ !
                    ゙!  7     ̄    | トy'/
                    !  `ヽ"    u    ;-‐i´
                    ヽ  ` ̄二) ##:::: /ヽト、
                     ヽ、 ー ┃    / ゝ
                       \  __, ‐'  / / \
                         ̄ i::::: / /



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、:::::::::;: -''ゝヽ_;;;;--ァー7'''´ ̄ト、: : : : : : : \
.ヽ-´  ,. -''´: : : :/: : / : : : : : ! ヽ: : : : : : : : ヽ
 ゝ-´: : : : : : : : ,' : /: : : : : ハ } `、: : : ヽ: : ヽ:ヽ      「いえ、私は………!」
  |: : : l: : : : :!: : l : ! : :,: :イ,' !:l ゝl l : :`、:ヽ : ヽヽ
  |: : : l: : : : :', :斗匕´「:/:/ !l   !`!ト : !: :l: : :} }
  !.: : : l : : : : ',:V!,≠キミ,'  |! ,f圷!,' : : }: :!: : ハ:j
. l: : : : ', : : ',ヽィイr'::ハ.!     {r'l!".}: : ,': :j : ,'. il
 l: : : : : ゙、: : ヽミ弋ゝ''リ     l以。'://:ハ ./ !
 !: : : : : : \ : `ミ゚''"~´'''    _`  ''彳:/!/ }:/
. l: : : : : :', : : ヽ: :ヽ.     ( ノ  /!:/:| ,'/
. !: : : : : : !: : : : ヽ |. > 、    ,. 1: : :l: :l             /
.l: : : : : : :ハ: : :ヽ: :!     `「: : ノ :ヽ: !: l          /
j: : : : : : /: ヽ : : ヽj__  ゝーrtヽ:ヽ: :l            / /
: : : : : : , '⌒ヽ: : : ヽ、  `   }}::::ヾ、ヽ:!.         / /
: : : : : /l   ヽ: : : ヽゞ===彡::::::::`:.、ヽ       / /
: : : : :/ !     ヽ: : : ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::`:.、    ,へ、 /
: : : :/: :l       ヽ: : :ヽ:::::::::::、-ヽ-、::::::::::::::`:.、  ,ゝト、ヽ
: : :/: : :!     ! ,'ヽ: : :\::::::::ヽ ヽヽ::::::::::::::::::l  ,ゝー.、  |
: :,': : : :l     l i  ヽ: : : :\::::::ヽヽ ヽ:::::::::::::::! ヽ`ヽ  !
: ; : : : :l     l. ',  ヽ: : :ヽ:ヽ_:;ゝ   `-ーi::::! /`i    l
: : : : : :!     !.  ゝ、 ヽ: : :ヽ:ヽ      l:::! / /、  .イ

33 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:01:09 ID:zIOMxbYM
七160.
宮廷司祭はリフの、果ては麻呂の関係者だ。

憎い敵の一人、その認識が騎士達を殺気立たせ、



   /"l
  /;;;:: l
. /;;;:::  |
/;;;;::::  l,
;;;;;:::::: ,,,...─--....,,,,_
;;;:::::::::::::::        l
::::::::::::::   _,,,,...,_  ソ 八  ..,,_
:::::::|::::|  '"           "'-....,,,_
:::::ノ:::〈         、   、     >
:/;;:::::~        ,;;:'l  \l::::....  /    「ちくしょう!
;;;イ ⌒ l      ;;;;; 'i,   'l:::::::/      お前らのせいで、兄者はなぁ!」
:::::::::  ,l\     ;;;;;;;;,,>   レ'
;::::::::  |  \        ## |
;;::::::::.  'l    `、     ## |
;;;;:::::::..  \    `ー-..,,,,, ##|
;;;;;;:::::::..  `ー-‐''"~´┃    /
;;;;;;;;;;;;;:::::...       ┃  /
;:::::::::::::::::::::::::::....   _,.-''"
::::::::::::::::::::::::: ヽ-‐'''"
::::::彡:::::_,,,...-‐'''ヽ
::::::::/::::::::ノ(  \
:/(::::::::::::::⌒:::::...  `l
|:::::::\::::::::::::::::::,、:::..  |
|;;;:::::::::\__,,,ノ⌒)::::::::::|ー
;;;;;;;:::::::::::::::/~ゝ::::::::::::::|
;;;;;;;;;;;;::::::/:::::::::/:::::::::::::|



翡翠脱出の陽動作戦時に兄とはぐれ、安否の分からないままの
弟者などは掴みかからんばかりの形相を浮かべている。



       /:::/ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/           /:::丶、     /:::::::/  /:::::::/
      /-/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'-、        /::::::::::::::::`丶、/::::::::/  /:::::::/
     / ゝ__ゝーーァ--、;___::::::::::::::::::::`::::::丶、 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  /::::::/
    ,.rー''´ /  ./  / / /` 7''- 、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  /::::::/
   //  /   /  / ./ / /    `,へ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  /::::::/
,. '", ィ /  /   /{ /   / /__,.レ   、/  | ` ァ 、:::::::::::::::::::::::::::::/  /::::::/
  /  / .イ   /,!-rー'' |."/|  !     ,ヘ l  |  \:::::::::::::::::::/  /::::::/   「……………」
  /  /   |  l |/____,|./ | l     / |ヽ|  l   | \:::::::::/  /::::::/
. l  /l  |  |ァ≠=ニニlト、! ト、.   ,' .l |\|    l    i`<  /ヽ、/
  | / {   l .|` ト- ':::::::/` .l| ヽ  l  | .|  l 丶   l   | | `<   /      (ああ………
.  !l ヘ   lヽ|cゝ!;;;;;;;___/   !  \ ! ,ミヽ、N ! \ |   .l l  `y'        私は彼らにとって赦されざる者。
 /i|// ヽ  ', :::::::::::::::::⊃       ヽ! / ヾヾl、|    |  ! |   |         サクラダ殿を失わせた憎き仇だった―――)
./ / / / \ '、::::::::::::::::           /:`:::':::::`ト、l   !  !|   !
' / / / .人\ゝ.       ,      ⊂ヽ、;::: /ゞ!  j  |   .|
/ / /  / ヽ `            :::::::::::`~ぅ/.|  ∧  ! |  |
/,.ィ'   |--ー>,     r 、      ::::::::::,.-" ,. l ./ ∧ ',l  |
/::!  |::::::::/  >,    ` ’       ∠ -ァ''/|/  / \ゝ !
::::::|   !:::::::/  / .ト、            ィ'.〆 / ./!   | |
::::::|  |::::::/  /.  |\\___ ,. -‐ '"´ /ィ / ,ィ'| l    |  |
:::::::|  .l:〈 、/   l  `丶__,,. - ー''///  ,< .| |     |  |
::::::::|  |::\ .\           //// /:::::\| |    |  |



そこでアリアも、彼らの麻呂達に対する怨恨の深さを思い知らされた。

麻呂達はあれほどまでに慕われ、尊敬されていた第一騎士団長、
エンジュ=サクラダに濡れ衣を着せて処刑までしたのだ。

その時、大臣側についていた自分が、
彼らに受け入れて貰える訳がないではないか。

34 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:02:09 ID:zIOMxbYM
七161.
だが、そうではないとやらない夫が叫んだ。



            ,. ‐―――――‐ - 、
           /            \
          /                    \
       /    \         ノ      .',
        /     ,  ゞ.._,, ー "   、    ',
        l     l {::::::::} l  l {::::::::} l     l
      . l     ` ー ' '  ` ー ' '      l
        l      /    .!    ヽ       l       |\     /\     / |   //  /
        l      ヽ__/ \__/.       l     _|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
        . l      〈        〉       l     \                     /
       .l        `ー――― '         l      ∠      一同、静粛に!     >
        l                   l      /_                 _ \
       . l                   l       ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄
         . l                    l        //   |/     \/     \|
        !                     !                                          ,ィ
        /!                    ,'^ヽ                 ,,              ,,.    ,.    ./::i
       /{ |ヽ                 /| / \           / |   /| /|     _,,.r':/  /::|   /::::::/
     /  ∨| ヽ            / | /             /:::::i  /::i |:::::i  ./'''"´:::::/ ./:::::::|  ./::::::::::/
   / ヽ  \  `ー――――― ´ ̄ ̄  /            ./::::::::i  |::::! .i::::::i /::::::::::,,.//:::::::/  /::::::::::/
 /\   \  \        /   _ /            i::::::::::i  i::::i i:::::::i/:::;.r''" /:::::::/  /::::::::/
"ヽ  . \  ヽ  ` ー──一'   /                  i:::::::::i. i::::i,/i:::::/'"´ ./:::::::/   ./::::::/
  \  \  \        //                     i:::::::::i. i:::/::::i:::/  /:::::::/    /::::::/
  ,  ‐┬─‐'フ⌒ヽ` ー── ´ /                    i:::::::::i i/:::::::i/:| /::::::::/     /::::::/
/    ̄ ̄     }  \     /                    i:::::::::"::::::::::/ |:::::::/      /::::::/
  /  ̄`ヽ/ ̄ ヽ   \                           i:::::::::::::::/  i::/      ./::::::/
 /     /     | ̄`ヽ ̄ ̄/                    i:::::::::/     i/        /:::/
./     . /      |    | ̄ヽ                       .i::::::::i            //
      /     |   |   }                       i:::::::i            ^
                                        i:::::::i               /i
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                                         i/           i/



35 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:03:09 ID:zIOMxbYM
七162.
地下室の壁がビリビリと震える程の大声で
耳が痛くなった全員を強制的に自分へと視線を向けさせ、



.     /: : : :u: : : : : : : : : : : : : : : : : : \
     /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : :u: : : ヽ
.    /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
   /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
   |: : |: : : : : |: /  \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|
   |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V
  < : 」_: : / 〈 (・) |/:::::::レ(・) }|:./ヽ : |   「うるせえええっ!」
  <:: |. 小{   _,,.. - :::::::::::、-.,_  レ{: :.|ヽ:|
   厶ヘ ハ   ::::::::::::::::::::、::::::::::::::: {ハ/ V
      \_! u ## _ '  ;;;;;;l !
        ヽ  ┃/   `t u /  キーン
      ___,r| \┃{    / /
    /:/::::| \  ヽ `_⌒ ィ ´
  /::::::/::::::|  \u  ´ ∧>、
/:::::::::::/::::::::|    \  /  !\::`ー- 、
::::::::::::::/:::::::::∧    /二\ |::::::ヽ::::::::::::\
::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ  /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::!



: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : |: : : : ヽ: : ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : :./\: : : : : ト、: : : : ト、: : /: :∨ :.l
: : : : : :∧: : /──{/、.  \ : : |.-\: : |ー∨、: : : : : |
: : : : :./ 1/     .i   l\:|   \|   |: : |\;!
: : ,、: :{           |-‐‐-|         .|:ヽi
: :{ ヽ'           !   |         ハ:_}    「み、耳が死ぬ!」
ハヽ ヽ_____,ノ   ヽ_______ノ }
ハ: :`-',  ! | |  ! !      ' ! |' | | 川/ ノ キーン
  〉: :.:∧   〃'ー──-----、    ,イ"´
   ̄  \  ヽ______丿  /
        >、         ,イ´
 ,────、__` ,‐──┬'"´ __
/        |   !     | ̄l ̄    `ヽ
.         |  ー──'  リ      }

36 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:04:09 ID:zIOMxbYM
七163.
一人一人をその眼差しで射貫き、戦うべき相手を間違えるんじゃないと諭す。



                ̄    、
            ´          \
     /                ヽ
      /           、_  ヽ
    '               ` 、ヽ     「傾注!
    l              ,‐-,.._ ゞ     アリア=マゴット司祭はイチジョウの企みに気づき、
.   l              l 弋心 l     真紅王女への忠誠を誓った協力者だ!
.    l              冫.ー く
   l               l    ノ!     彼女の同行を認めたのは王女であり、
   l               `ー‐ f r'     疑う者は王女を疑う事と心せよ!」
   l                  ノ'
   !                     /
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



場が落ち着いたのを見計らって片目を瞑って促し、
察した彼女は真剣そのもの、心からの言葉で治癒を受け入れてくれるよう願い―――



       //  ィうヾ        \ヽ
       | j     >=彳       ::::l |
       | l  ___|   |__     ::::l|
        /l | |        |   .::::l l::\
      | .| | └─┐ ┌─┘  .:::::l l:::::::.\
       l ! |    :::|  |     .::::::j ,'::::::::::. l
      | l|  ::└ー┘    .::::::::j ,'::::::::::: ,'
        ', ', l _,;:ァ-rーヾー 、_.:::::::://::::::::::: ,'
       vイ´:/   !: : :!: : : :ヽ、`:x'/::::::::::: /    「私がオロナイン高司教を盲信し、
       | l,'/> 、ヽ,: '、:ト、\:丶、:`l: 、: /     一時とは言え向こうに荷担したのは
       | ! i彳tぅミ ヽ!斗≦毛zミl: ! : ヾ      揺るがざる事実です………。
        l: ;イ}ゝ辷;j.    ´ トィ':::j"|: l: : : !
.       j : 八 ,,,,  ,   ┴ー"'ォ ,': : : l      罪滅ぼしになるとは思いません、
.       ,'/ィ : : `..、  -   """ィ|:!/l : : :l      ですがどうか―――
      //j : : : : : _´>┬_,≦ノ|㍉_: : :!
      ノ /: : : ァ´ {{:::{{ヾ-  〃:::〃ヾ,l      治癒のお手伝いをさせてください。
.       /: : :/  〃;;::::ゞ=三 彡':::〃  .}      お願いします………」
.    , ': : : :イ  /'  ::/  /  ''〃/   j
    /イ: : : {  {  .::/ ./  .:!l/   ./l
.     l,': : : :i   l、;;;;;/  /;;;;;;;;;;;j'   ./: :!
     {,ヘ: : : ',   l ̄    ̄ ̄/   /: : :l
      i| ', : : |  'r┐ ┌--/   /: :l: :j
.     ヽ ヾ\!.  'v  |:::::/   /ノ丿ソ
         l  |  !:::/   / \

37 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:05:09 ID:zIOMxbYM
七164.
それでようやく、取り乱していた事に気づかされた全員は申し訳無いと頭を下げる。



    , -‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;``'' ‐、_
,、‐'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
 ̄/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;‐、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
‐'/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/イ;イ;;;;;l
./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;メ/ // l;;;;ト;|   「………これは失礼を。
イィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;///;;;;イ/ ト/、X, l:イ l   許されよ、マゴット司祭」
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l '´///'´   ┘ !リ
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト,. Y         '、
 rイ;;;;;;;;;;;/  'ー'   ;;;;;  #    ン
ノ ヽ='´' ###   /       /
く   ``ヽ、_   、 # -‐‐r<
;;;ヽ、  ,、 ,、 `ヽ、_ヽ.,_   ,イ´  L..
;;;;;;;;;\ヽ ソ `〉 /小ー、` 〉ノにソ `ヽ_
;;;;;;;;;;;;;;`ヽ`ー' / ハ | /、'"   / 、ノ



      ∧_∧
      ((#)_>`;;)    「すみません。
     /ヾ┰/九     兄者が行方不明でつい………」
    /   /ゝ |
   | | :|/ :| |
   | | :|°.::| |
    | | :|°.::| |



           /::::::::::::/::::::::::::/:::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::',:::',
          /:::::::::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::!::::i
            ,'::::::::::::/::::::::::::: /::::::::::/::::::::::::|:::::::::::::i:::::::::i::::l
         l:::::::::::/:::i::::::::: /_::/|::::::::|::::::::|:::::::::::::l:::::::::l::::l
          i:::::::::/:::/::::::丁:::/ ̄i::::::::l:::ー∧一:::::::|!:::::::|'リ  「………すまなかった。
        _ノ::::┌i:::/::::::/斤心ヘ i:::::::::i::::メ≦i::::::::::::i:!::::::!   状況が状況で気が立ってた」
        >:::::{ レ' |:::::7レ升::} /:::/|:/辻:}l::::::::::ハ:::::!
      _,>::::::::i ヘ|:::/ ゞ‐" //  ′ゞ‐' l:::l:::/  ∨
         ̄` ̄`\:|:/    " ′   、   ∧!/
             \|\┃##       # /  ′
             _{i      ` ̄´"#/
            // `\  > _ イ
         _,、-;'´;;;i     `ー 、, _ノ iヽ、
     _,、-;;"´;;;;;;;;/;;;;;l      /ヘ l;;;;;ヘー,,、
_,、-;ー'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;ヽ    /::::::::∨;;;;;;;;ヘ;;;;;`';;;;;;;、_

38 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:06:09 ID:zIOMxbYM
七165.
一方、本来は自分が説得しても良いはずの真紅は
胸を高鳴らせてやらない夫に見とれていたし、



               _ {   /-─-t一-. 、
        .    /X/`ーァ'X ,}!工エエエト、
        .   /'゙\/ー‐'/ ヽ.}! ┼┼:十: l_ヘ.
          /\/\/\/ }!-┼┼┼ 十| ヘ
         〃/\/\/\ }!-┼┼┼ ┼:|_| ハ
         'iく\/\/\/,j|_|___|__|__ _|__|__l_1
         'ヽ/\/\/\}!_|___|__|__ _|__|__i__ |
        . /\/―/--/:j|土土⊥.`ヽx×X×`ヽ
        . ト- 'rf"下丁iー---个ドミ ̄T冖t-- ニニニニニユ,   (すっごい迫力。
       ヽイ lj」   !:::::l  r ソ, / ,ィf羔ミ, ヾノ川!リヽj !       みんな毒気を抜かれちゃったわ)
        ./' |  l|_   l::::::', ハ八ゝ〈{ 辷tタ    f市k| / l
       .,イ ,  l|::!.j  iイハヌl_) |  xxx      ヾツリ′ノ
      l::| / :/!:| ヽヘゞこソ:::i i!         ′xx{ ,′
      l::|'  .:l |」  l::ト、ー'ヾj i:!      r‐ ォ   }iヾ:、
      ヽ! l|   l_j! lー-/ Ⅳ:、      ̄´   ノ ! 〉:〉
       /  ,: l    | :l i  /;:::::::\      イ |´
     ,:′ / !    :' / ,」∧ヾ::::::::::::.\  /´\|ヽ  ヽ
    ,/,: イ  .!    _」 / _,′} ,〉::::::::::::;;:| /::;:::::.ヽ > ノ ドキドキ
    //!  |   l  / ノ  {  //{`:::::::(o__o):::::::/\〈
  /,/ i  .!   l,. rj ゞミ二二ヾ::::\:::::::::::::;;::::::::||;:イ:::::/} }



琥珀も、どきどきと早打つ心臓に焦りながらも、
素敵な場面に遭遇できた、いつか妹に話してやろうと考えていた。



               _,,,,..-----..,,_
             /          \_
        ,,........./,.             .\_,,,_
        !`--/, / .r/ /,    , :..::: ::|......-|
       λ;;;/! /::// !∧'!ヽ.,.:ヽ::|::::::|;;;;;;;ノ
       .!;;;;;|イ .:|::レ|-/:! '.,L..L_.:ヽ!::::::!;;;;;;'|    (ふふふ。
       L_;;;_| :Kハ!ヽ|'.| \-,_`''_|::::::L_;;;;j     後で翡翠に自慢できるかな?)
        `'7!| ::|r'''"`''   r''"''-.`|::::|ト, `"
         /;|:!:::ト,〃  ,.   〃 .|::::||ヽ
        /;;;||.:::|ヽ,   r--,.  _,イナ:::|!;;;'!
        /;;;;;〉!,::|;;;;`-,_ `''" ,.ィ"|:|:|:::/;;;;;;|
        '、;/_|ヽト,ト|j `''''''" レ|/ノ;/,.|;;;;;/
        V `'',,.-"!!      //\"^ レ"
        ,,.--''"!:::::::ヽ.,    //;;;;;;;/`'--..,,_
      /;;;;;;;;;;;;;;|::::::::\,  //::::::;;/;;;;;;;;;;;;;;;\
    /_;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ,::::::::ヽy/::::::::;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|  ドキドキドキ
    |;;;\_;;;;;;;/;;;;;ヽ,:::;;;;/_;:::::::;;/;;;;;;;!;;;;;;;;;,.-";!
    .ハ;;;;;;;;\,/;;;;;;;;;;\/トヽ;;/;;;;;;;;;;;;レ''";;;;;;;;;;!
.   |;;;;'!;;;;;;;;;;;;!----/"/|ヽ\;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
   |;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;!_,,..,,〈 '//| ,\ヽ;;;;,.,_|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
  .|;;;;;;;;;''!;;;;;;;;|--- |' r'' | '〉  ヒ..-/;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;|
  |;;;;;;;;;;;;\_;;;|::::::::::! ヽ |/   !:::::::/;;;;;;;;/;;;;;;;;|;;|
  !;;;;;;;;;\_;;\L_r-ノ   Y   |.,_::/.-'''";;;;;;;;;;;;;;|;/
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`,,.r'";;|   ,八_   `i`'-.,_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||
  |;;;;;;;;;;;;r-//;;;;;;;;;;! ,ィi|:::::::|\ '|;;;;;;;\-.,_;;;;;;;;;|
  !;;;;;;/'"ノ;;;;;;;;;;;;レ'"::|;;|:::::|;;;!:`Y;;;;;;;;;;;;;;`'-.,_;;;;;;|



それほどまでに、先程のやらない夫の言葉と視線には
人を引きつける力があったのだ。

39 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:07:09 ID:zIOMxbYM
七166.
大部屋の空気は、次第に入れ替わり始めていた。
血なまぐさい、絶望に満たされた澱みは四人の登場で薄れ―――



      N./"ィ,           `ヽ.、 __
     N、( (             '"´、´
    N、ヽ、ヽ          ,.    ヽ
   ヾミ、ヾヽ         ,.ノハ.     ゙i   「それで、真紅様は何故このような所へ?」
    ゞミ、`        .::ノノj' ヾ、   .i
    `ミ:.、._ ___、. __.::,:彡ノノ_,.. _ゞ:、  !
      r゙t=' <(;`)ヽ}={'"  /  ==tr '、
      }'^ ヽ  .:: ソ; ゝ'、 人丿 ' ^゛}
        ! (、 ` ̄´ 〈r;、   ̄´ u  ) .!
        ゝ┤ u   __ __  /  '_ノ
        ト ## ´ー一'`┃   |
        | \   ..::~"     .イ .|
      _,....j  : \ #    ./ .:! .|
     _/ {:.:.:.\:.. \.___./  ;i ト、
  ,..ィ´/  ヽ:.:.:.:.:.\  .:::.      ノi ヽ
/ / i'    ヽ:.:.:.:.:.:.:.\     / .:.|  ヽ、
.  /        ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`>-< .:.:.:.:|    、\
_../          ヾ:.:.:.:.:.:.:.:./   \:.:.:.|
./            ヾ:.:.:.:/ヽ     /:\|
,'         /.ヾ、':.:.:.:.:.ヽィ^i゙!Y:.:.:.:.:.|ヽ、



                                 \:::::::::::::::::::::}_ヾ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::゙::ヽ、 /
                                   ヾ::::;.'"´,'  `ヾ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                                   ,ィ!:!i   ! /   `ー---‐r ――― ‐r --- -- ニ___j
                                  〃〃.ト、 .! { __ム_i!_  i!ハ     ハl  ', 、  ハ
                                 /:/,'::| | ヽ } !、  !_ヾ!、`ヾ ! l!   ィ/‐ナ!¬! .| i  i
                                ./:/ .!:::! ∧. y | !、 くf´ニ>≧、 }/} /;ィ=ァ、} /} /! / /!|
   「みんなの笑顔を取り戻すため。         /::{  !:::i.リ ヽ ,' ,'l !゙\ {弋zソ   "´  {zソ /ィ /ィ }/ / }.}
    麻呂を斃し、王座を取り戻すためです」   . ト、!  |::::|!   } ∧!l  `゙        ,     {kイ K、ノ リ
                              /   /〉」  / 人_!ト.、         /    ,'l ! !::|ヾ}
                                 //   ./ /  !|`¨iヽ      fフ   /!l ∨::! .ハ
                                .//   ./ /  「!| ̄ ̄ ̄ ̄\ __r―<、/∧ ヾ:! .ハ、
                                { { ./ /   ヾヽ::::::::::::::::::::::ヽ/::::::::/// ヽ ゙、   ハ
                                | | ム く  ,.‐’:} }::::::::::::::::::::::У:::∠::フ/ヽ   ト、\  ヽ
                                | |__>‐≧‐≦―'ァ::::::「 ̄ ̄ ̄ ´{/イ::::::\. !. \\ }}


40 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:08:09 ID:zIOMxbYM
七167.
希望があるのなら縋りたい、
もう一度立ち上がる事が出来るのなら立ち上がりたい、
そう言う光が、騎士達の目に少しずつ宿り始めている。



            ,. -─- 、._
            ,. ‐'´      `‐、
       /           ヽ、_/)ノ
      /     / ̄~`'''‐- 、.._   ノ
      i.    /          ̄l 7
      ,!ヘ. / ‐- 、._  ―――  |/
.      |〃、!ミ:   -─ゝ、┃   __.l   「こんな状況で………?
      !_ヒ;    L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /   地方騎士団が応援に駆けつけるのでしょうか?」
      /`゙i         ´    ヽ  !
    _/:::::::! ####         ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、#"## r'´~`''‐、  /
 !    \::::::::::::::ヽ   `ー─ ' /
 i、     \:::::::::::::::..、  ~" /
 .! \     `‐、.    `ー;--'´
  ヽ \     \   /



        /.::/       ``ヽ\
       /.::/          \\
     /.::::/   ,.-──‐‐- 、.   〉::ヽ
      〈.:.:.::::.ヽ /         \ /.:.::::〉
     \.:;:ィ7, ィ´.:: ̄ ̄ ̄``ゝ-</^V/
      ,.イ:! i. .:.十ム、トト、 _ノ_ノj_j!:  N
      //|:|トト:::ヽ!r=ュ ヾ:.ノ´,r=ミ、リ:.:./ ト、      「いいえ。
     .〃 l|:|`7^Y´辷ソ    辷シ,ィイ〈 l ヽ      地方騎士団へは連絡も取れていません」
       |1| | l 人    _'_    /1 .i |   !
      i  1lノノ> ─-、  ,. -‐< | 1:| | i |
      |  ||l 1.:.:.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.:.:.ヽ! |::| | | |
      |  || _>.-‐::「o´こ`ol;i:.:.:.:l |::| | | |
      | /二ニ7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l;|.:.:丿ニ二7! 1
      |/<孑<.:.:.:o.:.:.:.:.:.:o|;|.:.:孑-、.:.\ゝ
      /.:.:.:孑.:.:.:.:.:.o.:.:.:.:.:.:ol;;l.:.:.孑´:::.:.:.:.`ヽ、
     ,/.:.:.:.:.:.:.::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//.:.:.:.:)::::::::.::.:.:.:.:.:.\
     /.:.:.:.:.:.::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.//.:.:.:.:.::::::::::::::::::.:.;:ィ⌒ハ
    ,/.:.:.:.:.::::::::::::::::::::.:.:.:.::::/人_.:.:_.:.:.:.:.:.:.:., ィ7:.::::::::::.:.〉
   〈r─y──-、::__.:./    ̄`T´ ̄_ノ.:.:.::::::::.:./
    \/``7.:::i     .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.L _/.:.:.:::::::::::::::/
    / .:::::.::/    .:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::i `ヽ:::.:.:.:.:./
   ,/ .:.:.::::::/.:.:.:::::.:.:.:.:.  .:.:.:.:.:.::::.:::::人_ノ.:.::::::〈

41 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:09:09 ID:zIOMxbYM
七168.
だが、まだ決定的な何かが不足していた。



           .ィ
          //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
        .へ}  ′          ヽ
       /  `              ヽ
       ノ                   .i
     / // / .イ .l|  ト、   、  、    l    「無茶だ………」
    ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l
     | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ
     |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .     レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
        `ヽ::::l, :::::〈      ##レ‐'ノ::::/
         `'ーヽ  ー ― ;;;;;;; イT":::;∠-ッ'
         `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
      _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
      \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈



      ∧_∧                                        _
      ((#)_>`;;)                                    , ‐''´~   `´ ̄`‐、
     /ヾ┰/九                                   ヽ‐'´            `‐、
    /   /ゝ |                                 ≦               ヽ
   | | :|/ :| |                                    ≦   , ,ヘ 、           i
   | | :|°.::| |      .         //,:‐''''" ̄ ̄`ヽ.            l イ/l/|/ヽlヘト、      │
    | | :|°.::| |              / i/ / /~:::゙ヽ`、`、、ヽ.        |/ | ! |  | ヾ ヾヘト、    l
                .        l .' l / /::::::::::::l l l l i         ! ‐;-、   、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
                .        l i i i i-=、:::::ヽト、} l |        } ' (:)〉  ´(.:)`i    |//ニ !
                       l,rl l レi´゚「`:::::::::ィ''rレヘノ       ゙!  7     ̄    | トy'/
                       |l::l l、 l:: ̄::::::::::、└:':l l        !  `ヽ"    u    ;-‐i´
                       |.`l l::`::::::::::::::::::/:┃:l l        ヽ  ` ̄二) ##:::: /ヽト、
                .       |l i ト、::#;;;;ー_-::::::イ l         ヽ、 ー ┃    / ゝ
                      |.i l |::::'`:::、_::::::::/i | .l           \  __, ‐'  / / \
                      ノノ l l―‐┐:::::T-rl l,ノ             ̄ i::::: / /
                .      i ,'l _ノ |   L::::::L./- ,,,_
                   , -‐''''" `ヾ:::ヽ 。i::::::l/ ゙、:::、~"ー、


        (ヽ、00  ∩
      ⊂ニ、ニ⊃ ⊂ ⊃                        (ヽ、00  ∩
       ,, -‐- \   | |/⌒ヽ  〇  〇              ⊂ニ、ニ⊃ ⊂ ⊃
      ( ⊂ニニ   / /⌒) )                    ,, -‐- \   | |/⌒ヽ  〇  〇
       `ー――'′ し∪  (ノ                    ( ⊂ニニ   / /⌒) )
                                        `ー――'′ し∪  (ノ


42 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:10:09 ID:zIOMxbYM
七169.
無理もない。
全員が全員、身も心もすでにぼろぼろだ。
疲れ果て、傷つき、エンジュや仲間を失っている。

本来であれば、すぐにでも言葉を救出しに城に乗り込みたいマコトですら、
どうしようもない現状に囚われて苦しんでいたのだ。



                /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
                 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
              /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
              /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !     「申し上げます。
              |: : |: : : : : |: /  \: : /|: : r 、 : : :.|.: : : ト、:|     ここと、残り三カ所の隠れ家に
              |: : |: : : : /!/    | :/ |:.:(ヽ、`\:|.: : : | V      まともに戦える者は残っておりません。
             < : 」_: : /  _   _|/   レ. \ \ \ : |
             <:: |. 小{  `゙''''''        ‐-\ \ \_       お気持ちは分かりますが―――」
              厶ヘ ハ U###  、 r--‐-、 >、    `ヽ
                \_!  # ::::     ' ` ‐-、 ``      `、
            _, r´:/ : :| ヽ ┃  r‐--っ #;/\         `、
        _, r ´:.:.:.:./:.:.:.:.::| | \    ̄   /ヽ :`ヽ         ヽ
     _, r'´:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:|  \ ヽ _ , ィ ´ |::.:.:ヽ: : `、        `、
  _, r ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|    >-、ー_'/   !::.:.:.:.:ヽ: : ` 、 __ ___i__
 /゙: : : : : : : : : : : : ヽ:.:.:.:.:.:./i!  /ヘ i. / 入  |\.:.:.:.:.ヽ;,r'`‐´_,,..---┴‐,
l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\/:.:.:.:!'! /ヽ、ヽrk'´:_,r、 イ:.:.:\/ _>-‐'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l


43 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:11:09 ID:zIOMxbYM
七170.



          > -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
          >:.-:.-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´:.:./
        r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:./::|:.:.:.:.:.:.:/
      /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| ̄`''- 、;i:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ヽ
       /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.|      |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_    //:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|    「やらない夫………
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ、=、_,, ,/ |:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|    状況はあまりにも酷いようだよ」
  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´\-;/ ̄ V ̄ | |イ≧ミ=、/   |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
  ` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}
      /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|
      フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V
      ´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|
          ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /
           /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./
      /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
     /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´
   ノ |      }ヽ::::    /_
 ̄ ̄  .|       \   { ヽ
     .|      / ` ー='´  \



            _ {   /--t一-. 、
     .    /X/`ーァ'X X,}!工エエト、
     .   /'゙\/ー‐'/ ヽX}! ┼┼:十:ヘ.
       /\/\/\/ヽ}!-┼┼┼ 十ヘ
      〃/\/\/\/}!-┼┼┼ ┼:|ハ
      'iく\/\/\/ヽ,j|_|___|__|__ _|__|_1
      'ヽ/\/\/\/}!_|___|__|__ _|__|__i
     . /\/―/--/:ヽj|土土⊥⊥. _|__| |     「やらない夫………」
     . ト- 'rf"下丁iー---个ドミ ̄T冖t-- ニ ユ,
.       ゙√ミf⌒! l/, f´Yミ-ァ`lヾ''ドミt,ミ X X XXXヘ.
      /ヽヽヘ  〃l ヘ ゝ-'     'r'::メ` ドミ X X Xヘ.
     l! |-l\'ヘ::ソ  ハ!       t_ク/ |/,_`ドミ XXヘ
  .__ ||、 |:! 'rゞ:|! | ヾ      ,  /if |  f ルヘ` ̄´
  \`|| ヽ|:! ,f三::|! ト___i|  -、  /ヘ`ヽ | /∧ \
    | レ  ´`!、三.|! '\.|!   , r ´=ー、j-,. ヽ// f'|`ー,i
    ヽ  l  Vゝミ\  \-r ',== / ヾ'∧  |  l |
    l  l   |八,j- .\ _ヽ\く三= (  v'/ ヽ_ノ  l j
    l    l <´_    ̄ \三  \ レヽ\ \ `
  /⌒l    |` 三三⌒'ー - 、 \   へl |,r--ォ



燻る火種はあるものの、騎士達の心はすでに濡れそぼっている。
それを見て取ったジュンと真紅が、本当に復権は可能なのだろうかと彼を振り返ったので、

44 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:12:09 ID:zIOMxbYM
七171.
再び、やらない夫に注目が集まった。
城に居るときから中心人物になりつつあった少年へ集まる期待、願い、そして希望。

こういう時にどういう態度を取れば一番効果的かを知っている彼は、
ゆっくりと腕を組むと覇気のある表情で全員を見回し、堂々と言ってのける。



           / ̄ ̄\
         /    _\/\
         |    ( ●)(●
.         |      (__人__)           「そうか?
           |,      ` ⌒´ノ            俺は逆に、みんなの顔を見て
          │         }             王女復権は必ずや成ると確信したぞ」
           ヽ、      ソ
          イ斗┴r┐` .;
    / ̄`ーゞ、  / |__ 〈ー─r、
   /     \ ∨\  |,ベ._ / |
   {    . : : : . ヽ>ー\[ ̄{ 〉\|、_
   |        `丶}\  __\_]~∨'\`ヽ
   :|   ._    \_}/r‐-}\ ゙,`''く l ゙,
    ト、: :./ / ̄`` ぐ└f'二)::{  ',  | !,ゞ┐
    `、∨ ´ ,.、-''"~ ̄}_{‐''く:::{_  ', _|_|_,rー'、_
     }{ / _、-'''"~ ̄{_\;;;;;j;><;:::::\:::ヘ}\
      }∨: /  _、-''゙~ ̄ ̄     \::::},之_ ヽ
       〉∨   /           ,.、イ;;ノ_   `ヽ}
     {: \,/\  -‐ '"   /` ̄      :.:}



                         /:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..:............  ヽ
                        /  /::::::::::::::::::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:!
                          / /:::::::::::::::::::/::l:: ト;::',\:::':、:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
                         / /イ:::::::::/::/l::ハ \. ヽ、\:::ヽ、::::::::::::::::::::ト
     「出来る、と言うのか?」      l / |:l::::::/l:/ |  ',  ヽ,  ,\ニヽ、ヽ:<ヘ::::::l
                          ! |ハ:::/ たヵ|、  'r 、 イ ゞ‐'-' ヽ! (丶'}:::l!
                            | l::ハ `  ヽ    ``      rク/:;リ
                             |  ', ┃        ;;;; ;;   l-イ:/
                               ', ##:l   ## /   l lリ
                                '、. .::ヽ    ;;;;;; ┃  ノ  l_
                                 ヽ、:::::::'、--‐=ヽ  /   l;;;;;>`:i
                                r r;;>、.  ̄ ̄ `∠..-‐ ''"´::::::::::::::l
                                /7::::i´`i「;;ー― 「 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
                               //:::::l 「 | /! 「 | | l::::::::::::::::::::::::::::::::::::L
                             ,--ノV:::::l |. |/ リ| ! | |:::::::::::::::::::::::::::::::;、久
                         __rァ‐'"´:(ヽ、_」 l::', | ノ lノ /! l::::::::::::;::、-‐'''´‐^`ヽ
                       /;ヲ 'フ;;::::::::::::``ヽ、」ヾ V//::L ―''´-‐'''::´:::::::::::::::



ロイだけではない。
ゴクリ、と唾を飲み込む音があちこちから起こった。

彼はたった一言でこの場の空気を掌握し、その流れを導き始めている。

45 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:13:09 ID:zIOMxbYM
七172.
まず、端的に事実を述べた。
見かけ倒しの兵力に恐れる必要は無い、と。



         / ̄ ̄\
       / ヽ、. _ノ \
       |  (●)(●) |          「俺はここに来るまで何回か、
       |  (__人__) |          イチジョウの手先になりはてた
          |   ` ⌒´  |           第二騎士団を見てきた。
        |        }
        ヽ       }                部隊は確かに数を増やしていた。
        人_____ノ"⌒ヽ         だがその実は非正規の奴らを招き入れ、
      /           \       統制も取れていない烏合の衆だ」
     /            へ  \
     (  ヽγ⌒)     |  \   \



                                   >'´ /   ∧    |    i| ヽ.      \
                                 /   /     /::::ヽ _,斗:.:.:.: :   |   !  :...   \
                                  〉       ::ー‐^´¨ |:.: : !:.:.. ト、  |   :.:.:... : :..`ー-、
                                    |   |  il  ::|       ! ::∧:. :.  ,=‐i   :.:.:.:.:...:.:.:..:.:./
                                   / .:.:.:.:|  i|   ::|       | / ,ィ|,.イ´__ ∧  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
                               / :::/イl|  l|  ::|=、>ー=、 i′|:rレ弍¨ヽ ト :.:.:.:.:.:.:.:.:./
                              ./::/  /   |  |´戈¨T |ト==、|| 弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
   「確かに、そんな感じだったな」         レ'゜   / /  iヾヽ! 辷_ソ」|   ヽ=====' マヽ.:.:r-‐'´
                       rr‐、           レ' レ'〉 ! ヾニ=== ′〈           'ノ::;;;>
                       ト' |                  ̄ヾヌ、      `       ,/‐'´
                       |  |                 ̄ヽ       ー‐      /
                      ..ノ  l'⌒!                \           _, ィ´
                      ´ ノ^ヽ '、                  `¨ニt-  -‐' ト-┐
                        /`ヽ.ヽ、          _   /´iイ      |/ ヽ―-- 、__
                         ‐'´`ヽ. i、          /i  ゞ7″ | ′    /    |     `ヽ、
                      \   イ-'  ヽ       /  i  / ,ヘ |____,_/ |―、  |    /  ヽ.
                        ヽ.  ″    l     /-‐'´ | ./// ヽト-―/ニ,ノ  \|     /   \'、
                         \      l. ,.-‐'     : レ' ′  く !  //          /       ヾ、
                            |    .ト''      ! .| r―┐  | ,//      :. l  /       `ヽ、



47 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:14:09 ID:zIOMxbYM
七173.
次に、騎士団を信じるよう言った。
所属は違い、反目し合う間柄だったとしても同じ騎士ではないか。

エスメラルダの町で彼らの反応を見ていたやらない夫が
向こう側の離反だってあり得る事を告げれば、



               / ̄ ̄\
              _ノ  ヽ、  \
            ( ●)( ●)   |         「それに、正規の第二騎士団の人達も
            (__人__)      | ../}       話が分からないはずがない。
      _       ヽ`⌒ ´     | / /    __   今はただ、イチジョウの発表とギャブレットの指示に
   (^ヽ{ ヽ      {        ./ /  . / .ノ  首を傾げながらも従っている者が大半だろう」
 ( ̄ ヽ ヽ i      ヽ      / 厶- ´ /   
.(二 ヽ i i |,r‐i    ノ.   ヽ /     /
  ヽ   /  ノ  /    r一'´ ー 、   ̄ ̄ ̄)
   i   {   イ―イ /   .`ー―. 、__ .〈 ̄ ̄
   ヽ. `ー '/   /           /\ \
      `ー '  ̄ ̄!           |  ヽノ



第二騎士団卒であるマコトが一理ある、と同意する。



           /::::::::::::/::::::::::::/:::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::',:::',
          /:::::::::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::!::::i
            ,'::::::::::::/::::::::::::: /::::::::::/::::::::::::|:::::::::::::i:::::::::i::::l
         l:::::::::::/:::i::::::::: /_::/|::::::::|::::::::|:::::::::::::l:::::::::l::::l
          i:::::::::/:::/::::::丁:::/ ̄i::::::::l:::ー∧一:::::::|!:::::::|'リ    「まぁ、荒っぽい奴が多いけど、
        _ノ::::┌i:::/::::::/斤心ヘ i:::::::::i::::メ≦i::::::::::::i:!::::::!     確かにあいつらだって王国の騎士だよ」
        >:::::{ レ' |:::::7レ升::} /:::/|:/辻:}l::::::::::ハ:::::!
      _,>::::::::i ヘ|:::/ ゞ‐" //  ′ゞ‐' l:::l:::/  ∨
         ̄` ̄`\:|:/    " ′   、   ∧!/
             \|\┃##       # /  ′
             _{i      ` ̄´"#/
            // `\  > _ イ
         _,、-;'´;;;i     `ー 、, _ノ iヽ、
     _,、-;;"´;;;;;;;;/;;;;;l      /ヘ l;;;;;ヘー,,、
_,、-;ー'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;ヽ    /::::::::∨;;;;;;;;ヘ;;;;;`';;;;;;;、_

49 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:15:09 ID:zIOMxbYM
七174.
さらに正統性はこちらにある事と、敵を明確にする。



       (⊃ ̄ ̄\
     (⊃   _ノ  \
    (⊃   ( ●)(●)        「俺達には正統王位継承者が居る。
     |     (__人__)         ローゼンそのものと言っていい王女がな。
     |     ` ⌒´ノ
       |         } \       改革派の官僚も甘言に踊らされていた事を知り、
     /ヽ       }  \      粛清に怯える今、
   /   ヽ、____ノ     )     敵は偽政権の象徴であるイチジョウ、ギャブレット、リフだ。
  /        .   | _/     非正規の奴らだって全て倒す必要はない」
 |         / ̄ ̄(_)
  \   \ /| JJJ (
   \  /   /⊂_)



たった三人だぞ、と騎士達を指さしてみれば、
後ろめたい事は何もなかったキバヤシは改めて、
薄汚い謀略により自分達が追われている事を思い出したようだ。



      N./"ィ,           `ヽ.、 __
     N、( (             '"´、´
    N、ヽ、ヽ          ,.    ヽ
   ヾミ、ヾヽ         ,.ノハ.     ゙i   「王女様の無事と、正しき情報を広く知らしめれば
    ゞミ、`        .::ノノj' ヾ、   .i   民衆の指示も得られましょうが………」
    `ミ:.、._ ___、. __.::,:彡ノノ_,.. _ゞ:、  !
      r゙t=' <(;`)ヽ}={'"  /  ==tr '、
      }'^ ヽ  .:: ソ; ゝ'、 人丿 ' ^゛}
        ! (、 ` ̄´ 〈r;、   ̄´ u  ) .!
        ゝ┤ u   __ __  /  '_ノ
        ト ## ´ー一'`┃   |
        | \   ..::~"     .イ .|
      _,....j  : \ #    ./ .:! .|
     _/ {:.:.:.\:.. \.___./  ;i ト、
  ,..ィ´/  ヽ:.:.:.:.:.\  .:::.      ノi ヽ
/ / i'    ヽ:.:.:.:.:.:.:.\     / .:.|  ヽ、
.  /        ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`>-< .:.:.:.:|    、\
_../          ヾ:.:.:.:.:.:.:.:./   \:.:.:.|
./            ヾ:.:.:.:/ヽ     /:\|
,'         /.ヾ、':.:.:.:.:.ヽィ^i゙!Y:.:.:.:.:.|ヽ、

50 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:16:10 ID:zIOMxbYM
七175.
最後に偉大なる騎士団長の名と、必要なのは気概だと伝えれば―――



                ̄    、
            ´          \
     /                ヽ
      /           、_  ヽ
    '               ` 、ヽ      「そして何よりも―――
    l              ,‐-,.._ ゞ      あなたたちが無事で居てくれた!
.   l              l 弋心 l
.    l              冫.ー く      エンジュ様の意思を受け継ぐ
   l               l    ノ!      王国の騎士が!
   l               `ー‐ f r'
   l                  ノ'       未だ真紅を王女と慕い、
   !                     /        成すべき事を成そうとする者達が!」
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



51 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:17:09 ID:zIOMxbYM
七176.
騎士達の背中をゾクリ、と高揚感にも似た感覚が突き抜ける。



  /    / /  ,   /  i \ヽ丶           : : : : : : : : : : : : / |
. /    / イ    イ   イ   |   ヽヽ 丶          : : : : : : : : : :   /   |
    i / //   〃  / |   |    ', ヽ l          : : : : : : : : :  / , '  |      ___
.   レ / i    /!   i |   |    |  l |         : : : : : : : : ./ /    { -‐''゙´ ̄ --‐/
  ! Y  {    i |   | |  ノ     _亅ノ l         : : : : : : : /  ゞ-  '' l─-'' ´   /
  |亅',  |  ┼t- 」_ し   ‐ニ、 卞 _ノ         : : : : : : r'...           \/
  了,| L_ト、 _ノ,ィ'f jヽ     , イj リ { |           : : : : : /                ヽ
 ! {1|    l   弋ソ,     l  ー'  l |           : : : :  : l..
 |代_|   i ',     ̄       ヽ   l |           : : : :  l:.             .-― ヽ、
. i   |  | ',  u       '     |           : : : :  |::.                   >
  | i |  |  l        r‐‐ァ   /i |           : : : : :  l::.       u       /
  | | !  l  ト、      ー‐   イ | |           : : : : :  '               ー-、
. │| l   ├1   ‐ _     /| |  | │          : : : ./      .:::\          /
.乂 川    ト、 _     ニ…└、 |│从 ノ           : : /.:.        `:::.., ー  --i^ヽ  _
                                  /..:.          /: : : : |  l/ _,,_ `>
                                              |: : : : : | /    ̄ _`)
                                               : : : : : /     ̄ `>
                       イ イ
                   イ    | | レ レ   .,イ
                     レ    ノノ     /ム―7
                     //     //''''''7/
                    ノ'      /'  // ,イ,イ ,イ
                            //  レレ //
                            /'    /'


 /   , ,ィ ハ i、 、     !   /''⌒ヽ-─‐- 、     、ー'´         \ .イ   , ,ィ ハ i 、   |
 /イ  ,ィ/l/ |/ リuヽlヽト、 |   ゝ ,、.___,  \  >       ,       !  | ,ィ/l/ l/ uハlヽトiヽ. |
  イ /r >r;ヘj=:r‐=r;<ヽ│  「 ./       u \  |  ≧  , ,ィ/ハヽ\   |   |/゙>r;ヘ '-‐ァr;j<`K
  r、H   ┴'rj h ‘┴ }'|ト、  |./        ヽ |  1 イ/./ ! lvヾ,.ゞ、 ! .ry   ┴ 〉   └'‐ :|rリ
  !t||u`ー-‐ベ!` ` ー-‐' ルリ r|´゙>n-、ヽ-rj='^vヽ _レ「゙f.:jヽ ーT'f.:j'7`h |t|.   ヾi丶     u レ'
  ヾl.     fニニニヽ  u/‐'  :|r|  ー "j `ー ′ h゙リ {t|!v ̄" }  ` ̄  !リ ヾl u  iニニニヽ   /|
    ト、  ヽ.   ノ u,イl.    ヾ! v  ヾ__ v イ‐' ヾl   ヾ_  v ./'    ト、  、__丿u ,イ ト、
   ,.| : \  `ニ´ / ; ト、    ト.、u L_ フ , ' |.    ト、u ヾー `> /.|.   ,| ::\     / ; / \
-‐''7 {' ::   ` ー '  ,; ゝ:l`ー- ⊥:`ヽ. __ / ,' |    | :\   ̄ /,' ト、_ /〈 ::  ` ー '   ,'/   「
  /  \ ::       , '/  :|     `'''ー- 、 , ' '>-,、.._ノ ::  `ー '   /,.イ   \::     /      |
 /     \    /     |        | ヽ-‐'´ _,.ヘ<  _::   _,. イ/ |     ,.へ、 /´\       |


53 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:18:09 ID:zIOMxbYM
七177.
いつしか―――
やらない夫と言う太陽に照らされて、
彼らの中で燻っていた火種が燃え上がり始めていた。



            ,. ‐―――――‐ - 、
           /            \
          /                    \
       /    \         ノ      .',
        /     ,  ゞ.._,, ー "   、    ',
        l     l {::::::::} l  l {::::::::} l     l    「我に策有り!
      . l     ` ー ' '  ` ー ' '      l    しかし戦いは避けられず、
        l      /    .!    ヽ       l    第一騎士団の協力が不可欠である!
        l      ヽ__/ \__/.       l
        . l      〈        〉       l    騎士よ!
       .l        `ー――― '         l     鋼の魂を宿し、
        l                   l     決して折れる事のない王国の騎士達よ!
       . l                   l
         . l                    l      今一度その力を王女に貸して頂きたい!
        !                     !      平和と笑顔を、
        /!                    ,'^ヽ    再び国民の手に取り戻す為に!」
       /{ |ヽ                 /| / \
     /  ∨| ヽ            / | /
   / ヽ  \  `ー――――― ´ ̄ ̄  /
 /\   \  \        /   _ /
"ヽ  . \  ヽ  ` ー──一'   /
  \  \  \        //
  ,  ‐┬─‐'フ⌒ヽ` ー── ´ /
/    ̄ ̄     }  \     /
  /  ̄`ヽ/ ̄ ヽ   \
 /     /     | ̄`ヽ ̄ ̄/
./     . /      |    | ̄ヽ
      /     |   |   }



一人一人の眼差しに宿り始めた希望の光を確かに見たジュンは、
何かの歯車がカチリと音を立てて噛み合わさり、
ものすごい勢いで回り始める錯覚を覚える。



          > -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
          >:.-:.-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´:.:./
        r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:./::|:.:.:.:.:.:.:/
      /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| ̄`''- 、;i:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ヽ
       /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.|      |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_    //:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ、=、_,, ,/ |:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|   (今、何かが動き始めた。
  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´\-;/ ̄ V ̄ | |イ≧ミ=、/   |:.:.:/:.:.:<´ヾ|    良くは分からないけれど、
  ` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}      大きな流れとなる何かが………)
      /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|
      フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V
      ´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|
          ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /
           /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./
      /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
     /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´
   ノ |      }ヽ::::    /_
 ̄ ̄  .|       \   { ヽ
     .|      / ` ー='´  \



それは思い思いの方向に散らされていた飛沫が
一つの大きな流れに引き込まれて勢いを増した瞬間だった。

ローゼンという大河をせき止める大岩がある。
それを押し流そうとする流れが集い奔流となり、
岩を砕き、穴を穿たんと水を湛える姿にも似ていた。

54 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:19:10 ID:zIOMxbYM
七178.
あとは流れる方向を指し示してやればいい。

気運が最高に高まった事を見て取ったやらない夫は
具体的な指示を一人一人に与え始め―――



                   ,, -‐ 、
                  /'    ヽ
       / ̄ ̄\      ./      i
     / ._ノ  ヽ、\    /    ...........i
     |  (●)(●) |  /   ..:::::::::::::::|
     |  (__人__)  |  /  ..::::::::::::::::::l     「アリアさん、魔石はたくさんある、
     .|   ` ⌒´  .} ./  ..::::::::::::::::::::!     この隠れ家にいる全員を癒してやってくれ!」
      |         }/  .::::::::::::::::::::/
      ヽ       ./   .:::::::::::::::::::/
      .ヽ    . ./  .:::::::::::::::::::/
   ,. ‐'"´  `'‐,r''"~   .:::::::::::::::::/
..:./,. -‐‐- 、 l′     ..:::::::::::::/|
:,'      /       !.:::::::/:i..:..l
r   、  /           !::::::::::: i..:..i
l  .......`:i    i         !:::::::::: ゙、:.i
!  ::::::::::/    i       i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/     i      .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::|  `、   `、  .....::::::::::::l::::::::::::  `,
/ \:::l.   `、   ヽ::::::::::::::::::::l:::::::::::  /'''ー─----、
   `ヽ   `、  .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,,   ,. ‐;''



        ,.-ー''''__二二二二二ヽ
.        | r'´ ̄         | |ー-.、
        | |     @      | |   `i
      r'´ | |   ┌┐    .| |     |
       !   | |. ┌┘└ー┐  .| |     j
.      ',.  | | └┐┌ー┘  | |    /
        '、 | |   | |     | |.   /     「畏まりました!」
         `、 | |.  └┘__|_|__  /
.          `、,ゝィ7_ ̄\ ゝ弋、\ ̄`、
          / / /__`   ヽ ≫f气 `、 ヽ、
.        / / /.圷心   "∨J.}’! -ゝ「``
.          | /l |∧弋リ     ゞ-' .! .ハ .!
       /V. ',! |.}、'''  __ ,. "",ィ .,' .', ',
      /  /| .| | >. 、 _,. イ|/ ∧ `、`、
     /\__/ |,.-'´ 7/` r-j  / /、_ヽ ヽ \
.    /   /´    //  ゞ`ー'/ / /∧ \ \
    /   / ,. -'''//   __  ̄// //. ',  .ヽ  \
    |__,.-'´// .//   / / // //l  l   `、  `、
.       // .{ { .rー' '--|/ //. |  |.     ',   ',

55 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:20:12 ID:zIOMxbYM
七179.



               / ̄ ̄\
             / _ノ  .ヽ、\
             |  (●)(●) .|
.             |  (__人__) |          「キバヤシさん、他の隠れ家との連絡と、
             ∧ .|   ` ⌒´ ノ           補給は可能ですか?」
           /\ヽヽ      }
          ,r―''''''ヽ, ヽ    ノヾ、
      ,r‐' ,、;-‐''''""''ヾ、、,   く  l
     / ./     r''"ヽ, \,     l`ヽ、
     j l ,. /    '    l   ヽ、 ト,   ヽ
    ,.Lj∠、'´   , i,    /     `ヾ、`'ヽゝ
    l,      / 二'''"    ,;、,     `''ー゙--、
     /゙ヽ-ッ-‐'´ ./`ト-:rイ「´ ゙l;:`''ト-、,_ ノ'i,
   /  / ,;∠∠,ノ´  イ  l l, ├''|  |、,/ l  |
../ノ ./ /、,    ,、' ./  / .l |:::::l,. | ゙ヽ、!_,,、L,
ヽ---ツ  ∧   ̄ ̄  /    | |:::::::| |  r'"/  l,
   /  ./ .ト、,_    /      | |:::::::|. ! l'´! /   |
  ./、 ./   l,  ` ̄ ./        |.|::::::::l |. !. l, l     l
 .l、,.ノ     l,     ;'      .j |:::::::::!



      N./"ィ,           `ヽ.、 __
     N、( (             '"´、´
    N、ヽ、ヽ          ,.    ヽ
   ヾミ、ヾヽ         ,.ノハ.     ゙i
    ゞミ、`        .::ノノj' ヾ、   .i   「連絡は時間はかかりますが、可能です。
    `ミ:.、._ ___、. __.::,:彡ノノ_,.. _ゞ:、  !
      r゙t=' <(;`)ヽ}={'"  /  ==tr '、   ですが、補給は難しいと思います。
      }'^ ヽ  .:: ソ; ゝ'、 人丿 ' ^゛}   食料品以外のあらゆる店舗が戒厳令下で
        ! (、 ` ̄´ 〈r;、   ̄´ u  ) .!    営業停止となっています」
        ゝ┤ u   __ __  /  '_ノ
        ト ## ´ー一'`┃   |
        | \   ..::~"     .イ .|
      _,....j  : \ #    ./ .:! .|
     _/ {:.:.:.\:.. \.___./  ;i ト、
  ,..ィ´/  ヽ:.:.:.:.:.\  .:::.      ノi ヽ
/ / i'    ヽ:.:.:.:.:.:.:.\     / .:.|  ヽ、
.  /        ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`>-< .:.:.:.:|    、\
_../          ヾ:.:.:.:.:.:.:.:./   \:.:.:.|
./            ヾ:.:.:.:/ヽ     /:\|
,'         /.ヾ、':.:.:.:.:.ヽィ^i゙!Y:.:.:.:.:.|ヽ、


56 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:21:09 ID:zIOMxbYM
七180.



        / ̄ ̄\
.       _ノ,、 \_   \     「体力回復と治癒の霊薬をありったけ渡します、
      ( ●)( ●)    |     向こうに流してやってください!
     (__人__)     |     それから別拠点には指示あるまで潜伏を徹底!
     (`⌒ ´     |      全箇所と連携し、残存兵力の確認と回復、
      {        |      連絡体制の強化を急いで!」
      {         /
       ヾ      /
       ソgヘ二ニ=7⌒ ̄"⌒ ̄〆"⌒ニつ
      ∧ii/ oィ/"  〃  (乙ノ≠^ソノ
     / .|//= ゝー─~゙─‐゙~'´
      l  |。     `~/
     / |。      /
    /ソ |。       (
    / リ∠\____ニゝ



やるべき事を与えられた彼らにはもう、弱気や絶望は欠片も残っていない。

やらない夫の言うように、真紅が感じたように、
成すべき事を成そうとする鋼の意思が、彼らを突き動かしている。



       ,. ─- 、,,.___
      ,イ〃          `ヽ,__
.   N. {'             \
.  N. {               ヽ
.  N.ヽ`               〉
  N.ヽ`        ,.ィイ从       /
.  ヾミ.___-‐=彡'ノノノ__,ゞミ=-_rく    「はっ!」
    lrf´ゞ“モ=ヾーf = / }rv^i !
    ヾト、` ̄,り「弋! 人ノ ソ
       !  ̄  ii{_,.   ̄  /r'´
       ,ゝ、##iー-ー、/ , ' |\
  -‐''7´ ドヽ. `ニニ´ ./;;  |  ヾ''ー-
    /   ト、 ` ー-- ´ ,;' ,イ  :|
.   /   :ト、` ー-、 r--‐_'´/   |
  / _,..、-‐\  ̄! レ' 厂 /へ、  :|
  T´ ヽ\l.0|   V /   / /  \ |


57 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:22:09 ID:zIOMxbYM
七181.



             ____
            /      \
         ヽ /     ノ    ヽ
          ゞ..,,  ,,../     i
         ( ●) ( ● )    l   「マコトとマスタング殿は
         ( _ 人 __ )    l    ここに残って話を聞かせてほしい!
          l l!i!i!i!i!i!il       !
          l lエエエエl     l    弟者!
          {           l     回復が済み次第、
          ヽ          l     王女が休める場所を差配してくれ!」
            |  / ̄ ̄ ̄ ̄i
             j/  / ヽ ̄ ̄|
           /   /   ヽ   |
          /   / /    ',  l



              ̄ヽ、
          _ ,-─ 、,〉ゝ--::... 、
        ,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`\_
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
     , ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     /:::./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   ,/:::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.l
    l::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    |/|:::::::::::::/::::::::::::::::: ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l   「分かった!」
    |::::::::::::::::::::::::_:::/ l:::::::::::::::::::|\:::::::::::::::::::::::::::l:::::::::|
    |:::::::::::::::::::::::::/≧、 l::::::::::::::::::|  \斗::::::::::::::::l:::::::::l
    |:::::::::|:::::::::/l::/イ⌒゙`メ::::::|\::lィ千代`:::::|:::::::::l:::::l〉リ
    |::::::::/|:: / リ弋、 _ノl ヽ|  ヽレ; __ソ l j|人:::::::l:::::|
.    |::::/ |:::fzll ^ー‐'´     ^ ‐-'´ jlノ:::::l::l::て
     |/  ヽ.:::|ヘ  ##    ;;;;;;;   /ィ<"j メ_/
         ゝ;八 ##  ;  ;;;;;; //イ
           x > 、 ┃ ー ー    イゝ:::`>-、
         〆::::;//ハ` 、     <´/  l):::}:::::::::::::::` 、
        //::::://  \  `‘´   /  /::::7::::::::::::::::::::ハ::l
       ノ::::/::::::《〈 ヽ/ヘヽ    /  /::::/::::::::::::::::::::::/::::l



      ∧_∧
  ∩  (´<_`(#))
 E )   /⌒ .)  「了解です、ビップ殿!」
  ヽ \/ / /
   \_/  /
     |   〈
     /    ,`
    /   ノ ノ
    /   /  |
   ./   / l  |
  (  ⌒ヽ(  〈
   \  \  )

58 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:23:09 ID:zIOMxbYM
七182.



                ̄    、
            ´          \
     /                ヽ
      /           、_  ヽ
    '               ` 、ヽ
    l              ,‐-,.._ ゞ    「ジュン!
.   l              l 弋心 l    上の主人に、食料の備蓄を確認してくれ!
.    l              冫.ー く
   l               l    ノ!    不足しているのなら金は俺が出す、
   l               `ー‐ f r'    他拠点も合わせて怪しまれないように
   l                  ノ'     調達する方法を考えて欲しい!」
   !                     /
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



                       > -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
                       >:.-:.-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´:.:./
                     r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:./::|:.:.:.:.:.:.:/
   「分かった!」        /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| ̄`''- 、;i:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ヽ
                    /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.|      |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
                 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_    //:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|
                /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ、=、_,, ,/ |:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´\-;/ ̄ V ̄ | |イ≧ミ=、/   |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
               ` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}
                   /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|
                   フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V
                   ´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|
                       ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /
                        /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./
                   /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
                  /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´
                ノ |      }ヽ::::    /_
              ̄ ̄  .|       \   { ヽ
                  .|      / ` ー='´  \

60 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:24:09 ID:zIOMxbYM
七183.



             /  /                 /  /
       lー ''''" ̄ ̄"    ̄ ̄`'、       lー ''''" ̄ ̄"    ̄ ̄`'、
      ∠,,、 -z    ,r――― ''"      ∠,,、 -z    ,r――― ''"
      、 '"´,、ィ   /              、 '"´,、ィ   /
     、 '" ,、 '":ツ   /      |^l     、 '" ,、 '":ツ   /      |^l
  、-' ,、 '´   /  /     /'''',,,," 彡  、-' ,、 '´  /  /     /'''',,,," 彡
  | ,、 '´    /  /     `゙^ _,| │  | ,、 '´    /  /     `゙^ _,| │                      |^l
  '´     / /l/     .,/,_ |   '´    / /l/     .,/,_ |      ;‐i          /'''',,,," 彡
       //        .l_,'" | .|     lニ ニ//       l_,'" | .|    lニ ニl    ;‐i    `゙^ _,| │
                       {_,l゙    .〈/!_|     lニ ニl      {_,l゙     .〈/!_|   lニ ニl   .,/,_ |
                                〈/!_|                〈/!_|   .l_,'" | .|
                                                             {_,l゙ .



興奮と雄叫びで揺れる地下室の中、
真紅はただじっと、やらない夫の横顔を見つめていた。



            _ {   /--t一-. 、
     .    /X/`ーァ'X X,}!工エエト、
     .   /'゙\/ー‐'/ ヽX}! ┼┼:十:ヘ.
       /\/\/\/ヽ}!-┼┼┼ 十ヘ
      〃/\/\/\/}!-┼┼┼ ┼:|ハ
      'iく\/\/\/ヽ,j|_|___|__|__ _|__|_1
      'ヽ/\/\/\/}!_|___|__|__ _|__|__i
     . /\/―/--/:ヽj|土土⊥⊥. _|__| |       (本当に凄いわ、
     . ト- 'rf"下丁iー---个ドミ ̄T冖t-- ニ ユ,       あっという間にみんなの心が一つになった。
.       ゙√ミf⌒! l/, f´Yミ-ァ`lヾ''ドミt,ミ X X XXXヘ.
      /ヽヽヘ  〃l ヘ ゝ-'     'r'::メ` ドミ X X Xヘ.     優しいのに、強いのに、
     l! |-l\'ヘ::ソ  ハ!////    t_ク/ |/,_`ドミ XXヘ    こんな格好良いなんて………ずるい)
  .__ ||、 |:! 'rゞ:|! | ヾ      , // /if |  f ルヘ` ̄´
  \`|| ヽ|:! ,f三::|! ト___i|  -、  /ヘ`ヽ | /∧ \
    | レ  ´`!、三.|! '\.|!   , r ´=ー、j-,. ヽ// f'|`ー,i
    ヽ  l  Vゝミ\  \-r ',== / ヾ'∧  |  l |
    l  l   |八,j- .\ _ヽ\く三= (  v'/ ヽ_ノ  l j
    l    l <´_    ̄ \三  \ レヽ\ \ `
  /⌒l    |` 三三⌒'ー - 、 \   へl |,r--ォ



任せっぱなしでは良くない、自分も頑張らなければと思うのだが
それ以上に、吸い付けられるように視線が奪われたままなのだ。


61 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:25:09 ID:zIOMxbYM
七184.
しかし帽子を手に取り、心から信頼している笑顔を向けて、
呼び捨てを享受する王女の態度もまた、
やらない夫が中心に立つ事を皆が認める一因となっているのだろう。



                              , ' ´  ̄ ` 、
                           ,  '´          \
                        , ィ ..:             \
                      //  ..:/ /  /  ..::// i!       '.,
                     ( ./  .::/ /  ,'   .::/.,' !i  i  ; .',
.                       ,.'  イ ,.'  / / .::/ /  !i  .リ  i  .',
                     /.::. 〃,.;' /.:/ ,;イ //.:/i i从i! ../   |  i
                    / ,,;イ { ././:-i-/、!.:/ハ从人/.::/   iノ ..::|   (大丈夫。
                   / /.:  /i /!zェ_ __    ヾー /、从 /イ   :|    きっとやらない夫は
                   /,,; ' / ./.::| ハi!汽≡ミ    r、___ ,// /.イ {!...::|    私との約束を守ってくれる―――)
.                 /.::〃/ ./ .:|{人! ""      x=≡メ/イ{ ! j! ./|
              /  ./ ,.::'  ./小 八   、 '    ""././ノ /ノ / ;;
              / ....:/ ,...'   / .ノ    >.、    ̄   ,イ:/ .// .,'  :|
         , ,;;'   , ;'  ,,ィ  .:/  //  /r=/` ー‐t ' 7イ/ /  / ノ :!
        ,,/.;'  ー''´ /  ./  .//r=::::i::!:::::r=ュ::ーュ///〃  ,.'    |
    ,,/У   ,, _ ノイ   ,'{{__.ノ/::i  |::\::ヽ___:::::::::::::::7/く_  ./ / / .::|
.   /  / ,, /      /∠_ ノ /i!: | .|:::::r-///」:::::/::://:/ ハ,' .::/ / /ハ
 /  _ _ ノ  /    / /イ/7 ./:::::::ハ V/ '   /7:::/./:/ /:::::i.:::,'  / .::!
     /        >ニv//::::::ヾ;Y⌒V廴..ノイ:::/ムi!/ /:::::: |/  /   |
    ,...'      /    //ムミY::/:ノ::::/::::::::/:7∧!三ミ /::::::::::|  ,:'   ;
 ...::::       /     //ム/彡三/::::::::イ:::::-::<:/彡 =ー/:::::::::::/  /    i
,..::      ,..::'       >イフ/ /:::::::::::::::::::::::/_tr 7./i::::::::::イ! /   .;' !
       /          //イ7::::::::::::::::::イ:::::::::://∠z=-::: :: : |     /  |



62 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:26:09 ID:zIOMxbYM
七185.
全てを一身に背負う彼はしかし、その重圧を全く気にせず声を張り上げ、
冷え切っていたはずの地下の空気はいつしか汗ばむ程に熱を帯びていた。



            ,. ‐―――――‐ - 、
           /            \
          /                    \
       /    \         ノ      .',
        /     ,  ゞ.._,, ー "   、    ',
        l     l {::::::::} l  l {::::::::} l     l
      . l     ` ー ' '  ` ー ' '      l    「その他の騎士、衛兵は
        l      /    .!    ヽ       l     交代で休息を取るように!
        l      ヽ__/ \__/.       l
        . l        l: : : : : : : : : l         l     伝達は以上だ、各員行動を開始せよ!」
       .l         lr―‐┬―‐l      . l
        l         ` ー―― '      l
       . l        ー―-         l
         . l                    l
        !                     !
        /!                    ,'^ヽ
       /{ |ヽ                 /| / \
     /  ∨| ヽ            / | /
   / ヽ  \  `ー――――― ´ ̄ ̄  /
 /\   \  \        /   _ /
"ヽ  . \  ヽ  ` ー──一'   /
  \  \  \        //
  ,  ‐┬─‐'フ⌒ヽ` ー── ´ /
/    ̄ ̄     }  \     /
  /  ̄`ヽ/ ̄ ヽ   \
 /     /     | ̄`ヽ ̄ ̄/
./     . /      |    | ̄ヽ
      /     |   |   }



今はまだ扇動に近い。

しかし彼らの集う旗がある。彼らを導く者が居る。
体力と気力を回復させれば、この勢いは必ずや本物になるに違いない。

エンジュを失い、分かたれ、士気の下がっていた第一騎士団の魂は
この日再び燃え上がり、今まで以上に強固に合わさる事となる。

期待と信頼を力に変える、英雄の資質を持った少年の手によって―――

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63 ◆FrtuoSIf66 10/10/16 22:26:33 ID:zIOMxbYM
本日の投下は以上になります。
閲覧、合いの手ありがとうございました!

次回は第七章その3になります。










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