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【やらない夫は約束を守るようです】 Episode.二人の騎士 第一章 冒険者の少年と貴族の少年-2 2018年09月26日 【やらない夫は約束を守るようです】 トラックバック:0コメント:0




119 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:00:11 ID:3MQ1iP0I
一61.
━━━━━━━━━━━……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

しばらくして。

<コツーン コツーン


        ./ ̄ ̄\
      ./      \
      |     ー  ‐ i
      |   ( ●) ( ●)   (誰か来たな)
      |     (__人__)
      |      `⌒´i
      ヽ.       ノ
       ヽ     ノ
    /   \       \
     |     \, -‐- 、-‐- 、
     |\     \.  (" ̄ .入
    |  \    "  ̄ ̄ ̄  )
    |  / \,,_______人
     |      /\    \  \
    ヽ,____/;___\    \,,_ \,,__
              (______)___)



具足が床石を叩く低い足音が近づいてきたと思ったら、ジュンの父親が二人の牢屋の前に立った。
そのまま鉄格子の鍵を外すと、立ち上がった少年達を手招きする。



                            ___
             _ -―――――-< ̄} }!
            ´      -――7  く.7./-、
        ,  ´      ̄  ,. -―/   Y´ \\
       /     ,   ,  イ   /        ヽ.` 、_.ノ
     /     ,/  /  ,/    {   {       \ ̄
     /    /        ,ノ    }  ハ  }     、ヽ.
     |!     /     _./ ,ィ / /   }  !      ヽ.}ヽ、
     |   /     `才  /:/ ,    / /    ヽ.  ヽ. }  「二人とも、出なさい」
      {   /  、 .___./ / / ,. __/ ハ  ハ   }! i {
.     Y /   ` .ナー-r七´ //7 :/二.!_/}! }  ハ ハ!
     | / , -― 〈 /  {!  ,イ | / ´tテ::ナ}ノ ./ / リ ノ
   ,イ⌒Y´ ̄ ̄  ハヽ (ヽ. i ヾ 、_    ̄ ノイ}/ 
  〈   人  ――- ヽゝxくヽ、        ∨
   }!  ∧_ ヽ. ,xxzrく⌒´ヽ!             /
  八 {〈   ,.イ}   `    {        ,   _ '´
    }ハリ {´ i       ヽ       /
   ノ'  }!  ヽ/        {ヽ. ___/
        _∠_____    ヽ.
     /: : : : : : : : : : : :  ̄ ̄ ̄\
     入 _ _____   _厶、
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:\













120 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:01:09 ID:3MQ1iP0I
一62.
そのまま連れて行かれたのは隣の詰め所だった。
通された部屋には先客だった一人の娘が待っており、入ってきたジュンを見つけると慌てて頭を下げてくる。



              __ _____
            '"´        `ヽ、
          /            ヽ
             //           ',
         /  /,' //   /} ∧  ヽ     「あ、あの。
         ,′  ! l }/ {// 〃  ヽ  ! !    助けていただいてありがとうございました!」
          {  j { {仏厶-‐ '/' ` ‐- Ⅵ !
         |  Vノ ォf扞ト    扞刈 }}i |
        } l |  | {{'ゞ='    ゞ='” 川 }
         {ijii {  l            ハレ'′
        ハ!! i  !!、     '    ./小!
         トN !! iiトN、   ´`  ,/ノ { {!
         川 }} j}! }i| `丶 _ イ }'  ! |
        ノハルンノj刈` ‐- 、_,√} {!  i
  / ̄ `く辷=‐…ァ'    }} `くj__厶'´ ̄\
                              ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
                            /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
                           ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
                              /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
                            ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧
                            |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧
    「ああ、さっきの。             イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
     いえ、当然のことをしたまでです」  /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
                            !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
                           .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
                           .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
                            レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
                                  i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
                                   、             r彡;〃´
                                   ヽ   ヾニフ       ノレ'´
                                    \          ´ ,L. -‐ 、_
                                      ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
                                       ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
                                     _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
                                   rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"


ジュンには見覚えがあった娘はなんの事はない、彼が助けたその人だったのである。
自分が囲まれている間にうまく逃げていた事は確認したが、その後どうなったかちょっと心配だったので嬉しくなった。

121 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:02:07 ID:3MQ1iP0I
一63.
                            ___
             _ -―――――-< ̄} }!
            ´      -――7  く.7./-、
        ,  ´      ̄  ,. -―/   Y´ \\
       /     ,   ,  イ   /        ヽ.` 、_.ノ  「この方が、お前達は自分を助けてくれて、
     /     ,/  /  ,/    {   {       \ ̄     正当防衛だったと言ってきたのでな。
     /    /        ,ノ    }  ハ  }     、ヽ.
     |!     /     _./ ,ィ / /   }  !      ヽ.}ヽ、   聞き込みもしたが、
     |   /     `才  /:/ ,    / /    ヽ.  ヽ. }   その通りと裏もとれたので釈放だよ」
      {   /  、 .___./ / / ,. __/ ハ  ハ   }! i {
.     Y /   ` .ナー-r七´ //7 :/二.!_/}! }  ハ ハ!
     | / , -― 〈 /  {!  ,イ | / ´tテ::ナ}ノ ./ / リ ノ
   ,イ⌒Y´ ̄ ̄  ハヽ (ヽ. i ヾ 、_    ̄ ノイ}/
  〈   人  ――- ヽゝxくヽ、        ∨
   }!  ∧_ ヽ. ,xxzrく⌒´ヽ!             /
  八 {〈   ,.イ}   `    {        ,   _ '´
    }ハリ {´ i       ヽ       /
   ノ'  }!  ヽ/        {ヽ. ___/
        _∠_____    ヽ.
     /: : : : : : : : : : : :  ̄ ̄ ̄\
     入 _ _____   _厶、
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:\


父親にも頭を下げた娘はそのまま部屋を出て行き、代わりに入ってきた衛兵が
やらない夫とジュンの剣を持ってきた。
エンジュは差し出された二振りの剣を見比べていたが、やらない夫の剣に違和感を感じ、
正体を見極めようと彼の前に立つ。

122 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:03:07 ID:3MQ1iP0I
一64.
           _ __ _ _
       ,.'"´       、`ヽ、
      /   i    リ ヽ 、  \
     /    .:レ′   j  i !.:.   i
      l    .:/   , /  i .::|:::.:l  |    「君、名前は?」
     ノ    ,.ィイ.:::/  .::l.:|:|::::::|:::. ト、
    彳  ,ィイ 1:|::,'  .:;ィイハi::::::|::.:.:.ヽ|
    |.:.:|, イ‐リ-トト、::.;ィイ仁=ト-ヾ::::.:.:.ト、
    ト、:i { r‐ェテ ヽl/ ''テェ‐ァ .:!.:ト、:;!/
      ヾ::、    ,        !/::/
       仆    :j 、      イ:/
          `、   _ _     /i,ハ
         ヽ  ー `   / .|;;;:;:|
          `ト、 ___ /   !;;:/、
           /.::::| ヽ   /   l::::.:.L


    / ̄ ̄\
   / _ノ  ヽ、_ \
 . | ( ●)(● ) |   「やらない夫と言います」
 . |  (__人__)  │
   |   `⌒ ´   |
 .  |           |
 .  ヽ       /
    ヽ      /
    >     <
    |      |
     |      |


           _ __ _ _
       ,.'"´       、`ヽ、
      /   i    リ ヽ 、  \
     /    .:レ′   j  i !.:.   i
      l    .:/   , /  i .::|:::.:l  |    「そうか。
     ノ    ,.ィイ.:::/  .::l.:|:|::::::|:::. ト、   やらない夫くん、君はどこかの国の騎士なのか?」
    彳  ,ィイ 1:|::,'  .:;ィイハi::::::|::.:.:.ヽ|
    |.:.:|, イ‐リ-トト、::.;ィイ仁=ト-ヾ::::.:.:.ト、
    ト、:i { r‐ェテ ヽl/ ''テェ‐ァ .:!.:ト、:;!/
      ヾ::、    ,        !/::/
       仆    :j 、      イ:/
          `、   _ _     /i,ハ
         ヽ  ー `   / .|;;;:;:|
          `ト、 ___ /   !;;:/、
           /.::::| ヽ   /   l::::.:.L


本来冒険者は、自らが渦中にない限り町中のもめ事には手を出さない事をよく知っていたエンジュは、
だからこそ町の衛兵には素早い行動を心がけさせている。


123 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:04:07 ID:3MQ1iP0I
一65.
綿密かつ漏れがない巡回計画、すぐに連絡が取り合える立ち番の配置、そして町中で起こるもめ事なら
確実に解決出来るだけの練度。
事実、彼が第一騎士団長になってから町中の犯罪率は激減、検挙率は跳ね上がっており、
今日だって知らせを受けてからものの一分で十分な人員が確保され、詰め所から出発しているのだ。



    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \     「いえいえ、各地を旅して回ってる
  |    ( ●)(●)    ただの冒険者ですよ」
 . |     (__人__)
   |     ` ⌒´ノ
 .  |         }
 .  ヽ        }
    ヽ     ノ  mm
    /    ̄ ̄ ̄ つノ
    |    | ̄ ̄ ̄



それを否定する少年の裏に何かあるのでは、と真意を探るべく表情を見据えるが、
瞳の奥底に隠れるものがあるかは分からなかった。

そうか、とやらない夫の剣を受け取った彼は衛兵に退室するように命じると、
もう一つの違和感の原因である剣をじっと見つめた。


124 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:05:07 ID:3MQ1iP0I
一66.

.         〔ll〕
        |!l|
        |!l|
        |!l|
          !Kl
     〈wl≦《》≧lw〉
        l》 《l                           / / / '         l     l       ヽ\   丶  \!
       〔l〈〉l〕                          / // /       !   |    |       \丶   \  |
       }│{                         ‐十'′/ /       l  ト、   |     \  \     ヽ、 L
       | l |     「見事な剣だ。             |l  { l  ,′   l  ハ |`、  ト、     ヽ <⌒ヽ、_   ∨厂`丶、
       | l |      これほどのものは          ヽ、ヽ|  l   l   | { l |   ヽ  、丶、 ヽ \\ l }  ̄二7′   l
       | l |      親衛騎士のアンデルセン殿でも      l  |  |   | レ七ニ二 ̄\丶  }ヘ |\ ` / 厶   ハ !   |
       | l |       持ってはいまい………」          l ト、\ ヽ\=キtぞラ  }ノ/ j/  了/ ̄   /  }∧   l |
       | l |                                 \ヽ`ヽ、 \__ ̄      /    -ヘ/レヘ /_,  l   | ト
       | l |                                  ヽ}  `7ー一′          ,′     {´ ̄`ヽ、い |
       | l |                                      /                 /        V了\   り
       | l |                                     └-- 、     ,        l       ∨   〉
       | l |                                         `ーこ ̄     ,    |     /  ハ
       | l |                                          ヽ     , く     l   /   / ヽ
       | l |                                           `一'´/ ∧   / /    /   \
       | l |                                             , ィ  //!   ' /      /       \
       l!.l.l!
          !.l.!
          ∨


これまで余裕のなかったジュンが横から見ても分かる。
華美な装飾が施されている訳でもない、どちらかというと質実剛健さを好むドワーフの名工が
打ったかのようなこの剣は人一人がそこに立っているかのような存在感を放っているのだ。



125 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:06:07 ID:3MQ1iP0I
一67.
艶めかしい程に鏡のような光沢を放つ刀身は軽量化のためか中央が肉抜きされており、
不可思議な文字列の刻印が表裏に列んでいる。
鍔元と束頭にあしらわれた二粒の宝石がきらりと輝きを放ち、思わず見入っていたジュンは、
なんだこりゃ、と呟きを漏らした。

: : : : :: : :、: : : ::::::,lll,,,,,,,,,,,,,__
: : ::_、,,、‐,l,: : : :,,ll,i,_゙゙゙llllllil,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__
,,llll,,,lll,,i´,ll,゙l,、:,illilllllli,l,: ,lliill゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゚” ̄
lllil!llil゙゜:lllllllilll,.:llllllllllllllll::llllll!llii,,l,i、
l!lilll゙ιllllllllllllllillllll!lllllllll!,lll゙!liill!llllil,i、
illll!`lll:,lllllll!゙゙l゙!!゙lllll゙!lllllll,llll,,゙!lli゙llll!llil,i、
!l】l::lll゙llllllll:: : : : : : :|llllllllllllil,,゙lli、゙゙lllll,,、   (なんだこりゃ?材質は鋼じゃないし、
il゚,ll:lll|llllllll: .: : : : :.::|'lllllllllll!lili,゙lll  ゙゙゙!l,,、   細かい傷一つないって事は、魔剣の部類?
l゙,lllllll|llllllll:.、:::x,、:、:|'llllllllll.lllllli,lli,    ゚゙=:  少なくとも今の時代のものじゃないだろ、
,,llll!,lllllllllll: : : : ゙'N,,,.,lllllilll|:l!ll!lli,li,       古代魔法文明の逸品かな?)
illlilil!llllllllll、::::::::.,,.::_ll!,l゙'llli,"ll` .'!li,,
llilllll:゙llllllllll、、:、:ハ::゙i!゙,l`|lli"ll
lllllll:_,゙llllllll〆":'│::.゙.:`、.=,「
!|llll'`::'!llll゙li、丶'|,!::::::::::::::i!l゙,!
::)ll′: :゙!ll゙゙l: : ::|:.: : : : :`|::l、
、'l、:: : :゙!!::`::、U,、,:、..,i,|、゙i,、
、::`::: 丶丶丶:::゙!i{h,、_,シ`::::::.|
: : : : : : : : : : : : : : : : `: : : : :l゙
: : :`: : : ::`: : : : : : : : : : : : :/
: : : : : : : : : : : : : : : : :: : :: ,″
: : : : : : : : : : : : : : : : : △:′
、、: : : ::::::::`:::::::::::::::::: ,,-`
: `"'ヽ,,: : : : : : :`:_,,r,i´
: : : : : :゙・: : : ::‐'''~`


神々の武具が地上に残されたとされる聖遺物は、その神と契約する司祭職の者にしか扱うことは出来ないはず、
とあれこれと考えていたら、不意にやらない夫に向き直った父が深々と頭を下げる。


126 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:07:08 ID:3MQ1iP0I
一68.

                            ___
             _ -―――――-< ̄} }!
            ´      -――7  く.7./-、
        ,  ´      ̄  ,. -―/   Y´ \\
       /     ,   ,  イ   /        ヽ.` 、_.ノ
     /     ,/  /  ,/    {   {       \ ̄
     /    /        ,ノ    }  ハ  }     、ヽ.
     |!     /     _./ ,ィ / /   }  !      ヽ.}ヽ、  「遅れたが、私はエンジュ=サクラダ、
     |   /     `才  /:/ ,    / /    ヽ.  ヽ. }   その未熟者の父だ。
      {   /  、 .___./ / / ,. __/ ハ  ハ   }! i {
.     Y /   ` .ナー-r七´ //7 :/二.!_/}! }  ハ ハ!    父して礼を言う、
     | / , -― 〈 /  {!  ,イ | / ´tテ::ナ}ノ ./ / リ ノ    息子を助けてくれて感謝する」
   ,イ⌒Y´ ̄ ̄  ハヽ (ヽ. i ヾ 、_    ̄ ノイ}/
  〈   人  ――- ヽゝxくヽ、        ∨
   }!  ∧_ ヽ. ,xxzrく⌒´ヽ!             /
  八 {〈   ,.イ}   `    {        ,   _ '´
    }ハリ {´ i       ヽ       /
   ノ'  }!  ヽ/        {ヽ. ___/
        _∠_____    ヽ.
     /: : : : : : : : : : : :  ̄ ̄ ̄\
     入 _ _____   _厶、
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:\


                                             / ̄ ̄\
                                          /  ヽ、_  \
                                         (●)(● )   |
                     「とんでもない。           (__人__)     |
                     大した事はしてませんよ」      (`⌒ ´     |
                                     .      {          |
                                          {         ノ
                                       mm   ヽ      ノ
                                      (⊂  ̄ ̄ ̄   ヽ
                                          ̄ ̄ ̄|    |



その時、エンジュは感づいた。
恐縮するように手を振るやらない夫が、時々は居る「見て見ぬ振りが出来ない」冒険者であると。


127 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:08:07 ID:3MQ1iP0I
一69.
そしてその様な事を続けるにはそれなりの実力が必要で、彼はそれを備えている。
決して素晴らしい剣に振り回されているだけではないとの確信と、
近い将来、大人物になるのかも知れないとの直感を感じ、納得して視線を動かした。



           _ __ _ _
       ,.'"´       、`ヽ、
      /   i    リ ヽ 、  \
     /    .:レ′   j  i !.:.   i
      l    .:/   , /  i .::|:::.:l  |    「ジュンよ、礼は言ったか?
     ノ    ,.ィイ.:::/  .::l.:|:|::::::|:::. ト、   彼が居なかったらどうなっていたか、
    彳  ,ィイ 1:|::,'  .:;ィイハi::::::|::.:.:.ヽ|   よもや分からないわけでもあるまい」
    |.:.:|, イ‐リ-トト、::.;ィイ仁=ト-ヾ::::.:.:.ト、
    ト、:i { r‐ェテ ヽl/ ''テェ‐ァ .:!.:ト、:;!/
      ヾ::、    ,        !/::/
       仆    :j 、      イ:/
          `、   _ _     /i,ハ
         ヽ  ー `   / .|;;;:;:|
          `ト、 ___ /   !;;:/、
           /.::::| ヽ   /   l::::.:.L


            /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
        _ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::\   ,
       ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::、:.:.:.:/ //  「自分の未熟を痛感したよ。
         >:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:レ:.:.:/   もっと腕を磨かなきゃ」
         /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´
        ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
          レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ
            ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
     ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|
    /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./
  //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―
 .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
../: : : : : : : : :\: : |: : V: ∨: V: 入
/: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : \//: :/ヽ



父への報告ではない。
自らに言い聞かせるような節のある言葉は、握りしめた拳同様に少し震えていた。


128 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:09:07 ID:3MQ1iP0I
一70.
何か得るものがあったか、と少しだけ目を細めたエンジュは頼りない我が息子とは対照的に、
礼節を欠かしては居ないが堂々としているやらない夫に視線を向ける。


          _ __ _ _
      ,.'"´       、`ヽ、
     /   i    リ ヽ 、  \
    /    .:レ′   j  i !.:.   i   「時にやらない夫くん。
     l    .:/   , /  i .::|:::.:l  |   今夜の宿はもう決めているのかな?」
    ノ    ,.ィイ.:::/  .::l.:|:|::::::|:::. ト、
   彳  ,ィイ 1:|::,'  .:;ィイハi::::::|::.:.:.ヽ|
   |.:.:|, イ‐リ-トト、::.;ィイ仁=ト-ヾ::::.:.:.ト、
   ト、:i { r‐ェテ ヽl/ ''テェ‐ァ .:!.:ト、:;!/
     ヾ::、    ,        !/::/
      仆    :j 、      イ:/
         `、   _ _     /i,ハ
        ヽ  ー `   / .|;;;:;:|
         `ト、 ___ /   !;;:/、
          /.::::| ヽ   /   l::::.:.L                            / ̄ ̄\
                                              /  ヽ、_  \
                                             (●)(● )   |
                                             (__人__)     |
                       「やらない夫、で構いません。      (`⌒ ´     |
                       実はまだなのです」       .      {          |
                                              {         ノ
                                           mm   ヽ      ノ
                                          (⊂  ̄ ̄ ̄   ヽ
                                              ̄ ̄ ̄|    |


                            ___
             _ -―――――-< ̄} }!
            ´      -――7  く.7./-、
        ,  ´      ̄  ,. -―/   Y´ \\
       /     ,   ,  イ   /        ヽ.` 、_.ノ  「ならば我が家へ来てくれたまえ。
     /     ,/  /  ,/    {   {       \ ̄
     /    /        ,ノ    }  ハ  }     、ヽ.     ジュンよ、良いな?
     |!     /     _./ ,ィ / /   }  !      ヽ.}ヽ、   彼を賓客として招待するのだ」
     |   /     `才  /:/ ,    / /    ヽ.  ヽ. }
      {   /  、 .___./ / / ,. __/ ハ  ハ   }! i {
.     Y /   ` .ナー-r七´ //7 :/二.!_/}! }  ハ ハ!
     | / , -― 〈 /  {!  ,イ | / ´tテ::ナ}ノ ./ / リ ノ
   ,イ⌒Y´ ̄ ̄  ハヽ (ヽ. i ヾ 、_    ̄ ノイ}/
  〈   人  ――- ヽゝxくヽ、        ∨
   }!  ∧_ ヽ. ,xxzrく⌒´ヽ!             /
  八 {〈   ,.イ}   `    {        ,   _ '´
    }ハリ {´ i       ヽ       /
   ノ'  }!  ヽ/        {ヽ. ___/
        _∠_____    ヽ.
     /: : : : : : : : : : : :  ̄ ̄ ̄\
     入 _ _____   _厶、
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:\



129 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:10:07 ID:3MQ1iP0I
一71.
思うところがあった父の申し出に、単純に歓迎のみを考えた息子は良い考えだ、と同意する。



  / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
    l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄
  ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l   「それは良いね。
  /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\|    分かったよ、父さん」
  l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV
   l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l
   l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.
       l/ 、__',               / .:.:.
           ヽ     r‐‐ッ   /.
             入        ,..イ.:.
         . '´ i.:.\> -- </
       /     |.:./\    ノ.:                            / ̄ ̄\
                                              / ヽ、_   \
                                            . ( (● )    |
                                            . (人__)      |
                      「エンジュ様、それは………」     r-ヽ         |
                                            (三) |        |
                                            > ノ       /
                                           /  / ヽ     /
                                          /  / へ>    <
                                          |___ヽ  \/  )
                                              |\   /|
                                              |  \_/ |


130 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:11:08 ID:3MQ1iP0I
一72.
                            ___
             _ -―――――-< ̄} }!
            ´      -――7  く.7./-、
        ,  ´      ̄  ,. -―/   Y´ \\
       /     ,   ,  イ   /        ヽ.` 、_.ノ  「息子を助けてくれた恩人に何もしないとあっては
     /     ,/  /  ,/    {   {       \ ̄     このエンジュ、世間に顔向けできぬ。
     /    /        ,ノ    }  ハ  }     、ヽ.
     |!     /     _./ ,ィ / /   }  !      ヽ.}ヽ、   どうか今夜だけでも逗留してくれまいか」
     |   /     `才  /:/ ,    / /    ヽ.  ヽ. }
      {   /  、 .___./ / / ,. __/ ハ  ハ   }! i {
.     Y /   ` .ナー-r七´ //7 :/二.!_/}! }  ハ ハ!
     | / , -― 〈 /  {!  ,イ | / ´tテ::ナ}ノ ./ / リ ノ
   ,イ⌒Y´ ̄ ̄  ハヽ (ヽ. i ヾ 、_    ̄ ノイ}/
  〈   人  ――- ヽゝxくヽ、        ∨
   }!  ∧_ ヽ. ,xxzrく⌒´ヽ!             /
  八 {〈   ,.イ}   `    {        ,   _ '´
    }ハリ {´ i       ヽ       /
   ノ'  }!  ヽ/        {ヽ. ___/
        _∠_____    ヽ.
     /: : : : : : : : : : : :  ̄ ̄ ̄\
     入 _ _____   _厶、
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:\



いきなりな話ではあったが、ここのところ野宿続きであったし今夜の宿が決まっていないのも事実である。
よく分からないが貴族の面子と言うのもあるのだろう、と納得したやらない夫は結局、招待を受ける事にした。



     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)      「……………。
.   |     (__人__)       お言葉に甘えさせていただきます」
    |     ` ⌒´ノ
   .l^l^ln      }
.   ヽ   L     }
    ゝ  ノ   ノ
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ



131 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:12:07 ID:3MQ1iP0I
一73.


          _ __ _ _
      ,.'"´       、`ヽ、
     /   i    リ ヽ 、  \
    /    .:レ′   j  i !.:.   i    「ではこの剣を返そう。
     l    .:/   , /  i .::|:::.:l  |
    ノ    ,.ィイ.:::/  .::l.:|:|::::::|:::. ト、   ジュンの剣は………」
   彳  ,ィイ 1:|::,'  .:;ィイハi::::::|::.:.:.ヽ|
   |.:.:|, イ‐リ-トト、::.;ィイ仁=ト-ヾ::::.:.:.ト、
   ト、:i { r‐ェテ ヽl/ ''テェ‐ァ .:!.:ト、:;!/
     ヾ::、    ,        !/::/
      仆    :j 、      イ:/
         `、   _ _     /i,ハ
        ヽ  ー `   / .|;;;:;:|
         `ト、 ___ /   !;;:/、
          /.::::| ヽ   /   l::::.:.L



そこで机の上に置かれていた、ぽっきりと二つに折れたレイピアに視線が集まる。



                                         /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
                                     _ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::\   ,
                                    ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::、:.:.:.:/ //
                                      >:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:レ:.:.:/
                                      /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´
                   「……………」         ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
                                       レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ
                                         ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
                                  ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|
                                 /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./
                               //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―
                              .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
                             ../: : : : : : : : :\: : |: : V: ∨: V: 入
                             /: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : \//: :/ヽ


騎士を目指す者として、大切な剣を失った悔しさは言葉にすら出来るものではない。
消耗品であれど、父から貰ったレイピアは決してジュンの小遣いで買える代物ではなかったのだ。


132 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:13:07 ID:3MQ1iP0I
一74.
俯くジュンとレイピアとを見比べ、エンジュは少しだけ表情を和らげると懐から取り出した財布を息子に握らせた。



                            ___
             _ -―――――-< ̄} }!
            ´      -――7  く.7./-、
        ,  ´      ̄  ,. -―/   Y´ \\
       /     ,   ,  イ   /        ヽ.` 、_.ノ
     /     ,/  /  ,/    {   {       \ ̄
     /    /        ,ノ    }  ハ  }     、ヽ.   「良い機会であるから、
     |!     /     _./ ,ィ / /   }  !      ヽ.}ヽ、   新しい剣を買ってきなさい。
     |   /     `才  /:/ ,    / /    ヽ.  ヽ. }
      {   /  、 .___./ / / ,. __/ ハ  ハ   }! i {   もうすぐ募集もある、必要だろう」
.     Y /   ` .ナー-r七´ //7 :/二.!_/}! }  ハ ハ!
     | / , -― 〈 /  {!  ,イ | / ´tテ::ナ}ノ ./ / リ ノ
   ,イ⌒Y´ ̄ ̄  ハヽ (ヽ. i ヾ 、_    ̄ ノイ}/
  〈   人  ――- ヽゝxくヽ、        ∨
   }!  ∧_ ヽ. ,xxzrく⌒´ヽ!             /
  八 {〈   ,.イ}   `    {        ,   _ '´
    }ハリ {´ i       ヽ       /
   ノ'  }!  ヽ/        {ヽ. ___/
        _∠_____    ヽ.
     /: : : : : : : : : : : :  ̄ ̄ ̄\
     入 _ _____   _厶、
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:\


                        i: : : : : : : :',    \: : : : : : : : ヾ: :\'´\:\\,ヘ: \: : :r-、\: : : \
                       . ,':ハ: : : : : : :',     \\: :\: : :\: :\r''ィ==..、 ̄ヾ\:ヽ `i: \: l ̄
                       /:/ l: : : : : : : :',   __ \\: :ヽ>、:ゝ/ llっ::::芯}  ll iー`.|:\::\
        「は、はいっ!!」    :/ .|: ハ: : : : : ::',ィ''´  _ミヽ \:ヽ  メ  ゞミ=歹  .ll l } l: /:>- '
                         .|::i .',: : : : : : ',   ィ彳=ミ ヽイ  ̄ ヾ    ̄    ノ |  ./i: l\i
                          |:| ',: : : : : トゝ/ {il::::::と、  ',      \___/  |、_/:/:/>ゝ
                          |:|  ',: :ハ: : :ト、  ヘミ=夕   i             il: : /:/
                          |i   ',;i ヾ: i ヘ    ̄   /  `    _        ∧从/
                          i    ';  从\__ _ィ'´    _ ィ''´ /.       / i/    ,- ─ '
                                 `,_ \        `-          /  ト- - -/
                                   ̄ ヽ.>、             /   ヽr=''´ ̄
                                      ',ハ>-  _       /     /
                                        ヽ:ハ  ヽ`  ー        /     / ̄
                                         r=-、 >、  _ _ ,,    ./    /  ̄
                                     __/    _ヽ_       ./   /   _
                                  /             \   /      / ..ー
                                 /                   \''´     ィ ' ´


叱責ではなく、先のことを見据えた父の指示で気に病んでいた表情も一変、
やっと本物の剣を持てる期待に思わず大きな声が出る。

133 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:14:08 ID:3MQ1iP0I
一75.

          _ __ _ _
      ,.'"´       、`ヽ、
     /   i    リ ヽ 、  \
    /    .:レ′   j  i !.:.   i   「では行きなさい。
     l    .:/   , /  i .::|:::.:l  |   私はいつもの時間に帰宅する」
    ノ    ,.ィイ.:::/  .::l.:|:|::::::|:::. ト、
   彳  ,ィイ 1:|::,'  .:;ィイハi::::::|::.:.:.ヽ|
   |.:.:|, イ‐リ-トト、::.;ィイ仁=ト-ヾ::::.:.:.ト、
   ト、:i { r‐ェテ ヽl/ ''テェ‐ァ .:!.:ト、:;!/
     ヾ::、    ,        !/::/
      仆    :j 、      イ:/
         `、   _ _     /i,ハ
        ヽ  ー `   / .|;;;:;:|
         `ト、 ___ /   !;;:/、
          /.::::| ヽ   /   l::::.:.L



                         ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
                       /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
                      ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
                         /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
                       ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧
                       |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧
             「はいっ!」  イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
                      /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
                       !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
                      .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
                      .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
                       レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
                             i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
                              、             r彡;〃´
                              ヽ   ヾニフ       ノレ'´
                               \          ´ ,L. -‐ 、_
                                 ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
                                  ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
                                _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
                              rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"



                                   / ̄ ̄\
                                /  ヽ、_  \
                               (●)(● )   |
                               (__人__)     |
            「それでは失礼します」      (`⌒ ´     |
                           .     {           |
                                {        ノ
                                 ヽ     ノ
                                 ノ     ヽ
                                  /      |


134 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:15:07 ID:3MQ1iP0I
一76.
退室を促す言葉に、見よう見まねで敬礼した息子と頭を下げたやらない夫が部屋を出て十秒。
静まりかえった室内にふうっと大きなため息を響かせたエンジュは、普段ジュンには決して見せない
柔和な顔で独り言ちた。



    / / / '         l     l       ヽ\   丶  \!
   / // /       !   |    |       \丶   \  |
  ‐十'′/ /       l  ト、   |     \  \     ヽ、 L
   |l  { l  ,′   l  ハ |`、  ト、     ヽ <⌒ヽ、_   ∨厂`丶、  「まったく、世話のかかる息子だよ………」
   ヽ、ヽ|  l   l   | { l |   ヽ  、丶、 ヽ \\ l }  ̄二7′   l
       l  |  |   | レ七ニ二 ̄\丶  }ヘ |\ ` / 厶   ハ !   |
        l ト、\ ヽ\=キtぞラ  }ノ/ j/  了/ ̄   /  }∧   l |
         \ヽ`ヽ、 \__ ̄      /    -ヘ/レヘ /_,  l   | ト
          ヽ}  `7ー一′          ,′     {´ ̄`ヽ、い |
              /                 /        V了\   り
             └-- 、     ,        l       ∨   〉
                 `ーこ ̄     ,    |     /  ハ
                  ヽ     , く     l   /   / ヽ
                   `一'´/ ∧   / /    /   \
                     , ィ  //!   ' /      /       \



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135 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:16:07 ID:3MQ1iP0I
一77.
━━━━━━━━━━━……
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結局、二時間ほどで釈放された二人は日の傾いた町に出ていた。



      ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
    /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
   ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
      /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
    ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧   「ところでやらない夫。
    |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧   君はどこで剣を習ったんだ?
   イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
   /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
    !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
   .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
   .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
    レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
          i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
           、             r彡;〃´
           ヽ   ヾニフ       ノレ'´
            \          ´ ,L. -‐ 、_
              ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
               ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
             _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
           rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"


                                                   / ̄ ̄\
                                                  / ヽ、_   \
                                                . ( (● )    |
                                                . (人__)      |
                       「小さな頃から親父にみっちりと。     r-ヽ         |
                        あとは必要にかられて、かな」      (三) |        |
                                                > ノ       /
                                               /  / ヽ     /
                                              /  / へ>    <
                                              |___ヽ  \/  )
                                                  |\   /|
                                                  |  \_/ |

事も無げに言ったやらない夫だが、冒険者は自らの腕一本に直接命がぶら下がっている。
未熟な冒険者には死、あるのみと言うことはジュンも分かっていた。

136 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:17:07 ID:3MQ1iP0I
一78.
たった一人でその世界を生きている彼である、それなりの腕はあるに違いない。
大体、一瞬で三人を無力化する事などエンジュにだって難しいのではないか。



  / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
    l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄
  ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l
  /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\| 「よかったら、他の国の話を聞かせてくれないか?
  l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV   僕は恥ずかしながら、ローゼンから出たことがないから」
   l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l
   l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.
       l/ 、__',               / .:.:.
           ヽ     r‐‐ッ   /.
             入        ,..イ.:.
         . '´ i.:.\> -- </
       /     |.:./\    ノ.:



彼がどんな冒険をしてきたのかを聞けば、自分も少しは強くなれるかも知れない。
勝手な期待に目を輝かせるジュンに頷いて空を見上げたやらない夫は、
武器屋までの道すがら、この間まで旅をしていた東方の話をする事にした。



   / ̄ ̄\
  / _ノ  ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) |   「そうだなぁ。
. |  (__人__)  │   半年ほど前の事だが………」
  |   `⌒ ´   |
.  |           |
.  ヽ       /
   ヽ      /
   >     <
   |      |
    |      |
     o
      O
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


137 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:18:13 ID:3MQ1iP0I
一79.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   この大陸でも珍しい、独特の文化圏である東方を俺は旅していた―――

┗──────────────────────────────────────────────┛
                                          東方異聞録 ―やらない夫と賢者の石―

            i_,.i!/=ニ―'''´~~`'''-、
               /  "'''-.. ̄ ̄  `ヽ、
           / _,..-=ニ´"'-ミ、-=,,,,,、-''''´                         / ̄ ̄\
           〉=‐´‐-'´ :::::::::"'- 、 >  ヽ.                         /  \    \
            <i :::::::::::,、: :ヽ、:::::::、 :: `' =、ニ                        .(●)(● )   . |
         ,.r'´| :::::::::::|、ヽ ヽヽ、',:::::::::::',''ヽ ‐-                       (__人__)      |
       / :::: i!、:::::::::::| 〉<>―、i!、:::::::::i :: ヽ                       .(`⌒ ´     |
.         ,':::::::i ::i!ヽ、 ::|'.,-i!' ):::::i| ',:::::::,'.:::::::::',、                       {         |
       i,:::::::::i、i'´__ヽ、|.i. ヽ __,..ノ |',: / :::::::::::',ヽ                      {       . /
       i>、 ::|',.i´i ヽ ` ` '´   |.∨ ::::::::::: ヽヽ、                      \   彡三ミミ
      / ヽ | ヽヽソ,        i:::::::::i :::::::::::::ヽ ヽ、                    `しノ彡彡ゞ""~  ̄`゙ー、
          ` .|i!.  、=‐ ヽ  /ッ :::: | ::::::::::::: ヾ、 ヽ                  rー¬ ̄  _____   \
           i ヽ、 ヽ   ノ   ,':::::::.i、 :::: ', :::: ヽヽ                   if   ー、f´r─‐亠―┐`!  ヽ
             i,i.:::::::i!''i- ...,, -'7:::::::::',ヽ:::::::i! ::::: ヽヽ                    j     ゝj 亠 |冖亅| |f  ', ヽ
          ノ i:::::::::i | ,-ソ.)i _,.i:::::::::::i', "'iッi、:::::::::ヽ',               ヤ'ヽ j  l  i   ヘ/|\|口亅| | i  ',   ' 、
           ノ :: ;r=ン=ソン ,,.',::::::::::',ヽァ'  `ヽ::::::::ヽ              ヤ i j   l  i    \(_|`). | | i  ',   `ー、
           ,./-''ァ'i!ン'__,,.. ァ三=ヽ、 :: ',ヽ、   l::::::::::iヽ              ヤ ij  l  i      \一,| |  i ',', ,'    ヽ
.         ,r'´  .,.i'´ λ、==''     `ヽ. .!    i!:::::::.i! ::',              ヤj   l  i       ヽ,| |  i,' ,'     /
         /   //:i'''iヽ ヽヽ.       i!ノ      .',: :/' :::: ',              ヤjj  ヽ ヽ       /j-┘  i  ',    /j
.         ',. ,r'/ ,'. l. |   'i. i'       ノ',..、--   ,i// ::: i ::',            l.l.i;;;;ヽ  `ー、     / j  i   i ,',   / ノ
.          >' .i   /´i   λi    .ノ=ソノヾヽ,.-'ン ノ :::: ,'i ::i!             i.i.iゝ;;;;;ヽ   ヽ   / /  i    ヽ,' ', //
      , -'ァi/ヘ  /_,,..',  ,'''ヽ' ‐-'''´   ヽヽ>ヽン´:::::::::,' i! :l             i.i メヽ;;;;;ヽ   ヽ / f   i     ゝノ
   , -'" ./ ' |..', /    ', ,'..-‐‐、.__  ヾ、 i.リ iリ,. ::::::::: / .lリ             ソ / `、ヽ;;;;ヽ   ヘノ   ii        ',
.      ,':::::::7iヾi‐--‐''∨      ヽ iヽ',.i レ''´::i::::::::::/  .i!              j/  ./ ヽ;;;;;;ヽ      〃        〉
      l :: / .i :: 'i,  -ッ'―  '''''''''´ ,iリ ,i i.',i :: i!/i ::: /   ノ                 〈 ヾ ./   ヽ;;;;;ヽ   〃          /
       l /   | :::: ヽ ┌────────────────────────────────┐ ̄`ー― ´ ̄
      ソ   i! ::_,../i│   ???「私が人に戻るには、どうしても賢者の石が必要なのです!」    .│
        _,. -'''´  /i│やらない夫「賢者の石、か」                             ....│
    , -''´      ,'::i└────────────────────────────────┘
  ,-'´       /::::i!          /      .i ヽ                       ヘ       j j


※公開予定はありません


139 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:19:19 ID:3MQ1iP0I

一80.
━━━━━━━━━━━……
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小一時間ほど歩いた町の大通りに目的の武具屋はあった。
普通の店舗の三倍は大きい建物の裏からは鎚の音がひっきりなしに響いてくる、
どうやら生産直販売の店のようだ。



     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ●)(●  「ずいぶん大きい店だな。
   |      (__人__)  品数も多いし質も高そうだ」
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
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                                /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
                               ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
                                  /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
                                ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧
                                |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧
                               イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
                               /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
「ここはカーディナルで一番大きい武具屋さ。     !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
 防具もたくさんあるし、魔法の武具もあるよ」   .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
                               .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
                                レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
                                      i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
                                       、             r彡;〃´
                                       ヽ   ヾニフ       ノレ'´
                                        \          ´ ,L. -‐ 、_
                                          ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
                                           ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
                                         _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
                                       rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"


140 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:20:07 ID:3MQ1iP0I
一81.
―――魔法の武具、と言ってもこの町の鍛冶屋や、魔法使いの多く集まる魔法学院で作成しているわけではない。
現在の技術で魔法の武具を作るのは大変な費用と労力が必要であり、殆ど行われていないのだ。



                  r‐-.、
                   _゙i   \___く ̄ ̄`¨゙ ‐ .r─────────────────────---,
  「 ̄`!┬┬┬┬┬┬┬;'´!`! !, ヘヽ  /   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄          ________  ━━━━   /
  └─'‐┴┴┴┴┴┴┴'、.! ,_入..乂√7    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_______________,./
                  ノ   /' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 ノ /
                 |/
                               ┌──────────────┐
                               │魔法のツヴァイハンダー    ......│
                               │  材質:ミスリル銀         │
                               │  付加:硬質化、軽量化     │
                               │  金貨(※):四千五百枚   ....│
                               └──────────────┘


┌────────────┐
│※この世界の通貨     ....│
│銅貨100枚=銀貨1枚   .....│
│銀貨100枚=金貨1枚   .....│
│金貨100枚=白金貨1枚    │
└────────────┘


141 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:21:07 ID:3MQ1iP0I
一82.
では、誰がいつ作ったものなのか。
実は現在流通している殆どは、一千二百年ほど前まで人間の世界を支配していた古代魔法文明期に
制作されたものばかりである。




           (  ヽ                   , ⌒ヽ , ⌒ヽ
     , ⌒ヽ  (     ヽ   _,=''''''^~~~~~~~~~^''''=,,,,(    (    '
    (    ' (      ,-='''~ -=^~~~^-^~~~^==- '=,,,    ゝ    `ヽ
    ゝ    `ヽ    <~ -==^~~~^ =^~~^=-=^~~^'=-~'=,  (        )
   (             ヽ'^' __,,,,,,i~~~l===|~~i==|~~|_,,,,,..ノ (          ヽ
  (    (⌒        ヽi~ |  |__レ、l--l--レ.;---i i-、 (           )
 (              r'^~~~~l l   | :| ∩ ∩|,-=,__,-,_| |~i^i,,           ヽ
  (        `)   l^^|,,,,--==.i~~l~~~~~~~~~~|   i l .|~^''''l~^i,,,,           ヽ
   ,ゝ          /i~~i' l ∩∩l .l ∩ ∩  l  |__| .| .∩| .| l-,
  (    '   ,,,,,='~| | |' |,,=i~~i==========|~~|^^|~ ~'i----i==i,, | 'i
 (    (    | l ,==,-'''^^  l  |. ∩. ∩. ∩. |  |∩|   |∩∩|  |~~^i~'i、
(        ,=i^~~.|  |.∩.∩ |,...,|__|,,|__|,,|__|,,|__|,....,||,,|.|,.....,||,|_|,|.|,....,|   | |~i
 (      l~| .|  | ,,,---== ヽノ    i    ヽノ~~~ ヽノ   ~ ソ^=-.i,,,,|,,,|
  ,ゝ    .|..l i,-=''~~--,,,  \  \  l   /   /    /  __,-=^~
 (     |,-''~ -,,,_  ~-,,.  \ .\ | ./   /  _,,,-~   /     ヽ
, ⌒ヽ    ~^''=、_ _ ^'- i=''''''^~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^''''''''=i -'^~ (      ヽ
     ヽ        ~^^''ヽ ヽ  i   |   l  i  /  /  ノ   (         )
   , ⌒ヽ          ヽ  、 l  |  l  l / ./  /   (         (
     , ⌒ヽ⌒ヽ        \_ 、i ヽ  i  /   ,,=='   (           ヽ
          , ⌒ヽ      ''==,,,,___,,,=='~      ,ゝ           ヽ




142 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:22:07 ID:3MQ1iP0I
一83.
魔法の武具はその年月を経ても輝きを失わず、一般の物より数段高性能である。
武器を持って戦う者達が必ず、いつかは手にしてみたいと憧れる程のもので、
高額で取引されるために古代遺跡などから発掘される武具を売って生計を立てる冒険者や
トレジャーハンターも少なくない―――




           _ ,,               _,.―'~ ̄|
        _,...- '"  \     __  ,.. ,../   _// \
      /       \  /   \/\\__,../ ~|  |
    /\  _,.. -へ   \| ,..,__,.-、|  |/    / ___|
 ⊂二⌒\ゝ-'    \   /|| (・・) |_|ヽ |    ⊂ ⌒ ヽ
 ⊂二   ,⊃       ヽ / (| ._,|) ヽ|    (|_,.._ ノ
   //l l⌒          | > | | /  / | < |       ~
   U U          | ヽ|ヽ\_ノ/;;;| / |
            Γ ̄\| |;;;;∨〇;;;;;;|/ ヽ
            |    | \;;;;;∧;;;;;;;;|  \ , ヘ、
     ,.  、    _ |  / ∧ /;;;;| L__;;\  ∨;;;;;;;ζ      ,,
    /::`´::\ ,../::|  |  ' ∨;;;;;ヾ   ̄入/;;;;;;;;;;;/_,..,∧  ,./(__
   ├──┤_::::|   `  /|;;;;;;;;;;`ー-´;;;;;;;;γ;;;;;;/ / '\(:::::::::::::::::::::::ヽ
  _,.∠--―´,...>:::::: \_,/ ξ__,.-/;;;;;;;;;/;;;;;;/ /   /ゝ:::::::____:ノ|
∠_,..--σ-|β\:::\     丿;;;;;;;;;;ヾ(;;_;;;/;;;;;;;;|/ _  //||―' σ丿::丿
  (::ヽ|   /フ \:::\    /;;;;;;;;;;;,./|_,./ /;;;_ノ/;;| // _l、_ゝ/:::/
  /:::ノ二 ノΟ    \:::\_/;;;;;;;;;;;;/   / /;;;/ι/;;;;;;;| //  //- ' ∪'
 /幺夊彳 | \  \_::::/;;;;;;;;;;/-   (.,_(;;/;;;;;;/;;;;;;;ノ//\/∠/ ̄)|
 |::::幺彳\ \=\_ |:::::|;;;;;;;;;;/ /  〆\ '|/;;;/ |/_//    /|        /|
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 |::::::(   \:\   \ノ:::::|;;;;;;;;;;|/;;;;;|;;;;(  //二二匚|   _/  / |     //
 ヽ:::::\   |::::|─--'::::::::|;;;;;;/;;;;;;/|;;;;;;| /く/ / /  _/ _,..., / ζ   //
  |:::::::::::\_ \::|:::::::::::::,.-|;;;;;;;;;;;;;;人 ノ;;;ノ/   \/_/  //  )┬ '  //
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  \|    ) |:::|:::::::::::|(    \__,.人/    |___/_,//  ,.丿|//
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            \::::::::\                `~´


143 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:23:07 ID:3MQ1iP0I
一84.
┌────────┐
│  剣売り場     .│
└────────┘
                                         _                     ∧
                                          | |                    ∧∧
                                          | |                   ∧XX',
           ,.':⌒:ヽ                             | |                   /XXXx',
            い...::;;;ノ\                      ____| |___               l XXXX',
         \ー:'::M:::\                    |______|     .           lXXXXX,
              \;;::::I::::::\                     | ̄~| ̄~|                 lXXXXX,'
              \;;:::Z::::\                    |   :|   |                 !XXXXx,'
   .             \;;::U:::\                  |   :|   |                .,'XXXX','
                  \;;:N:::\                 |   :|   |                ,'XXXX','
                      \;;O::\                |   :|   |                ,'XXXX','
                     \;;::::\              |   :|   |               ,'XXXX','
                        \;;:::\             |   :|   |              /.XXXX','
                            \;;::\           |   :|   |             ./XX XX','
                           \;;:\          |   :|   |            _/XX/iX','
                              \;:\        |   :|   |            ヽX/  |X,
                              \;:ヽ-ャ     |   :|   |       .      i ( '''',;) X'i
                                )_.ノ      |   :|   |             !::::;,-´\ !
                                      |   :|   |       .       ,|;;;;;;i'´ ̄´
                                      | / /            /;;;;;'/
                                      |  /            ,,/;;;;;;/
                                      |/             ! \_,ソ
                                                     ` 、/


144 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:24:07 ID:3MQ1iP0I
一85.
: : : : :: : :、: : : ::::::,lll,,,,,,,,,,,,,__
: : ::_、,,、‐,l,: : : :,,ll,i,_゙゙゙llllllil,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__
,,llll,,,lll,,i´,ll,゙l,、:,illilllllli,l,: ,lliill゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゚” ̄
lllil!llil゙゜:lllllllilll,.:llllllllllllllll::llllll!llii,,l,i、
l!lilll゙ιllllllllllllllillllll!lllllllll!,lll゙!liill!llllil,i、
illll!`lll:,lllllll!゙゙l゙!!゙lllll゙!lllllll,llll,,゙!lli゙llll!llil,i、
!l】l::lll゙llllllll:: : : : : : :|llllllllllllil,,゙lli、゙゙lllll,,、
il゚,ll:lll|llllllll: .: : : : :.::|'lllllllllll!lili,゙lll  ゙゙゙!l,,、
l゙,lllllll|llllllll:.、:::x,、:、:|'llllllllll.lllllli,lli,    ゚゙=:   「色々あるけど………
,,llll!,lllllllllll: : : : ゙'N,,,.,lllllilll|:l!ll!lli,li,        どうしよう?」
illlilil!llllllllll、::::::::.,,.::_ll!,l゙'llli,"ll` .'!li,,
llilllll:゙llllllllll、、:、:ハ::゙i!゙,l`|lli"ll
lllllll:_,゙llllllll〆":'│::.゙.:`、.=,「
!|llll'`::'!llll゙li、丶'|,!::::::::::::::i!l゙,!
::)ll′: :゙!ll゙゙l: : ::|:.: : : : :`|::l、
、'l、:: : :゙!!::`::、U,、,:、..,i,|、゙i,、
、::`::: 丶丶丶:::゙!i{h,、_,シ`::::::.|
: : : : : : : : : : : : : : : : `: : : : :l゙
: : :`: : : ::`: : : : : : : : : : : : :/
: : : : : : : : : : : : : : : : :: : :: ,″
: : : : : : : : : : : : : : : : : △:′
、、: : : ::::::::`:::::::::::::::::: ,,-`
: `"'ヽ,,: : : : : : :`:_,,r,i´
: : : : : :゙・: : : ::‐'''~`



品物の多さにジュンは惑わされてしまい、あれこれと頭を悩ませていた。
自由に剣を選べるのが初めじゃ無理もない、と少し笑ったやらない夫が培った経験を活かしての
助言をする事になり、売り場を移動しながら彼の希望を聞いてみる。



145 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:25:07 ID:3MQ1iP0I
一86.



             / ̄ ̄\
        rヽ  / ノ  \ \
        i !  |  (●)(●) |  「まず両手持ちか片手持ちか、
     r;r‐r/ |.  |  (__人__)  |   俺みたいにどっちも使うかを選ぶだろ」
    〈_L (`ヽ .}  |   ` ⌒´  |
    l` ( ``/ .  |        }
    ヽ   l  .  ヽ       }
     |,.   l   /⌒   ー‐  ィ ヽ



別に片手持ちの剣でも束を両手で握って振る事は出来るし、並の腕力では持ち上げるのも大変な大剣であれ、
片手で振り回せるならそれは自由だ。
主に握りに影響されるのは構えや戦技による攻撃・防御、盾を使うかどうか、道具の使いやすさ、
マジック・ユーザーであればそのための仕草、流派、好みの問題である。


146 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:26:07 ID:3MQ1iP0I
一87.


              i::::\    r::'::´::::::::::::::::::::::/_
              ヽ:::::::\.  |::::::::::::::::>-...':::´:::::::::\
           __ ≧::::::::\i!:::::::::r、'::::::::::::::::::::::::::::::::::\
         /::::::::::::::::/\:::::::::|:::::: /:::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::::\
        /::::::::::::::::/:::::::::\::::::::/:::i:::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::...::::`:::-.._
       /_:: -─イ::/::::::::::::::i::::::\/:::::|::::::::::::::: \:::::::::::::::::::::::\___::>
       ̄,...-:':´:/::::::::::::::::|:::::::::V:/: |:::::::::::::::::::::ハ::::::\:::::::::::::::::`:-._    「僕はあまり体力も腕力もないから、
       /::::::::::: /::::::::::::::::::::::|:::::_:ィ=-.-|::::::::::::::::::::::::i:::::::::::\:::::::::::::::::::: ヘ   片手剣を片手持ちかなぁ」
        /:::::::::::::i::::::::::::::::::::::::|'´     .|:::::::::::::::::::::: :|:::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::ヘ
      /::::::::::::::::ハ:::::::::::::::、:::::|       .|:::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::\::::::::::::::::ヘ
    /:::::::::::::::::::::ハ:::::::::::::i \ヽ    .|:::::イ::::::::::: ハ:::|::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::\
   /::::::::::::::::::::::::::ハ:::::::::::|__ゞ'__ |::/ i:::::::::/_ヾト::::::::::::::::::: |::::::::i ヽ::::::ハ
. /:::::_::_:: - フ:::::::::::::::ト-三ニニ==≦ レ |::::三ニニニ=ヾ:::::::::::::|::::::: |  `ー-`-
       /::::::::::::::::::| |r::::|て芯ミヾ Y}   .|::::/ ≧ニニ=ミヾ::::::: |::::::::ハ
        /:::::;:::::::::_| | ヾ i!;;;....;;}  i }ニニニi」 {ヒイ:::::} > i l\::|::::::::::ヘ
     // /::::::/>‐ハi   ゞー' <iリ    レi l  廴../ イ //::::::ゞ:::::::::::ハ
     /  ハィ::::i -ハヾニニニニ彡   i   ミ、____.//-、::::::::ヽ ̄  ̄
         ヾ i - ヘ           ;     ̄ ̄ ̄ ̄/ハ i:::::i ̄
            ヾ、∧         _        /  ノ-''´
             ーヽ       ´  `       /-'/
               \       ..::       /-'´
            _   ` 、          /
           /: : :`: -..、  `i' 、   , ィ' ´
          /: : : : : : : : : :`: x.ノ  ` ´  |      _
   ,...-::'::´::: ̄::`::-::::_: : : : : : : : :\_     ト、   /: : : :ヽ
 r'´: : : : : : : : : : : : : : : :`:ー-: : :_: : : :`ー. 、 .>'´: : : : : : : : : :>_
 }: : : : : : :-: :、: : : : : : : : :: : : : : : : : : ̄: :ヾ: ::Ⅵ: : :: : : :_: -:'´: : : : :ハ



        / ̄ ̄\
      / _ノ  .ヽ、\
      |  (●)(●) |    「次に直剣か曲刀か細剣かだが………
.      |  (__人__) .|     初回なら直剣で決まりだろう。
       |  . '´n`'  .ノ
       .ヽ .  | |  }      このあたりから選べるんじゃないか?」
        ヽ.. ノ .ュノ
        / { ..ニj、
        |. | "ツ \
        |. | .l  |ヽ、二⌒)



147 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:27:07 ID:3MQ1iP0I
一88.


                         o
                     | |.       ||
          ||      n     _」 L     _」L_
        __||__       」L       |l|      (>O<)
        ´ | |      >》o《<      |l|       |l l|
       | |     |lXl|     |l|       |l l|
       | |     |lXl|     |l|       |l l|
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::::::::::::::::::::::::::ハ::::::::::::::/i// i:::::::::::::::::::::::::|::::::|:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::\
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:::::::::::::::::::::::::::::iヽ:ヘ      |:/   V::::::/   /イ=フi}ヾ─────'`
ヽ:::::::::::::::::::::::::| \ヽ     |i!    }::/   r''´ゞハi l:ヽ
::::\::::::::::::::::::::|   \   __ニ三イ   ||r j}i| .i lヾ}           「う~~ん………」
::::::::::\::::::::::::: |   /::::_,,,ィ彡=''´i/il_,==|.しソハ ノノ-、
:::::::::::/ \::::::::::ヾ /:- ''´>''´ -=イ`  ||r'´` ハ彡 y/: : : :\ニニミ-、
::::::::/   `ー- xゝ rィ彡''´イッ:::リ  /i   ミー=´i: : : : : : :`:-:、: : :}ソヽ
:::::/::ハ_____/ /  / ヒ:::..ソノ {.リ    }.  l-、: : : : : : : : i: ://: :ハ
 ̄ヽ──────、ハ ヾ  ゞ''´  ノノ    ./  ./: :ノ: : : : : : : : l: i l: : : ハ
i ヽ ` -ゝ      ヽヽ ミ=''´ //       /: : i: : : : : : : : : l: i l: : : : :ヽ、
{  ハ         \\__//    , ィ /: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : \
 `   廴     し   ー─''´    ir'_´'´ ./: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : /
>、_   ー                     /: : :/: : : : : : : : ::/: : : : : : : : : : :/
: : : : : >-、_ハ、               ハ/: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : :/ハ


148 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:28:08 ID:3MQ1iP0I
一89.
目移りして仕方ない彼は、色々取りだしては構えたり振ったりを繰り返している。
何度かやらない夫の背中のバスタード・ソードに視線をやったジュンは、やがて一振りの剣を選び出してきた。



                      |::ヽ/::::::〈 へ、
                      ,-┘:::::::::::::::::::::::::::`>
                    ∠::::::/::::::::::::::::〉ヽ::::::::\
                    /::〈:::|^^|:::::/\ト、ヽ::::::>
\                     /::::::ハ|_l/l/.__-ヽ|:::」    「これはどうだろう?」
\\                    . ̄7/.|__|─|__|- lj/
  \\                    ヘ.  __;__、 /
   \\                    フヽ辷フイ{ヾ
     \\                  /::::〈`l7:´::::::ヽ
      \\            ノ::::::::::::V::/:::::::::::〉
          \\            /:::::::::::7::ト/:::::::::::/
           \\         /::::::::::/:::::/::::::::://
              \\     /::::::::::/l /:::::::::/::l
            ∠二フ /:::::::::::::/ /:::::::::/::::!
              ヽ,'~つニ〉ヾ:::::::://::::::::::/::::::::j
                ゙へノ7  ヽノ<::::::::::/ヾー--¬
                 くヲ``  ヽ</^ヾフ=/{
                  _,. -ヾソ  ノ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,
           r ' ´:::::::::::::`ー‐'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::``丶
           l::::::::::::::::::::::::::::::::::_,. -─- 、_:::::::::::::::::::::::::::
              l:::::::::::::::r -- ' ´       ``'ー、:::::::::::::
           /::::::::::::::l               l::::::::::::


                ,ィ7
               /,/
            / /
              / /
.             / /
            / /      「どれ。
           / ̄ ̄\
          /\  /  \   ………なかなかいいブロード・ソードじゃないか。
.         | (●)(●)  │  重さはどうなんだ?」
.         /| (__人__)   .|
        / ,| ` ⌒´     |
.    ィ´ /''ヽ      ノ
   (⌒) イi一‐ヽ、   /
    7 .K.`ー--→―― )
    ヽ/ ヾ--‐―‐  /
.       /      /
      /      /



自分にはやや重かった剣を軽々と振り回す腕力、隙のない構え。
どれほどの鍛錬を積めばこうなれるのだろう、と思わず考え込んだジュンに、
やらない夫はもう一度重さはどうなんだ、と聞いた。

149 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:29:07 ID:3MQ1iP0I
一90.


             >'´ /   ∧    |    i| ヽ.      \
           /   /     /::::ヽ _,斗:.:.:.: :   |   !  :...   \
            〉       ::ー‐^´¨ |:.: : !:.:.. ト、  |   :.:.:... : :..`ー-、
              |   |  il  ::|       ! ::∧:. :.  ,=‐i   :.:.:.:.:...:.:.:..:.:./
             / .:.:.:.:|  i|   ::|       | / ,ィ|,.イ´__ ∧  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/    「あ、ああ。
         / :::/イl|  l|  ::|=、>ー=、 i′|:rレ弍¨ヽ ト :.:.:.:.:.:.:.:.:./      今まで使ってたレイピアに比べれば
        ./::/  /   |  |´戈¨T |ト==、|| 弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:\      そりゃ重いけど、
        レ'゜   / /  iヾヽ! 辷_ソ」|   ヽ=====' マヽ.:.:r-‐'´      それぐらい振り回せるようにならないと」
 rr‐、           レ' レ'〉 ! ヾニ=== ′〈           'ノ::;;;>
 ト' |                  ̄ヾヌ、      `       ,/‐'´
 |  |                 ̄ヽ       ー‐      /
..ノ  l'⌒!                \           _, ィ´
´ ノ^ヽ '、                  `¨ニt-  -‐' ト-┐
  /`ヽ.ヽ、          _   /´iイ      |/ ヽ―-- 、__
   ‐'´`ヽ. i、          /i  ゞ7″ | ′    /    |     `ヽ、
\   イ-'  ヽ       /  i  / ,ヘ |____,_/ |―、  |    /  ヽ.
  ヽ.  ″    l     /-‐'´ | ./// ヽト-―/ニ,ノ  \|     /   \'、



     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ●)(●    「なら良いんじゃないか。
   |      (__人__)    値段も割にあってると思う」
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /



150 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:30:07 ID:3MQ1iP0I
一91.
結局、その剣に決めたジュンは勘定台に行って購入してくると、早速腰に吊してみた。
試着室の鏡に映る自分の姿を見てから、隣で待っていたやらない夫に意見を求める。


          /|, -──---,
       〈  . :.::::.:.:.:.``く
      , ..-' .:.:.:::::::::::::::::.:.:.:. ヽ
    ∠.:/.::ハハ|:::::::::1::::.:.:.:. \
     ム:从r'''''|/N:::|.;;;!;;;;;;;「 ̄   「どう、かな?」
      l/N ̄|__r─|/ヾ|;;;;lヾ|
       `| ̄ノ└‐┘``ウ'゙
         \ ー' ,..ィ二[
          ̄r'"´,. -‐L_
         ∠二     1i
         |    `ヽ|  | ',
         |     .:j.  | ト、
         /     〈  | | |
   〈,゙i     / __ __」.  | | |
    ゙i,゙i   | |:::|   |   | 「|
     ゙i '-ー |:/  l   V! |:|
    /、<Y〈_/  /   i:! |:|
   ソ,l⌒゙i . 〉   /.:.:::.:.:. j〈.:リ
       ゙ i   / rrr─┴┴┐
         /   / |:|:|.:.:.i::::::::::::|
       |\゙i ゙i゙i :|:|.:.::{三三:|
       |.:.:.:::l.゙i ir゙i|:::::{三三:|
       ヽ.:.:.|.:.:゙i ゙i゙i ::L::::::::::|
         i.:.:.|.:.:.:.:゙i ゙i゙i:::::「 ̄
         |.:.:.|:::::::::::゙i ゙i゙i::|
        |.:.:.|:::::::::::: ゙i ゙i゙i
        |.:.:.|::::::::::::: ゙i ゙i゙i..
                ゙i ゙i゙i
                 ゙i ゙i゙i.
                  `'、.|

151 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:31:08 ID:3MQ1iP0I
一92.
        (⊃ ̄ ̄\
      (⊃   _ノ  \
     (⊃   ( ●)(●)      「見かけは立派だぜ。
      |     (__人__)       釣り合うように腕を磨くことだな」
      |     ` ⌒´ノ
        |         } \
      /ヽ       }  \
    /   ヽ、____ノ     )
   /        .   | _/
  |         / ̄ ̄(_)
   \   \ /| JJJ (
    \  /   /⊂_)



  /::::::::::::::::::::::::::::/::::\:::::|::::::ヽ:::::::::::::::::\::::::::-──
 _,,- -ィ::::::::::::::::::::/::::::::::i:::V::::::::::::>:::::::::::::::::: \:::::\
  /::::::::::::::::::::/::::::: : :|:::::V/ ̄ V:::::::::::::::::::::::\::::ヽ
 /::::::ィ:::::::::::::::{:::::::::::::::i: | ̄     V::ト:::::::::::ハヽ;;::ゞ:::ヘ
 :::/:::::::::::::::::::|::::::::::::::ハ:|        |::i \:::::::}:::::ト-;;::::ハ  「分かってるよ」
 /:::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::| リ───''  i:リ ニ彡:::iト、;ヽ \::i
 :::::::::::::::::::::::::::::|::::::: :: |_,,,-===ヽ/ _||=__メ:| ||   ヾ
 ::::::::::::::::::::::::::::ハ:::::-::|>'' ̄=.ィ-  ||=||{t..:jア ||
 ::::::::::::::::::::::::::::i>\:: |||マハ廴ソ  ..川 ハ ̄ iノノ
 :::::::::::::::::::::::r-、}''´ \||  ̄    //  ノ ` ̄ |´
 ::::/i:::::::::::::::| /ヽ    ヾ==─''´´      /
 :/ |::;;::::::::::ヽ  >        `ー -  /
   レハ:::::/i::::::≧::-:、          /
      レ'  ̄ ̄ ̄Yi      ____./ _
      _...-:::'´ ̄ ̄`:-..、    |ー- ∧ }、_
     i: : : : : : : : : : : : : : : : `::-.┴..、: /: :}: :}: : : ヽ
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : ヽ /::/: : : : ∧


言われなくても、と苦笑に近い笑みが浮かんだ。
肩をすくめて笑っているやらない夫の胸をとん、と拳で叩いたジュンは、そろそろ行こうと彼を促した。

152 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:32:07 ID:3MQ1iP0I
一93.

                           ..........................................
   ⌒Y⌒                  ...::::::::::;;;;;;;;:::::::::::::;;;;;;;;:::::::::::::::.............
        カァー         .......::::::::::::::;;;; ''''          '''''' ;;;;:::::::::::............
                  .......::::::::;;;;;''''                 '''';;;;:::::カァー:.....
         ⌒Y⌒   .........:::::::;;;'''               ⌒Y⌒  '' ;;::::::::........
           (´(;;;⌒;;;⌒ ) ;;'''     カァー      >>>       ..... ..:::::''.;;::::......
               .....:::::::;;''             (:::::∋:)    ..... ......... :::::.'';;:::::......
             .........::::::::;''     ⌒Y⌒      彡´^:::::〉   ... . ........:::::: :::::::::';::::::....
(;;⌒;;;⌒ ) ... ....::: ::::::::::::::::::::::;'            __|√_________;;:::::::::
  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.......            / ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7 ^7
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 三三三三三三三三三三三三三三三三三≧! へ || ̄ ̄| ̄ ̄||:.:.::;::.:.:.:.:.::;;|| ̄ ̄| ̄ ̄||:
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 :. .:.:.:.:. |==|==|==| .:.:.:.: : .:.: |==|==|==| .:.:.:.: :|  |:.;.:.:.:.:||__|__||:.;,:.:.:.:.:,:.:.:.:.||__|__||:
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 :. .:.:.:.:. |==|==|==| ;; .:.:.:.: : .:|==|==|==| .:.:.:.: :|  |∥:.:.【   武  具   】 :::::::.∥"゙ ̄ ̄ ̄
 √:.:.:.:.:|_|_|_| .:.:.:.Χ.:.: |_|_|_| .:.:.:.: :|  |┗───────────┛:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
 :. .:.:.:.:.  ̄ ̄ ̄ ̄:. .:.:.:.:.::..:.: ̄ ̄ ̄ ̄ .;.:.;,: :| [ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 :. .:.:.:.:. :.:.#;:. .:.:.:.:. :.;;:. .:.:.:.:. :. .:.:.:.:. :. .:.:.:.:. :. .:|  | )~( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:)~( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

二人が外に出ると、夕闇が迫っていた。
剣を選ぶのに思いの外時間が経っていたらしく、赤く染まる空の下、カーディナルは静かになり始めている。


153 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:33:07 ID:3MQ1iP0I
一94.
家に案内するよと歩き出したジュンに続き、中央の王城を囲むような、
円形の町を突っ切るように西へ向かうやらない夫達。


                          。
                     。  。     |     。  。
                      |.  |     |:|    |.  |
                   ||  ||    |.:.|    ||  ||
                     |:|. |:|   l∧l   |:|. |:|
              。     |.:.|. |.:.|   ,.傘.,   |.:.|. |.:.|      。
               |       .|∧||∧| ,傘傘傘, |∧||∧|       |
     。  。       ||.     (VVVV).傘傘傘.(VVVV)       ||      。  。
     |.  |      |:|      {∽}{∽}}}傘傘傘{{{∽}{∽}      |:|      |.  |
    . ||  ||     |:.:|    ,傘|l~~|l~~|}}个个个{{|l~~|l~~|傘,    |:.:|     ||  ||
    |:|. |:|    lvvl .,.,傘傘|∩||∩|}::::/⌒ヽ :{|∩||∩|傘傘,.,. lvvl    |:|. |:|
    .|.:.|. |.:.|.     |∩|傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘|∩|     .|.:.|. |.:.|
   |∧||∧| ,.,.,傘||"||傘傘傘|| l|| l|}:::|:   |:::{|| l|| l|傘傘傘||"||傘,.,., |∧||∧|
   (vVVVV)傘傘{∽}个个个{∽}{∽}}:|三ニ三|:{{∽}{∽}个个个{∽}傘傘 (VVVVv)        |
   山i!山i山傘傘|三|!|/⌒ヽ!|l~~|l~~|}:/个\ {|l~~|l~~|!/⌒ヽ|!|三|傘傘山i!山i山          ∧
   ||^^||^^|个l个{∽}!||:.  ||{∽}{∽}}:{ニi二iニ}:{{∽}{∽}||:.  ||!{∽}个l个||^^||^^|       /;;;;;ヽ
   || l|| l|::::::::::::|三|!|iニニニi||l~~|l~~|}::::/\::::{|l~~|l~~||iニニニi|!|三|::::::::::::|| l|| l|        | ∩ |
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   || l|| l|鬥l鬥||: ||!|鬥l鬥||| l|| l|}|鬥轟鬥|{|| l|| l||鬥l鬥|!||: ||鬥l鬥|| l|| l|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
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   |∬||∬||:.  ||§|!||:.  |||∬|∬||}|iiiiiiiiiiiiiiii|{||∬|∬|||:.  ||!|§||:.  ||∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|=:=:
   |凶||凶|iニニニi|凶|!|iニニニi||凶||凶|}|二二二|{|凶||凶||iニニニi|!|凶|iニニニi|凶||凶|:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|::[]::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


154 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:34:07 ID:3MQ1iP0I
一95.
日が落ちて完全に暗くなった頃、ようやくある豪邸の前でジュンが足を止めたので
やらない夫はここか、とその全景に視線を巡らせた。

              .|
              A
           | _γ ⌒ヽ_
           A ..l.i i:I I:i iI_________∧________
          龠./|.i_i:I I:i_il ________i龠i____/∧ ______i龠i________\
           ./ |.ロ:IロI:ロl/::.::.:::.::.::.::..:::.../ [] `::..:::.::.::.:::.::::.:::.::.:..|
          ===.|   ニニニニニニニニニニ    ニニニニニニニニニニ
            .|∩| l'⌒`l | l'⌒`l l'⌒`l |γΠヽ| l'⌒`l l'⌒`l |
            .|:! !| l.__i__i | l.__i__i l.__i__i | ゝЦノ| l.__i__i l.__i__i |
            .|  | .____ ...| ._____  _____ | .____ | ._____  _____ |
            .|「l | |__|__! | |__|__! |__|__! | |_|II|_| | |__|__! |__|__! |
            .|i_i | |__|__! | |__|__! |__|__! | |_|II|_| | |__|__! |__|__! |
            .|i_i | |__|__! | |__|__! |__|__! | |_|II|_| | |__|__! |__|__! |
            .|  | __∧_..|           |[::圀::]|           |
    :::::::     .|  | .I:I:i | l===l ;l===l | |   i | l===l ;l===l |
     :::::::    .|  | .I:I:i | |__|__|....|__|__l | |....:::::l | l__|__|....|__|__| |
      :::::::   .`:::;:;================ |ニニニニ]:==========i
       :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

            / ̄ ̄\
          _ノ  ヽ、  \
        (○)(○ )   |  「大きいなぁ。
.       (__人__)   u  .|  さすが騎士団長殿の家、ってところか」
.        ヽ`⌒ ´    |
        {       /
        lヽ、  ,ィ'.) ./
        j .}ン// ヽ
        ノ '"´  ̄〉  |
.        {     勹.. |
         ヽ 、__,,ノ . |


155 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:35:07 ID:3MQ1iP0I
一96.

                                             /|, -──---,
                                          〈  . :.::::.:.:.:.``く
                                         , ..-' .:.:.:::::::::::::::::.:.:.:. ヽ
                                       ∠.:/.::ハハ|:::::::::1::::.:.:.:. \
                                        ム:从r'''''|/N:::|.;;;!;;;;;;;「 ̄
                                         l/N ̄|__r─|/ヾ|;;;;lヾ|
                                          `| ̄ノ└‐┘``ウ'゙
                  「カーディナル貴族の中じゃ、         \ ー' ,..ィ二[
                           小さなほうさ」          ̄r'"´,. -‐L_
                                            ∠二     1i
                                            |    `ヽ|  | ',
                                            |     .:j.  | ト、
                                            /     〈  | | |
                                             / __ __」.  | | |



それでもやらない夫には広く見える庭をしばし歩き、大きな扉を開けて玄関をくぐると
一人の執事と二人のメイドが彼らを出迎えた。



         , -─-─- 、
        , ':::::::::::::::::::::::::::::::`、
      /:::::/、\、, ,/\ ::::ヽ、
     /:::::::::|        | ::::::`、
     |:::::::::|        |::::::::::|
.     |:::::::::|─-   ,-─|:::::::::|       「ジュン様、お帰りなさいませ」
      |:::::::|=ェェ-  -ェェ=|:::::::|
..      |:::::|⊂⊃'⌒⊂⊃|::::::|
       |::::|    l    |::::|
..       |::|\  ー  /|::|
.        |  lヽ _ 'l  |
,.         /\../\
        /| /Y\ |\
    __,,-'''|:::::::|レ ムムV|:::::::|`-、
  _,,-'   |:::::::::\ | | /::::::::::|  `-、
 |ヽ    |:::::::::::::::\/:::::::::::::::::|   /`、
 | l   |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|  /  、
 |  |  |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| /   `、
 |  |__|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|/    ヽ
 |    | ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|\     \
 |    | :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|  \_   \
 |    || ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|   /     /
 |    | | .............::::::::::::::::::::::::::::::::|  /     /



156 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:36:08 ID:3MQ1iP0I
一97.
彼らにただいまと答えたジュンは、会釈した隣のやらない夫に視線が集まっているので
少し胸を張って何者なのかを伝えた。


                                              ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
                                            /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
                                           ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
                                              /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
                                            ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧
                                            |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧
                                           イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
                  「彼はやらない夫。              /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
                   僕の友人で父さんの客人でもある。    !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
                   丁重にもてなして欲しい」         .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
                                           .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
                                            レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
                                                  i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
                                                   、             r彡;〃´
                                                   ヽ   ヾニフ       ノレ'´
                                                    \          ´ ,L. -‐ 、_
                                                      ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
                                                       ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
                                                     _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
                                                   rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"



157 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:37:08 ID:3MQ1iP0I
一98.
お坊ちゃまがご友人を連れてくるなんて初めてじゃないかしら、と言う言葉を寸前で飲み込んだメイドは、
それでも喜ばしい事だ、とジュンよりも背の高い少年を見上げる。
剣と鎧を装備した彼は少なくとも貴族ではなさそうだが、エンジュの客人でもあると言うからには
サクラダ家にとって賓客である事は間違いない。



       ,::/ヽ_/:::::/::::::::::::リ::::::::::::|i::::::::::::`丶、
      /:::ト.、._/::::::::/::::::::::::::::/:::::::::::::: リ::::::、:::::::::::::::ヽ、
      /::::j   j:::::::::::::::::/:::::::/:::::::::::::: /:::::::::::';::::::::、::::::::\
     ,イ:::::::〉ーイ:::::::::::::::ハ::i:::: ハ::::::::::::/::::::::,、:::::}::::::::l:::ハ.  ゛
     i::::i::::弋 }::::::::::::::i::::|:::::::|:::::::::::i::::::::: ハ::::l:::::::::i:::::i
     i::::i::::::::゙iイ:::::::::::::::|::::|:::::::|::::::::::i:::::::/  ゙v::::::::/::::::ト、    「かしこまりました。
     |:::::::::::::::|i:::::::::::::::i::ー─--::::ハ:::::ハ   }:-─:::::::/:リ     やらない夫様、こちらへどうぞ」
    ノ::::::::::::/´i :::::::::::::i: ィテ斥ミュ、ゝイ }  /ィュ、:::::::人
   /ハ:::::j::::{んl:::::::::::::: i:::{弋::':cリ     ,イ:。リ :/:!
   /:::::::::i::::::ヽ':::::::::::::::::i:::i  ` ̄`     `" |::::::::::!
  ./:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::'i:'         〉  ハ::::::::}
    イ:::::::::/::::::::: ハ:::::::::::ハ           ,イ::::::::::::ハ
    .ノ:::::イ::;ヘ::::/:::ハ::::::/:::|.、      ー  /::ハ::::::::::リ
  ////{   イ::/  ';:::::::::i > 、    /ハ::::l |::::::イ
. //////ハ   .イヽ.  ';::::::i   ./、>.イ//7 ::ノ !:::从
////////ハ、    丶、':::リ.  〈  ヽ//////ハ ノ::ツ



                                                    / ̄ ̄\
                                                  _ノ  ヽ、  \
                                                (○)(○ )   |
                                        .       (__人__)   u  .|
                       「えっ?             .        ヽ`⌒ ´    |
                       ジュン、俺はどうすれば?」         {       /
                                                lヽ、  ,ィ'.) ./
                                                j .}ン// ヽ
                                                ノ '"´  ̄〉  |
                                        .        {     勹.. |
                                                 ヽ 、__,,ノ . |


158 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:38:07 ID:3MQ1iP0I
一99.

          /|, -──---,
       〈  . :.::::.:.:.:.``く
      , ..-' .:.:.:::::::::::::::::.:.:.:. ヽ
    ∠.:/.::ハハ|:::::::::1::::.:.:.:. \  「部屋でくつろいでてくれ、
     ム:从r'''''|/N:::|.;;;!;;;;;;;「 ̄   着替えたらそっちに行くから」
      l/N ̄|__r─|/ヾ|;;;;lヾ|
       `| ̄ノ└‐┘``ウ'゙
         \ ー' ,..ィ二[
          ̄r'"´,. -‐L_
         ∠二     1i
         |    `ヽ|  | ',
         |     .:j.  | ト、
         /     〈  | | |
          / __ __」.  | | |
        | |:::|   |   | 「|                              / ̄ ̄\
                                              / ノ  \ \
                                              |  (●)(●) |
                                 .             | u.(__人__) .|
                       「わ、わかった」        r、      |   ` ⌒´  .|
                                       ,.く\\r、   ヽ      ノ
                                       \\\ヽ}   ヽ     /
                                        rヽ `   ヽ  /   ァ'´ヽ
                                         └'`{  .   \.|   /   i
                                             ヽ、._   ヽ、_,r'   .|
                                             `ヽ、   /'  |
                                                `'ー'´


159 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:39:07 ID:3MQ1iP0I
一100.
何となく落ち着かない様子のやらない夫はジュンと分かれると、案内されるままに豪華な客室へと通された。


           _,r f 几'7ゝ、
         イ>:'::::::::::::::::弋ゝ,
        イ./::::;x:::::::::::::::、::::::`ト}
        ),'::::/:::::::::::ハ::::::i::::i::::::ソ、
        {l::::i::::::l:::::i }:::::!:::|:::l::}::    「何かありましたら、
        ,イi::::::r‐-、:{ イ::ノ-‐}::j:::!::i    テーブルの上の呼び鈴でお呼びください」
      //:イ:::ヘ 斥i  ´ f孑j::|::ノ:ハ
         _ l:::リハ.   ,   ソ:::}:/- 、
        //ハ/、ハ::: ヽ、 ー ./l:::/ '//ハ
     r/////} .弋.  `ニ´  イ ∨///ハ
     |/////リ    /ハヽ    ∨///l
     j/////    .ゝ〈oゝ'    ∨//ハ
     〈////{.     / } ヽ     }////
     ヽ//人       !o     ノ///{



ああ、あれか、と確認している間にも娘は部屋から消えていた。
調子の戻らないまま広い部屋に一人きりになってしまったので、とにもかくにも装備を外してから
ソファに座ってジュンを待つことにする。



                          , ノ  、 ヽ
         .                l(● ●) l   (落ち着かん………)
         .                | (_人_)u|
         .                 ヽ     ノ!
                (,⌒ ̄ ̄ ̄        ̄ ̄ ̄,⌒)          
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/      /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄|
        |: : : : : : : : : : : : : : : : : /      /:::: : : : : : : : : : : : : : : |:::::::::::::::::|
        |: : : : : : : : : : : :-――'      /:::: : : : : : : : : : : : : : : : |::::::::::::::::::| 
        |: : : : : : : :/       ./⌒ヽ/:::::::: : : : : : : : : : : : : : : :|:::::::::::::::::::|
      / ̄ ̄ ̄ ̄./   / ̄ ̄ ./  /: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/:::::::::::::::::::|
     ./:::::::::::::::::::::::::/   /:::::::::::::/  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::|
    〈:::::::::::::::::::::::::/   /:::::::::::::/  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈::::::::::::::::::::::::::::|




160 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:40:11 ID:3MQ1iP0I
一101.
眉を上げ下げ、視線をさまよわせること十分も経っただろうか。
ノックと共に、土埃で汚れた服から着替えたジュンが部屋に入ってきて、口をとがらせているやらない夫に首を傾げた。



      ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
    /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
   ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧    「おまたせ。
      /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
    ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧   どうしたんだよ、落ち着かない様子で」
    |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧
   イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
   /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
    !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
   .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
   .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
    レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
          i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
           、             r彡;〃´
           ヽ   ヾニフ       ノレ'´
            \          ´ ,L. -‐ 、_
              ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
               ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
             _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
           rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"


                                       / ̄ ̄\
                                     /   _ノ  \
                                     |    ( ー)(ー)
                 「慣れてないんだ、         |     (__人__)
                 こういう雰囲気。           |     ` ⌒´ノ
                                     .l^l^ln      }
                 ………馬鹿にするか?」  .   ヽ   L     }
                                      ゝ  ノ   ノ
                                     /  /    \
                                    /  /       \
                                  . /  /      |ヽ、二⌒)、
                                   ヽ__ノ



161 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:41:08 ID:3MQ1iP0I
一102.

  / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
    l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄  「まさか!
  ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l     貴族とか冒険者とか関係ないだろ。
  /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\|
  l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV       それに君は僕の恩人じゃないか」
   l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l
   l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.
       l/ 、__',               / .:.:.
           ヽ     r‐‐ッ   /.
             入        ,..イ.:.
         . '´ i.:.\> -- </
       /     |.:./\    ノ.:


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)    「恩人だなんてやめてくれ、
. |     (__人__)     本当に大した事じゃないんだ。
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }     それより騎士団に何かあったのか?」
.  ヽ        }
   ヽ     ノ  mm
   /    ̄ ̄ ̄ つノ
   |    | ̄ ̄ ̄



162 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:42:07 ID:3MQ1iP0I
一103.

                                          >'´ /   ∧    |    i| ヽ.      \
                                        /   /     /::::ヽ _,斗:.:.:.: :   |   !  :...   \
                                         〉       ::ー‐^´¨ |:.: : !:.:.. ト、  |   :.:.:... : :..`ー-、
                                           |   |  il  ::|       ! ::∧:. :.  ,=‐i   :.:.:.:.:...:.:.:..:.:./
                「何を突然?」                  / .:.:.:.:|  i|   ::|       | / ,ィ|,.イ´__ ∧  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
                                      / :::/イl|  l|  ::|=、>ー=、 i′|:rレ弍¨ヽ ト :.:.:.:.:.:.:.:.:./
                                     ./::/  /   |  |´戈¨T |ト==、|| 弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
                                     レ'゜   / /  iヾヽ! 辷_ソ」|   ヽ=====' マヽ.:.:r-‐'´
                              rr‐、           レ' レ'〉 ! ヾニ=== ′〈           'ノ::;;;>
                              ト' |                  ̄ヾヌ、      `       ,/‐'´
                              |  |                 ̄ヽ       ー‐      /
                             ..ノ  l'⌒!                \           _, ィ´
                             ´ ノ^ヽ '、                  `¨ニt-  -‐' ト-┐
                               /`ヽ.ヽ、          _   /´iイ      |/ ヽ―-- 、__
                                ‐'´`ヽ. i、          /i  ゞ7″ | ′    /    |     `ヽ、
                             \   イ-'  ヽ       /  i  / ,ヘ |____,_/ |―、  |    /  ヽ.
                               ヽ.  ″    l     /-‐'´ | ./// ヽト-―/ニ,ノ  \|     /   \'、




ジュンが自分の問いに目を白黒させたので、あれ?と腕を組んだやらない夫はさらに続ける。


163 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:43:07 ID:3MQ1iP0I
一104.


      / ̄ ̄\
    /   _ノ  \
    |    ( ●)(●   「新しく騎士を募集すると言うから、
    |      (__人__)   何かあって人員が足りないのかと」
 .   |        ノ
     |      ∩ ノ ⊃
   /     ./ _ノ
   (.  \ / ./_ノ │
   \  “ /___|  |
 .    \/ ___ /
                                              ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
                                            /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
                                           ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
                                              /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
                                            ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧
                                            |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧
                                           イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
                                           /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
                                            !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
             「ああ、毎年この時期になると募集するんだ。   .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
             騎士だって定年や引退もあるし、          .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
             練度を一定に保つには人員の増減は        レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
             平均的にしなきゃならないし」                    i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
                                                   、             r彡;〃´
                                                   ヽ   ヾニフ       ノレ'´
                                                    \          ´ ,L. -‐ 、_
                                                      ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
                                                       ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
                                                     _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
                                                   rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"


164 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:44:08 ID:3MQ1iP0I
一105.
納得したジュンは父から聞かされていた事をすらすらと答え、


          > -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
          >:.-:.-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´:.:./
        r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:./::|:.:.:.:.:.:.:/
      /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| ̄`''- 、;i:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ヽ    「集まってくるのは数百人居るけどね。
       /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.|      |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_    //:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|    ………でも、必ず僕は受かってみせる。
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ、=、_,, ,/ |:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|    そして父さんの手伝いをするんだ」
  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´\-;/ ̄ V ̄ | |イ≧ミ=、/   |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
  ` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}
      /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|
      フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V
      ´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|
          ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /
           /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./
      /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
     /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´
   ノ |      }ヽ::::    /_
 ̄ ̄  .|       \   { ヽ
     .|      / ` ー='´  \



固く決意を語った。
それが自分の夢かは分からないが、立場上求められている事は百も承知なのだ。



                                            / ̄ ̄\
                                           /ノ  ヽ、_  \
                                         . (●)(● )   |
                                         . (人__)      |
                       「ちなみに試験って、      . |⌒´      |
                       どんなことをするんだ?」   .  |        /
                                         .  ヽ      /
                                            ヽ     /
                                            .>    <
                                            |     |
                                             |     |


165 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:45:07 ID:3MQ1iP0I
一106.


  / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
    l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄
  ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l     「やけに聞きたがるけど
  /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\|      興味あるのかい?」
  l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV
   l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l
   l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.
       l/ 、__',               / .:.:.
           ヽ     r‐‐ッ   /.
             入        ,..イ.:.
         . '´ i.:.\> -- </
       /     |.:./\    ノ.:



身体が沈み込まんばかりのソファにも慣れた様子で座ったジュンが尋ねると、
結局立ち上がってしまったやらない夫は肩をすくめた。



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \     「この歳で冒険者ってのも何かと辛いだろ。
 |    ( ⌒)(⌒)     どこかの町でしばらく腰を落ち着けるのも良いかなって
. |  u  (__人__)      思ってたんだ」
  |      |r┬|}
  |      | | |}
.  ヽ     `ニ}
   ヽ     ノ
   /    く
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、



苦い表情の彼の言葉は真実だろう。
まだ二十歳前の彼がたった一人で冒険者と行っても、冒険者をある程度知っている者ならまず信用しない。

166 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:46:08 ID:3MQ1iP0I
一107.
普通、多様な職業の者が数人集まって活動するのが冒険者、である。



                         ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
                       <     怪物退治に      >
                       <      行ってきます!! >
                         VVVVVVVVVVVVVVVVV

  Y  ,___ ,   ,    ヽへ_〉 /::::;:::::;::::::i:::::::::;:::::;::ヽ;::i:::|  /  /,  /| イ ,,   ',
 イ  ./ ,ィ _i、ハ  ハ-!、 i  `Y  i:::::i:::/_;:ィハ_L、_!__i:::::i::::|:::| イ  / /-‐/ i ナ_ ハ ヽ ! i
 ! 〈7イ ノル ヽ ハト!、ハ   |  !::::ハ_7(ヒ_]   ヒ_ン )Lハ|::| レ ヘ 7(ヒ_]   ヒ_ン )ト、!| |       ┌─────┐
  `iヽ,ゝ(ヒ_]   ヒ_ン )ハ  /  レY::::7"" ,___, ""ハノ:|::|  !,/7"" ,___,  ""iソ| |          │ 遊び人  ..│_
  ゝ人"  ,__,  " イ/イノ   〈:从       ,イイ::|:::|  |.从  ヽ _ン   / |/ |      ,´└─────┘_ イ
     `>.、.,,____,,.. イナリV     Y::::ノ>--r  イ:::ホ|:::|::|  レ'| i>.、,,__ _,.イ / i  |     'r ´          ヽ ン
,ヘ、∧ ,ィ'!\\__i/ト、´        |Yノ:;:イ´L二」''ヽ!ン、:|::|    レ'| | / k_7_/レヽ, ハ |    ,'==─-      -─==', i
i ヽ、/ `!:::::Y_ノ!ハ∧        }<>{ iヽ}<・>{-'}<>メi|::|     | |/i 〈|/  i ,.ヘ |  |    i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイi |
_ゝ、 i  ,ゝ-、、-.'^ | |       |:〈、__/⌒i-i⌒ヽ__,.イ|::|     |/ / i:   ヘ!  \|    レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| | i |
ラ ンハ     | l |  i i        ! `!,.イ rノ+ヽr  ヽリ':::|     kヽ<、ハ   _,.ヘ、   /、    !Y!""  ,___,   "" 「!ノ i |
>_,.ヘ/ゝ、_____山__ノノヘ       ヽ〈___ン 十  ヽ、ノンレ'     !'〈//`T´', \ `'セ'ーr'    L',   ヽ _ン    L」 ノ/
∠_r┌─────┐        ┌─────┐         レ┌─────┐     | |ヽ、      ,イ| ||イ|/
   │ 戦士  .....│        │ 武闘家   │       │ 盗賊    │     レ ル` ー--─´ルレ レ
   └─────┘        └─────┘       └─────┘



一つの職業を名乗るための技術とて一朝一夕に習得できるものではない。
その道の専門家が集まって臨機応変に様々な状況に対応していき、時には強大な怪物と戦う事だって強いられる。



222 名前なんて無いだろ常識的に考えて 10/07/29 21:47:29 ID:jAaOOfT9
この世界って魔法ない設定? >>166見てそう感じた

>>222
いえ、複数の系統の魔法が存在します。
ただ、脳筋PTが物理攻撃の効かない敵に遭遇したとき
どうなるか、と考えあのような構成になりましたw

167 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:47:07 ID:3MQ1iP0I
一108.
その怪物とて千差万別であり、相性が悪ければ傷一つつける事が出来ないまま壊滅、敗走するはめになるのだ。



         / 7                                ,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
.         / /                                ( j〉    」´ ̄ ̄``ー-、ヽ
         /`7--、.  / >                           ``ー─'"´  ̄ ̄ ̄ ̄
     ___,ヘ /)L=T/ >'′
    心ヽ\ ̄`、⊥.く    _                        ,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
  /Vく__>、」ノ /三}―〈ヽ_.-‐r、」」                      ( j〉    」´ ̄ ̄``ー-、ヽ
 「`ー-/ ト二l-- l|__/i7、l  { ト、ノ                        ``ー─'"´  ̄ ̄ ̄ ̄
 |   |  Ll /  ̄ ト-イ-| `ー'′
 レ⌒ヽ  L/ ̄ ヽl―ト-'                            ,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
 ヽk三}  | | | _| |\ \\_                          ( j〉    」´ ̄ ̄``ー-、ヽ
      _|_/ ヽ  \__/ \                         ``ー─'"´  ̄ ̄ ̄ ̄
     // \__ノ   | \__ノ
.    /7 / / /.   |   l |ト、                          _,,..,,,,_
    / ./ / /    レ--、___」                         ∩/ ,' 3 `ヽ_
  /⌒I――t、     |   }‐ヘ二>,                      ∪l   ⊃ ⌒ヽ
 ∧__ノ ', ― \    {`ー'ー‐へ____〉                        `'ー---‐''
 L____/l二二
┌──────────┐                      ┌────────────┐
│アイアンゴーレム     .│                      │パーティは全滅した……… .│
│ 物理耐性:高     ..│                      └──────────▼─┘
│ 魔法耐性:中     ..│
└──────────┘




168 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:48:08 ID:3MQ1iP0I
一109.
見た目のみで判断すればまだ駆け出しのひよっこ戦士であるやらない夫が、
たった一人で冒険者と言っても適切な仕事をそうそう紹介して貰えるわけがなかった。
たとえ収入が目的の仕事はやらない冒険者だったとしても、情報の入手や印象などの面からすれば、
彼には名声か年齢のどちらかが不足していたのである。



       / ̄ ̄\
     /       \
     |:::::       |
    . |:::        |
     |::::         |
     .|::::       __}
    /::::        \
    |:::         _)
    |::::         i
    |::::        i  |
    |::::        |  |
    \___、_____  ノ _)



それが分からなかったジュンは、冒険者の暮らしが厳しくて腰を落ち着けようとしているのだと
勘違いしてしまったが。



             >'´ /   ∧    |    i| ヽ.      \
           /   /     /::::ヽ _,斗:.:.:.: :   |   !  :...   \
            〉       ::ー‐^´¨ |:.: : !:.:.. ト、  |   :.:.:... : :..`ー-、
              |   |  il  ::|       ! ::∧:. :.  ,=‐i   :.:.:.:.:...:.:.:..:.:./
             / .:.:.:.:|  i|   ::|       | / ,ィ|,.イ´__ ∧  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/  「それで?」
         / :::/イl|  l|  ::|=、>ー=、 i′|:rレ弍¨ヽ ト :.:.:.:.:.:.:.:.:./
        ./::/  /   |  |´戈¨T |ト==、|| 弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
        レ'゜   / /  iヾヽ! 辷_ソ」|   ヽ=====' マヽ.:.:r-‐'´
 rr‐、           レ' レ'〉 ! ヾニ=== ′〈           'ノ::;;;>
 ト' |                  ̄ヾヌ、      `       ,/‐'´
 |  |                 ̄ヽ       ー‐      /
..ノ  l'⌒!                \           _, ィ´
´ ノ^ヽ '、                  `¨ニt-  -‐' ト-┐
  /`ヽ.ヽ、          _   /´iイ      |/ ヽ―-- 、__
   ‐'´`ヽ. i、          /i  ゞ7″ | ′    /    |     `ヽ、
\   イ-'  ヽ       /  i  / ,ヘ |____,_/ |―、  |    /  ヽ.
  ヽ.  ″    l     /-‐'´ | ./// ヽト-―/ニ,ノ  \|     /   \'、



169 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:49:07 ID:3MQ1iP0I
一110.

                                         / ̄ ̄\
                                       /   _ノ  \
                                       |   ( ●)(●)
                                      . |     (__人__). rm、
                  「出来るなら、              |     ` ⌒´ノr川 ||
                   俺も試験を受けてみたいだろ」 .  |         },.!  ノ'
                                      .  ヽ        r / .|
                                         ヽ     ノノ ノ
                                         /     / ./
                                         |      /
                                          |    i´



      ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
    /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
   ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
      /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧    「本当かい!?
    ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧    君が一緒なら心強い!」
    |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧
   イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
   /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
    !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
   .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
   .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
    レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
          i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
           、             r彡;〃´
           ヽ   ヾニフ       ノレ'´
            \          ´ ,L. -‐ 、_
              ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
               ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
             _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
           rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"


170 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:50:07 ID:3MQ1iP0I
一111.

                                              / ̄ ̄\
                                           /  ヽ、_  \
                                          (●)(● )   |
                                          (__人__)     |
                   「受かるかどうかは別だけどな。     (`⌒ ´     |
                    試験内容によっては           {           |
                    辞めるかもしれないし」         {        ノ
                                            ヽ     ノ
                                            ノ     ヽ
                                             /      |


: : : : :: : :、: : : ::::::,lll,,,,,,,,,,,,,__
: : ::_、,,、‐,l,: : : :,,ll,i,_゙゙゙llllllil,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__
,,llll,,,lll,,i´,ll,゙l,、:,illilllllli,l,: ,lliill゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゚” ̄
lllil!llil゙゜:lllllllilll,.:llllllllllllllll::llllll!llii,,l,i、
l!lilll゙ιllllllllllllllillllll!lllllllll!,lll゙!liill!llllil,i、
illll!`lll:,lllllll!゙゙l゙!!゙lllll゙!lllllll,llll,,゙!lli゙llll!llil,i、
!l】l::lll゙llllllll:: : : : : : :|llllllllllllil,,゙lli、゙゙lllll,,、     「筆記試験と、受験者同士の剣の試合と、
il゚,ll:lll|llllllll: .: : : : :.::|'lllllllllll!lili,゙lll  ゙゙゙!l,,、    面接だけなんだけど………」
l゙,lllllll|llllllll:.、:::x,、:、:|'llllllllll.lllllli,lli,    ゚゙=:
,,llll!,lllllllllll: : : : ゙'N,,,.,lllllilll|:l!ll!lli,li,
illlilil!llllllllll、::::::::.,,.::_ll!,l゙'llli,"ll` .'!li,,
llilllll:゙llllllllll、、:、:ハ::゙i!゙,l`|lli"ll
lllllll:_,゙llllllll〆":'│::.゙.:`、.=,「
!|llll'`::'!llll゙li、丶'|,!::::::::::::::i!l゙,!
::)ll′: :゙!ll゙゙l: : ::|:.: : : : :`|::l、
、'l、:: : :゙!!::`::、U,、,:、..,i,|、゙i,、
、::`::: 丶丶丶:::゙!i{h,、_,シ`::::::.|
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: `"'ヽ,,: : : : : : :`:_,,r,i´
: : : : : :゙・: : : ::‐'''~`



171 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:51:07 ID:3MQ1iP0I
一112.
試合と面接は少なくとも大丈夫そうだが、一般常識やある程度の座学を要求される
筆記試験についてはどうだろう、と眉を動かしたジュンが心配すると、
彼が何を考えたか察したやらない夫は首を振った。



              / ̄ ̄\
         rヽ  / ノ  \ \   「冒険者の知識、ってのも馬鹿にならないだろ。
         i !  |  (●)(●) |   学校に行けない家庭向けの教科書は一通り読んだし、
      r;r‐r/ |.  |  (__人__)  |   親父からもそれなりに教わったしな」
      〈_L (`ヽ .}  |   ` ⌒´  ノ
     l` ( ``/ .  |        }
     ヽ   l  .  ヽ       }
      |,.   l   /⌒   ー‐  ィ ヽ



                                           / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
                                             l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄
                    「じゃあ大丈夫さ。            ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l
                                           /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\|
                    なら僕と一緒に特訓しないか?    l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV
                    僕は父さんに教わってるんだ、      l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l
                    頼めば一緒に教えてくれると思う」    l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.
                                                l/ 、__',               / .:.:.
                                                    ヽ     r‐‐ッ   /.
                                                      入        ,..イ.:.
                                                  . '´ i.:.\> -- </
                                                /     |.:./\    ノ.:


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |   ( ●)(●)       「それは是非お願いしたいだろ。
. |     (__人__). rm、    正規の訓練を受けてみたかったんだ」
  |     ` ⌒´ノr川 ||
.  |         },.!  ノ'
.  ヽ        r / .|
   ヽ     ノノ ノ
   /     / ./
   |      /
    |    i´



顔見知りの彼が共に試験に臨むというのでとても心強くなり、ソファから勢いよく立ち上がったジュンは、
改めて握手を求めるのだった。

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━━━━━━━━━━━……


172 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:52:07 ID:3MQ1iP0I
一113.
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サクラダ家の夕食。
食堂の大きなテーブルを五人が囲んでいた。



 (W从~j;::: :;'')),                 ||( ゚ω゚)ノ||:                ..:::::: : :
 vW;;;;;wリ:::::リノ               ||(..'V-)::||:              ..::::::::::::: : :
 vWリl从::::::リ                ========i:            ..:::::::::::::::::::: : :
 WvリW从:リ                                 ..::::::::::::::::::::::::::: : :
 ===!|l lリノ==========================================================: :
 圓圓|l;:|圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓圓:::::
 =|\i||ii|/|=========================================================: :
  \:三:/::::                                :::::::::::::::::::::::::::::: : :
    ::::::::::''''                                     :::::::::::: : :
                                              :::::::: : :
                .____________
               /―∞    Ψ ⊂oO⊃  \
               / ―∞ ̄ ̄ ||  ◇⌒:θ:目 \
              ./ / ○ ∞.⊂⊃ \△三@\.  .\..
                 /日 _..○○_   '''***  ̄ ̄ . 日\::...
             / '''/\_/_<****>  ⊂oO⊃\:::::.....
            ./  _ __ '''''_ _:__:__ _ _ __ _ \::::::::.....
            | ̄.:  ::.  ̄:  .:  . :. . :. . :.  :.  :  :. . :. ̄|::::::::::::::.....
           /  ;::i i::.  .::;i .::i   i;::. .i;:.  i;::. i;:.  i::. .i::. i;::. .|:::::::::::::::::::::::::::::...




173 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:53:07 ID:3MQ1iP0I
一114.
一家の長であるエンジュが上座に座り、



          _ __ _ _
      ,.'"´       、`ヽ、
     /   i    リ ヽ 、  \
    /    .:レ′   j  i !.:.   i
     l    .:/   , /  i .::|:::.:l  |   「始める前にやらない夫に紹介しておこう。
    ノ    ,.ィイ.:::/  .::l.:|:|::::::|:::. ト、  長女でジュンの姉であるノリと、
   彳  ,ィイ 1:|::,'  .:;ィイハi::::::|::.:.:.ヽ|  次女で妹の雛苺だ」
   |.:.:|, イ‐リ-トト、::.;ィイ仁=ト-ヾ::::.:.:.ト、
   ト、:i { r‐ェテ ヽl/ ''テェ‐ァ .:!.:ト、:;!/
     ヾ::、    ,        !/::/
      仆    :j 、      イ:/
         `、   _ _     /i,ハ
        ヽ  ー `   / .|;;;:;:|
         `ト、 ___ /   !;;:/、
          /.::::| ヽ   /   l::::.:.L




そのすぐ隣に長女であるノリ。



    / ,ィ´-イ{ ,、 }ヽ`  ̄ヽ、 `  ヽ
   {i  ゝ、ヽ, -/ |ミⅦム   ヽ ヽ\ 小、
   ヽヽ ..{ `マ  ,’|`~´ }.| i.  }、 } } . \
    ` ̄7 , i| i   ,リi.i-┼‐i-’ヌ= _ .}  「初めまして、こんばんは。
      /, ,{  iハ、_   //’_」」、} ̄、 }/-、 ジュン君の姉のノリ=サクラダです」
      ,’,イ i|ヽ / ‐ 、_ ゝ.'´ ̄ .ノ  }〉'、ヽ
     { iハ i{ゝ、ー-ィ'¨ リ ,  `ー''´、 ,i-' i}
      ヾ ヽゝ{少 _/ `_ -,   ゝニィ 〃
         {i/{. ヽ._ ` ´   .ィ {/.、
          ヽ、{   ヽ¨ 匕   ` .V } /
         、_ノ/  }.ヒ'  .|    ,, -ヽ、
     _   ̄ { {  イ’ ̄ / 才´∠ ̄ ヽ
     {::::ー ̄ ̄≧-ゝ{ヽ /// /´



174 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:54:07 ID:3MQ1iP0I
一115.
ノリの向かいに座っていた長男であるジュンは飛ばされて、ノリの隣の雛苺。



              /  \ヽ
            /     く        ____
          _/    _  ヽ    ,  ´
          {         ヽ /二フ´
          Lュニニニニゝ 〈_/=-
         < __     ´ ニ L \ _
           / /   /  ヽ ヽ. \ ヽ.      /
          ∠ イ/ /         ', ',ヽ ー―‐く{
            /  /      | |  ヽ ヽ ヽ.___ノ    「………ヒナなの」
            N |! |     //   }  |   \\
            ヽ l l|   ィ::7!   /  |、 r 、 |ヽ ヽ
           / 代1_ ノ:::::r-/ ノ/ / / .∨ヽヽj  \
          く /./ ー .:::::::: 弋ソV イ /    \
          く/ミミ ヽ  '    ー彡 j/|       ヽ
           ゝ-ミ \` =   ゝ- 彡リ      イヽ
              \ >― ァ チニ彡  ,  < ル
             , --く{二 ス ヽ 斗ヘ、_ 彡
            /  / /、,ヽ\}} / /   \
          /   . く_/ l! VV/ /       \
         /     //  / /〉,  !           ヽ



最後にジュンの隣に居たやらない夫が自己紹介をした。



             / ̄ ̄\
           / _ノ  ⌒ \
           | ( ●) (●) |
          . |   (__人__)  |
            |   ` ⌒´  |         「こんばんは、やらない夫=D=ビップです。
          .  |         }         本日はお招きに預かり、ありがとうございます」
          .  ヽ        }
               ,、ヽ     ノ-、
             /;;;i/      '、!\
         _,、-/;;;;;;;;| i      i  i;;;;;゙、-、_
    ,-‐'''";;;;;<;;;;;;;;;;;;;!、_`ヽ  、-'_/!;;;;;;ヽ;;;;;`'';;ー;;-,
.   !;;;|;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;;;|'ーニ_ー_ニ゙/.|;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;!
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先程食堂に向かう際にジュンから聞いたが、母はすでに亡くなっており
忙しいエンジュに替わって家の事は長女のノリが取り仕切っているのだそうだ。


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エンジュが食事開始の合図を告げ、スープが運ばれてきて一秒。
ずっとジュンとやらない夫を見比べていたノリが遠慮なしに言った。


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                               ,  ´/ ⌒/  ,ヘ,      |:`7__ 〃
                             /       /ヘ | //,. - ‐、 |ト 〆l,、
                              / /  / ..,/ /、j |! /::::1  |\-ーjノ
                           /イ /:::/ .:::/1 /  '' ヽ、:::/  '   !リ「   「ジュンくーん。
                          /'l  :::/_j _:/_.j/      / /     ヽ._   一体何があったのか、
                           i !:::| ! / _ l `   _ /:.,/i::!  /  |`!  お姉さん聞かせてほしいなー?
                       f ⌒ ヽr从fr V-、 ` .     j_メ'. /:: / ! │|
                    、 _ ノ    乂 !  トtイ!  l. _ , ' ,ニ.、 /,ヽ:::! j:: ,/| |  お友達を連れてくるなんて
                    ゝ ィ   /:: :>、|ヽ. `´  ノ  f  r1ィイ /::/ /:/ j/   初めてだよね?」
                      l /::::::/!:ト::|  i    ̄   '  、 ` ′,/_/ !/  /
                      レ、:::/    ,=\  l` ァ  ーイっノf´⌒ !
                       ヽ!_ _ _ !_ /\   ´   /fT´ リ::_ ノ
                    ,.  "´| /ヽ└、_     7  ̄  ノ/:::::! トヽ._
                    _ /´      | ト  ` 、_` ー 、__ヽ___   イ::::::! ノ` ー'
               _ r/::::::...._     | !ヽ\. . . . ̄ ` ──/、 ゝ:ノ::ノ
             _j__    ̄ ̄      | |ヽヽ \__:_: _:_.,  イ ∧   ̄
            i         ./ /´ ̄ ` 、!__ O  / / /  |
          /ヽ/      .::::|/         ` 、i__ / /.  │



     >'´ /   ∧    |    i| ヽ.      \
    /   /     /::::ヽ _,斗:.:.:.: :   |   !  :...  _\
    〉      i r'   ヽ : r|:.: : .      :. :.:.:... : :..`ー-、
   |   |  il r.''''ヽ. _..-''''!/|∧r.._       :.:.:.:.:...:.:.:..:.:./
   / .:.:.:.:|  i.r'' ̄`ヽ=. <(::)>ノ  ~"'-._y  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
  / :::/イl|  li <(:)丿/ヽ.____,,..r'"    i i~ヽ.-:.:.:.:.:.:.:./
 ./::/  /   ヽ__.r'(   '';;        i r'"(:.:.:.:.:.:.:.:\
 レ'゜   / /  i「   ヽ-⌒-'        \i >>.:.:r-‐'´
     レ' レ'〉 i  _...||.-.._         .r-' 'ノ::;;;>
          i ./_.=:==-ヽ       y-.''~~ミ
            i ヽ_,,,.. r"~        i i :ミミ~
           i         .....::::::::/  i~~
            ヽ    ...........::::::::::::'   i
             ヽ-::::::::::::::::::::::::::'    :i
              丿 ::::::::::::::::'     i



176 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:56:07 ID:3MQ1iP0I
一117.
               r~v~y、
             r~7´ ̄ ̄`ヾへ
                //.:/:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.∨〉、
            / i/:./:i:|:.:.! Ⅵ:.:.:.:.!:.:Ⅵハ  (さすがお嬢様!
                i小.:ハ:リ Ⅵヘ:.:!:.:.:!j:.:.i  私達が言えない事を平然と!)
             |i!リ:! 0    0 リ:.:.:}:.:.:.!
            /从:.:!        l:.:./:ハヘ
              〈/ハ:リヽ、 △   !:./:从ヘ
              乂Ⅵ>v< |/77ハ
               ////  ムハ ' ∨/∧
                  ////{    |。   Ⅳ/∧
            ∨//ハ   |。    Ⅳ///〉
                ヽ=ゝ、__|_____/7=才



あっけらかんとした姉の言葉に、一瞬すごく嫌そうな顔をした弟。
そして壁際に控えているメイド達はその表情を見逃してはいなかった。

だがそれでも、今日の未熟を戒めるためにも家族に知っていて欲しかったジュンは、
何があったのかを全て告白した。


          > -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
          >:.-:.-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´:.:./
        r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:./::|:.:.:.:.:.:.:/
      /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| ̄`''- 、;i:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ヽ
       /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.|      |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_    //:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|   「市場からの帰りだったんだけど………」
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ、=、_,, ,/ |:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|
  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´\-;/ ̄ V ̄ | |イ≧ミ=、/   |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
  ` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}
      /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|
      フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V
      ´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|
          ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /
           /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./
      /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
     /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´
   ノ |      }ヽ::::    /_
 ̄ ̄  .|       \   { ヽ
     .|      / ` ー='´  \


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一118.
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話が終わった後。
ジュンの無事に安堵した様子のノリは、やらない夫に向けてまさしく貴族的な礼儀正しさで頭を下げた。



          /.: : : :.:.:.::l.:.:./.:ミミ、ィイ彡i.:.:.::l:.:.:.: : : : :、ヽ
       / . : : :.:.::l.:.:.l.::/ 1:lミミV/彡l.:.:.:.l.:.:.:.:.:..:. : : ヽヽ
        / : : : :.l.:.l:.:.:l.:l  |.:l´``'"´ |.:.:.:l:::::::::::::.:.:.:.: : : :',
      ,′. : : l:.:l.:.l.:.:.l.:l  |.:l       |.:.:/l.:.ト、:::::::::l.:l.:l.:.:.:!
      i.:l.:.: : : l:.:l.:.l.:.:.l:.l_|:.lノ    、_|./_.j.::! i:::::::.:l.:l.:l.:.:.:|
      |.:l: : : : |.:.l.:.K´l:「二l/     l' ̄l./`|::::::./.:l.:l.:.:.:!
      |.:l: : : : |:.:l.:.l.ィ行〒`ヽ    / ィ行〒テ.::/i.://:.:.;    「やらない夫さん、ありがとうございます。
      |:ハ. : .:l:.:ト、l/ l f:11  !ニニニ!  iト‐イ! l:/ l//:.:./     弟を助けてくれて感謝します」
         __ヽ.:.l.:.|ト、. ヽりノ ノ    ',  リノ  ノ ハV
     ,.'´. : : .`Yい `ー‐一'  .    `ー---‐' ,ヘく::i
   / . : : :.:.:.:.:.:.::\ヽ      '         /_ノノ.:',
    l : : ::::.:.::.::::::::::::「`ヽ     - ‐‐-      .イ.:.:.:.:.:.:.ヽ
    |: : :::.:.:.:::.::::::::;. '"´ \         /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
    |: :.:.:.:.:.:.:.::/      |`ヽ、 __ _,. ィ ´ ̄`ヽ.:.:.:.:.:.:.:.i
  ∧:.::.:.:.:.::/          |         ノ    /.:.::::::::::::::i
  l: :`ヽ.:.:.:l  ̄`ヽ    L      !     ム─-、.::::::l
  ⌒ヽレ'^フ´    \   \      !   /  ト、  l.::::/
  ,. '"´        `7     \   l  ,.イ  /  V.:/
 /            / ̄ `ヽ、 \__| /∧/:::.:.:.:.:K
,′             ̄ ̄``ヽ\ ヽ//  \.:.:.:.l ',


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒)    「ははは、とんでもない。
. |  u  (__人__)     さ、スープが冷めますよ。
  |      |r┬|}     話はこれくらいにして食事にしましょう」
  |      | | |}
.  ヽ     `ニ}
   ヽ     ノ
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、



照れくさいやらない夫がそう言うと、一人を除いた四人の手がやっと動き始める。

178 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:58:08 ID:3MQ1iP0I
一119.

                                       /  \ヽ
                                     /     く        ____
                                   _/    _  ヽ    ,  ´
                                   {         ヽ /二フ´
                                   Lュニニニニゝ 〈_/=-
                                  < __     ´ ニ L \ _
                                    / /   /  ヽ ヽ. \ ヽ.      /
                                   ∠ イ/ /         ', ',ヽ ー―‐く{
                      「……………」      /  /      | |  ヽ ヽ ヽ.___ノ
                                     N |! |     //   }  |   \\
                                     ヽ l l|   ィ::7!   /  |、 r 、 |ヽ ヽ
                                    / 代1_ ノ:::::r-/ ノ/ / / .∨ヽヽj  \
                                   く /./ ー .:::::::: 弋ソV イ /    \
                                   く/ミミ ヽ  '    ー彡 j/|       ヽ
                                    ゝ-ミ \` =   ゝ- 彡リ      イヽ
                                       \ >― ァ チニ彡  ,  < ル
                                      , --く{二 ス ヽ 斗ヘ、_ 彡
                                     /  / /、,ヽ\}} / /   \
                                   /   . く_/ l! VV/ /       \
                                  /     //  / /〉,  !           ヽ

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ー)(ー)
. |     (__人__)    (まぁ、仕方ないだろ………)
  |     ` ⌒´ノ
.  |       nl^l^l
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \



ちょうど真向かいに座る雛苺からの冷たい視線に気づいていない訳がなかった。
何しろ食堂に入った時からずっと睨み付けるような、蔑むような視線を遠慮なしに叩き付けられているのである。

戦いを知らない人達にとっては冒険者なんて、落ちこぼれとか社会不適合者とかはみ出し者でしかない。
実際その通りかも知れないと彼自身も思うところがあるのだから、
貴族の娘からすればこんな反応は当然なのかも知れなかった。


179 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 20:59:07 ID:3MQ1iP0I
一120.

                                    ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
                                  /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
                                 ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
                                    /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
        「それで、父さん。               ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧
         やらない夫も騎士になろうかと       |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧
         考えてるんだってさ。            イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
                                 /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
         良かったらしばらく家に居て貰おう     !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
         と思うんだけど、どうかな?」       .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
                                 .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
                                  レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
                                        i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
                                         、             r彡;〃´
                                         ヽ   ヾニフ       ノレ'´
                                          \          ´ ,L. -‐ 、_
                                            ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
                                             ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
                                           _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
                                         rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"



    / / / '         l     l       ヽ\   丶  \!
   / // /       !   |    |       \丶   \  |
  ‐十'′/ /       l  ト、   |     \  \     ヽ、 L      「ふむ、構わないよ」
   |l  { l  ,′   l  ハ |`、  ト、     ヽ <⌒ヽ、_   ∨厂`丶、
   ヽ、ヽ|  l   l   | { l |   ヽ  、丶、 ヽ \\ l }  ̄二7′   l
       l  |  |   | レ七ニ二 ̄\丶  }ヘ |\ ` / 厶   ハ !   |
        l ト、\ ヽ\=キtぞラ  }ノ/ j/  了/ ̄   /  }∧   l |
         \ヽ`ヽ、 \__ ̄      /    -ヘ/レヘ /_,  l   | ト
          ヽ}  `7ー一′          ,′     {´ ̄`ヽ、い |
              /                 /        V了\   り
             └-- 、     ,        l       ∨   〉
                 `ーこ ̄     ,    |     /  ハ
                  ヽ     , く     l   /   / ヽ
                   `一'´/ ∧   / /    /   \
                     , ィ  //!   ' /      /       \


180 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:00:10 ID:3MQ1iP0I
一121.
ジュンの申し出にエンジュが快諾したので、やらない夫はありがとうございます、と頭を下げたのだが、
そこをまたノリが混ぜっ返す。



                , -== 、ヽ
                 /     ', }
              ,、_        j/
         , -―∧ ̄ヽ,へ-‐ッ┐ /'
     ___∠ ィ  ,、. /ヘ  ヽ、/ヽ==. 、
.   _//     .へ∨/.へ  i \ \  ヽ .
   jソ   /   {‐┴┴―} .    ヽ  、i   「まぁ!
.  /  ,  . {:. .::. |     i. .:::. : ..  丶  i   初めて来た友達がお泊まりもするなんて!
.  /.: j: .i .i:::.::i、:.{  ,     }:::;ィ:.::: }:   i 丿
  {.:: .::i::.:::i. ハ::::!_'、','´   、/:/ }:::i:::::.  . li     ジュン君ったらどうしちゃったのかな」
  i::i:.::::、::::、{-ヽ{__ ``   /'´`ソ:/}::::: イ/i
 .ヘ:ト、:::ト、:iイニ下 ヽ   /不;ノイノィ:イ/ /
  ヽ{ >iヘ`  ̄`゙  rノ⌒{ッ'ー-'ゝイ }く
 / //--ゝ.. ```-'′ , \ ```/'ノ:::i}
 、 ,、{::::::::::\  {`ー-ッ    ̄'゙´、::ノ{
 ノノ .:\::::::::::}丶、``rh、.. <:::::::::...⌒ヽッ'
 7 ...::::::::;-‐''´ }  ソ | | V  \::}:::::::. }、}
 },. -―┼--ッ'7 { i|| }\i{-'::__r―'-、
 ′    '、 /:::{_ } '    !〉::「 ̄ /O   ヽ
   r , O ゙ヽ、:| ノ    ハ::>'´   O  ',
  r ,゙´..     ̄} __,,,.ィ /´     .i: O  {



: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : |: : : : ヽ: : ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : :./\: : : : : ト、: : : : ト、: : /: :∨ :.l
: : : : : :∧: : /──{/、.  \ : : |.-\: : |ー∨、: : : : : |
: : : : :./ 1/     .i   l\:|   \|   |: : |\;!
: : ,、: :{           |-‐‐-|         .|:ヽi
: :{ ヽ'           !   |         ハ:_}     「もう勘弁してください、お姉様」
ハヽ ヽ_____,ノ   ヽ_______ノ }
ハ: :`-',  ! | |  ! !      ' ! |' | | 川/ ノ
  〉: :.:∧   〃'ー──-----、    ,イ"´
   ̄  \  ヽ______丿  /
        >、         ,イ´
 ,────、__` ,‐──┬'"´ __
/        |   !     | ̄l ̄    `ヽ
.         |  ー──'  リ      }



その時だった。
見た目は和やかな雰囲気の食堂に似合わない音が響いた。


181 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:01:07 ID:3MQ1iP0I
一122.



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                    ┗━┛  ┗┛




         ___,.. --───-、      ,.-───‐--- 、..._
          ヽ          \(こ)/          :./
           ヽ         \_  _/         :/
           |     _,. -─ ァ'  ̄ヽー--  ..._     |!
          /|_,. -‐ '´    /-──- \    `  、|\
        /  ヽ.     /         \    /\ヽ    「ご飯、もういらないの」
         \   \ ,.イ  /         ヾ、.、イ´  __ヽ
          / __,rッ'´   /            i ゙ヾ   |
         厶r'゙      7'´     |、      ゙i  `'7 |\
       /        /       :ll      ゙i   ゙i `|:  \
      /        ,'       .:l       ',;        \
    /     .   :l..:,:      . :..|.: .      :,:..l:.       `\
   /__ ___         |'       :.:.:|.:.:.:      '!、|:.: =‐-     _ _ヾ
    {-─ ‐- =- 、.__,.ト/         :.:..:|.:.:.:         \       /  ヽ
   \_,.=ニー- 、.._く `_ ........ _   :.:.:|.:.:.:   _ ........ _ニ二二ニ  ノノ
      r─二ニー-干ー__ ....... _ ̄:.`:..:|:.:.:`.: ̄_ ......_-ー-ニ二ニ=: :/
     ヽ=ヘ三ニ-\>=r¬'"´ ̄``:._、ト.:_.:`´ ̄`゛'¬r=ニZ_彡:: ⊇/
         ` ー-ュ-ィ `ヽ=三≧_Tニ,`,ニT_≦三=,r'´ ィ    `ヽイソ
          /     :.:.`¬'"    ‐<゛'¬`.:.:  >‐ー '" `
          ヽ.        ソュ_ァs   r._ュコィ  -=´ ̄ \
         ,.ィ⌒ヽr        ヾ'´`"         /_,ノノ



椅子をはね飛ばす勢いで立ったのは雛苺だった。
不満そうに頬をふくらませ、誰とも視線を合わせずに食堂から走り出して行ってしまう。


182 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:02:07 ID:3MQ1iP0I
一123.
                                               _ __ _ _
                                           ,.'"´       、`ヽ、
                                          /   i    リ ヽ 、  \
                                         /    .:レ′   j  i !.:.   i
                 「やらない夫、すまない。          l    .:/   , /  i .::|:::.:l  |
                 あれは人見知りが激しい上に      ノ    ,.ィイ.:::/  .::l.:|:|::::::|:::. ト、
                 反抗期らしくてね。            彳  ,ィイ 1:|::,'  .:;ィイハi::::::|::.:.:.ヽ|
                                        |.:.:|, イ‐リ-トト、::.;ィイ仁=ト-ヾ::::.:.:.ト、
                 あとで私から言い聞かせておく」    ト、:i { r‐ェテ ヽl/ ''テェ‐ァ .:!.:ト、:;!/
                                          ヾ::、    ,        !/::/
                                           仆    :j 、      イ:/
                                              `、   _ _     /i,ハ
                                             ヽ  ー `   / .|;;;:;:|
                                              `ト、 ___ /   !;;:/、
                                               /.::::| ヽ   /   l::::.:.L


     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)      「良いのです、エンジュ様。
.   |     (__人__)       本来俺のような者が居ること自体
    |     ` ⌒´ノ       場違いなのですから」
   .l^l^ln      }
.   ヽ   L     }
    ゝ  ノ   ノ
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ


183 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:03:07 ID:3MQ1iP0I
一124.

              >'´ /   ∧    |    i| ヽ.      \
            /   /     /::::ヽ _,斗:.:.:.: :   |   !  :...   \
             〉       ::ー‐^´¨ |:.: : !:.:.. ト、  |   :.:.:... : :..`ー-、  「それは違うよ。
               |   |  il  ::|       ! ::∧:. :.  ,=‐i   :.:.:.:.:...:.:.:..:.:./   君は僕の友達だし、父さんの客人でもある。
              / .:.:.:.:|  i|   ::|       | / ,ィ|,.イ´__ ∧  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/    胸を張ってくつろいでくれて構わないんだ」
          / :::/イl|  l|  ::|=、>ー=、 i′|:rレ弍¨ヽ ト :.:.:.:.:.:.:.:.:./
         ./::/  /   |  |´戈¨T |ト==、|| 弋__ソ‐|/.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
         レ'゜   / /  iヾヽ! 辷_ソ」|   ヽ=====' マヽ.:.:r-‐'´
  rr‐、           レ' レ'〉 ! ヾニ=== ′〈           'ノ::;;;>
  ト' |                  ̄ヾヌ、      `       ,/‐'´
  |  |                 ̄ヽ       ー‐      /
 ..ノ  l'⌒!                \           _, ィ´
 ´ ノ^ヽ '、                  `¨ニt-  -‐' ト-┐
   /`ヽ.ヽ、          _   /´iイ      |/ ヽ―-- 、__
    ‐'´`ヽ. i、          /i  ゞ7″ | ′    /    |     `ヽ、
 \   イ-'  ヽ       /  i  / ,ヘ |____,_/ |―、  |    /  ヽ.
   ヽ.  ″    l     /-‐'´ | ./// ヽト-―/ニ,ノ  \|     /   \'、
    \      l. ,.-‐'     : レ' ′  く !  //          /       ヾ、


           / ̄ ̄\
         /       \
         |    ⌒   ⌒
        . |     (__人__)   「ありがとうだろ、ジュン」
          |     ` ⌒´ノ
        .  |         }
        .  ヽ        }
           ヽ     ノ        \
           /    く  \        \
           |     \   \         \
            |    |ヽ、二⌒)、          \


ジュンはもう彼を恩人とは呼ばず、代わりに友達と言った。
それが、本当に嬉しかったやらない夫はにっこり微笑むと、ここに居ることに遠慮するのは辞めようと思った。



184 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:04:07 ID:3MQ1iP0I
一125.
それから、時折ノリが暴走する以外は基本的には和やかな食事が続いた。



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ モグモグ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   /    く
   |  \_ \_/ /
    |\__ ̄ヽ_⌒ヽ--====-
   |    `l_l_l_l----∈
   |   / /



家族の食卓とは言え正式な作法が求められる席である。
あまりの自然さに気づくのが遅れたが、やらない夫が隣のジュンと見比べても遜色ない作法で
メインディッシュを食べているので、エンジュはほう、と呟く。

185 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:05:08 ID:3MQ1iP0I
一126.


                                  / / / '         l     l       ヽ\   丶  \!
                                 / // /       !   |    |       \丶   \  |
                                ‐十'′/ /       l  ト、   |     \  \     ヽ、 L
                                 |l  { l  ,′   l  ハ |`、  ト、     ヽ <⌒ヽ、_   ∨厂`丶、
                                 ヽ、ヽ|  l   l   | { l |   ヽ  、丶、 ヽ \\ l }  ̄二7′   l
                                     l  |  |   | レ七ニ二 ̄\丶  }ヘ |\ ` / 厶   ハ !   |
                                      l ト、\ ヽ\=キtぞラ  }ノ/ j/  了/ ̄   /  }∧   l |
        「ジュンも競い合う相手が居れば            \ヽ`ヽ、 \__ ̄      /    -ヘ/レヘ /_,  l   | ト
         もう少し腕も上がるだろう。               ヽ}  `7ー一′          ,′     {´ ̄`ヽ、い |
         明日は私も休みだから                     /                 /        V了\   り
         やらない夫と試合をしてみるかな」              └-- 、     ,        l       ∨   〉
                                               `ーこ ̄     ,    |     /  ハ
                                                ヽ     , く     l   /   / ヽ
                                                 `一'´/ ∧   / /    /   \
                                                   , ィ  //!   ' /      /       \



  / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
    l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄  「父さん、やらない夫は強いよ。
  ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l     一呼吸の間に三人を無力化するだなんて、
  /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\|     父さんでもなかなか出来ないよね」
  l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV
   l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l
   l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.
       l/ 、__',               / .:.:.
           ヽ     r‐‐ッ   /.
             入        ,..イ.:.
         . '´ i.:.\> -- </
       /     |.:./\    ノ.:



もちろん相手にもよるけどさ、と付け加えた息子が実は、やらない夫の方が強いんじゃないかと思っている。
それはまさしく、自分しか知らないジュンが成長するために必要な事とエンジュが狙った事だった。


186 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:06:07 ID:3MQ1iP0I
一127.

                                               _ __ _ _
                                           ,.'"´       、`ヽ、
                                          /   i    リ ヽ 、  \
                                         /    .:レ′   j  i !.:.   i
                                          l    .:/   , /  i .::|:::.:l  |
                                         ノ    ,.ィイ.:::/  .::l.:|:|::::::|:::. ト、
                 「知っている、少し見ていた。      彳  ,ィイ 1:|::,'  .:;ィイハi::::::|::.:.:.ヽ|
                 訓練された剣と言うより、        |.:.:|, イ‐リ-トト、::.;ィイ仁=ト-ヾ::::.:.:.ト、
                 実戦で培ったものに思えたが」     ト、:i { r‐ェテ ヽl/ ''テェ‐ァ .:!.:ト、:;!/
                                          ヾ::、    ,        !/::/
                                           仆    :j 、      イ:/
                                              `、   _ _     /i,ハ
                                             ヽ  ー `   / .|;;;:;:|
                                              `ト、 ___ /   !;;:/、
                                               /.::::| ヽ   /   l::::.:.L


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: : ::_、,,、‐,l,: : : :,,ll,i,_゙゙゙llllllil,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__
,,llll,,,lll,,i´,ll,゙l,、:,illilllllli,l,: ,lliill゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゚” ̄
lllil!llil゙゜:lllllllilll,.:llllllllllllllll::llllll!llii,,l,i、
l!lilll゙ιllllllllllllllillllll!lllllllll!,lll゙!liill!llllil,i、
illll!`lll:,lllllll!゙゙l゙!!゙lllll゙!lllllll,llll,,゙!lli゙llll!llil,i、
!l】l::lll゙llllllll:: : : : : : :|llllllllllllil,,゙lli、゙゙lllll,,、
il゚,ll:lll|llllllll: .: : : : :.::|'lllllllllll!lili,゙lll  ゙゙゙!l,,、   「正式な訓練を受けたことがないんだってさ」
l゙,lllllll|llllllll:.、:::x,、:、:|'llllllllll.lllllli,lli,    ゚゙=:
,,llll!,lllllllllll: : : : ゙'N,,,.,lllllilll|:l!ll!lli,li,
illlilil!llllllllll、::::::::.,,.::_ll!,l゙'llli,"ll` .'!li,,
llilllll:゙llllllllll、、:、:ハ::゙i!゙,l`|lli"ll
lllllll:_,゙llllllll〆":'│::.゙.:`、.=,「
!|llll'`::'!llll゙li、丶'|,!::::::::::::::i!l゙,!
::)ll′: :゙!ll゙゙l: : ::|:.: : : : :`|::l、
、'l、:: : :゙!!::`::、U,、,:、..,i,|、゙i,、
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: `"'ヽ,,: : : : : : :`:_,,r,i´
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187 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:07:07 ID:3MQ1iP0I
一128.

    / / / '         l     l       ヽ\   丶  \!
   / // /       !   |    |       \丶   \  |
  ‐十'′/ /       l  ト、   |     \  \     ヽ、 L
   |l  { l  ,′   l  ハ |`、  ト、     ヽ <⌒ヽ、_   ∨厂`丶、   「本当か?
   ヽ、ヽ|  l   l   | { l |   ヽ  、丶、 ヽ \\ l }  ̄二7′   l    少なくともそんなレベルには見えなかったぞ」
       l  |  |   | レ七ニ二 ̄\丶  }ヘ |\ ` / 厶   ハ !   |
        l ト、\ ヽ\=キtぞラ  }ノ/ j/  了/ ̄   /  }∧   l |
         \ヽ`ヽ、 \__ ̄      /    -ヘ/レヘ /_,  l   | ト
          ヽ}  `7ー一′          ,′     {´ ̄`ヽ、い |
              /                 /        V了\   り
             └-- 、     ,        l       ∨   〉
                 `ーこ ̄     ,    |     /  ハ
                  ヽ     , く     l   /   / ヽ
                   `一'´/ ∧   / /    /   \
                     , ィ  //!   ' /      /       \



     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \   「いえ、親父から受けた訓練しか基礎がありません。
   |    ( ●)(●   あとは剣を合わせた相手や、見たことを覚えたぐらいで。
   |      (__人__)
.   |        ノ   恥ずかしながら、剣術と体術を合わせた喧嘩殺法ですよ」
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /



見て覚える。
受けて体得する。
一言で言うには容易く、実行するには並の剣豪ですら難しい事を彼は事も無げに言った。


188 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:08:07 ID:3MQ1iP0I
一129.

                            ___
             _ -―――――-< ̄} }!
            ´      -――7  く.7./-、
        ,  ´      ̄  ,. -―/   Y´ \\
       /     ,   ,  イ   /        ヽ.` 、_.ノ
     /     ,/  /  ,/    {   {       \ ̄
     /    /        ,ノ    }  ハ  }     、ヽ.
     |!     /     _./ ,ィ / /   }  !      ヽ.}ヽ、   「父上の名は?」
     |   /     `才  /:/ ,    / /    ヽ.  ヽ. }
      {   /  、 .___./ / / ,. __/ ハ  ハ   }! i {
.     Y /   ` .ナー-r七´ //7 :/二.!_/}! }  ハ ハ!
     | / , -― 〈 /  {!  ,イ | / ´tテ::ナ}ノ ./ / リ ノ
   ,イ⌒Y´ ̄ ̄  ハヽ (ヽ. i ヾ 、_    ̄ ノイ}/
  〈   人  ――- ヽゝxくヽ、        ∨
   }!  ∧_ ヽ. ,xxzrく⌒´ヽ!             /
  八 {〈   ,.イ}   `    {        ,   _ '´
    }ハリ {´ i       ヽ       /
   ノ'  }!  ヽ/        {ヽ. ___/
        _∠_____    ヽ.
     /: : : : : : : : : : : :  ̄ ̄ ̄\
     入 _ _____   _厶、
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:\


       / ̄ ̄\
     /   _ノ  \    「ラオウ。
     |    ( ー)(ー)   ラオウ=D=ビップと言いました」
    . |     (__人__)
      |     ` ⌒´ノ
    .  |       nl^l^l
    .  ヽ      |   ノ
       ヽ    ヽ く
       /     ヽ \


190 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:09:08 ID:3MQ1iP0I
一130.

                                          _ __ _ _
                                      ,.'"´       、`ヽ、
                                     /   i    リ ヽ 、  \
                                    /    .:レ′   j  i !.:.   i
                                     l    .:/   , /  i .::|:::.:l  |
                                    ノ    ,.ィイ.:::/  .::l.:|:|::::::|:::. ト、
                     (ラオウ。         彳  ,ィイ 1:|::,'  .:;ィイハi::::::|::.:.:.ヽ|
                      ………ラオウ、か) .:.:|, イ‐リ-トト、::.;ィイ仁=ト-ヾ::::.:.:.ト、
                                   ト、:i { r‐ェテ ヽl/ ''テェ‐ァ .:!.:ト、:;!/
                                     ヾ::、    ,        !/::/
                                      仆    :j 、      イ:/
                                         `、   _ _     /i,ハ
                                        ヽ  ー `   / .|;;;:;:|
                                         `ト、 ___ /   !;;:/、
                                          /.::::| ヽ   /   l::::.:.L



目を閉じて何度も繰り返す。
確実に記憶のどこかに引っかかるものがあるのだが、今はそれが何かを思い出せない。



          _ __ _ _
      ,.'"´       、`ヽ、
     /   i    リ ヽ 、  \
    /    .:レ′   j  i !.:.   i
     l    .:/   , /  i .::|:::.:l  |    「旅をしていれば疲れもたまるだろう。
    ノ    ,.ィイ.:::/  .::l.:|:|::::::|:::. ト、   今日はゆっくりと骨を休めてくれ」
   彳  ,ィイ 1:|::,'  .:;ィイハi::::::|::.:.:.ヽ|
   |.:.:|, イ‐リ-トト、::.;ィイ仁=ト-ヾ::::.:.:.ト、
   ト、:i { r‐ェテ ヽl/ ''テェ‐ァ .:!.:ト、:;!/
     ヾ::、    ,        !/::/
      仆    :j 、      イ:/
         `、   _ _     /i,ハ
        ヽ  ー `   / .|;;;:;:|
         `ト、 ___ /   !;;:/、
          /.::::| ヽ   /   l::::.:.L
                                          / ̄ ̄\
                                         / ヽ、_   \
                                       . ( (● )    |
                                       . (人__)      |
                                         |⌒´       |
                     「お心遣い、感謝します」   .  |        |
                                       .  ヽ      /
                                          ヽ     /
                                          .>    <
                                          |     |
                                           |     |



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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━……


191 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:10:09 ID:3MQ1iP0I
一131.
━━━━━━━━━━━……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


<やらない夫、入るぞ?


   / ̄ ̄\
 / ノ  ヽ /\'ー、       ,, ..,、
 |  ( ●)( /  .\` 、   . // /
. |  (__人/     \ヽ、,.// ../  「総歴一九九二年、人間の月十日。
  |    ` /       ``77   /   カーディナル入りしたその日に
.  ヽ   /          / /   /    ジュンという友達が出来た、と………」
   ヽ.. /      fヽ、/ / , -,./
   /./     r-、 ヽ ∨,ノ /
   |. \   〈\.\,〉 `,  f
    | . \  (ヽ ヽ `..   |
    |    .\ \      ノ



食事が終わった後。
満腹のやらない夫が今日一日あった事を軽く手帳に書き留めていると、ジュンがやってきて風呂に入らないかと言った。

192 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:11:08 ID:3MQ1iP0I
一132.

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)  「風呂?俺は最後で良いよ」
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <
   |     |
    |     |

                                             ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
                                           /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
                                          ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
                                             /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
                                           ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧
                                           |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧
                                          イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
              「いや、もう残ってるのは僕らだけなんだ。   /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
               広いから平気だし、早くしないと         !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
               執事達が利用する時間になっちゃう」     .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
                                          .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
                                           レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
                                                 i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
                                                  、             r彡;〃´
                                                  ヽ   ヾニフ       ノレ'´
                                                   \          ´ ,L. -‐ 、_
                                                     ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
                                                      ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
                                                    _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
                                                  rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"


         / ̄ ̄\
       /   _ノ  \
       |    ( ⌒)(⌒)  「それじゃあ、男同士
          |     (__人__)   裸の付き合いといきますか」
        |      ` ⌒´ノ
          ,|         }
       / ヽ       }
     く  く ヽ     ノ
       \ `'     く
        ヽ、      |
            |       |



それで数少ない着替えを持った彼は、こっちだ、と案内するジュンに続いて館の中を歩く。


193 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:12:07 ID:3MQ1iP0I
一133.

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)   「風呂があるのは羨ましいだろ」
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <
   |     |
    |     |



脱衣所で脱ぎながら、呟きが漏れるのも当然だった。
一般的に冒険者が使うような宿にはまだあまり風呂ついておらず、殆どは共同浴場を使ったり
適当に水浴びなどで間に合わせるのである。


195 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:13:07 ID:3MQ1iP0I
一134.
殆ど男湯のみの話なのだが、危険な病気を持っている者も平気な顔して湯船に浸かるので、
痒くなる病気をうつされてしまう被害者も少なくない。
開場直後でなければ湯船は泥水であるし、脱衣所に残した貴重品や装備を狙おうとする不届きな輩も数多い。



:.:.. .:. ...:..::::::...::..:: .:: : .. .. .  ..               ,,、、,,,,;;;´"
...::..:::..:::.. . ..::...::.: .: . ...                  ,;;'":::.:.....::.::...
,.,, :.. . ..::...::.: .: . ...                 ,,.r'":::.:.....::.::....::...
;;;,;ヽ、                   ,,、、-'';":`::::::.:.....::.::...:...,..::...
;;;;,';;;;ヽ;,               ,..-''"::::::.:.:.:..:....::..::...:...,..:..:....::...::...
======================,;;r''"::::::.:.:.:..:....::..::...:...,.:...:...,..:..:....::...::...
;;;ii ;;;;;ii,;;;;;,ii.;;;;;ii.;;;;;.ii .;;;;;,ii.;;;;;( ::::::.:.:.:..:....::..::...:...,:...:...,.,,..:..:....::...:..:....::..
''_'''''_'''_'',.'''_''''_''_'''''_'',.'''_''''_''_''''',;;;"''ー-l、,,'""'゙,゙'""'"、.wiルv,iルwviw.:
__- =_≡ _- _-_=_ = - _-_ -_ =≡_-;`--_ _、., _,__  ̄`¬.,v:.:
^ _ _ -_ ^ _ _=_ -_^__ =_ - _ -      ≡         Y,.,lji,; 丱
=__-_ ヘッキシ!  _-_ -_ =_ -_ ^__-_=  -ー"`゙           i ,.,...ユiW
_ -_  0 -_^__ =_ -_ ^__   _,,、。"`゙ :::   :::         ∥,,::iリv,i
_ = _ -_ _ _ = __ __,,、。-ー''"`゙:::                  」:.::.vノiVi
  _,,.,..、。v-ー''"゙~ :: ' ::: : ::: :::    ::  :::: :: :::      「;;,,;;:yハiW
`"゙  :::: :: :::' ,:: ::::  : ::: :                  /,:.;,:.;,:.ナwy



幸いにしてやらない夫はこれまでの冒険で稼いでいたので風呂がある宿屋を狙ってばかりいるが、
町を離れている野宿の間は川で水浴びをする他なかった。
十番目の月の水はもう冷たく、危うく風邪を引きそうな風呂事情が続いていたのである。

196 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:14:07 ID:3MQ1iP0I
一135.

         /|, -──---,
      〈  . :.::::.:.:.:.``く
     , ..-' .:.:.:::::::::::::::::.:.:.:. ヽ
   ∠.:/.::ハハ|:::::::::1::::.:.:.:. \  「君はあまり
    ム:从r'''''|/N:::|.;;;!;;;;;;;「 ̄   風呂に入れないみたいだね」
     l/N ̄|__r─|/ヾ|;;;;lヾ|
      `| ̄ノ└‐┘``ウ'゙
        \ ー' ,..ィ二[
         ̄r'"´,. -‐L_
        ∠二     1i
        |    `ヽ|  | ',
        |     .:j.  | ト、
        /     〈  | | |                                         / ̄ ̄\
                                                        / _ノ  ヽ、.\
                                                          |  (●)(●) .|
                    「東方には温泉が多くて楽だったんだけどな。         !  (__人__)  |
                     普通風呂には、町にいる時にしか                 , っ  `⌒´   |
                     入れないだろ」                         / ミ)      /
                                                      ./ ノゝ     /
                                                      i レ'´      ヽ
                                                      | |/|     | |


197 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:15:08 ID:3MQ1iP0I
一136.

     |┃三   / ̄ ̄\
     |┃三 /  \,_.  \
     |┃  (●)(● )    |   「おっ、ずいぶん広いんだな」
     |┃  (__人__)      |
 ガラッ .|┃  ヽ`⌒ ´     |
     |┃   {         |
     |┃三  {        /
     |┃    ヽ     /
     |┃  .   ン    ヽ
     |┃三   /     |
     |┃(⌒二_/|   . |



脱衣所から中に入ってみれば、なるほど二人でも余裕がある風呂が目に飛び込んできた。
これほど大がかりな風呂に水を張り、湯を沸かすとなると執事や下働きの苦労が忍ばれるが、
それも給金の内に入っているのだろうから遠慮をする必要はないのだろう。



         | |   | |          ||          ||          | |         | :| |
         | |   | |          |[]'       |[]'       | |     - 〈ニ| |
         | |   | |          ||          ||          | |     / | :| |
         | |   | |          ||          ||          | |      / .`ー| |
         | |;:;:;:;|_|_____||_____||_____|_|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| |
         | |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| |
         |._.|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|._.|
        / ∧∧_______________________   /|
     ⊂^⌒つ゚Д゚)つ'~''~~~( )~~'~'~~~'''~~'~~~~~/ /
     / // 、ili,l.。 ) )  ~~ ( )   ~~  ( )     ~~  / /
   / //     ~~( )     ~~     ( ) ~~~   / /
  / //          ( )   ~     ( )    ~~   / /u
/ //   ~~~~     ~~     ~( )~~  ~~  / /
_//          ~~                     / /ij
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /
[]| ̄|'lj | ̄| ̄| u'| ̄| ̄| ̄| ̄|!j' | ̄| ̄| ̄| ̄|U''| ̄| ̄| ̄| ̄|[]||
[]|  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |[]||




198 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:16:08 ID:3MQ1iP0I
一137.

  / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
    l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄
  ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l
  /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\|    「サクラダ家自慢の風呂さ。
  l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV
   l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l       ほら、これ使えよ」
   l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.
       l/ 、__',               / .:.:.
           ヽ     r‐‐ッ   /.
             入        ,..イ.:.
         . '´ i.:.\> -- </
       /     |.:./\    ノ.:


      __     ━┓
    / ~\   ┏┛
  / ノ  (●)\ ・
. | (./)   ⌒)\
. |   (__ノ ̄   \   「なんだこれ?」
  \          |
    \       /
.      \  ⊂ヽ∩
      /´    (,_ \.
       /       \. \
      ./   /       |. \ソ
    (  y'      .|



放り投げられたのは、不格好な乳白色の固まりだった。
触ってみるとなにやらぬるぬるしているが、今まで風呂場で見たことがない。

199 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:17:07 ID:3MQ1iP0I
一138.


                                               /|, -──---,
                                              〈  . :.::::.:.:.:.``く
             「セッケンさ。                        , ..-' .:.:.:::::::::::::::::.:.:.:. ヽ
              古代魔法文明の技術を宮廷魔術師長の     ∠.:/.::ハハ|:::::::::1::::.:.:.:. \
              ロイ様が復活させて作ったんだよ。         ム:从r'''''|/N:::|.;;;!;;;;;;;「 ̄
                                             l/N ̄|__r─|/ヾ|;;;;lヾ|
               それで身体を洗うんだ」                `| ̄ノ└‐┘``ウ'゙
                                               \ ー' ,..ィ二[



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒)   「ああ、これがセッケンなのか、
. |      (__人__)    面白いな」
  |      |r┬|}
  |      | | |}
.  ヽ     `ニ}
   ヽ     ノ
   /    く    ワシャワシャ
   |     \   。o○
    |    |ヽ、二⌒)。○
          。○○



噂は耳にしていたが、実物を見るのは初めてのやらない夫がお湯をつけて固まりをこすると、
見る見る内に泡立ってくる。
その泡を使って身体を洗うと、なるほど普段手ぬぐいで擦るよりもさっぱりした気がした。

200 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:18:08 ID:3MQ1iP0I
一139.

         | |   | |          ||          ||          | |         | :| |
         | |   | |          |[]'       |[]'       | |     - 〈ニ| |
         | |   | |          ||          ||          | |     / | :| |
         | |   | |          ||          ||          | |      / .`ー| |
         | |;:;:;:;|_|_____||_____|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:| |
         | |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;| ふう、極楽だろ | :;:;:;:;:;:;:;:;:;:| |
         |._.|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ_  _____/ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:|._.|
        / ∧∧_____________ ∨         ___   /|
     ⊂^⌒つ゚Д゚)つ'~''~~~( )~~'~'~ ~ ~'''~~'~~~~~/ /
     / // 、ili,l.。 ) ) 、/ル'二≧、  ~~    ..ノ 、 、   ~~  / /
   / //     ~ イ 、 ィ  、:._ ~.~    ≡ ≡) l~~   / /
  / //        .イ _ハ「¨lイヤ::. ゝ    ( ) (人__) |~   / /u
/ //   ~~~~  ヽイ{_H__}ソ     ~( ) ヽ    ノ~  / /
_//          ~~ y  - /´               / /ij
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /
[]| ̄|'lj | ̄| ̄| u'| ̄| ̄| ̄| ̄|!j' | ̄| ̄| ̄| ̄|U''| ̄| ̄| ̄| ̄|[]||
[]|  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |[]||


泡を流して湯に浸かる二人。
と、目を閉じたやらない夫が分からない言葉を呟いたので、顔をばしゃばしゃと洗った
ジュンは首を傾げる。


 、/ル'二≧、
イ 、 ィ  、:._  「ゴクラク?
イ _ハ「¨lイヤ::. ゝ なんだいそれ」
 ヽイ{_H__}ソ
  y  - /´

          「東方だと風呂に入った時にこう言うんだ。      .ノ 、 、
          極楽ってのは、東方で言うエデンの事らしい。  ≡ ≡) l
                                       (人__) |
          うつっちゃってなぁ、癖になっちゃっただろ」    ヽ    ノ



※エデン(安息の楽園)=死後、裁きの大河を渡った善人の魂が向かうと言われているところ

201 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:19:07 ID:3MQ1iP0I
一140.

 、/ル'二≧、
イ 、 ィ  、:._  「東方………
イ _ハ「¨lイヤ::. ゝ ああ、昼間話してくれたミツカミ国か。
 ヽイ{_H__}ソ
  y  - /´   そう言えば何ヶ月か前に、
           鎖国したって聞いたような?」



                                         .ノ 、 、
                      「あぁ、色々あってな。      ≡ ≡) l
                       しばらく他国との国交は   (人__) |
                       しないんだそうだ」      ヽ    ノ



 、/ル'二≧、
イ 、 ィ  、:._  (まるで関係者みたいな
イ _ハ「¨lイヤ::. ゝ  言い方をするんだな?)
 ヽイ{_H__}ソ
  y  - /´


ちょうどその頃東方を旅していたと言うからには、事情を知っているのだろうと
ジュンは自分を納得させた。


202 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:20:07 ID:3MQ1iP0I
一141.

: : : : :: : :、: : : ::::::,lll,,,,,,,,,,,,,__
: : ::_、,,、‐,l,: : : :,,ll,i,_゙゙゙llllllil,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__
,,llll,,,lll,,i´,ll,゙l,、:,illilllllli,l,: ,lliill゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゚” ̄
lllil!llil゙゜:lllllllilll,.:llllllllllllllll::llllll!llii,,l,i、
l!lilll゙ιllllllllllllllillllll!lllllllll!,lll゙!liill!llllil,i、
illll!`lll:,lllllll!゙゙l゙!!゙lllll゙!lllllll,llll,,゙!lli゙llll!llil,i、
!l】l::lll゙llllllll:: : : : : : :|llllllllllllil,,゙lli、゙゙lllll,,、  「それにしても、凄い筋肉だな」
il゚,ll:lll|llllllll: .: : : : :.::|'lllllllllll!lili,゙lll  ゙゙゙!l,,、
l゙,lllllll|llllllll:.、:::x,、:、:|'llllllllll.lllllli,lli,    ゚゙=:
,,llll!,lllllllllll: : : : ゙'N,,,.,lllllilll|:l!ll!lli,li,
illlilil!llllllllll、::::::::.,,.::_ll!,l゙'llli,"ll` .'!li,,
llilllll:゙llllllllll、、:、:ハ::゙i!゙,l`|lli"ll
lllllll:_,゙llllllll〆":'│::.゙.:`、.=,「
!|llll'`::'!llll゙li、丶'|,!::::::::::::::i!l゙,!
::)ll′: :゙!ll゙゙l: : ::|:.: : : : :`|::l、
、'l、:: : :゙!!::`::、U,、,:、..,i,|、゙i,、
、::`::: 丶丶丶:::゙!i{h,、_,シ`::::::.|
: : : : : : : : : : : : : : : : `: : : : :l゙
: : :`: : : ::`: : : : : : : : : : : : :/
: : : : : : : : : : : : : : : : :: : :: ,″
: : : : : : : : : : : : : : : : : △:′
、、: : : ::::::::`:::::::::::::::::: ,,-`
: `"'ヽ,,: : : : : : :`:_,,r,i´
: : : : : :゙・: : : ::‐'''~`



鎧の上からでは分からなかったが、しなやかで強力な力を生み出すやらない夫の体格に、
自分の細い腕を見比べたジュンは情けなさそうに俯く。

203 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:21:09 ID:3MQ1iP0I
一142.

        / ̄ ̄\
      /   _ノ  \
      |   ( ●)(●)   「剣を振り回してれば自然にこうなるぞ。
.      |    (__人__)    ジュンも明日からだろ」
       |     ` ⌒´ノ
.       |         }
.       ヽ        }
        ヽ     ノ
        /  ヾ ソU
     __/    ヾ !   \__
 /''" ̄"'     \  ∠    ̄ヽ
. | /  ゞ       ヾ/    ヾ丿
 ヾ   ソヽ      ソ     | |
. / へ/ ヾ_        |    ソ |
~~~~~~~~~~~~~~~~


  / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
    l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄
  ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l   「そうだね、
  /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\|   明日からたっぷり訓練しよう!
  l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV
   l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l      本物の剣も買った事だし」
   l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.
       l/ 、__',               / .:.:.
           ヽ     r‐‐ッ   /.
             入        ,..イ.:.
         . '´ i.:.\> -- </
       /     |.:./\    ノ.:


204 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:22:08 ID:3MQ1iP0I
一143.
                                        / ̄ ̄\
                                      /  ヽ、_  \
                                     (●)(● )   |
                                     (__人__)     |
                  「どこで訓練するんだ?     (          |
                   ここの庭か?」     .    {          |
                                     ⊂ ヽ∩     く
                                      | '、_ \ /  )
                                      |  |_\  “ ./
                                      ヽ、 __\_/



      ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
    /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
   ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧    「いつもはそうだけれど。
      /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧    明日は父さんが一緒だから、
    ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧   城にある騎士団用の鍛錬の間へ
    |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧   連れて行ってくれると思う。
   イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
   /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ   位の高い騎士が同行していれば
    !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |     僕らでも入る事ができるんだ」
   .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
   .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
    レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
          i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
           、             r彡;〃´
           ヽ   ヾニフ       ノレ'´
            \          ´ ,L. -‐ 、_
              ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
               ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
             _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
           rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"




                                         / ̄ ̄\
                                       /  ヽ、_  \
                                      (●)(● )   |
    「と言うことは、王城警備の騎士団も居るのか。      (__人__)     |
           良い勉強になりそうだろ」            (          |
                                  .    {          |
                                      ⊂ ヽ∩     く
                                       | '、_ \ /  )
                                       |  |_\  “ ./
                                       ヽ、 __\_/




205 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:23:08 ID:3MQ1iP0I
一144.
そんな事を話しながらゆっくり暖まった二人がさっぱりして風呂を出ると、ちょうど廊下の向こうを雛苺が歩いていた。
どうやら空腹を我慢できずに食堂に行った帰りらしく、満足そうに腹をさすっている。



      ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
    /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
   ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
      /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
    ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧   「ヒナ、こっちに来て
    |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧   やらない夫に挨拶したらどうだい?」
   イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ
   /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ
    !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
   .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
   .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
    レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
          i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
           、             r彡;〃´
           ヽ   ヾニフ       ノレ'´
            \          ´ ,L. -‐ 、_
              ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
               ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
             _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
           rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"



機嫌が良さそうなので今度は大丈夫かな、とジュンが声をかけると、
一瞬笑顔でこちらを振り返った彼女はしかし、隣にやらない夫が居る事を知って表情を一変させた。



      :                      /  /   /     / /  ヽ
      i            /    /  / _/     ///     〉
      !           /    〃 _,斗'´ ,x七こ二ニ7      /
      ',          /     // '´  //⌒イ´ /      /
  {    '、        /   , '//   //{::::::: 。|         /   __
ヽ {     ヾ        { レ'´//  //   |::::r‐ュ}        _/一' ̄´_ニ=‐
 〉、ヽ、  ``''弌、,_     !  / k ∠/    し'__ノ       く  ‐=二_ ‐=ニ
/  \l\ヘ____二ュ、 `Y                         }   _,二ニ=
/   )} 「`''ー┬--、 `ゞ、',        ///〃'       レ'´ ̄/
    / }       {;;rっ}           / ′           r≦⌒ー=<二
r=千、,/   ////′                          〉  ̄`二ニ=‐
--─一!   /〃'                              └-=´、_
こ二イ_{                     __              _,ノ  `>
_ ,.イ´ I           / 。      /    ̄ ̄ ̄ ̄`'''ー、_   `"ー=≪
\___∧        r-、_{      /. : : : : : : : : : : : : : : : : . ` ̄ ̄\   〉
 /  <ヘ.       \ ヽ    /. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .    \
/   / /\       |  /\__/. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
\  / ∠.,__>、_     ゝ'   /. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
  `^       /7`ー=ュ,,__/. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
         ´ ̄______/. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
         /. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .

206 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:24:07 ID:3MQ1iP0I
一145.
<ダダダッ

: : : : :: : :、: : : ::::::,lll,,,,,,,,,,,,,__
: : ::_、,,、‐,l,: : : :,,ll,i,_゙゙゙llllllil,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__
,,llll,,,lll,,i´,ll,゙l,、:,illilllllli,l,: ,lliill゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゚” ̄
lllil!llil゙゜:lllllllilll,.:llllllllllllllll::llllll!llii,,l,i、
l!lilll゙ιllllllllllllllillllll!lllllllll!,lll゙!liill!llllil,i、
illll!`lll:,lllllll!゙゙l゙!!゙lllll゙!lllllll,llll,,゙!lli゙llll!llil,i、
!l】l::lll゙llllllll:: : : : : : :|llllllllllllil,,゙lli、゙゙lllll,,、    「あ、こらっ!」
il゚,ll:lll|llllllll: .: : : : :.::|'lllllllllll!lili,゙lll  ゙゙゙!l,,、
l゙,lllllll|llllllll:.、:::x,、:、:|'llllllllll.lllllli,lli,    ゚゙=:
,,llll!,lllllllllll: : : : ゙'N,,,.,lllllilll|:l!ll!lli,li,
illlilil!llllllllll、::::::::.,,.::_ll!,l゙'llli,"ll` .'!li,,
llilllll:゙llllllllll、、:、:ハ::゙i!゙,l`|lli"ll
lllllll:_,゙llllllll〆":'│::.゙.:`、.=,「
!|llll'`::'!llll゙li、丶'|,!::::::::::::::i!l゙,!
::)ll′: :゙!ll゙゙l: : ::|:.: : : : :`|::l、
、'l、:: : :゙!!::`::、U,、,:、..,i,|、゙i,、
、::`::: 丶丶丶:::゙!i{h,、_,シ`::::::.|
: : : : : : : : : : : : : : : : `: : : : :l゙
: : :`: : : ::`: : : : : : : : : : : : :/
: : : : : : : : : : : : : : : : :: : :: ,″
: : : : : : : : : : : : : : : : : △:′
、、: : : ::::::::`:::::::::::::::::: ,,-`
: `"'ヽ,,: : : : : : :`:_,,r,i´
: : : : : :゙・: : : ::‐'''~`



雛苺がそのまま逃げていってしまったので、予想外の行動に思わず兄は声を出し、
あそこまであからさまだとやらない夫も苦笑いをするしかない。



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \     「どうやら妹さんには
 |    ( ⌒)(⌒)     嫌われてるみたいだろ」
. |  u  (__人__)
  |      |r┬|}
  |      | | |}
.  ヽ     `ニ}
   ヽ     ノ
   /    く
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、


207 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:25:08 ID:3MQ1iP0I
一146.
                                                    __   -─- _
                                             -=ニ二::::::::::::::::::::::::::::_>
                                                /:::::::::::::___:::::::::::::::::`7
                                           /::::::::::::::::f┴‐ヘ::::::::::::::厶
                                           ∠ イ::::::::i:::::::|_,.∠、ヘ:::-、:::::/
               「すまない、わがままな奴なんだ」            |:::::::::|l:::ト〈    } Ⅵ }::/
                                              lハ::::|「`Y、 ¨´  `y'´ ̄ ̄`i
                                                 ヽ个‐' _ .ィ  // //   ヽ
                                                  V ノ> 、__.. </  '     {



父さんも基本ヒナには甘いしと眉を動かすジュンに、確か雛苺は十四歳と聞いていたやらない夫は
腕を組んで知ったような事を言ってみる。



      / ̄ ̄\
    /   _ノ  \   「女の子のことはよく分からないけど、
    |    ( ●)(●   きっと難しい年頃なんだろ」
    |      (__人__)
 .   |        ノ
     |      ∩ ノ ⊃
   /     ./ _ノ
   (.  \ / ./_ノ │
   \  “ /___|  |
 .    \/ ___ /


                                             /l
                                          Λ/ 〈 へ、
                                        ヘ|        ,>
                                      ∠  /   〉ヽ   ̄\
                                      / ノ〈 |^^| /\ト、  ト、l
                                      |/| .ハ|__ |/___ ヽ  ヽ
                「単なる反抗期だと思うけどなぁ」    l/  |‐|   |―ヽ_|
                                         |  ̄ c  ̄   6 l
                                     .   ヽ (____  ,-′
                                          ヽ ___ /ヽ
                                          / \∨/ l ^ヽ
                                          | |      |  |


ジュンも、自分にそう言う時期があった事は否めない。
思い出すだけで恥ずかしくなる暗黒のような過去を慌てて思考から打ち消すと、
彼にはそんな時期がなかったのだろうか、とふと疑問に思って問うてみた。

208 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:26:07 ID:3MQ1iP0I
一147.
                 __   -─- _
          -=ニ二::::::::::::::::::::::::::::_>
             /:::::::::::::___:::::::::::::::::`7
        /::::::::::::::::f┴‐ヘ::::::::::::::厶   「やらない夫は、反抗期とか………
        ∠ イ::::::::i:::::::|_,.∠、ヘ:::-、:::::/    どうしてた?」
            |:::::::::|l:::ト〈    } Ⅵ }::/
           lハ::::|「`Y、 ¨´  `y'´ ̄ ̄`i
              ヽ个‐' _ .ィ  // //   ヽ
               V ノ> 、__.. </  '     { r
                    / /      ∨l::|
                  |         }l::|
.                    l         |l::|
                      ′           |l::|
                  〈     /    |l::|
                      /      /     |l::|


                                     / ̄ ̄\
                                   /     _ノ\
                                   |       (●)
                「反抗期?           .  |       (___ノ)
                 そんなもんなかっただろ」    |        ´ノ
                                 .   |         }
                                 .   ヽ        }
                                     ヽ     ノ



えっ、と意外そうなジュンに、少しだけ目を見開いたやらない夫はやや早口で続ける。

209 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:27:07 ID:3MQ1iP0I
一148.


        / ̄ ̄\
      / ⌒  ⌒\   「物心ついた時から親父と旅をしていて反抗する気なんかこれっぽっちも
      |::::::(○)(○) |   生まれないほど厳しくしごかれてただろ。大体小枝で岩を斬れとか平気で
     . |:::::::::::(__人__)|   言う親父だぞ?割るならともかく斬れとかどんだけ無茶ぶりだろ。戦闘訓
       |::::::::::::::` ⌒´ |   練中も容赦ないし小さいころは数日意識が戻らなかったり二月ほど
     .  |::::::::::::::    }    一人で生活させられたり三百三十三冊の書物と一緒に真っ暗な倉庫に
     .  ヽ::::::::::::::    }    押し込まれて読み終わるまで外に出して貰えなかったり繰気の訓練だって
        ヽ::::::::::  ノ     水の入った樽を十五センチの壁越しに粉砕させられたり………」
        /ヽ三\´
-―――――|:::::::::::::::: \-―



: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : |: : : : ヽ: : ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : :./\: : : : : ト、: : : : ト、: : /: :∨ :.l
: : : : : :∧: : /──{/、.  \ : : |.-\: : |ー∨、: : : : : |
: : : : :./ 1/     .i   l\:|   \|   |: : |\;!
: : ,、: :{           |-‐‐-|         .|:ヽi    「うわぁ………」
: :{ ヽ'           !   |         ハ:_}
ハヽ ヽ_____,ノ   ヽ_______ノ }
ハ: :`-',  ! | |  ! !      ' ! |' | | 川/ ノ
  〉: :.:∧   〃'ー──-----、    ,イ"´
   ̄  \  ヽ______丿  /
        >、         ,イ´
 ,────、__` ,‐──┬'"´ __
/        |   !     | ̄l ̄    `ヽ
.         |  ー──'  リ      }


<右手だけで生活させられたかと思えば左手だけでさらに生活させられたり
 指だけで崖登りなんか殆ど日課で突然魔法原語で書かれた本を読めと言われた次の日には
 字列変換された魔法書の解読をさせられたり政治経済の専門家に弟子入りさせられたかと思えば
 礼儀作法や舞踊をたたき込まれたり怪物図鑑を全部暗記させられたり………




聞いているだけで寿命が縮み、心に傷を負わされそうな修行と言うにはあまりにも恐ろしい内容に、
これはこれで別の暗黒のような歴史だ、とジュンは思ったのだが。



210 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:28:07 ID:3MQ1iP0I
一149.
肺の中の空気が無くなるまでしゃべり尽くして、大きく息を吸い込んだやらない夫は静かに言った。



     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)     「………でも、俺のためを思って鍛えてくれていたのは
.   |     (__人__)      知っていたから全部頑張った。
    |     ` ⌒´ノ
   .l^l^ln      }       それで今まで冒険者として生き抜く事が出来てるんだから
.   ヽ   L     }       親父には感謝してるだろ」
    ゝ  ノ   ノ
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ



      |:.:.:.:.∧:.:|    |:.::∧:.:.:.:.:.| ≧:.:L-\:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:ヽ
      }:.:.:.:.ヾ:.:.:',   |:./ .V:.:.:.:|ニ-====\:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.∧
      >:.:.:.:.:.|ヾ:.V==/ニ  V:.:.:i{ ゞテ=ァ ||\:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.∧
     /:.::V:.:.:.:レ'´>=ニ示 ヽ、_V:.||  {辷zり  .|| レr -、V:.:.:.:.:.:∧    (ああ、そうか………)
 .   /:.:.:.:.:V∧:.r'´ /ひョリ || ̄ .ヾ∧___ //  / .}:|:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
   /:.:.:.:.:.:.:..:/ヾ::>  ゞ' ´ || {     ̄ ̄ ̄ ̄   入 ソ/:.:.:.:.__/
    ̄ ̄ ̄ |:.:.:∧ヽ_ -=''´ ヽ           / /:.:ヽ ̄
        レ'´ ヽ |        _        /-'´/ ̄
            ヽ       ̄_         / ̄゛゛
               \          _ ィ|
                `   、     イ   y入
                   ニi ´    /  ヽ
                  // }     /    |\
                 / / ノ    /     |   ̄ ' - 、
                /  V'´ ̄ ̄ ../        |      ` ' - 、
             .//   /::::::::::::::/_==-、_ |         /ヽ



自分が親や生まれを選べなかった様に、親も子供を選べないのだ。
子供が一人立ちする際に踏み出す最初の道を、出来るだけ順調に進めるようにと育てるのは当然のことで、
やらない夫はそして冒険者という一歩目を生き抜き、今、騎士となる選択肢を考え始めている。


212 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:29:09 ID:3MQ1iP0I
一150.
自分に、騎士で有り続けなければならない、とは誰も言っていなかった事に気づいた。
事実、サクラダ家の先祖には騎士を早々に引退して冒険者や商売を始めた者も居たし、
武から政へ鞍替えしてローゼン公国の独立に尽力した者も居た。

それらは決して騎士として落ちこぼれたから逃げたのではなく、
騎士を修めた者が二歩目を踏み出す際に、選んだ道だったのだと今更ながらに理解した。



          > -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
          >:.-:.-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´:.:./
        r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:./::|:.:.:.:.:.:.:/
      /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| ̄`''- 、;i:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ヽ
       /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.|      |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_    //:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|   (僕の一歩目は騎士になる事だ。
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ、=、_,, ,/ |:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|   だけど、その後は?)
  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´\-;/ ̄ V ̄ | |イ≧ミ=、/   |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
  ` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}
      /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|
      フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V
      ´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|
          ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /
           /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./
      /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
     /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´
   ノ |      }ヽ::::    /_
 ̄ ̄  .|       \   { ヽ
     .|      / ` ー='´  \



廊下でやらない夫と別れたジュンは、剣を買った高揚とはまた別の興奮が身を包み、
部屋に戻った後もしばらく寝床には入ろうとしなかった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━……


 
 
213 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/29 21:29:43 ID:3MQ1iP0I
本日の投下は以上です。
閲覧ありがとうございました。











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