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【やらない夫は約束を守るようです】 Episode.二人の騎士 第一章 冒険者の少年と貴族の少年-1 2018年09月25日 【やらない夫は約束を守るようです】 トラックバック:0コメント:0




40 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:00:13 ID:xfCVc7aR
一1.







       ┌─────────────────────┐
       │ ―第一章   冒険者の少年と貴族の少年―  . │
       └─────────────────────┘

















42 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:01:06 ID:xfCVc7aR
一2.
シアード大陸の南東にあるローゼン王国は、かつて大陸最大規模を誇ったバーズ連邦から
ロシュディ地方ローゼン公国が独立して興った。



  ー-..、
     `ー..、
       )''''"丶---‐'''''''''''''''' 、_..-.._______....-...._____     ..- 、__..-
      /            ◎     ̄ ̄´        /  ̄ ̄ ̄"´
     /         マリアンデール            _..ノ
    ./                           _..-‐'"
    ヘ、                         <
     ヘ                        _..-′
___   1                     ..ヒ二               __..-r=r
 ゙゙゙゙̄\  !      首都カーディナル       丿            _n广´   '
    `ゝ、ノ     __..-n===u_◎         'ゝ、........,,       _yl''´
     '广`ー'宀'~~       ""ゝ、、            ヘ   __ul广       ‐
      ヘ               "゙'+v_______..-n=┼宀'''宀=――=n-__
      '、                テレジア河     ヾ---..、         ̄
       |                               ゝ
       '、                              /
       1                              |!          _
      ノ'´                ┌────────┐'、
      '、                 │ ローゼン王国 .....│\
      ゙'、                └────────┘  `ゝ      n
       │                                  `ゝ



まだ王国歴を発布して百六十二年であるが、武力を以て独立した訳でもなく
経済も右肩上がりの成長を続けており、ローゼン公国時代からの王都カーディナルは
周辺の国と比べてもかなり治安がよく穏やかな町である。

どこからでも王城が見えるその町の、比較的大きな街路を彼は歩いていた。


43 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:02:06 ID:xfCVc7aR
一3.
脇の露店から景気の良い啖呵が響いてくる。通り過ぎる際に見れば、よく熟れたバナナを売っているようだ。


   ./| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
   /.::| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
  ./.::: |  甘くておいしい           |
 /.::  |      黄色いあいつ        |
 "||"'''|_______________|
  .||  ..||                   ||
  .||  ..||                   ||
  .||  ..||          ∧_∧         || イラハイイラハイ
  .||~  _||_____,  ( ´∀`)       .||
  .||  | .||.__.__.__| ( ilつl )      ||  オイシイオイシイナーバーだよー
  .||  | .||          | .|. | Eヨ 銅貨3枚||
  .||/| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
  .||  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
  .||  | ⌒ヽ    ナーバー           |
  .||  |・  ・ ) ∧__∧  ∧_∧    ∧___∧ |
  .||  | ◎ ,ノ ( ´∀` )(・∀・ )∧∧. ´ー` )|
  .||  |   \ノ○∧∧  ○-(_)(*゚ー゚)ハ.ハ  |
  .||  |ノリルレレ⌒(,,゚Д゚)つ ~(   ( .(*゚ロ゚) |



         , -―- 、
      /     \
      /  \_   |      「活気のある町だな。
      (●) (●)   |      治安も良いって評判だし」
      (_人__)    /
      l`⌒´    /
      |      ヽ
      __!、____/  \
    /、 ヽ     r 、 ヽ
    ハ ヽ Y`l     |  >  Y
   { ヽ_ゾノ     | レi i i}
   `¨´  ヽ    ハ  `'''
         >   / ヘ
        /  /ヽ  ヘ
        _,/  / ご_ノ  モキュモキュ
      ( ヽ /
       \__ノ


44 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:03:06 ID:xfCVc7aR
一4.
今日の昼前にはカーディナルに入っていた彼は、昼食をどこで食べようかと考えていたのだが、
前方に人だかりが見えてふと足を止める。



        / ̄ ̄\
       / ヽ、_   \
     . ( (● )    |   (もめ事、か?)
     . (人__)      |
     r-ヽ         |
     (三) |        |
     > ノ       /
    /  / ヽ     /
   /  / へ>    <
   |___ヽ  \/  )
       |\   /|
       |  \_/ |



  |\     /\     / |   //  /
_|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
\ くそ、お前ら!            /
∠ 騎士を馬鹿にするのか!?    >
/_                 _ \
 ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄
  //   |/     \/     \|

  ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ .∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
 (    )(    )(    )(    )(    )(    )
     ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ .∧_∧ ∧_∧
    (    )(    )(    )(    )(    )(    )



あごに手をやって考え込んだ瞬間、若い男の声が往来に響いた。
好奇心からか、野次馬根性からか、ついそちらへ足を向けて人混みをかき分け中心に近づいてみると、
一人の少年が数人のならず者に囲まれているらしい。


45 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:04:06 ID:xfCVc7aR
一5.
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : |: : : : ヽ: : ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : :./\: : : : : ト、: : : : ト、: : /: :∨ :.l
: : : : : :∧: : /──{/、.  \ : : |.-\: : |ー∨、: : : : : |
: : : : :./ 1/     .i   l\:|   \|   |: : |\;!  「やや、やめろよ!
: : ,、: :{           |-‐‐-|         .|:ヽi    僕は悪くないぞ!」
: :{ ヽ'           !   |         ハ:_}
ハヽ ヽ_____,ノ   ヽ_______ノ }
ハ: :`-',  ! | |  ! !      ' ! |' | | 川/ ノ
  〉: :.:∧   〃'ー──-----、    ,イ"´
   ̄  \  ヽ______丿  /
        >、         ,イ´
 ,────、__` ,‐──┬'"´ __
/        |   !     | ̄l ̄    `ヽ
.         |  ー──'  リ      }



叫んだ少年の年は彼と変わらない程だった。
身ぎれいな服を着て細工の施されたレイピアを吊しており、先程の発言からして騎士なのだろう。



      ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、
       ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃
        ゙、';|i,!  'i i"i,
         `、||i |i i l|,       ヽ、_,人_,ノ、_,从,人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1
          ',||i }i | ;,〃,,       )
          .}.|||| | ! l-'~、ミ   ‐=、´ アァ!?俺達がわりぃってのか!?
         ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ    )
        .{/゙'、}|||//  .i| };;;   , '⌒r‐v'ヽィ'⌒Yソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ
        Y,;-   ー、  .i|,];;彡
        iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
        {  く;ァソ  '';;,;'' ゙};;彡ミ
         ゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ   _,,__
          ゙i }~~ } ';;:;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
 ;;;;;;;;''''/_  / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''  ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/



対して、下卑た笑いを浮かべる男達は薄汚れた革鎧や腰に短剣を吊すなど、冒険者とおぼしき身なりである。
顔が赤いのは酒を飲んでいるかららしく、足下がややふらついている。


46 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:05:06 ID:xfCVc7aR
一6.
.                      ___r冖‐、___
                _∠-―‐く_/二ゝ―'
.                彡_,ィ_ミ、    {!__}   「騎士らってぇ?
              {V∠ノム}ミ=-  }!  }    それがどうしたってんだブルァァァ!
               `コ匸e] L)ミ    j}´ ̄}
          ,r=ニ二¨ \=イ/_{=ァ\∠ゝ- イ    文句があるならこれでこいよ、ヒャッハー!」
        ィ三/´  `ヽ、\三彡'  ヽ    }
   _r‐ノ⌒´ ̄  _ミ} } `丁´   / / /
  ,イ/´        ノミ}{  {   厶ノ-‐'
_,イ{l{  ヽ― ´_,≦三ミゝ\__廴__/
/_圦,ゝ-―¬}丁´   ` ̄ ̄/ヽ=イ
       厶}_,. -r-i_  /  /
       _//_廴} \_  /
      r仁二) =-、〈\_Y
    /二X^\ ヽ |    }
   /ー=イ\\    }    |
 /  ,/   ` `rz彡、__ゝ-― ´ ̄て



多少ろれつの回っていない男の一人が腰の短剣を抜いたので、周りの見物人に緊張が走った。
相対していた少年は、ギクリと身体を強ばらせるが、それでも自分に非はない、と声を張り上げる

47 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:06:06 ID:xfCVc7aR
一7.
                                      /|___
                                  r 、 / ./   /
                                  i ヽi  /  /´ ̄ ̄ ̄`ヽ
                                 _|  ´            <、
                               /    __   _         _\
「平常時に町中で剣を抜くのは重罪だぞ!」    / , //´ .` ´ `ヽ      \ ̄
                              レ´/ ./  / /.i   | 、      ヽ、
                               ,イ.| /| ∧ | ∧ ト、`ヽ ヽ   /
                                .| .|/ i.| .i\.|/ | .|´ `ヽi\i  r''
                                 .レ レ' ri/ ̄`、r´|/`ヽ V,ハ |  \
                                 / i   .ト|    ├─タ.ノr-‐'´
                                /'   ヽ__〈 ヽ____ノ / |< ト ̄ヽ
                               ,゙  / )ヽ .r--- 、u /ヾlトハフ::::|`ヽ
                                |/_/  ハ .i ̄ ̄i u/:}  V  ::::|  \
                               // 二二二7,==='/u' __ /   :::/ / ヽ
                              /'´r -―一ァ‐ ゙T´ '"´/    |   :::::::}
                              / //   广¨´ / /'  /      /    ::::::イ


                  ,人/    ヽ
                、フ /  /\ Yヘ
          ', 、 Z r'  , \/  ヾ.ヽ
          ', ミ _} (、 { 爪_ / /}i }
    {  {.: .:::::::::::∧kー-<。≧⌒ミ   {l|l!ニ,   「おいおい、騎士は侮辱されたら決闘するんだろう?」
    \ ゝヘ :::::{ ヽゝ 彡^ r_j__ィ  ィ ,l|||三!
     ーr‐'.::::::ヽ   }ト、 ヽ‐--= ´/ ,i|l|l三|
        ヽ.: .:::::::}   l|i!  弋三- ´/ ,|l|l|!厂}
       /^) .:::|  `l|il、,ヽ‐ ⌒´i|l||liィ /
        ̄ヽ.:::::|    ヾi|l|i|l||i|l|i|l|r'//
          ∧.::{   ミミ'弍二二二/ /
        ーヘ>.  ミミミ|彡彡´ /_
              `ヽ、ミミミ|彡彡 /:::::\
                 `ミミ{彡´ /:::::::::..
                  \  {:::/^)



少年の足がガクガクと震えているのを鼻で笑った男は馬鹿にするように言ったが、
さすがにここで武器を振り回すのはまずいと思ったのか、一振りさせて鞘に収める。


48 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:07:06 ID:xfCVc7aR
一8.
それを見た少年が緊張を解くようにほっと息を吐いた瞬間だった。
不意に男が殴りかかり、



                                        .,-イ .,,,、、 ,,,,
                                       .,l゙ .゙‐'` ゙l |,,,|
  、__/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::/: /::/::::::\ヘ     ./'゙_,、.r‐',i´.l゙ ゙ ."
   >::::::/::::::::/::::::::::/::::::::::::::::: |:::::::::::::::::::/::::V:::/:i::::::ヘ:::\、   .ト'",l゙ l゙ l゙ │
    /:::::::::::::/::::::::::/::::::::::::::::: : |::::::::::::::ト::iト::┴<:::|:::i::::::\::\    l゙ ,l゙ .l゙‐'"
   /:::::::::::::::::/:::::::: /::::::::::::::::::: ::イ::::::::::::::ハ::|    Vノ: |:::::::::ハ ̄   .レ'"  _,,、,,r、,ーjl
.  /:::::::ィ:::::::/::::::::: /::::::::::::::::::::::/-∠ヽ:::::', ヽ  .イ:::/:::::::::i::ヽ       {-!ト''゙l゙,i´
 /:::/ |::::: {::::::::::::i:::::::::::::::::::/__≧:::::ハ  _∠:/:::::::::人:::::ゝ        ,レ"
.//  .}::::::i::::::::::::|::::::::::::/ ||' r(:::)  . Yヾ:::.://;へ、/!.:.::/:.}       ,__-‐l"´-‐'''-‐''´
     ノ::::::|::::::: : |::::::/|  .|| \ _ i ハト=イヽ  r^ーfノr_-γ--/ /
     ハ:::/i::::::::::ハ/ヽ/  ヾ___ノ ^弋_ソ/       / ///   `
   /=\ レヘ::ハ ヽ {     ̄ ̄ ̄   ゞノ ノ"}          l l |  |
  /'´   \\::::ヽ ヽi        _ ソ /ノ"}|          l   | 丶
  {       ̄\ ̄`ー 、      'ー) '|    _,,,,     ,. -'´ - -'
  ノ`ー ─ ミ、  .\\   ̄}     `ヾ \.r"     /     /\ :_
. ( /      \   \\  i  >──'´〃丶、__ ./⌒ヽ---┬'     \
 .Y         \   \\廴r >'´   /   /
 /          ハ    ミ=V    //  イ



派手な音を立てた彼は数メートル程吹っ飛ばされる。


49 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:08:06 ID:xfCVc7aR
一9.
喧嘩慣れしているのだろう。
転がった少年の脇腹に容赦ない蹴りを加え、横顔を土足で踏みつけた大柄な男は
大きくなるどよめきをかき消すかのように薄汚い言葉を並べ立てた。



              /二二ニノ   ∧_ノヽ_ノヽ_ノ
                //´      ト、ノ
                 //        } や 往 裸 ぼ
        ,r/77くニニノ   __   く   ら 来 に .ろ
        /{r==、ノ    /_r_,<>、  〉 あ に .ひ .く
      く/<} o {>  r、__{ `ハ¨ /}  ノ  // .放 ん ず
       く/ o ゝ_r}ィ=ニ=-く__\ ・・ .り .剥 に
.      くレ´ ̄´ ーr ⌒ ,  ヽヽ/ く     出 い .し
       { {_ ___、  /   ヽ廴ノ    し .た て
          ヽ__,,.rュ―ァ-イ⌒  }/ )     て 後
           {_L/^二二二ニ{ ⌒\     ハ    /
            }/ / ,  _ノ  }}     V⌒//⌒Y⌒
            | /j _}_r-=ニ廴___.   /厶___ くユユ
             ヾ,/, -r ´-=ニニヽ   \// ̄ ̄ ̄´
.               Y',',',',{ ニ=- ―ヽ―‐/厶____
           _rゝ',',',V//´   ー=ゝ∠-――― ´
            /´   ミ\',',V/´    -=ニ',   ___      /!
        r┴- 、_ イ.三>、/´  ー=ニ{    `二二    /|
       /´ ̄`ヽ ヽ} }} >´  ヽ , ―-、ヽ  ` ̄ ̄  //
       〉´ ̄ ゚ }ー厂´       Y /´ ̄>{   ___// /}
       〉-―‐゚/¨7        人V_/´_゚ゝ、` ̄ ̄ ̄_//
        (  _゚イ=/    _/{/ ___ ゝ、__゚ゝ、    ̄ ̄7/
      厂  。}}_/   /Zノ /彡彡^ ヽ} Z___゚ゝ、   ∠/ <77/7
      {__/7   /Y/,  {彡{{   ミ} /\_゚}}、       ∠/
.     /ー―'ニ{   ノ} {{ } 弋 、_Lィ /V\ ヽ―-
  r― ´    }ミ}  (二ニrmt≧-=‐'   ` ―-


50 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:09:06 ID:xfCVc7aR
一10.
四人の男達は、これからよってたかって少年を痛めつけるのだろう。
それはわかりきった事だったが、周りの群衆は困ったように囁きあっているだけで行動を起こそうとはしない。





          ∧,,∧  ∧,,∧ タスケル?
ガードヨボウ ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
      ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` ) コワイヨ
      | U (  ´・) (・`  ) と ノ
       u-u (l    ) (   ノu-u
           `u-u'. `u-u'



そんな中、彼はさらに殴りつけようと指を鳴らしている男のすぐ側に立っていた。

冒険者は基本、町中のもめ事には加わらないものだ。
銅貨一枚分の得にもならない危険など論外であるし、町には町の衛兵が居るのだから。
それでも、考えるまでもなく彼の答えは決まっている。



          / ̄ ̄\
        /       \
        | _ノ  ヽ、   |      (騒ぎは起こしたくないけど
        | (ー)(ー)  |      見て見ぬふりはするなって親父も言ってたしな)
        |  (__人__)   |
        l  `⌒ ´   }
         ヽ      ./
        /:ヽ    .ノ,'ヽ、--、
    ,.-‐,ィ‐"/ゝ.ヽ.___ノゝ::::::::ヽ、:::ヽ.
    //::_,、/,';;;;;;;゙;;;;;;;;;;;;;";;;;;|:゙、::::_::ゝ、ヽ.
  ノ:::i ̄//;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l::::/::::::::::::l:::゙i
 /:::: /::::`ヽ,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|/:::::::::::::::l:::゙,



自分を納得させるように呟き、一つ息を吸い込むと一歩前に出た。

51 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:10:06 ID:xfCVc7aR
一11.
                                      / ̄ ̄ ヽ
                                     / ,/    |
                                   . { (● )   |
                                   . (ノ、__)     |
                                    .{         |
                                     丶      イ
「大の大人がムキになってみっともないぜ!          /::/::ロ:::::::::ノ
何があったのかは知らないが、                 /:/::`:ー=‐"::ヽ
そこらへんにしとけよ!」                    ノ:io:::::::::::::::::::::::::::i、
                                   r'/::::::::::::::::::;.ィ'⌒゙ヽ
                          _r 、      //:::::::::::::::/:::::::::::::::::::)
                          ヽ\゙t-、 ,、/:::i:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::ノ
                           ,.r\ ヽ i:::::::::::l:::::::::::::i:::::::::::::::::::::::/
                           ヽ)く ノ::::::::::::;!:::::::::::::l::::::::::::::::::::/



瞬間、あたりを涼風が駆け抜けた。
周辺に満ちていた戸惑いや悪意、好奇の気配が一瞬にして払われたのだ。


52 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:11:05 ID:xfCVc7aR
一12.
少し低い、しかし大気に染み入るようによく通る声に、その場の全ての視線が集まった。



      ∧,,∧  .∧,,∧
  ∧∧(`・ω・´)(`・ω・´)∧∧
 (`・ω・´).∧∧) (∧∧(`・ω・´)
 | U (`・ω・´)(`・ω・´) と ノ
  u-u (l    ) (    ノ u-u
      `u-u'  `u-u'



だが次の瞬間には、現れた助っ人が二十歳前の若造である事に落胆した表情が並ぶ。



      ∧,,∧  .∧,,∧
  ∧∧(´‐ω‐`)(´‐ω‐`)∧∧
 (´‐ω‐).∧∧) (∧∧ (‐ω‐`)
 | U (´‐ω‐`)(´‐ω‐`) と ノ
  u-u (l    ) (    ノ u-u
      `u-u'  `u-u'



53 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:12:06 ID:xfCVc7aR
一13.

                   |\  |\
                  |  >|  .\
                  |/  |    \
                  /     u
                  |    \  |||  |
「坊主、やめとけ。      .|        |||  |
かなう相手じゃないぞ」     -         /
                   ヽ       /
                    > -   ⌒ヽ
                   /
                 /            |
                 |            |
                  |   |        |



さらに一歩進んだところで後ろに立っていた誰かが忠告したが、無視した彼は明確に、
かつ端的に要求を突きつけた。


           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●
.         |      (__人__)
           |,      ` ⌒´ノ           「そいつを離せ」
          │         }
           ヽ、      ソ
          イ斗┴r┐` .;
    / ̄`ーゞ、  / |__ 〈ー─r、
   /     \ ∨\  |,ベ._ / |
   {    . : : : . ヽ>ー\[ ̄{ 〉\|、_
   |        `丶}\  __\_]~∨'\`ヽ
   :|   ._    \_}/r‐-}\ ゙,`''く l ゙,
    ト、: :./ / ̄`` ぐ└f'二)::{  ',  | !,ゞ┐
    `、∨ ´ ,.、-''"~ ̄}_{‐''く:::{_  ', _|_|_,rー'、_
     }{ / _、-'''"~ ̄{_\;;;;;j;><;:::::\:::ヘ}\
      }∨: /  _、-''゙~ ̄ ̄     \::::},之_ ヽ
       〉∨   /           ,.、イ;;ノ_   `ヽ}
     {: \,/\  -‐ '"   /` ̄      :.:}




54 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:13:06 ID:xfCVc7aR
一14.

      ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、
       ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃
        ゙、';|i,!  'i i"i,
         `、||i |i i l|,
          ',||i }i | ;,〃,,   「小僧!なんか言ったか!?
          .}.|||| | ! l-'~、ミ   アァ!!?」
         ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ
        .{/゙'、}|||//  .i| };;;ミ
        Y,;-   ー、  .i|,];;彡
        iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
        {  く;ァソ  '';;,;'' ゙};;彡ミ
         ゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ   _,,__
          ゙i }~~ } ';;:;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
 ;;;;;;;;''''/_  / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''  ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/



先程少年を殴りつけた男が不機嫌そうに大声を出した。
言い方は迫力満点、気の弱い善良な一般市民だったら腰を抜かして早々に退散していただろう。
だが―――



                               ‐――――‐‐ 、
                          /           \
                        /              \
                 .       /                 ヽ
                       /                     i
                       |  二二二二 三 二二二二    i
                       |   ― ― ― == ― ― ― ‐  |
「みっともないからやめろ、       l   ___ ノ     ^ー―-   |
 と言ってるんだ」              l   /     ヾ≧=≦Y    ヽ   l
                       !  | {:::::::} | }llllllll{ | {::::::} |   l
                       l.  ヽ ,  彡!!!!!!ゞミ、    /   '
                         ',   /    |    ヽ    /
                        ヽ  ゝ _ /\ _ ノ     /
                         ヽ   ` ー―― ´    ∧__
                          \            / / 〉::`丶、
                          /\         /  / /::::::::::::::丶、
                         /:::::l  ー――‐ ´  / /:::::::::::::::::::::::`丶 _
                      -‐::::::::::::::l        /  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::



―――向き合う彼は全く怯まない。


55 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:14:06 ID:xfCVc7aR
一15.

       ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、
       ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃
         ゙、';|i,!  'i i"i,
         ` 、||i |i i l|,
          ',||i }i | ;,〃
          .}.|||| | ! l-'~ 、
          , }||| il/,‐'   ヽ
         /゙'、}|||//       ヽ   「う………」
        /  -─‐- .u      ヽ
        |  ,-‐Ll ‐-、     l
       /ヽ iil||||||liill||||||||li!=  /
     /'   ( .u. /  ヽ    )))ゝ
    ,゙  / )ヽ ノ(、__,ノヽ / i_/ハ
     |/_/   i -=‐ >ノ /  V:::::ヽ
    // 二二二7─-─´.u' _/:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ



真向かいに立つ男にしか分からなかったが、黒々とした瞳の奥に潜む気配は猛獣を思わせた。
若干十七歳の気迫にのまれた男が動かないので、彼は少年を踏みつけている大男へ歩み寄ると



    , r ' ⌒ ヽ、
.  /       ヽ,
  /      ,,ヽ、_ヽ
. |    __,ノ 彡(○ )
  |   (○ ) 彡  |
.  |        入,__)    「下がれ」
  |.     ゙'ー'´
.  |      ゙ヽ、__ノ
   ヽ、       ノ\.
  /::ヽ、_   /ノ:::::|
. /:::::::,::::\ゝ、◇ノ::::i:::|
. |:::::::::|:::::::::\¶/::::::::|:::|
. |:::::::::|::::::::::::::::|::::::::::|:::|
. |:::::::::|::::::::::::::::|::::::::::|:::|



一言、命令する。

56 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:15:06 ID:xfCVc7aR
一16.
先程よりもさらに低い声、貫くような視線。



       ,ノ⌒レ'^ヽ
     /  /  /   .:.:.:::::;:;:;;;;;;;;:;:;::.:.:.:. . :.: .
    / `ヽ/  /`i .:.:.:.::::;:;:;:;;:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.::/1
  ,/   ,/  ,r' ,!  .:.:;:;;;;..'"´ ̄ ̄ ̄``/:::l;;:;:.:. :. :..:/:::7
/  `ヽ/  ,′,人 .::::.:/         j!:::::|``ヽ、:;:;;;|:::/r、
 ̄``ー'、   ノ / ,!.:/  ,,:′ ,::;'゙′ ,:' ,j:::::/    \l//::::l::::::::.:.:.:.:.
   、,,__ノ ,:'′,′,ノソ ー-イ(  .::;′ ,イ  j:::/ /\/:K:::::/::::::::.:.:.:.:.:
  `77:;;..ノ  .:;′,′     ,;,' ,.イjj!,;:.'/::/  `介´::::/ 1/.:::::.:.:.:.:.:/:
:;、 //  ``y.:;′/==ュ、  ,.イ イjjjj!``7/ヽ、   .|:::::| ^1.::::::::.:.:/:.::/
`;;:、j!  .:;;'゙.::;; ノ;;'゙ ・) `;;:. ii|| j!从 __'゙     、../:::/.:;;. |:.:::::.:./.:::/,,,
 .:;;;i    V ,リに二ニ''゙;;;.! iiリイ从j;r'fr=rゞ、    リ:::/ ;;;.: !,、-‐':::,、-'''
   ',   .:.;;;リ     `ヾ>>彡ミミL `='゙ `ト、  /::/  jii!!'".::::::::::/
   ;  .:.:;;;;!  -ー`ミミヽjj! , '"´``ー-、ニ''ー `ヾリリ^7イ,,,、ァ''"7:/  /
   ; .::.:;;/   `ミミヾjj彡ー、:::::::::.:.:.:.:..: .   '゙'゙イイ彡ー'、 /:/  '"´
 .::;;,′  !   `ミミヘjjj彡ニ.:.:::ヾ、:::::::::.:.:.:.:. .   〈;;k⌒ヽレ:::/
.::;:;'′  ,′  ,;ヘ、ミミ;;;: .:ィイイ:::::::::.::::::::::.:.:.:.: _ __,,.イjj11 j|:::/  /.:::::
.:; ;;  .:;;;/   .;;‐< 7 7rーr'''7ヽ:::::::::::.:.:.:.:.ー==''¨´jj!ハ //′ /.://::
.:;;' .:;;;/   ノ`77ー-、``'ー'-、j:::.:.:.:.:.:. .  , .ィィイ从  ノ/ /.:/ ,/::/
.;' .:/:/i ;;:、_ 二二ヽ /`r‐r‐r/      , j ii!;;;!`ー 、_ソ  ´ ̄  /::/
.:::/:/:::|  `~`.イイゝ、``ー='゙      ,ィイ リリリL ,.イ"´     //'
.::::/.:;;;;l  .:::ノノノ           ,.ィイjj リリ``7
.:/ .:;;;;i .: :;;;;            ,ィイ从彳.::;:;;i゙
'′ .:::;:;ヽ、             ィイイ从 .:;;;:;;;i゙
   .:.:::;;;;;>ー------‐''''""´.:.:.::::::::;:;:;;:::;:;;;;人
   .:.:;;;;;;:.:.: .:.     .:.:.:.:.:.:::.:.:.:::;:;:;::;:;:;;;;;;,r';;;;;;;;ヾ、,,,,_



一瞬、手刀で頭をかち割られたような錯覚に陥った大男はイヤイヤをするように首を振り、
二歩、三歩と本能に従って後ずさった。


57 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:16:06 ID:xfCVc7aR
一17.

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)   「立てるか?」
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ  mm
   /    ̄ ̄ ̄ つノ
   |    | ̄ ̄ ̄


                        /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
                    _ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::\   ,
                   ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::、:.:.:.:/ //
                     >:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:レ:.:.:/
                     /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´
「う、うん………」          ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
                      レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ
                        ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
                 ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|
                /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./
              //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―
             .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
            ../: : : : : : : : :\: : |: : V: ∨: V: 入
            /: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : \//: :/ヽ



差し出された大きな手を掴み、立ち上がらせてもらった少年は、ふらつく頭を二度振って意識を覚醒させると
何とか頷いて目の前の相手に無事を伝える。

58 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:17:05 ID:xfCVc7aR
一18.

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒)
. |  u  (__人__)
  |      |r┬|}  「大丈夫そうだな。
  |      | | |}  君もさっさと立ち去った方がいいぜ」
.  ヽ     `ニ}
   ヽ     ノ
   /    く
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、



      ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、
       ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃
        ゙、';|i,!  'i i"i,
         `、||i |i i l|,
          ',||i }i | ;,〃,,   「ま、まちやがれ!
          .}.|||| | ! l-'~、ミ   何だテメェは!」
         ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ
        .{/゙'、}|||//  .i| };;;ミ
        Y,;-   ー、  .i|,];;彡
        iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
        {  く;ァソ  '';;,;'' ゙};;彡ミ
         ゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ   _,,__
          ゙i }~~ } ';;:;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
 ;;;;;;;;''''/_  / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''  ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/



そのまま群衆に紛れ込みたかったが、一番遠かった男が我に返った。
素性を問う声と共に自分に注目が集まった事を知った彼は片眉を動かすと、大胆で惚けた返事を叩き付ける。


59 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:18:06 ID:xfCVc7aR
一19.

                                 _ _ _
                                ´      丶
                             /         丶
                            /             丶
                             /             |
                          /           _..,,ノ   |
                           /          (● )   ノ
ヽ                        /           /   |ヽ
:::::`ヽ、                       !           丶_ / /
_, ‐、:::::: ̄ )           | ̄ ̄ ‐ '─ !_               ノ ´  「そうだな………
:::::::::::レ'  ̄            |::::::::::::::::::::::::::::::`‐ _        /     通りすがりの正義の味方。
:::::::::::|              |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐、 _   /
:::::::::/       __ _ -‐' ̄`‐- 、_::::::::::::::::::::::::::::`‐ <
:::::V        |::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐-、 _:::::::::::::::::::::::::::>       ってなところでどうだ?」
::::::〈       __|::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ _:::::::::::::::/
::::::::}_r──´ ̄::::|:::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐、/
::::::´::::::::ヽ:::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::` ‐-、
::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::\:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
、_______|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r‐‐::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
           |:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::: {:::::::::::-‐‐‐:::::::::::::::::::::::::/
_          l::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
::::::::`‐-、_     __ キ:::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄`‐-、
:::::::::::::::::__ >-‐´::::::::ヽ:::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
:::::::::-‐´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/



振り返らないままの彼の答えで周辺は静まりかえり、直後笑いが巻き起こった。



アハハハ
    ∧,,∧  ∧,,∧
 ∧ (´^∀^) (^∀^`) ∧∧
( ´^∀) U) ( つと ノ(∀^` ) カッコイイナ、オイ
| U (  ´^) (^`  ) と ノ
 u-u (l    ) (   ノu-u
     `u-u'. `u-u'   ワハハハ


60 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:19:05 ID:xfCVc7aR
一20.

                  ,人/    ヽ
                、フ /  /\ Yヘ
          ', 、 Z r'  , \/  ヾ.ヽ
          ', ミ _} (、 { 爪_ / /}i }
    {  {.: .:::::::::::∧kー-<。≧⌒ミ   {l|l!ニ,   「いきがるなよ、小僧ォォ!!」
    \ ゝヘ :::::{ ヽゝ 彡^ r_j__ィ  ィ ,l|||三!
     ーr‐'.::::::ヽ   }ト、 ヽ‐--= ´/ ,i|l|l三|
        ヽ.: .:::::::}   l|i!  弋三- ´/ ,|l|l|!厂}
       /^) .:::|  `l|il、,ヽ‐ ⌒´i|l||liィ /
        ̄ヽ.:::::|    ヾi|l|i|l||i|l|i|l|r'//
          ∧.::{   ミミ'弍二二二/ /
        ーヘ>.  ミミミ|彡彡´ /_
              `ヽ、ミミミ|彡彡 /:::::\
                 `ミミ{彡´ /:::::::::..
                  \  {:::/^)



だが、その笑いを自分たちへの嘲りと取った四人は、忌々しそうに唾を吐くと酔いの代わりに
殺気をみなぎらせ、たった一人の少年にコケにされた事の恥ずかしさを誤魔化すように剣を抜いた。



.                      ___r冖‐、___
                _∠-―‐く_/二ゝ―'
.                彡_,ィ_ミ、    {!__}
              {V∠ノム}ミ=-  }!  }
               `コ匸e] L)ミ    j}´ ̄}   「このガキが!」
          ,r=ニ二¨ \=イ/_{=ァ\∠ゝ- イ
        ィ三/´  `ヽ、\三彡'  ヽ    }
   _r‐ノ⌒´ ̄  _ミ} } `丁´   / / /   
  ,イ/´        ノミ}{  {   厶ノ-‐'
_,イ{l{  ヽ― ´_,≦三ミゝ\__廴__/
/_圦,ゝ-―¬}丁´   ` ̄ ̄/ヽ=イ
       厶}_,. -r-i_  /  /        
       _//_廴} \_  /
      r仁二) =-、〈\_Y           
    /二X^\ ヽ |    }
   /ー=イ\\    }    |
 /  ,/   ` `rz彡、__ゝ-― ´ ̄て



今度は脅しではないらしく、目に見えて分かるような殺気を周囲にまき散らしながら、
立ち止まったままの彼を囲むようにジリジリと間合いを詰めてくる。


61 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:20:06 ID:xfCVc7aR
一21.

              __
               /    \
          /         \
          |     : :::::::::::|
          |     :::::::::::::::|       「やめておけよ。
          |    ::::::::::::::::::|
          |   ::::::::::::::::::::::|ヽ       恥をかいただけじゃ済まなくなるぞ?」
             ヽ       /_./|:\
               \__,-‐´~/:::::::\
           ∠___ ,-‐'~.:::::::::::::::)
             /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
           /::::__::::::::::::::::.::::::::::::::/
        //:::::::::::::\::::::::::::::::::::::/
        |:::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::|
        ヽ:::::::::::::::::::::::::::\::::::::::|
         |\::::::::::::::::.:::::::::\:::::|._



少し右手を動かしただけで振り向かない彼の言葉がはったりなのか、実力に裏付けされたものなのかは
その場に居る誰にも判断がつかなかったが、とにかく男達はこのままで済ます気は毛頭ないようだ。


62 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:21:06 ID:xfCVc7aR
一22.
その時まで、原因となった少年はまだ逃げていなかった。
いつでも走り出せるように頬を押さえて呼吸を整えていたのだが、自分を助けてくれた恩人に危機が
迫っていると知り、一秒の半分の間、逃げるかとどまるか葛藤した。



            /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
        _ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::\   ,
       ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::、:.:.:.:/ //   (どうする、相手は四人だぞ?
         >:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:レ:.:.:/
         /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´     脇腹も痛いし、今なら逃げられるかも知れない)
        ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
          レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ
            ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
     ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|
    /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./
  //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―
 .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
../: : : : : : : : :\: : |: : V: ∨: V: 入
/: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : \//: :/ヽ



大本の目的はすでに達成している。
相手が四人と知らずに囲まれてしまったが、本当ならさっさと逃げ出していたはずなのだ。
これ以上ここにとどまる事に危険こそあれど、意味があるとは思えない。
だが。


63 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:22:06 ID:xfCVc7aR
一23.

: : : : :: : :、: : : ::::::,lll,,,,,,,,,,,,,__
: : ::_、,,、‐,l,: : : :,,ll,i,_゙゙゙llllllil,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__
,,llll,,,lll,,i´,ll,゙l,、:,illilllllli,l,: ,lliill゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゚” ̄
lllil!llil゙゜:lllllllilll,.:llllllllllllllll::llllll!llii,,l,i、
l!lilll゙ιllllllllllllllillllll!lllllllll!,lll゙!liill!llllil,i、
illll!`lll:,lllllll!゙゙l゙!!゙lllll゙!lllllll,llll,,゙!lli゙llll!llil,i、
!l】l::lll゙llllllll:: : : : : : :|llllllllllllil,,゙lli、゙゙lllll,,、     (けど、けど、あいつは僕を助けにきた!
il゚,ll:lll|llllllll: .: : : : :.::|'lllllllllll!lili,゙lll  ゙゙゙!l,,、     見ず知らずの僕を!
l゙,lllllll|llllllll:.、:::x,、:、:|'llllllllll.lllllli,lli,    ゚゙=:
,,llll!,lllllllllll: : : : ゙'N,,,.,lllllilll|:l!ll!lli,li,         助けも求めていないのに!)
illlilil!llllllllll、::::::::.,,.::_ll!,l゙'llli,"ll` .'!li,,
llilllll:゙llllllllll、、:、:ハ::゙i!゙,l`|lli"ll
lllllll:_,゙llllllll〆":'│::.゙.:`、.=,「
!|llll'`::'!llll゙li、丶'|,!::::::::::::::i!l゙,!
::)ll′: :゙!ll゙゙l: : ::|:.: : : : :`|::l、
、'l、:: : :゙!!::`::、U,、,:、..,i,|、゙i,、
、::`::: 丶丶丶:::゙!i{h,、_,シ`::::::.|
: : : : : : : : : : : : : : : : `: : : : :l゙
: : :`: : : ::`: : : : : : : : : : : : :/
: : : : : : : : : : : : : : : : :: : :: ,″
: : : : : : : : : : : : : : : : : △:′
、、: : : ::::::::`:::::::::::::::::: ,,-`
: `"'ヽ,,: : : : : : :`:_,,r,i´
: : : : : :゙・: : : ::‐'''~`



意味はないかも知れない。だが、意義なら十分にある。
心の中心でそう考えた彼は、血が滲むほど唇を噛むと覚悟を決めた。

64 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:23:06 ID:xfCVc7aR
一24.

                      |::ヽ/::::::〈 へ、
                      ,-┘:::::::::::::::::::::::::::`>
                    ∠::::::/::::::::::::::::〉ヽ::::::::\
                    /::〈:::|^^|:::::/\ト、ヽ::::::>
\                     /::::::ハ|_l/l/.__-ヽ|:::」    「待て!
\\                    . ̄7/.|__|─|__|- lj/     こうなったら僕が相手にな、なる!」
  \\                    ヘ.  __;__、u/
   \\                    フヽ辷フイ{ヾ
     \\                  /::::〈`l7:´::::::ヽ
      \\            ノ::::::::::::V::/:::::::::::〉
          \\            /:::::::::::7::ト/:::::::::::/
           \\         /::::::::::/:::::/::::::::://
              \\     /::::::::::/l /:::::::::/::l
            ∠二フ /:::::::::::::/ /:::::::::/::::!
              ヽ,'~つニ〉ヾ:::::::://::::::::::/::::::::j
                ゙へノ7  ヽノ<::::::::::/ヾー--¬
                 くヲ``  ヽ</^ヾフ=/{
                  _,. -ヾソ  ノ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,
           r ' ´:::::::::::::`ー‐'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::``丶
           l::::::::::::::::::::::::::::::::::_,. -─- 、_:::::::::::::::::::::::::::
              l:::::::::::::::r -- ' ´       ``'ー、:::::::::::::
           /::::::::::::::l               l::::::::::::



   / ̄ ̄\
 /       \
 |          |
. |         |      「!」
  |          |
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽニニニニノ 、_
  /::::::::::::::::::::: ̄`ー
  ヽ:::::::::::::::::::::::ーt-.._:
   ヽ::::::::::::::::::::::::i



レイピアを抜いた構えは正規の訓練を受けていると分かるが、実戦経験は皆無に等しいだろう。
振り返った彼は、震える脚を黙らせようと何度も叩く少年と、怒りをぶつける相手は誰でも構わない四人を
ぐるりと見回し、全員の立ち位置、武器、防具、視線などを瞬時に把握しておく。

65 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:24:06 ID:xfCVc7aR
一25.

             ヾ`\゜"´〃
            ゞ` i l i \//
          彳,   il|.ll !li,'
         ゞ 彡, i| l|!li,'
          イ ヾ i |l|lif  `ヽ
         /    刈 il|l|{    ',
        {     从|l|l|{     }
         |  ,>       <  i
        i.   i _ ':, ! ,'__ _ ヽ i   「ビビリのお坊ちゃんが相手をしてくれるとさ!
       /云i 廴・ ゝⅤ 廴・ >  i     光栄だねぇぇぇェ!
.      { iヾi    ¨ i : ~ー、  i
        ヽ_ i  〃, 、_ _,. ヾ    }
        ミi  i rェエエエェj i  /ミ
        ∧, i .|x‐-‐y_| i  /ミ
         ,'', ∧  爻ェェ爻  ./: :}
    .,..<{: :i: : \i ー / イ: :: :ト、
   /: :: :/i: : i: :: : ≧ ≦´ /: :: :: :i: : \


      ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、
       ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃
        ゙、';|i,!  'i i"i,
         `、||i |i i l|,
          ',||i }i | ;,〃,,   「だいたい、ちょっかいをかけてきたのは
          .}.|||| | ! l-'~、ミ   テメェだろうが!ナメてんのか!?」
         ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ
        .{/゙'、}|||//  .i| };;;ミ
        Y,;-   ー、  .i|,];;彡
        iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
        {  く;ァソ  '';;,;'' ゙};;彡ミ
         ゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ   _,,__
          ゙i }~~ } ';;:;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
 ;;;;;;;;''''/_  / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''  ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/


66 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:25:06 ID:xfCVc7aR
一26.

          > -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
          >:.-:.-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´:.:./
        r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:./::|:.:.:.:.:.:.:/
      /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| ̄`''- 、;i:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ヽ
       /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.|      |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}  「何を言ってる!
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_    //:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|   嫌がる女性に絡んでいたのは
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ、=、_,, ,/ |:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|   お前らだろ!
  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´\-;/ ̄ V ̄ | |イ≧ミ=、/   |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
  ` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}     そんな不埒なマネ、見過ごせるか!」
      /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|
      フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V
      ´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|
          ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /
           /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./
      /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
     /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´
   ノ |      }ヽ::::    /_
 ̄ ̄  .|       \   { ヽ
     .|      / ` ー='´  \


                                           ,人/    ヽ
                                          、フ /  /\ Yヘ
                                       ', 、 Z r'  , \/  ヾ.ヽ
                                       ', ミ _} (、 { 爪_ / /}i }
                                {  {.: .:::::::::::∧kー-<。≧⌒ミ   {l|l!ニ,
    「生意気な小僧め!命が惜しくないんだな!」 \ ゝヘ :::::{ ヽゝ 彡^ r_j__ィ  ィ ,l|||三!
                                  ーr‐'.::::::ヽ   }ト、 ヽ‐--= ´/ ,i|l|l三|
                                    ヽ.: .:::::::}   l|i!  弋三- ´/ ,|l|l|!厂}
                                    /^) .:::|  `l|il、,ヽ‐ ⌒´i|l||liィ /
                                     ̄ヽ.:::::|    ヾi|l|i|l||i|l|i|l|r'//
                                      ∧.::{   ミミ'弍二二二/ /
                                     ーヘ>.  ミミミ|彡彡´ /_
                                          `ヽ、ミミミ|彡彡 /:::::\
                                            `ミミ{彡´ /:::::::::..
                                               \  {:::/^)


ぺっ、と唾を吐き出した一人の殺気が弾ける。
瞬間、それを感じ取った少年は剣での戦いならば自信があるとでも言うのだろうか、
レイピアを正眼に構えると高らかに名乗った。


67 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:26:06 ID:xfCVc7aR
一27.


         /|  , イ         ==‐
   `、    / { /             `丶、
    ヽ\  { |/                   ヽ
     乂ヽ { |      \             \ 、、
       /   、 |      ` 丶、       ヽ ヽヽ
    , ',/ //   \|、   `` ‐  `_ヽ、    、ヽ ゙.
    ノ / /// |i |``lヽ     \  `‐ `=-   \ヽ
     //|   レ! | 、ヾ 、ヤ \ ヾ\      ヾ }`
      i// /   | ヾ ヽぃ i iヽヽ\ヽ,,,\  \| | ハ!    「僕はジュン!
      |//   H Aト-仆ヽぃ ヽ! xィ勿 }}\   `レ′     ジュン=サクラダだ!
       /| ,,  キ,,x=≠=x, レ ヽ イ弋_歹 ! \ヽヽ.
        |/| | 代 勿 }}              ト ´|` ゝ     いざ、参る!」
           | / ヽ `‐゛           ,′| | \
           ヾ!      ヽ     〃| |ヽ!  \
            ヽ\    -一  / /|/    _ ,-ン
             \ `ト 、_  _ / | /  _, ‐ ´  ノ
           /´`ヽ,.|     ̄ ____| )_-(_   , /
      ___∠Y ′ ∠,ヽ ヽ _,-‐ ´´  )‐}    ̄
   -‐ ̄   /   ̄_,´` ̄丶_  _/ /   , ヽ_
  // ̄\ /   <__/ .` ー´ ̄ /   //     ̄ト、
 ノ    /    ー 、 \   \ /  //     / \
ノ    ハ    ー- ...`ヽ`ヽ             /    \
    / 人_ノ_ノ ´ ヽ、_    ヘ____ /       ヽ



ジュンと名乗った少年は、やはり訓練に裏付けされた動きで男に斬りかかった。


68 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:27:06 ID:xfCVc7aR
一28.
              , '
             〆
           //                .                      ___r冖‐、___
           ノ /                                _∠-―‐く_/二ゝ―'
          /  i                 .                彡_,ィ_ミ、    {!__}
          ,i  |i                         ヒョイ  {V∠ノム}ミ=-  }!  }
         ,'  |i                             `コ匸e] L)ミ    j}´ ̄}  「おっと!」
         i|   |i                         ,r=ニ二¨ \=イ/_{=ァ\∠ゝ- イ
        i|   .|i                       ィ三/´  `ヽ、\三彡'  ヽ    }
        |    .i、                   _r‐ノ⌒´ ̄  _ミ} } `丁´   / / /
        ゝ     i、                 ,イ/´        ノミ}{  {   厶ノ-‐'
        .i|      ゝ              _,イ{l{  ヽ― ´_,≦三ミゝ\__廴__/
         .i|      丶             /_圦,ゝ-―¬}丁´   ` ̄ ̄/ヽ=イ
         .i|       \                  厶}_,. -r-i_  /  /
          .i|        丶                 _//_廴} \_  /
          .i|        丶丶、、,,           r仁二) =-、〈\_Y
           i|         \ゞ`          /二X^\ ヽ |    }
            i|、       `\ 、、,      /ー=イ\\    }    |
             ゝ       `丶`\ゞ    /  ,/   ` `rz彡、__ゝ-― ´ ̄て
               \  ,.   ミ\丶 `
                 `;丶\丶  、`丶
                       \ 丶
                           \

しかし男達も実戦を積み重ねてきた経験があった、易々とレイピアの攻撃を避けるとお返しとばかりに
短剣で斬りかかり、少年はかろうじてそれを避ける。



::::::::::::::::::::::::::ハ::::::::::::::/i// i:::::::::::::::::::::::::|::::::|:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::\
::::::::::::::::::::::::::::ハ;;;;;;;;;/-'´   .|::::::::::::::::::::::::ト::::: ト::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::ヽ
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:::::::::::::::::::::::::::::iヽ:ヘ      |:/   V::::::/   /イ=フi}ヾ─────'`
ヽ:::::::::::::::::::::::::| \ヽ     |i!    }::/   r''´ゞハi l:ヽ            「うわっ!?」
::::\::::::::::::::::::::|   \   __ニ三イ   ||r j}i| .i lヾ}
::::::::::\::::::::::::: |   /::::_,,,ィ彡=''´i/il_,==|.しソハ ノノ-、
:::::::::::/ \::::::::::ヾ /:- ''´>''´ -=イ`  ||r'´` ハ彡 y/: : : :\ニニミ-、
::::::::/   `ー- xゝ rィ彡''´イッ:::リ  /i   ミー=´i: : : : : : :`:-:、: : :}ソヽ
:::::/::ハ_____/ /  / ヒ:::..ソノ {.リ    }.  l-、: : : : : : : : i: ://: :ハ
 ̄ヽ──────、ハ ヾ  ゞ''´  ノノ    ./  ./: :ノ: : : : : : : : l: i l: : : ハ
i ヽ ` -ゝ      ヽヽ ミ=''´ //       /: : i: : : : : : : : : l: i l: : : : :ヽ、
{  ハ         \\__//    , ィ /: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : \
 `   廴     し   ー─''´    ir'_´'´ ./: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : /
>、_   ー                     /: : :/: : : : : : : : ::/: : : : : : : : : : :/
: : : : : >-、_ハ、               ハ/: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : :/ハ



69 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:28:06 ID:xfCVc7aR
一29.
戦力差四対一、経験と実力にも大きな差があり結果は目に見えていた。
予想通りすぐに防戦一方に立たされてしまったジュンを見て、頬をかいた彼は意外そうに呟く。



     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)        「あいつ、逃げなかったんだな………」
.   |     (__人__)
    |     ` ⌒´ノ
   .l^l^ln      }
.   ヽ   L     }
    ゝ  ノ   ノ
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ



実力は伴っていない。精神力すらぎりぎりだろう。
それでも女性を助けるために割って入った行動力、先に逃げなかった気持ち、そして剣を抜いた覚悟は
十分認める事が出来る。



70 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:29:06 ID:xfCVc7aR
一30.
そう言うの、嫌いじゃないぜと呟きながら背中のバスタード・ソードをすらりと抜けば、
それだけで雰囲気が一瞬前と異なった。



                                     / ̄ ̄\
                                    /ノ     \  フッ!
                                     ( ●)        | ,r-、__  ____,r‐''7´7
                                  ((___)      |┬フ   i ̄`''´r--っ二>
                       ___,,,,..,..---‐‐‐‐'''' ヽ           |┴<   r-ニ'''''/ f'''´ /
            ___,,,,....--‐‐‐''''''' ̄__,,,,,...--‐‐‐'''''''' ̄´´ {          |__  lニ;l_,f-、~`ヾ /
     __,,,..--‐‐'' ̄_,,..--‐‐‐''''''''''  ̄               >      '"  ` ̄     /´
 -‐'' ̄,...-‐'''''''  ̄                      ,,/'"~´/               /
 '''  ̄                            /    /           , -‐ ~´
                                〈   l          r~´



呼気が漏れる音と同時に踏み出して、重く狙い澄ました一撃で近くに居た男の剣をはじき飛ばす。



                    \..                /
                     \\..            //
                      \\... o |    //
                       \ \  。/ / /
                     ヽ   \  \ .。 /
                         ヽ\    /
                     - -二         二 - -   ギギンッ
                       o        \ 。
                            o  \  \.
                      / /。/     \ \.
                    / /     `~´   \\
                   //    / 。         \\
                 //                  \
                /
                   


71 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:30:06 ID:xfCVc7aR
一31.
全く見えなかった横からの攻撃で武器を奪われ、驚愕の声を漏らそうとする男を蹴り飛ばし―――



                                          ,、 、'7/.〉    ,,,、、、、、、、、、,
                                     /"ヽ,、/~//.//,/ ,、- ''~;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;;:;:
                                    ,/ ,'''"/ , '' '-' r''~;:;:;:;:;:;;;;;;;r""''''''''''''"
                                    / / / ,/  ,、'';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)"  あ
                                   (,,/ / r'  /;;r"(;;;;;;;;;;;;;;;;;/   べ
      / ̄ ̄\                     ゙i\   /,,/   i;;/  ヽ、;;、 '"ノ    し
    /ノ(  ゝ 、_,ノヽ                    ゙i (,  >'、   t;i i "i  ::://,,,;ヽ   //
    | ⌒(( ●)(●)                   i  ゙i //7 ,、, i|,,|i t、 ;;ii,リ'" )  ・・
.    |     (__人__) /⌒l               i|  (/// ノリ;;;;t;;;、tii~|Yr''",、`L
     |     ` ⌒´ノ |`'''|                 i| i/./ / (`'-、ヽ;;;;、、;r彡;;;三''`''レヽ
    / ⌒ヽ     }  |  |                 i|  /./.irヽヽ'tアミニ彡tレ'(,@,、`'"/
   /  へ  \   }__/ /                i|. r" / |, |i/ ヽ~''ー''"'y/)'",⌒''
 / / |      ノ   ノ                ,.i. |/ /,i |    ', '""リアiiリ".......
( _ ノ    |      \´                 ,.i      ̄ V ,,r、   t ''"ノ'Y'ー;::::::''''""
       |       \_,              ゝ      |  rヽヽ,)ー、. t'" :::~'ー~,,,,_
       .|         \            , '         ヽ,ノ  |,/ ,,,i、 /,,,r(y'fi
       ヽ      \  \        /       ,,、- ー ― - y''''" t"::::)ッ⌒リ
         \      \  \      , '       '"::''''"""'''''''::::|ii ||ii;;;;;i :::/ ,,ノ
          \     ( \   ,, ,. ,., ' , '        "       ソ;; |i;;;;;;;;|、''"~,、;;;;;,,,
            \    \ \  `゙ィ/         |i     :::::/;;;; 从ii;;;},〉'"    ,、'
                    , ,. ,. /`        ,.|i     :::::::〈y|リ  ::::::t,,,,,,,,,,,,,,、 '"<
                    ゙ィ/`, ' `       ゝ     '"  t ii   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
                   ` , ' /ミ   .,  /    :::: ::::...    リ ;;;;,,, .... ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
                   , ' ` ,.  , ' /, ' ;`     ::::;;;;::::::    |:::::;;;;:::: :::: ;;;;;;;|i;;;;:::::::
                   , '  /              :::;;;;:::::  | :::ヽ;;;;ハ;;;;::ヽ;;:ヽ;;;;


72 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:31:06 ID:xfCVc7aR
一32.
―――その反動で次の男へ間合いを詰めると、一気に懐に入り込んでみぞおちに拳を埋め込んだ。




               / ̄ ̄ ──────────── / ̄ ̄ \
             /    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄           /      \ヽ
             |    ─── ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      |       ( ●)
            . |      __             . |      (___ノ)            ” 、 ` /  /,  ゛
              |      .  ̄ ̄ ̄ ── _____|         ノ              ヾノ( _/ ,  ,
            .  |        __              |        }           __ ⌒ヾて
            .  ヽ     ̄ ̄ ̄            .  ヽ    ィ'⌒`────=三─── '⌒")
             /    丶 三二───────────   丶      _≡三_______ ノ ;
           /         ̄ ̄___        /        /´ ̄       =三 ̄  ̄ _ ノ(、
         /   /      /              /   /      /              /Y⌒\
        (   メ /      /三      ___ (   メ /      /
       二 ` 、 ノ      /__ _───  ̄ ̄ ̄` 、 ノ      /___
      三 ̄ ̄             三____/ ̄ ̄ ̄             ヽ
      /  三三__人____    二 ̄ ̄ /  ____人____    i
      /  二            |   ___/  /             |   |
      /  /             三    ̄ ̄ /  /             二    |
   三__丿            三_ ̄ ̄ 三二丿ル/) \从  ヽ从三三___)从/:)




73 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:32:06 ID:xfCVc7aR
一33.
革鎧を突き抜ける衝撃に、白目を剥いた男は泡を吹いて崩れ落ちる。
その手からこぼれた短剣を遠くに蹴り飛ばした彼は、流れるような動作で未だ反応できていない三人目へ向かう。



                                 ___
                   /`ー-、__          ,/     \
                _/´::::::::::::::::::::::` ̄´ ̄~ヽ/         |
.             /::::::::::::::::/\:::::::::::::::::://  \_   _ノ /
            /二二二/   ̄\ / /  ( ●) ( ●)
            // / / /〉_〉  /:::::`ヽ_|    (__人__),
            〈_〈_〈_〈_〈_,   /::::::::::::::::|        __//::\
                 /::::::::::::::::::|\__/ヽ/::::::::::::::ヽ
               __/:::::::::::::::::::/    ./\\:::::::::::::::::::|
               /:::::::___/        /........\〉:::::::::::::/\,
            /:::::::::::∠_ /_______ヽ.........../:::::::::::::/::::::::\
            ̄ ̄   |二二 二二二二 ̄\_/:::::::::::::/ ̄ ̄\:\
                     /:::::::::::::::::::::[∥::::::::::::::::/:::::::::::::/、................\|
                  〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::/::::\ ̄ ̄ ̄
                 /::::::::::::::::::::::::::,-──、:::/:::::::::::::/:::::::::::::\
              /::::::::::::::::::::::/      ヽ/:::::::::::/::::::::::::::::::::::\
           __/::::::::::::::::::::::/      ./:::::::::::/、::::::::::::::::::::::::::\
         _/::::::::::::::::::::::::::/       〈´:::::::::::/ `\:::::::::::::::::::::::::ヽ
       _/:::::::::::::::::::::::::::/           /:::::::::::/     \:::::::::::::::::::::ヽ



と、その時だった。宙を舞っていた一人目の短剣が地面に刺さったのと同時に―――



                     <´  \
                    〉= ___j
.                   /  /
                 /  /
                /  /
             i´\  /  /  バスッ!
            \ _ ̄\/
              //\  \
               //   \ {{
            //  /  /-、 \
              //  /  /   `ー'
          //  /  /
            //  /  /
         //  /  /
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75 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:33:06 ID:xfCVc7aR
一34.


                      |::ヽ/::::::〈 へ、 
                      ,-┘:::::::::::::::::::::::::::`>  
                    ∠::::::/::::::::::::::::〉ヽ::::::::\
                    /::〈:::|^^|:::::/\ト、ヽ::::::>
                     /::::::ハ|_l/l/.__-ヽ|:::」 
                    . ̄7/.|__|─|__|- lj/     「ああ、くそっ!」
                       ヘ.  __;__、u/
      バキッ                フヽ辷フイ{ヾ
                         /::::〈`l7:´::::::ヽ
      \\            ノ::::::::::::V::/:::::::::::〉
          \\            /:::::::::::7::ト/:::::::::::/
           \\         /::::::::::/:::::/::::::::://
              \\     /::::::::::/l /:::::::::/::l
            ∠二フ /:::::::::::::/ /:::::::::/::::!
              ヽ,'~つニ〉ヾ:::::::://::::::::::/::::::::j
                ゙へノ7  ヽノ<::::::::::/ヾー--¬
                 くヲ``  ヽ</^ヾフ=/{
                  _,. -ヾソ  ノ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,
           r ' ´:::::::::::::`ー‐'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::``丶
           l::::::::::::::::::::::::::::::::::_,. -─- 、_:::::::::::::::::::::::::::
              l:::::::::::::::r -- ' ´       ``'ー、:::::::::::::
           /::::::::::::::l               l::::::::::::



相手の攻撃を流し損ねたジュンのレイピアが折れた。


76 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:34:06 ID:xfCVc7aR
一35.

                                           ,人/    ヽ
                                          、フ /  /\ Yヘ
                                       ', 、 Z r'  , \/  ヾ.ヽ
                                       ', ミ _} (、 { 爪_ / /}i }
                                {  {.: .:::::::::::∧kー-<。≧⌒ミ   {l|l!ニ,
                   「口ほどにもねぇ!」 \ ゝヘ :::::{ ヽゝ 彡^ r_j__ィ  ィ ,l|||三!
                                  ーr‐'.::::::ヽ   }ト、 ヽ‐--= ´/ ,i|l|l三|
                                    ヽ.: .:::::::}   l|i!  弋三- ´/ ,|l|l|!厂}
                                    /^) .:::|  `l|il、,ヽ‐ ⌒´i|l||liィ /
                                     ̄ヽ.:::::|    ヾi|l|i|l||i|l|i|l|r'//
                                      ∧.::{   ミミ'弍二二二/ /
                                     ーヘ>.  ミミミ|彡彡´ /_
                                          `ヽ、ミミミ|彡彡 /:::::\
                                            `ミミ{彡´ /:::::::::..
                                               \  {:::/^)



周りの状況が見えていない四人目の、野太い勝利宣言と同時の体当たりをもろに喰らい、
体重の軽いジュンは地面に尻餅をついてしまう。



         _, -, =z>、  __
.       / /_,: zソ/.ソヽイ、
.      マ:r:/ \ヽ¨ソ} / l |
    ,- 、 l/    _´ヽ/=、! 、〉
  .ー' 1 Y   / フ  \>! ヽ     「うわあっ!?」
   i  / ハ  ヽ/   /! トヽ
  ,/ {  {,、_ __, ィノレ'j/
 ´ r、 \ iー-{二 ┐
    ´   rー‐' , ┴i、l   , ---
   l     ̄{└〈_,- 〉//    ',
   l      /入__ / 「/      |
   \    \ヽ/ /         {
  \  \ _, - '´ /., -- 、      |
   ヽ - /   /. :/    〉: : : : .  l ドスン!
    ̄'´    /: : : /     ̄ヽ:、: : : .|
         . l : : : { ヽ _    l: :ヽ: :}
   .  . : : : : : : /       \:}:イ


77 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:35:05 ID:xfCVc7aR
一36.
痛む身体に鞭を打って即座に跳ね起きようとしたその眼前に

            /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
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         /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´   「う………
        ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
          レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ  ま、まだだっ!」
            ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
     ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|
    /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./
  //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―
 .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
../: : : : : : : : :\: : |: : V: ∨: V: 入
/: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : \//: :/ヽ



           ./, ,/
             .// /
           // /
        ..// /  スッ
        // /
       .// /
       レ'´



手入れすらされていない、ぼろぼろだが彼の喉を切り裂くには十分な刃が突きつけられた。


78 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:36:06 ID:xfCVc7aR
一37.

        /:.:.:.:.:.:.:.:|ヾ:.:.:.:/:::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
       /:.:..:.:..:.:.:.:.:.:|:::::>/-''`.|:.:.:. /:.::.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
     / -''´:.:.:.:.:.::.:.:.|/     |:.:/:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.::.:ヾ:.:.:.:.:.::.、:.:.:::\
      ̄/:.:.:.:.:.:.:.:.V:.:.|       |:/:.:.:.:.:,、:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.::.:V:.:.:.:.:.:ヽ  ̄
.      /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト:.:ヽ __/ハ:.:.:.:.: /__V:|≧、:.:.:.:.:.:.V:.:.:.:.:.∧
     /:.:.:.:.:.:.::V:.:.├弋 ̄__/ .V:.:/_ _V=- 、V:.:.:.:.:V:.:.:.:.:.∧
     /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V:.:レ-=≦ ̄ ̄|| i:./i | ゞテ=、-、 ||ヾ:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.∧   「………!」
.   /,;,;:.::.-' /:.:.:.:.Vゞr'て・) }  ||=イ=|.| { ・ .) / || V:.:./ヾ:.:.:.:.:.:.::ゝ
     ̄   /:.://∧ `== ´ /   廴=三三=/ r─、:./ ̄ ̄ ´
.       // { ヾー==''´  {    ̄ ̄ ̄   r  }´
           ヽ .|       __       ///
             ∧      {=---ァ}     /__/
             ヽ、     ─= ‐    ノ
               ` 、       , イ
                  |> 、 _ , ィ´  .|
                r─|         ├‐ 、
                 / ..| .}        V   }
              /   V、      //   |\



だが、絶望に声すら出ないジュンと、勝ち誇って振り向いた四人目の目の前には



    /  ̄ ̄\
  /      ノ ヽ
  |::::::     (● )
.  |:::::::::::   (__人)
   |::::::::::::::   ⌒ノ
.   |::::::::::::::    }
.   ヽ::::::::::::::    }
    ヽ::::::::::  ノ
    /:::::::::::: く
    |::::::::::::::  |
     |:::::::::::::::| |



すでに、たった一人しか立っていないではないか。


79 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:37:05 ID:xfCVc7aR
一38.
その一人が味方ではないと知り目をむいた男はしかし、一対一になっても人質あがる自分が優位だ、と
束を握る手に力をこめる。



                                           ,人/    ヽ
                                          、フ /  /\ Yヘ
                                       ', 、 Z r'  , \/  ヾ.ヽ
                                       ', ミ _} (、 { 爪_ / /}i }
                                 {  {.: .:::::::::::∧kー-<。≧⌒ミ   {l|l!ニ,
             「小僧!               \ ゝヘ :::::{ ヽゝ 彡^ r_j__ィ  ィ ,l|||三!
              剣を捨てねぇと           ーr‐'.::::::ヽ   }ト、 ヽ‐--= ´/ ,i|l|l三|
                こいつの首をかっ切るぞ!」  .ヽ.: .:::::::}   l|i!  弋三- ´/ ,|l|l|!厂}
                                    /^) .:::|  `l|il、,ヽ‐ ⌒´i|l||liィ /
                                     ̄ヽ.:::::|    ヾi|l|i|l||i|l|i|l|r'//
                                      ∧.::{   ミミ'弍二二二/ /
                                     ーヘ>.  ミミミ|彡彡´ /_ ..
                                          `ヽ、ミミミ|彡彡 /:::::\ ..
                                            `ミミ{彡´ /:::::::::..
                                               \  {:::/^)


              / ̄ ̄\
         rヽ  / ノ  \ \
         i !  |  (●)(●) |
      r;r‐r/ |.  |  (__人__)  |   「この間合いなら、お前がそいつを殺すより、
      〈_L (`ヽ .}  |   ` ⌒´  ノ    俺がお前を殺す方が早いだろ」
     l` ( ``/ .  |        }
     ヽ   l  .  ヽ       }
      |,.   l   /⌒   ー‐  ィ ヽ



その言葉に殺気は全く感じられないのにもかかわらず、有利なはずの男はそれ以上口を動かす事が出来なかった。
向かい合う二十歳にも満たないこの相手が、自分よりも多くの人を斬った経験があると本能で感じたからかもしれない。

80 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:38:06 ID:xfCVc7aR
一39.

                                     / ̄ ̄\    チャキッ
                                    /ノ     \
                                     (● )        | ,r-、__  ____,r‐''7´7
                                  ((___)      |┬フ   i ̄`''´r--っ二>
                       ___,,,,..,..---‐‐‐‐'''' ヽ           |┴<   r-ニ'''''/ f'''´ /
            ___,,,,....--‐‐‐''''''' ̄__,,,,,...--‐‐‐'''''''' ̄´´ {          |__  lニ;l_,f-、~`ヾ /
     __,,,..--‐‐'' ̄_,,..--‐‐‐''''''''''  ̄               >      '"  ` ̄     /´
 -‐'' ̄,...-‐'''''''  ̄                      ,,/'"~´/               /
 '''  ̄                            /    /           , -‐ ~´
                                〈   l          r~´




           ,人/    ヽ
           、フ /  /\ Yヘ
        ', 、 Z r'  , \/  ヾ.ヽ
        ', ミ _} (、 { 爪_ / /}i }
 {  {.: .:::::::::::∧kー-<。≧⌒ミ   {l|l!ニ,
  \ ゝヘ :::::{ ヽゝ 彡^ r_j__ィ  ィ ,l|||三!   「く、くそ………」
   ーr‐'.::::::ヽ   }ト、 ヽ‐--= ´/ ,i|l|l三|
   .ヽ.: .:::::::}   l|i!  弋三- ´/ ,|l|l|!厂}
     /^) .:::|  `l|il、,ヽ‐ ⌒´i|l||liィ /
      ̄ヽ.:::::|    ヾi|l|i|l||i|l|i|l|r'//
       ∧.::{   ミミ'弍二二二/ /
      ーヘ>.  ミミミ|彡彡´ /_ ..
           `ヽ、ミミミ|彡彡 /:::::\ ..
             `ミミ{彡´ /:::::::::..
                \  {:::/^)



視線を交差させる二人、地面に座り込むジュン、意識を取り戻して呻く他の三人。
場は膠着し、野次馬は固唾をのんで事の成り行きを見守っている。



    カッコイイ-
 ゴクリ  ∧,,∧  .∧,,∧     アイツツエー
  ∧∧(`・ω・´)(`・ω・´)∧∧
 (`・ω・´).∧∧) (∧∧(`・ω・´)
 | U (`・ω・´)(`・ω・´) と ノ
  u-u (l    ) (    ノ u-u アイツラヨエー
      `u-u'  `u-u'


81 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:39:06 ID:xfCVc7aR
一40.
本気を出せば、ジュンの首に刃が埋め込まれる前に相手を無力化する事は出来る。
むしろ、その際相手に深手を与えないように、と狙いを定めて僅かに身体を傾けたのだが、
その彼の肌に群衆の輪の外から近づいてくる集団の気配が感じられた。



              / ̄ ̄\
             /ノ     \
              ( ●)        | ,r-、__  ____,r‐''7´7
           ((___)      |┬フ   i ̄`''´r--っ二>  (―――ん?)
___,,,,..,..---‐‐‐‐'''' ヽ           |┴<   r-ニ'''''/ f'''´ /
_,,,,,...--‐‐‐'''''''' ̄´´ {          |__  lニ;l_,f-、~`ヾ /
             >      '"  ` ̄     /´
          ,,/'"~´/               /
         /    /           , -‐ ~´
         〈   l          r~´



82 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:40:07 ID:xfCVc7aR
一41.
次の瞬間、鋭い制止の声がかかる。



             _,   ~ ̄ ̄ ̄¨   、
          . -=ミ            \
        /           ⌒\    \
       /   /        ヽ  \ \   ‘,_         ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
    ー=彡' /   ′       八          ∨ミメ      < そこまでだ!            >
      / /   i      | l     \  \     |  ハ     <    二人とも剣を引け!  >
       ′   |l  |   リ ト   \   、 ヽ乂_ リ   リ       VVVVVVVVVVVVVVVVV
.       } i   | 八 |   '/ 八\ _   、\ 介廴'   /
.     ノ人  戈トミ人 /_以rセ爪ヽ | \ 介ト /   {
      〃  } l  弋均ハ/ / 法功㌃ } |  爪ト /    、
         ノ人个ト /          ノ ノ /ノリ /     i|
.            }乂_ /         _彡イ厶ィ  {     j从
            八人 ヽ             / 乂从ハ }  |
               \`~`'       ,   /   ̄V八リ
                \    . イ   '`       ∨/
                    `´ r‐ '"          '¨ ̄\、
                  厶_..  -‐' '`         } :ヽ
                 _,厶;_: : : : \         { : :lヘ
                  /    \ : : : \       | : :} '

                                    __,--、__
                                 /´││    ヽ
  ,-/~/'-、                 /  └┘    ヽ
. / i__l   ヽ               /_          ゙i                        ___,冖、__
|        |              /____―――‐|                     /  |__|  \
|===========|              i__,-‐‐, ,‐‐、 ̄~l  |                    /         l
|l_-‐i i‐‐-、__|/〕〕             |ヘ   l l   `'-l/ ]〕                     i_____ニi
ヘ  l l  / | |             l )  ヘ   /  ||                     .|l_-‐‐i i‐‐-、_l||
i//^^^\ヘ  ヘ            /丿/   \ (_-- ||                   |   l l    |
/      ヽヽ )            l         \  ヘヘ                     |ヘ /"゙\/ |
(O)只(O)ノ 丿            |  i ■ ,'   ヽ  ノ----、               /       ̄ヘ
\      ``i、,--、  ,-----、,---'~(◯)  (◯)  ノ ̄ヘ    \     ,-----、_,-、 l (0) 只 (0)ソ ,----、
  `''‐-、_,ノ―‐ji  /  /´`ヘヘヘ――――┐┐┐ 丿Ξ\    \   /    l  |\`''''´   / ゙̄iヘl   ヘ
    |      / /    l(●)) ) )三三三三」 ] 」__ノ   ヘ\   ヘ  /     ノ  |  `''''''''''‐‐' ´    | ヘ   ヘ
    ,|      | /    ヘ`''''´∠ノノ=三三三ノ ノノ ̄ ̄|   |  \  ヘ /    丿  ノ      l       |   \  ヽ
    |      |   __| ̄ ̄| |≡∩∩====」_=」   |/´ ̄\ヘ i  _,/  丿      l      |ヘ   \|
 ̄ ̄´ヘ_     i___/  └─┘ーーーl l lm|ー|)二)‐‐‐-、    |     \└i´‐‐、  /i         i       |ヽ / ̄´ヽ
 i i  i i`''‐-、 /ヽ/   __/ ソ / / ///〉―⊂≡) ゙i\   |      \i   \| l      ∧____| ヽ    ヽ
 i i  i i     / _/          /  |(ニニ) i  | |\     / ̄/  / l/ ̄ ̄ ̄ ̄        |  ,‐、   ヽ
三三三三「二」 ̄|'´  i  |´ ̄ ̄ ̄/\__   |(ニニ) i  l ̄ ̄ ̄ ̄~`\ ─ヽl ―────|f |l三三三三三「」∥|≡ ゙i

騒ぎを聞きつけたのか、誰かが呼んだのか。見れば数人の衛兵と一人の騎士が現れている。


83 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:41:05 ID:xfCVc7aR
一42.
騎士の装備する、薔薇を意匠化したローゼン王国の紋章が入った鎧を確認した彼が、息を吐いて先に剣をおろした。



                  / ̄ ̄\
                / _ノ  .ヽ、\
                |  (●)(●) |       「逆らうつもりはありません」
.                |  (__人__) .|
                 |   ` ⌒´  ノ
.           r─一'´ ̄`<ヽ      }
.          `ー‐ァ   ,    )     , -'~⌒ヽ、
           ノ   {.   ,ヘ    ,l. ゝ、_ .'ヽ).
.            /, 、 _   /. |    . ',  . ..  .ヽ、
           (/ / // / / ...|      ...|\..\\ \_)
             / // / /         . . \_\_)、_)
            ー' {_/ノ              ."´



剣を地面に置き、抵抗の意志がない事を示すと、



           ,人/    ヽ
           、フ /  /\ Yヘ
        ', 、 Z r'  , \/  ヾ.ヽ
        ', ミ _} (、 { 爪_ / /}i }
 {  {.: .:::::::::::∧kー-<。≧⌒ミ   {l|l!ニ,
  \ ゝヘ :::::{ ヽゝ 彡^ r_j__ィ  ィ ,l|||三!   「ちっ!
   ーr‐'.::::::ヽ   }ト、 ヽ‐--= ´/ ,i|l|l三|    邪魔ァ入ったかよォ!」
   .ヽ.: .:::::::}   l|i!  弋三- ´/ ,|l|l|!厂}
     /^) .:::|  `l|il、,ヽ‐ ⌒´i|l||liィ /
      ̄ヽ.:::::|    ヾi|l|i|l||i|l|i|l|r'//
       ∧.::{   ミミ'弍二二二/ /
      ーヘ>.  ミミミ|彡彡´ /_ ..
           `ヽ、ミミミ|彡彡 /:::::\ ..
             `ミミ{彡´ /:::::::::..
                \  {:::/^)



舌打ちをした相手もさすがに短剣を放り出すしかない。
だが、目の前のジュンだけは見ていた。相手が助かった、と声に出さずに呟く様子を。


84 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:42:06 ID:xfCVc7aR
一43.

    / / / '         l     l       ヽ\   丶  \!
   / // /       !   |    |       \丶   \  |
  ‐十'′/ /       l  ト、   |     \  \     ヽ、 L
   |l  { l  ,′   l  ハ |`、  ト、     ヽ <⌒ヽ、_   ∨厂`丶、 「六人とも詰め所に連行せよ」
   ヽ、ヽ|  l   l   | { l |   ヽ  、丶、 ヽ \\ l }  ̄二7′   l
       l  |  |   | レ七ニ二 ̄\丶  }ヘ |\ ` / 厶   ハ !   |
        l ト、\ ヽ\=キtぞラ  }ノ/ j/  了/ ̄   /  }∧   l |
         \ヽ`ヽ、 \__ ̄      /    -ヘ/レヘ /_,  l   | ト
          ヽ}  `7ー一′          ,′     {´ ̄`ヽ、い |
              /                 /        V了\   り
             └-- 、     ,        l       ∨   〉
                 `ーこ ̄     ,    |     /  ハ
                  ヽ     , く     l   /   / ヽ
                   `一'´/ ∧   / /    /   \
                     , ィ  //!   ' /      /       \



        _,,......-........ ..、
      / ,,,,,,,- -- -.... _ `''ヽ、
     / /´       `'' 、`ヽ、
    ノ/              、 ゙i
   /                  ̄ヽ、
   /                   ゙i
   |   __,,.._...._               ,,..ヽ
   r‐‐‐'';;;;;;;;;;;;;;;;丶  ___......-‐‐''ニ二二゙i   「エンジュ団長!了解でありますっ!」
   |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ニニ_ -r─''''' -、;;'〈
   |丶..---‐―''""` イ";;;;;;;;;;;;;;;;;;/  ヽ;;ヘ
   | /\\       ヽ;;;;;;;;;;.r'´     ヘヘ
   |(⌒) ))......、    丶‐'´         ヘヘ
    |  ノ ノノ\ 、 `''''‐-、,,,,        / ヘ
     | ̄´    ヘ       ``'' ‐  //´  ヽ
     |ヘヘヘヘ    ヽ-------ィ  //     ヽ
    / ヘヘヘヘ _......_......_,,,,   //       /j
    |     ,'//////////7            ( )
    ヽ_ ,'丶       ´         ,r/
      ` ゙i...._、_____〈        //
   __/:::: :::::::::::::::::::::::: ''‐-......_.. |( )   ,―――--、
//    ゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| ̄ ̄\\      ヽ



騎士の指示に従って、衛兵達がばらばらと彼らを取り囲む。
全員が抵抗できない状況である事を確認しようと、近づいてきた騎士の顔を見て―――

85 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:43:06 ID:xfCVc7aR
一44.


                                                /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
                                            _ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::\   ,
                                           ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::、:.:.:.:/ //
                                             >:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:レ:.:.:/
                        「~~~ッ!             /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´
                         と、父さん………」        ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
                                              レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ
                                                ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
                                         ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|
                                        /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./
                                      //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―
                                     .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
                                    ../: : : : : : : : :\: : |: : V: ∨: V: 入
                                    /: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : \//: :/ヽ



一番知られたくない人だったと知り、歯ぎしりをするジュン。


86 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:44:06 ID:xfCVc7aR
一45.
                           ___
             _ -―――――-< ̄} }!
            ´      -――7  く.7./-、
        ,  ´      ̄  ,. -―/   Y´ \\
       /     ,   ,  イ   /        ヽ.` 、_.ノ
     /     ,/  /  ,/    {   {       \ ̄
     /    /        ,ノ    }  ハ  }     、ヽ.
     |!     /     _./ ,ィ / /   }  !      ヽ.}ヽ、
     |   /     `才  /:/ ,    / /    ヽ.  ヽ. }  「馬鹿者。
      {   /  、 .___./ / / ,. __/ ハ  ハ   }! i {    ………お前も行くのだ」
.     Y /   ` .ナー-r七´ //7 :/二.!_/}! }  ハ ハ!
     | / , -― 〈 /  {!  ,イ | / ´tテ::ナ}ノ ./ / リ ノ
   ,イ⌒Y´ ̄ ̄  ハヽ (ヽ. i ヾ 、_    ̄ ノイ}/ 
  〈   人  ――- ヽゝxくヽ、        ∨
   }!  ∧_ ヽ. ,xxzrく⌒´ヽ!             /
  八 {〈   ,.イ}   `    {        ,   _ '´
    }ハリ {´ i       ヽ       /
   ノ'  }!  ヽ/        {ヽ. ___/
        _∠_____    ヽ.
     /: : : : : : : : : : : :  ̄ ̄ ̄\
     入 _ _____   _厶、
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:\



騒ぎに加わっていたのが自分の息子と知って、苦い表情の騎士はそれだけを言うとくるり、と詰め所のある北を振り返る。
行くぞ、と歩き出した彼の後を衛兵達と六人が続けば、最初よりも三倍の人数にふくれあがっていた人垣が
ざぁっと割れて引き上げる一行を通した。



          オツカレサマー
シュウリョウー      ∧,,∧     ∧,,∧
    ∧ ∧    (    )    ( ・ω・) ガードキタネ
   (ω・ )     (  U)     ( つ日ノ   ∧,,∧
   | U       u-u       u-u     ( uω)
    u-u                    (∩∩)

        ∧ ,,∧      ∩ ∧_∧ 
        (・ω・*)    ⊂⌒( ・ω・) ニイチャンカッコヨカッタゾ
       ⊂∪∪⊃      `ヽ_∩∩
  エンジュダンチョーステキ


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━━━━━━━━━━━……

87 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:45:06 ID:xfCVc7aR
一46.
━━━━━━━━━━━……
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/ || || || ,/ .|| |; : " ;  :   ;:゙: ;": :;  ;  :   ;:゙: ;";゙|; ; ::  : :;: ;": :"#
| |l || ||,/|| || || |; ::゙ .:;  :   ;:゙: :; ; ;  :   ;:゙: ;": :;  ゙;  |: :  ;; |\ :: ゙::
| |l ||,/|| || || || | ;  :   ;:゙:# ;": :;  ;  :   ;:゙: ;": :;   | ::   | ||.\ ; ;"
| |l/.|| || || || || |; : " ;  :   ;:゙: ;": :;  ;  :   ;:゙: ;"゙;| ;; " .| || || \ ;
/..|| || || || || || | ;;: ;  :   ;:゙: ;": :;  ;  :   ;:゙: ;": :; ゙|;; ; ゙  \ || || |
| || || || || || || || |; ::゙ .:;  :   ;:゙: :; ; ;  :   ;:゙: ;": :;  ゙;  |: : ; ; ": \.|| |;
| || || || || || || || |;  :   ;:゙: ;": :;: ;": :;  ; ;:: .:  " ;; ゙:::| :: ; ::; .; ゙\! :
| || || || |レ|| || || | ;  :   ;:゙: ;": :;  ;  :   ;:゙: ;": :;  # |;;";;゙ ;; " :: ; ::
| || || |レ|レ|| || || | ;;: ;  :   ;:゙: ;": :;  ;  :   ;:゙: ;": :; ゙| :: ;: :;: ;": :; ; ;
| || |レ|レ||_|| || || |;; :  " ;  :   ;:゙: ;": :;  ;  : ": :;  ゙; |:: :;:  :: ;
| |レ|レ||_|| || || || | ;;: ; ,;   ;:゙: ;": :;  ;  :   ; ;": :;   | : :;: ;": :
レ|レ||_|| || || || ||  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  : ;": :;
レ||_|| || || || ||                               \: :;: ; ;; ":
|_|| || || || ||                              \: :;:: :;  ;



88 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:46:05 ID:xfCVc7aR
一47.

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒)   「剣、抜かなきゃ
. |  u  (__人__)    無罪放免だったかな?」
  |      |r┬|}
  |      | | |}
.  ヽ     `ニ}
   ヽ     ノ
   /    く
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、



衛兵の詰め所の隣、薄暗い留置所の中である。
表情を崩して冗談っぽく言った相手に、緊張を解いたジュンは肩をすくめた。



                          〃::::::::/::::ヾ:::i::::ヽ:::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::::\
                         /:::::::::/:::::::::i:::`:::::::}::: ト:::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                        /:::::::::ィ/:/:::::::: L:_ ∧:ハ::::::::::|ヾ:: l>、::ミ、:::::::::::::::V:_:::::::::::::::::::::::::i
             「さぁ………  . /:::/ /::/::::::::::::ハ    il i::::::: l 刈  ≧ミ> 、::::::::<  ヽ::::::::::::i\ |
               どうだろう」 ..// ./:::::i::::::::::::ト:ハ       l::::://_ ィ=彳司 ||== ̄`{ i }:::::|\ゝ. `
                          i ::::::ハ:::::::::::|\ゝ___  |:/ r/ ´ イt jハ ||    ノ //::::::i
                          l:::::::::::ヾ:::::::|::::::ヾ´ ≧ミ、ィ'''ヾ   ゞ┴ノノ    `./:::ノ`
                          |::::::/i::\:::V::::彳 ィ芯、}}   `ミ==''     r'´:/
                          |:::/  |::::::>:K ヾ、 _ゞノ ,             |/
                          |/   ヽ/ ヾ `ーt   ` _ ノ フ      /  | ____
                               `      ヽ   `ー´       / ̄    _   ヽ
                                       `  、     ノ  /     /  ̄ ̄ ヽ_
                                           >-イ |  〃   ./
                                         / ̄il  // /-= ' ´  _
                                       /   V/ ヽ=.//   / ̄ ̄ ̄>=- 、


だよなぁ、とかび臭く湿っぽい牢屋と鉄格子を眺めて壁に寄りかかった彼。


89 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:47:06 ID:xfCVc7aR
一48.
そこで、言わなければならなかった事に気づき、膝を抱えて座り込んでいたジュンは申し訳ない、と
頭を下げた。

                                           __   -─- _
                                    -=ニ二::::::::::::::::::::::::::::_>
                                       /:::::::::::::___:::::::::::::::::`7
                                  /::::::::::::::::f┴‐ヘ::::::::::::::厶
                                  ∠ イ::::::::i:::::::|_,.∠、ヘ:::-、:::::/
                 「すまない。              |:::::::::|l:::ト〈    } Ⅵ }::/
                  僕のせいだ」           lハ::::|「`Y、 ¨´  `y'´ ̄ ̄`i
                                        ヽ个‐' _ .ィ  // //   ヽ
                                         V ノ> 、__.. </  '     { r
                                              / /      ∨l::|
                                            |         }l::|
                          .                    l         |l::|
                                                ′           |l::|
                                            〈     /    |l::|
                                                /      /     |l::|


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)   「冗談だよ。
. |     (__人__)    俺が好きでやった事だ、
  |     ` ⌒´ノ    気にする必要はないだろ」
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ  mm
   /    ̄ ̄ ̄ つノ                      / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
   |    | ̄ ̄ ̄                          l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄
                                    ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l
                                    /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\|
                                    l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV
                 「ありがとう。             l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l
                  ………えーっと、そうだ。    l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.
                  君の名前は?」              l/ 、__',               / .:.:.
                                             ヽ     r‐‐ッ   /.
                                               入        ,..イ.:.
                                           . '´ i.:.\> -- </
                                         /     |.:./\    ノ.:



90 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:48:06 ID:xfCVc7aR
一49.
親しみを感じ始めているにも関わらず名前をまだ知らなかった事に気づいて今更だけど、と尋ねたジュンに、
彼もそうだったなと苦笑いで答えた。



     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \     「俺はやらない夫=D=ビップだ。
   |    ( ●)(●)     やらない夫と呼んでくれ」
   |     (__人__)
   |         ノ
   |     ∩ノ ⊃ }
   /ヽ   / _ノ }
  ( ヽ  /  / ノ
   ヽ “  /_|  |
    \__/__ /
                                     / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
                                       l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄
                                     ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l
                                     /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\|
                   「僕はジュン=サクラダ。   l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV
                    ジュンで良い」          l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l
                                      l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.
                                          l/ 、__',               / .:.:.
                                              ヽ     r‐‐ッ   /.
                                                入        ,..イ.:.
                                            . '´ i.:.\> -- </
                                          /     |.:./\    ノ.:


         「よろしく」                         「ああ、こちらこそ」
                 `¨ - 、     __      _,. -‐' ¨´
                     | `Tーて_,_` `ー<^ヽ
                     |  !      `ヽ   ヽ ヽ
                     r /      ヽ  ヽ  _Lj
                、    /´ \     \ \_j/ヽ
                 ` ー   ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´   `¨´
                          ̄ー┴'^´



立ち上がった彼、やらない夫から差し出された手をジュンが握り替えし、手を離した彼らは
もう一度、今度は並んで壁に寄りかかる。

91 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:49:06 ID:xfCVc7aR
一50.

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ー)(ー)   「で、事の始まりはなんだったんだ?」
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ
.  |       nl^l^l
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \



  / /.:/.:   i.:.:.:l.:.:.:l.:.:.:/ l.:.:.:.:.:.:``´.:.:.:.:.:.: |.:.:.、.:.:.:.\
    l.:.:./ .:.: .|.:.:.:l..:/l.:.:/ |.:/l.:.:.l.:l.:.ト、.:.:.:.:. |.:.:.:.\  ̄
  ./.:./ :. :.: :|.:.:.:l/ .l.:/  |/ l.:.:N.::.|__\.:.::|.:.:.:.:.:.:l
  /.:./ .: .:.:.: :|.:.:.:仁l/二ニ  l.:仁l:/=== ヽ:!.:.:.|\|  「泥酔してた奴らが女の人に絡んでた。
  l:/.l.:.:.:.:.:.:. .ト、.:.l テ示ミヽ1 Ll/ l 「 戍テミ lトV     そのまま手を引いて無理矢理連れて行こうと
   l.:.:/l .: ハ:lN{ 辷ソ ノ ! 「 ̄l |弋辷ソ l1 l     してたんでね、ケツを蹴っ飛ばしてやったのさ」
   l:/ l.:/   lL_ __ノ  ,  ヽ _二 ノ.:.:.
       l/ 、__',               / .:.:.
           ヽ     r‐‐ッ   /.
             入        ,..イ.:.
         . '´ i.:.\> -- </
       /     |.:./\    ノ.:



   / ̄ ̄\
 /   _⌒  \
 |   (●)(●)  「おいおい、騎士殿にあるまじき行為じゃないのか、
. |   ⌒(__人__)   そいつは」
  |     |r┬| .}
.  |     ー―' }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ



92 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:50:06 ID:xfCVc7aR
一51.
てっきり真面目に割り込んだと想像していたやらない夫は、意外な展開に吹き出すしかない。
ご機嫌な話の続きを聞こうと視線を向けると、



            /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
        _ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::\   ,
       ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::、:.:.:.:/ //
         >:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:レ:.:.:/  「本当は、まだ………
         /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´    騎士じゃないんだ」
        ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
          レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ
            ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
     ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|
    /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./
  //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―
 .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
../: : : : : : : : :\: : |: : V: ∨: V: 入
/: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : \//: :/ヽ



予想もしなかった苦しそうな告白が後に続いた。



      __     ━┓
    / ~\   ┏┛
  / ノ  (●)\ ・     「なんだ、見習いなのか」
. | (./)   ⌒)\
. |   (__ノ ̄   \
  \          |
    \       /
.      \  ⊂ヽ∩
      /´    (,_ \.
       /       \. \
      ./   /       |. \ソ
    (  y'      .|



93 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:51:06 ID:xfCVc7aR
一52.
          __   -─- _
  -=ニ二::::::::::::::::::::::::::::_>
      /:::::::::::::___:::::::::::::::::`7
  /::::::::::::::::f┴‐ヘ::::::::::::::厶        「見習いですら、ない。
∠ イ::::::::i:::::::|_,.∠、ヘ:::-、:::::/         十日後の募集試験を受けるつもりだけど」
    |:::::::::|l:::ト〈    } Ⅵ }::/
    lハ::::|「`Y、 ¨´  `y'´ ̄ ̄`i
      ヽ个‐' _ .ィ  // //   ヽ
        V ノ> 、__.. </  '     { r
              / /      ∨l::|
            |         }l::|



はったりだった発言を恥じ入り、俯くジュンの様子にしばしやらない夫は考え込んだ。

ややあって。



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)  「ケツ狙いはどうあれ、
. |     (__人__)   性格は騎士向きだろ。
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }   困ってる人を助けたんだから」
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <
   |     |


94 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:52:06 ID:xfCVc7aR
一53.
 /::::::::::::::::::::::::::::/::::\:::::|::::::ヽ:::::::::::::::::\::::::::-──
_,,- -ィ::::::::::::::::::::/::::::::::i:::V::::::::::::>:::::::::::::::::: \:::::\
 /::::::::::::::::::::/::::::: : :|:::::V/ ̄ V:::::::::::::::::::::::\::::ヽ
/::::::ィ:::::::::::::::{:::::::::::::::i: | ̄     V::ト:::::::::::ハヽ;;::ゞ:::ヘ   「ありがとう。だけど、君だってそうだ。
:::/:::::::::::::::::::|::::::::::::::ハ:|        |::i \:::::::}:::::ト-;;::::ハ   あれだけ見ている人がいて、
/:::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::| リ───''  i:リ ニ彡:::iト、;ヽ \::i   助けてくれたのは君だけだった」
:::::::::::::::::::::::::::::|::::::: :: |_,,,-===ヽ/ _||=__メ:| ||   ヾ
::::::::::::::::::::::::::::ハ:::::-::|>'' ̄=.ィ-  ||=||{t..:jア ||
::::::::::::::::::::::::::::i>\:: |||マハ廴ソ  ..川 ハ ̄ iノノ
:::::::::::::::::::::::r-、}''´ \||  ̄    //  ノ ` ̄ |´
::::/i:::::::::::::::| /ヽ    ヾ==─''´´      /
:/ |::;;::::::::::ヽ  >        `ー -  /
  レハ:::::/i::::::≧::-:、          /
     レ'  ̄ ̄ ̄Yi      ____./ _
     _...-:::'´ ̄ ̄`:-..、    |ー- ∧ }、_
    i: : : : : : : : : : : : : : : : `::-.┴..、: /: :}: :}: : : ヽ
   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : ヽ /::/: : : : ∧



真剣なジュンの感謝に、ちょっと照れくさくなったやらない夫はいたずらっぽく首を振った。



         / ̄ ̄\
       /   _ノ  \
       |    ( ⌒)(⌒)  「実はちょっと後悔してるだろ。
          |     (__人__)   またしても厄介ごとに首を突っ込んだって」
        |      ` ⌒´ノ
          ,|         }
       / ヽ       }
     く  く ヽ     ノ
       \ `'     く
        ヽ、      |
            |       |


95 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:53:06 ID:xfCVc7aR
一54.


      ,//: :ヽ: : Y: /:、: : : : : : : :\: : : : : : : : \
    /: :/: : : ∧: : ;′1: : : : : : : : : l: : : : : : : : : :∧
   ∠二ィ: : : : l::∧: :!:::::l: : : : : : : : : :|: : :ヽ: : : : : : :∧
      /.: : : : :|::::::∨::::::l: : : : : : : : : :l: : : : ∨: : : : : :∧
    ,r': : : : : : 「¨¨`""¨1: : : : : : : : : l: : : : : ∨: : : : : :∧
    |! : : : : : : l       l: :;ィ: : : :∧ : | : : : : : ∨: : :ヾ : ∧   「はは、言ってら。
   イ!: : : : :i: : !.      !:/ l: : :/ ヽ: ト、 : : : : ∨: : : :\;ハ   最初から全部分かってて首を突っ込んだって
   /l: : : :,∧:厶-‐、  レ' !‐ナ―-ゞ! ヽ、: : : :i: : : : : :l ヾ   顔をしてるよ?」
    !.:!: : ;ィ: : ト1===ミ:、   l.:/彡==`=ミ:、ヽ : : l.: : : : : |
   .l.;イ : ;ハ イl:i゙ '乍ミ1L..../;」i ィ卞ぅx、 ! ヽト、:l: : : : : :|
   .レ'l: :/  リ |:|  ヒ;リ |「 ̄"゙1l  ヒzリ` l l`ゞ- 、.: : :lヽ:.!
    レ'’   ヾ ___ノ.'   ヾ: 、__.ノノ ´rハ !:、:| ヾ
          i ̄ ̄ i       ̄ ̄ ̄  ムソ:.;ハノ
           、             r彡;〃´
           ヽ   ヾニフ       ノレ'´
            \          ´ ,L. -‐ 、_
              ヽ . _ ,   , ィ´   ,.、二ミ:ォ
               ,.-‐=ニj,.ィ'´   / ̄ "¨ヾ\L、
             _r'´  レ"   _ニ=′    二ニ=   \
           rく ヽ   j ,-=ニ¨       イ=‐- 、    >"



確信を以て突っ込んだジュンに、まさしくその通りだった彼は肩をすくめると、いつもの事さ、
と誤魔化すように呟く。



          > -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ /:.:.:|
          >:.-:.-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`´:.:./
        r‐ ':.´:.:.:.:.:.:.:.:.::./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:|:::ヾ:.:./::|:.:.:.:.:.:.:/
      /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:| ̄`''- 、;i:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ヽ
       /:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.|      |∧:.:.:.:.:|:.:.:.:.:}
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V:.:.:./ -V:|_    //:::.:.:.:.:.:K:.:.:.:|  「ところで君は………」
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∠V:./={´rvミ、=、_,, ,/ |:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.|
  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´\-;/ ̄ V ̄ | |イ≧ミ=、/   |:.:.:/:.:.:<´ヾ|
  ` '' 'ー -ァ:.:.:/:::r::j::./:::::::.    | | 辷り` |}_ r-Vソ:.:∧}
      /:.:.:.:ヽ::::::::::i:::::::::::    ヽ廴_  <テ=/rァヾ:∧:.|
      フ/:.:.:.:.:.\::::::::::::::::      ̄ヾ=ノ  <-ン /:| .V
      ´''- 、:.:.:.:./::::::::::::::::          /=テヾ|
          ヾ/:::::::\::::::..     ー -    /
           /:::::::::::::::::::::::::...     -  ./
      /\./::::::::::::::::::::::\:::::::::...    /
     /   ∧:::::::::::::::   /` 'ー - ' ´

96 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:54:06 ID:xfCVc7aR
一55.
この町の人じゃないな、とやらない夫の頭からつま先までを見回したジュンは、冒険者そのものの
格好に少しだけ目を細めた。



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \   「ああ、世間一般で言うところの冒険者だ。
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)   職業は戦士………で、
  |     ` ⌒´ノ   三年ほど前から一人で旅してる」
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <
   |     |
    |     |



::::::::::::::::::::::::::ハ::::::::::::::/i// i:::::::::::::::::::::::::|::::::|:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::\
::::::::::::::::::::::::::::ハ;;;;;;;;;/-'´   .|::::::::::::::::::::::::ト::::: ト::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::ハ ̄       |::::::ハ::::::::::::::| \i \::::::::::::|:::::::::::::::::::::ハ
::::::::::::::::::::::::::::;:::ハ        |:::/ V::::::::::リ    ィ=ハ:::: |::::::::::::::::::::::::\  「ええっ!?
:::::::::::::::::::::::::::::iヽ:ヘ      |:/   V::::::/   /イ=フi}ヾ─────'`  もう一人立ちしてるのか?
ヽ:::::::::::::::::::::::::| \ヽ     |i!    }::/   r''´ゞハi l:ヽ
::::\::::::::::::::::::::|   \   __ニ三イ   ||r j}i| .i lヾ}          家族はどうしてるんだよ」
::::::::::\::::::::::::: |   /::::_,,,ィ彡=''´i/il_,==|.しソハ ノノ-、
:::::::::::/ \::::::::::ヾ /:- ''´>''´ -=イ`  ||r'´` ハ彡 y/: : : :\ニニミ-、
::::::::/   `ー- xゝ rィ彡''´イッ:::リ  /i   ミー=´i: : : : : : :`:-:、: : :}ソヽ
:::::/::ハ_____/ /  / ヒ:::..ソノ {.リ    }.  l-、: : : : : : : : i: ://: :ハ
 ̄ヽ──────、ハ ヾ  ゞ''´  ノノ    ./  ./: :ノ: : : : : : : : l: i l: : : ハ
i ヽ ` -ゝ      ヽヽ ミ=''´ //       /: : i: : : : : : : : : l: i l: : : : :ヽ、
{  ハ         \\__//    , ィ /: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : \
 `   廴     し   ー─''´    ir'_´'´ ./: : :/: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : /
>、_   ー                     /: : :/: : : : : : : : ::/: : : : : : : : : : :/
: : : : : >-、_ハ、               ハ/: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : :/ハ



97 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:55:06 ID:xfCVc7aR
一56.
        / ̄ ̄\
      /      \
      |::::::: :      |   「………最初は親父と一緒だったんだが、
     . |:::::::::::::     |    三年前に病死した。
       |:::::::::::::      |
     .  |:::::::::::::::     }   おふくろは………顔も覚えていないだろ」
     .  ヽ____    }
        r'ニニヽ._\. ノ
      r':ニニ:_`ー三`:く._
    /: : : : : : :`,ニ、: :_:_;>
 .   /: : : : : : : : / : : : ヽ\
   | : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.
 .   |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l
    |:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l
 .   |:.:.::.:.::.::l.__: : : :/::: : : : :l/



ジュン自身二年前に母親を亡くしているが、父に姉、妹は元気すぎるぐらい元気にしている。
少し俯き、抑揚のない声で答えたやらない夫が孤独を思い返していると察し、胸が痛くなった。



: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : |: : : : ヽ: : ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : :./\: : : : : ト、: : : : ト、: : /: :∨ :.l
: : : : : :∧: : /──{/、.  \ : : |.-\: : |ー∨、: : : : : |   「ご、ごめん。
: : : : :./ 1/     .i   l\:|   \|   |: : |\;!   余計な事、聞いた」
: : ,、: :{           |-‐‐-|         .|:ヽi
: :{ ヽ'           !   |         ハ:_}
ハヽ ヽ_____,ノ   ヽ_______ノ }
ハ: :`-',  ! | |  ! !      ' ! |' | | 川/ ノ
  〉: :.:∧   〃'ー──-----、    ,イ"´
   ̄  \  ヽ______丿  /
        >、         ,イ´
 ,────、__` ,‐──┬'"´ __
/        |   !     | ̄l ̄    `ヽ
.         |  ー──'  リ      }



裕福な貴族に生まれ、恵まれた環境で育った自分とは、およそかけ離れたやらない夫の境遇を、
彼は的確に想像する事が出来なかったのだ。

98 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:56:08 ID:xfCVc7aR
一57.
    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( ●)(●)    「謝る事でもないだろ。
 . |     (__人__)
   |     ` ⌒´ノ     それでジュンは?
 .  |         }      さっきの騎士は親父さんなのか?」
 .  ヽ        }
    ヽ     ノ  mm
    /    ̄ ̄ ̄ つノ
    |    | ̄ ̄ ̄



          __   -─- _
  -=ニ二::::::::::::::::::::::::::::_>
      /:::::::::::::___:::::::::::::::::`7
  /::::::::::::::::f┴‐ヘ::::::::::::::厶        「………そうだよ。
∠ イ::::::::i:::::::|_,.∠、ヘ:::-、:::::/         サクラダ家の男は代々騎士になる事が決まってるんだ」
    |:::::::::|l:::ト〈    } Ⅵ }::/
    lハ::::|「`Y、 ¨´  `y'´ ̄ ̄`i
      ヽ个‐' _ .ィ  // //   ヽ
        V ノ> 、__.. </  '     { r
              / /      ∨l::|
            |         }l::|



先程の、幻滅したような父の視線が思い返される。
改めて自分の無能さを実感して再び俯いたジュンは、どうして僕はサクラダ家に生まれたんだろうと
今まで何遍も繰り返した問いを呟いた。



99 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:57:06 ID:xfCVc7aR
一58.
┏──────────────────────────────────────────────┓

  家には姉、僕、妹しか居ないから逃げ出す訳にもいかないし―――

┗──────────────────────────────────────────────┛
              _
                //⌒ヽ
            //    \ 、
              | |       }_}、__ -┐
              | 廴r…‐ /⌒|i  卞ミ‐ 、_             /   __ヽ、ヽ、, -‐    \ヽ,ィ´ ̄ ̄j
            r ヘヽl| 「 |  !|  } ノ   \          /´ ̄ ̄ rゥ=-\ ヽ、_,ィ――-- 、ヽ___ -‐ヽ.
            > '⌒ヽ_ヽ     l/ _,ノイ  -、   ヽ        /      ,>ァ‐ 丶_rrス7´ ̄ ̄`>ネ-- ニニ、ヽ
        / // /イ ∧   / ィハヽ\  ゙,ヽ  ',            / / __,.ィゝ、ト'ニニニニrベヽヽ.  //
 .        / / /〃/ il トヽ\//厶ハヘ \ ! ゙  i           , イ   ゙ラ´ ̄´/   ,′ !`¨´ヽハ¨Lヾ.、_ヽ\
         ' / /// | 「`l |`⌒ ^""´ ⌒l |^ヽ.ヽト 、l l         / / / ,′   ,′,′i  |    |、  `iー、--ャ
       {/  ′′レ′l |        l |  |l | } | |        / ,:′,' /  / ,' |___|___|__|    j| |', ヽ ',
      /   | ||ト .,_l'__      __,.斗 ‐|l | '! L      /  ∥ ! ||  |.ィ'´| __|_|_、 !` !  /ノ_|_  ハ| |  i
       |,ィ  l |i ! l _⊥_       _l_ l /∧イ ノ 冫        ∥ | || '´| |,ィ´ィ- 、-ミ V ,′/イ´ノ `ソ、! ! !  |
      ( ー人八 {,イ㌃i^ド  __   '1㌃i小!//-、} ヽ {     `ヽ、 ∥ | ||、 レ',:僞孫}}  ,ノ_,ノ_ノ ,ノ=、 ,' ノソ /  ノ
       >'  ノ { ハ. ゞ-'ノ  }´  `{ ゞーノ イ リ ハ`ト、   ゝ-、ヽ.|!、 ヘ. '、く {{刄fj勺     ,:俐} jノ_ノ´/|/
      ∠_ -く_rヘ, ハ  ̄   ′、  、  ̄   /_.ィ_∠.ノノ__ノ    ヽ、__`ヾヽ>、 ヽヾ廴__,ノ      仗V ム_ ´-‐ヘ
     (廴_) )ノ _フヘ ー‐   _ _  ー‐ イ: : 卞 { { {     /   ̄ヾ、  \ \ 、、、      弋シノ゙ハ `ヽ、 |
     `ァーr'´/ ノ/: へ、  ヽ  ′  /ハ: : : i \, -ミ⌒i   < ̄ ̄,ィ‐`ー-、ス¨`        冫 、、、,′冫、 冫
     (   ゝァ '´ i: : : :ハ>  __, <彡'/ |: : : |  \ノ,ノ   =、-`ヽ、__ー-r'-、丶、   r_ァ    ノ ̄ \ `ソ
 .       /   |: : : l| ヽ` ー -   /  |: : : |     ヽ      ̄,>ォ' r`ヽ.` く\ `>--― ァ''´ ̄ ̄`フ¨´
         |     |: : : l|   \   /     |: : :.:|   , '|     //´ ゝ{- _\ノ`ーヽ.___ノ ̄ヽ ̄jヽ二フ´
         |  \. へ、 :|ヽ   / く    .イ|: :_:人 /  |      ヽ{   |´/  ´    \`ヽ  ̄/ ̄ハ
       、    ′: : :`: ┴─'ー-ヘ  /:': ̄: : :ハ'    |
        ト、  l: : ┌───────────┐ |             ┌───────────┐
            │  姉:ノリ=サクラダ  ....│           │  妹:雛苺=サクラダ   .│
            └───────────┘           └───────────┘



100 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:58:06 ID:xfCVc7aR
一59.
┏──────────────────────────────────────────────┓

   ―――正直、重荷なんだ。
   父さんはこの国の騎士団で一つの部隊を預かり、警備隊長をしてる。
   最近騎士団でも派閥争いが激しいらしくて、僕がみっともないマネをすると父さんが馬鹿にされるんだ―――

┗──────────────────────────────────────────────┛

ローゼン王国騎士団構成

  薔薇親衛騎士団  王族警護・王城警備
  第一騎士団       王城警備・王都警備(団長:エンジュ=サクラダ)
  第二騎士団       王国中央警備
  第三騎士団      王国北方警備
  第四騎士団      王国西方警備
  第五騎士団      王国南方警備
  第六騎士団      王国東方警備



101 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 19:59:06 ID:xfCVc7aR
一60.

            /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ|:.:.\
        _ - ' ´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.::\   ,
       ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::、:.:.:.:/ //
         >:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:レ:.:.:/   「だから、余計に、
         /:.:.:.:.:.:./:.:.:.:._;,;,-‐''''´:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.-='´    今日の事は………」
        ` -、:.:.:/:.// ゞ:.x 、-ー ''´|:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.\
          レ、:レ´∧ / `  \ .ヾ|:.:/|:.:.:.:.:.|:.:.:r、_::ゝ
            ミ,;,;:.::|       `>ミ_.|:.:.∧|:.:.:.:}
     ,__ r‐─ v'´  ヽ     /ヾ∠.|:/|:./:.:.:.:.|
    /.: : : : : : \: : : :\   、   _ ヽ '´ |'' ´ レハ:.:./
  //\: : : : : : \: : :: :>v \  ヾ_ , -―
 .//: : : : :\: : : : : : V/: : K: : : ミ'´
../: : : : : : : : :\: : |: : V: ∨: V: 入
/: : : : : : : :: ::: : :V: : : : : : \//: :/ヽ



どうしてもっとうまく立ち回れなかったのか。
男を二度蹴って振り返ったそこに、残りの二人が立ち塞がって逃げ出せなかったなんて
状況確認が足りなかったとしか言いようがない。



     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)
.   |     (__人__)   (……………)
    |     ` ⌒´ノ
   .l^l^ln      }
.   ヽ   L     }
    ゝ  ノ   ノ
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ



ゴッ、と床石を殴りつけたジュンはそれっきり黙り込んでしまい、
なんと言えば良いか分からないやらない夫も、どこからか響いてくるしずくの垂れる音に耳を澄ませるしかなかった。

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━……


102 ◆GV1zPRS/Lk 10/07/28 20:00:08 ID:xfCVc7aR
本日の投下は以上です。
閲覧ありがとうございました。









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